「あれ、ここは?」
目を覚ますと、何故か無味乾燥な空間にいた。
「あれっ、前に柵が…、まさか、これって、飼い犬ごっこなのか。」
なんか、変なことに気づいてしまったハヤテ。
しかし、現実にハヤテを犬に出来る人は、、
結構いるが、ここまでするのは国家権力である警察だけである。
しばらくして、ようやくハヤテは警察に捕まって拘置所にいることに気づいた。
「どうして、」
ハヤテはそこが謎だった。
ハヤテは、函南の駅についた時には、既に記憶がなかったのだ。
ハヤテは拘置所の静かな中で考えた。
殺人でも起こしたのではないか…。
前、殺人を無意識に行ってしまうということを聞いたことがあった。
そして、その殺人犯は、両親が離婚して、複雑な環境で育ったと。
ハヤテも、両親はいるものの、小さい頃から、複雑で過酷な環境で育ってきていた。
「自分はやはり、この世に存在してはいけないものなのではないか…。」
そのような思いがこみ上げてきた。
しかし、それだけ考えていても時間が立つばかりだ。
そんなこんなで朝がやってきた。
「引き続き、取り調べをはじめる。今日は、東京の警視庁から来た刑事に取り調べてもらう。」
そうハヤテに警官は言った。
「えっ、担当の刑事じゃなくても取り調べしていいのですか?」
しかし、ハヤテの言葉など聞かずに、ハヤテを取り調べ室に連れて行った。
「私が東京の警視庁の刑事、上野毛碓四(かみのげうすし)だ。」
「はあ、カミノケウスイ?」
「違う!」
刑事はハヤテの記憶力のなさに激怒した。
しかし、ハヤテの目は、上野毛の頭に目線がいっていた。
さっきの激怒で、髪の毛の部分が少しズレた。
植毛の技術があるのにである。
しかも、年齢も、年取った威厳のある刑事ではなく、どちらかというと、下町のチンピラである。
「では、綾崎ハヤテの事情聴取を始める。昨日の4時すぎに、屋根上を走ったことによる、器物損害及び、公務執行妨害の罪を認めるか!」
「いや、僕、実は、昨日の午後の記憶がないんですよ…。」
ハヤテはいつもの営業スマイルで真実を話した。
しかし、そんなものは通るわけもない。
「お前、天下の警視庁をなめとんのか。こらー。」
そう言って、刑事は、机を叩いた。
「しかし、おまえはん、イケメンちゅうか、女顔だな…。」
「それと事件の何が関係あると…。」
「いや、もしかすると、自分の顔を見て、発奮したとか。」
「そんなのありえないです。」
ハヤテは、刑事の推測をきっぱりと、切った。
「しかし、あれは、確実に人のやることじゃないよな…。忍者みたく、家の屋根に登って、通過したりするなんて。」
そう刑事は考えた。
「…精神鑑定出すぐらいの案件なんだろうけど、今見たところだと、その必要もなさそうだしな…。」そうして、刑事は悩み始めたのだった。