ロックマンエグゼTR 作:謎沢
「ヘクション。」
熱斗はくしゃみをした。
「大丈夫か。はい。」
少年は、熱斗にミルクを持ってきた。
「ありがとう。」
そして、少年は言った。
「あしたにでもここを離れるか。」
「一体、どういうこと。僕、まだ、仲間を探し出せていないし・・・。君はここに住んでいるんじゃ・・・。」
「いや、僕は、国から追いかけてられているんだ。それに、多分、君の探している仲間は、ここにはいない。伝説では、森からある遺跡に飛ばされたといううわさもあるしね・・・。」
少年の言葉に、熱斗は驚いた。少年は話を続けた。
「この世界は、もうだめなんだ。何もかもが。」
「それって、どういうこと。」
熱斗が少年に聞いた。
「僕は実は、兵役で宇宙へ行っている年なんだ。」
「宇宙?」
熱斗は空を見上げた。
「ああ、今、世界は、宇宙と、地上で紛争を起こしている。」
熱斗は少し驚いた。そして言った。
「しかし、なんで逃げ出したの。」
「それは、僕を国は殺そうとしたからだよ。」
それに熱斗はさらに驚いた。
そして、少年は、さらに話を続けた。
「この国では、子供が生まれて、そして、小学校5年のときに、兵軍学校というところで、男子はある試験を受ける。それは、軍隊入団。男なら、誰もが逃げられないものだった。そこでは、体力・病気診断を行った。ここまでは普通なのだが・・・」
少年は泣き始めた。熱斗は、少年を抱いた。
「大丈夫。俺と一緒に行こう。」
それに少年はうなづいた。すこしたった頃、まだ少年は口を開いた。
「僕は、友達をなくした。なぜなら、その試験に合格できなかったものは、夢の国というところに連れて行かされる。そして、そこで厳しい労働が待っているんだ。食事ももらえずに、ただ一日中、働かされる。そして、皆だんだん力がなくなり、亡くなっていくんだ。」
「そうなのか。」
熱斗は話を聞き終わると、少し黙ってしまった。
[この国によって、少年たちが困ったことになっている。助けなくちゃ。]
そういう心が芽生え始めた。それと同時に夜が明けようとしていた。