ロックマンエグゼTR 作:謎沢
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第21話 捕虜
「最初に始めたのは、誰だかわからないのだが、この戦争は複雑怪奇である。途中から宇宙人がやってきて、この地球を攻撃したのだ。しかも、その直前には、殺し屋集団が世界を駆け回るようになった。このままでは、この空間はなくなってしまうだろ。現在だってそうだ。少年たちまでもが、軍に行ってしまい、子供がなかなか生まれなくなった。国は、少年たちから、精子をもらい、それを人工繁殖しているが、今は、皆が生きるのに必死で、子供など作っている余裕などない。だから、さらに子供が減っているのである。」
その場の空気は静まり返った。この国の直面する危機にスバルたちは何もいえなかった。
そのころ、熱斗は町の警察機関に捕まっていた。
「危なかった。もしも反乱や強盗を起こされたらたまったもんじゃない。」
警官は熱斗にはき捨てるように言った。
「さて、じゃあ、軍人権検査センターに送る準備ができたようだ。おい。こっちへ来い。」
そして、熱斗は黒いバンに乗せられ、軍人権検査センターに連れて行かれた。
軍人権検査センターは3階建てで、ちょっと古かった。今の日本で言うなら、昭和50年制と言ったほうが分かりやすいかもしれない。鉄筋コンクリート造り、外壁には茶色いタイルが貼られたビルだ。
そして、担当の職員は言った。
「すいませんが、ここに書いている用紙の順番でこれから、私と一緒にまわっていきます。」
そして、熱斗と職員は、暗い廊下を歩いていった。
廊下の突き当たりには、体育館みたいなところがあった。まず、測ったのは、身長・体重(重くちゃぁ、乗せられないもんな)・座高(高すぎちゃぁ、乗れないもんな)・視力だった。
「では、身体能力行きますか。」
そして、腹筋・反復・短距離など、基本的な能力を測って行った。