熱海で電車を乗り換え、今度は島田行きに乗車した。
しかし、ハヤテは相変わらず、虎鉄と喋れないほど、体調が悪かった。
「大丈夫か、ハヤテ。」
虎鉄も、体調が悪化していくハヤテの様子に気がついていた。
しかし、ハヤテは虎鉄の問いかけに気づかないほど、衰弱仕切っていた。
しかし、電車はトンネルの中で、また駅に到着するまでに時間が掛かる。
そして、ついにハヤテは記憶が遠のいてしまった。
「大丈夫か!しっかりしろ!」
虎鉄はそれしか言えなかった。
そして、電車はついにトンネルを抜けた。
そのときだった。
ハヤテは目をガッと開いた。
まるで、何かにとりついているように…。
そして、電車はそれに合わせるように函南駅に到着した。
ハヤテは、名前のように電車から素早くホーム上に降り立った。
「待ってくれ、ハヤテ。」
虎鉄も急いで降り立った。
それと同時に電車のドアは閉まり、発車した。
しかし、ハヤテは既にどこかに行ってしまった。
いったいハヤテが何をやりたいのか、虎鉄には想像がつかなかった。
ところ変わって、とある家…
「ついに、ついに噂の3Dテレビを買ったぞ。早速、水戸黄門を見るとするか」
とおじいさんは一緒に暮らしているおばあちゃんに言った。
「私には、どこかいいのか、さっぱり分からないわ。」そう言って、おばあさんは台所へと向かった。
しかし、そんなことも気にせず、おじいさんはテレビに熱中した。
しかし、そのとき、ちょうど、屋根の上ではハヤテが追いかけられていた。
そして、ハヤテはテレビアンテナを間違って倒してしまったのだ。
テレビで見たいシーンが見られなかったおじいさんは、家を外を覗いて、ハヤテたちを見つけた。
そして、こう叫んだ。
「わしの、わしの楽しみにしていた女忍者の入浴シーンをどうしてくれるんだ!」
しかし、それは、ハヤテには伝わらず、その代わり、おばあさんが反応して、おじいさんを叱りつけた。
しかし、そんな出来事すらハヤテは分からなかった。
ハヤテに取り憑いた何かがそうさせたのであった。
警察にもその後、すぐにハヤテのことは通報された。
警察も屋根上や電線などを破壊して、どこかに向かうハヤテを放置できない。
立派な犯罪だ。
そして、ついにハヤテは、警察の懸命な追跡によって捕まった。
「離せ!離せ!」
ハヤテが取り押さえられたとき、完全にそれはハヤテじゃなかった。
パトカーに乗せられて、警察の留置所へハヤテは放り込められた。
「ここから出せ!」
ハヤテは必死になって柵から出ようとした。
しかし、手錠をしてる以上、それは不可能だ。
暫くしてそれが分かったのか、ようやく落ち着いた。
「ようやく落ち着いたか…。そしたら、明日から聴取を始めるか…。」
担当の刑事はそう言った。
その頃、虎鉄はハヤテが見つからず、どうしようもなくなり、交番で、捜索届を手続きした。
そして、虎鉄は近くで旅館を見つけ、そこに一晩泊まることにしたのだった。