ロックマンエグゼTR   作:謎沢

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第17話 軍事王国

「ヘクション。」

熱斗はくしゃみをした。

「大丈夫か。はい。」

少年は、熱斗にミルクを持ってきた。

「ありがとう。」

そして、少年は言った。

「あしたにでもここを離れるか。」

「一体、どういうこと。僕、まだ、仲間を探し出せていないし・・・。君はここに住んでいるんじゃ・・・。」

「いや、僕は、国から追いかけてられているんだ。それに、多分、君の探している仲間は、ここにはいない。伝説では、森からある遺跡に飛ばされたといううわさもあるしね・・・。」

少年の言葉に、熱斗は驚いた。少年は話を続けた。

「この世界は、もうだめなんだ。何もかもが。」

「それって、どういうこと。」

熱斗が少年に聞いた。

「僕は実は、兵役で宇宙へ行っている年なんだ。」

「宇宙?」

熱斗は空を見上げた。

「ああ、今、世界は、宇宙と、地上で紛争を起こしている。」

熱斗は少し驚いた。そして言った。

「しかし、なんで逃げ出したの。」

「それは、僕を国は殺そうとしたからだよ。」

それに熱斗はさらに驚いた。

そして、少年は、さらに話を続けた。

「この国では、子供が生まれて、そして、小学校5年のときに、兵軍学校というところで、男子はある試験を受ける。それは、軍隊入団。男なら、誰もが逃げられないものだった。そこでは、体力・病気診断を行った。ここまでは普通なのだが・・・」

少年は泣き始めた。熱斗は、少年を抱いた。

「大丈夫。俺と一緒に行こう。」

それに少年はうなづいた。すこしたった頃、まだ少年は口を開いた。

「僕は、友達をなくした。なぜなら、その試験に合格できなかったものは、夢の国というところに連れて行かされる。そして、そこで厳しい労働が待っているんだ。食事ももらえずに、ただ一日中、働かされる。そして、皆だんだん力がなくなり、亡くなっていくんだ。」

「そうなのか。」

熱斗は話を聞き終わると、少し黙ってしまった。

[この国によって、少年たちが困ったことになっている。助けなくちゃ。]

そういう心が芽生え始めた。それと同時に夜が明けようとしていた。


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