ロックマンエグゼTR 作:謎沢
28 / 40
第28話 狂気
次の日、熱斗たちは、ムラヤの町を出て、イオ国に入った。熱斗たちは緊張した。もしかすると、殺されるかもしれない。しかし、自分たちには使命があった。
砂漠を歩いていると、砂漠のど真ん中に人がいた。
「もしかすると軍隊の奴かもしれない。」
昭二は言った。しかし、すぐに軍隊ではないことが分かった。服装が赤いのである。しかも、長袖、長ズボン。まるでサンタクロースのようだった。
近づいてみると、サンタだった。しかし、熱斗たちが想像したあの長いひげのサンタではなく、若いサンタであった。
「どうしたんですか。」
スバルは、そのサンタに聞いた。サンタはこう答えた。
「もうだめなんです。何もかも。子供たちに届けようとしても、子供はどこかへ逃げていて、所在が分からない。さらには、サンタの中には、たまたま戦いに巻き込まれ、死んでいった仲間もいます。それで、私はサンタをやめようと。」
熱斗たちは思った。そんなことはさせられなかった。
どうすれば、よいのだろうか。
そのころ、国王周辺は緊迫していた。
「なに、またここへ戻ってきそうだと。さっさと捕まえろ。軍隊を集めろ。殺してもいい。」
国王はもう大変なまでに狂気になっていた。それを誰も止めることは出来なかった。
部下は指令した。
「はやく。はやく。軍隊を出せ。誰でもいい。早く」
国は、狂気に満ちてしまっていた。
そんなころ、熱斗たちは、サンタにあることを言った。それは、
「地球の戦争は絶対止めて見せます。」と。