オカマおじさんの高野によって呼び出され、ナギと雪路を謎の薬によって眠らされてしまった。
そして、ハヤテとヒナギクには料理対決をすることになった…
「課題は中華料理ということでいいね!」
高野は言った。
「いいですとも!」
ハヤテはそう応対した。
「但し、言っておくけど、薬を飲まされたものは2時間以内にこの解毒剤を飲まないと死んでしまうからね。中華料理は僕の得意分野だ。さて、君は僕に勝てるかな!こやつらの命を懸けて、そして、三千院家の執事として!」
高野はハヤテにプレッシャーを掛けた。
ハヤテは、料理が得意だ。だからこそ、プレッシャーが掛かる。
三千院家の執事として、そして、その執事の得意分野での敗北はとてもないことである。
しかし、時はこうしてるあいだも過ぎていく。
もう、もとには戻れなかった。
調理場に行くと、すぐさま、
材料を取りに、倉庫へと向かった。
ヒナギクも後に付いて行った。
「ねえ、ハヤテ君は何を作るの?」
「マーボーナスを…。」
「麻婆茄子?」
ヒナギクは怪訝そうな顔で見た。
「はい、中華で勝負しろと言われても、凄い料理を今から短時間で作ることは出来ませんし、だからといって、ラーメンでは、戦えないと思って…。」
そして、二人はすぐさま、調理場に戻った。
ちらっと相手を見るとラーメンを作っていた。(当然ながら、三分のではない。)
とんこつスープを作っているらしく、鍋の中が、グツグツと煮立っていた。
「ハヤテ君、手伝わなくてもいい。」
ヒナギクがハヤテに聞く。
しかし、ハヤテは、
「いや、これは、三千院家の執事としての名誉もあるので、いいです。」
と断った。
相手は、そんなことはお構いなしに、どんどんと作業を進めて行った。
材料を練るときや切る動作は、人間業と思えない動作だった。
野菜を切れば、たちまち、空を舞って、皿の上に乗る。
そんな状況だった。
「この勝負は負けられない。」
ハヤテもその光景を見て、中華包丁を手にとると勢いよく、野菜を切っていった。
「すごい…。」
ヒナギクはそうおもった。
そして、時は刻々と流れて行った。
「できた。」
ハヤテは苦心の末、麻婆茄子を完成させた。
「ほう、じゃあ、こちらも準備はできている。早速、審査員を呼ぼうとするか。」
審査員として呼ばれたのは、なんと、あの生徒会3人組だったのだ。
「おーい、ハヤタ君、それに、ヒナ!!」
いつもどおり、瀬川がそう声をかけてきた。
それを遮るように三人のそばにいた女性が、こう言った。
「君たちには、料理審査をしてもらう。美味しかったほうに手を上げて欲しい。」
ヒナギクは、三人に向かって、
「ハヤテ君の料理のほうを選んで」
と声を上げた。しかし、その女性に、
「これは、勝負だ。もしも、勝負を妨害するようなことがあれば、即刻、失格とするぞ」
と言われてしまった。
はたして、勝負の行方はどうなってしまうのか。
次回に続く。