ロックマンエグゼTR 作:謎沢
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第23話 噂にゆりうごかされ…
そして、カスパの町の中では、ある少年が捕まって、この機械に入れられることが噂になっていた。
そういう情報はスバルたちの耳に入っていた。そして、昭二にあることを話そうとした。
夕食のとき、スバルは昭二に話しかけた。
「実は、私たちは、一人の少年とはぐれてしまったんです。」
それに昭二は驚いた。昭二は聞いた。
「それで、町で噂になっている少年を助け出したいというのか。」
昭二は分かっていた。機械に入れられるのはその少年だということを。
「分かった。君たちが会いたい少年かは分からないが、きっと助け出そう。こんなことはあってはならん。」
昭二は、次の日、あの役人のところへ行った。
「参加させてください。」
その言葉に役人は喜んだ。昭二は、国の中で優秀なのだ。
そして、役人は言った。
「では、案内を自宅に送付します。それをご覧になってからお越しください。」
順平も町の噂を聞いていた。そして、警察の前で、ひそかに黒いバンに忍び込んだ。
なぜか、バンには大きな箱があった。多分、捜査用に使うのだろう。順平はその中に隠れていたのだ。
バンは、砂漠地帯を通り、隣の町、ヒムラに着いた。そして、熱斗は研究施設の地下室に放りこまれた。
地下室にはもう一人、少女がいた。熱斗は声をかけた。
「やあ。」
それに少女は返事ひとつ返さなかった。
熱斗は退屈な時間をすごした。なんと、食事もでないのである。しかも、少女はぜんぜん反応しなかった。そして、いつのまにか夜になっていた。熱斗はやることがないので、寝ることにした。コンクリートの床の上に無理矢理寝た。コンクリートの床は冷たいが、布団などいいものはなかった。
熱斗は夢の中で見知らぬ少女と出会った。あの少女ではない。見たことのないような少女だった。