ハヤテのごとく next   作:謎沢

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第19話 浮上を狙った秘策

掲示板作戦で見事に玉砕した大泉。

翌日、朝の目覚めが悪かった。

「どうして、俺は、人ひとりも倒せないんだ!!」

柱に頭をつけて考えた。

「ああ、もう、俺の人生なんかどうでもいい。しかし、最後に綾崎ハヤテにだけは、綾崎ハヤテにだけは、復讐をしてやる。」

そう言って、しばらくそのままの姿勢でいた。

「そうだ。いいことを思いついた。」

大泉はそういうと、すぐさま、計画を実行するためにあるところに向かった…。

 

それは、学館組のところであった。

 

「やあ、お久しぶり。大泉さん。」

兄貴がそう挨拶する。

「あの、今日は、ちょっと話があって…。」

そう大泉が言うと、兄貴はこう返した。

「まさか、また金ですかいな…。」

「はい。」

大泉は、頼りない声で言った。

「そういえば、お前さん、三千院家の執事に攻撃をしてるんだろ。」

「はい。」

「それなら、話は早い。三千院家の娘をサラって、身代金を要求すればいいんだよ。」

それに大泉は納得した。

「一応、子分、派遣しておくから、うまくやれよ。」

そう大泉に言った。

 

その後、大泉が宿舎に帰ると、作戦を練った。そして、会社への辞表も書いた。

夜があけた。

 

 

朝、事務所に行くと、すぐさま上司に辞表を提出した。

上司は驚いて、

「えっ、君辞めるの?」

と言った。

「はい、実は、親が田舎で病気を患ってしまって…。」

大泉は心にもないような顔で上司にいった。

「そうか、君もかんばってね。応援してるよ。」

そう上司は言った。

荷物をあらかじめまとめておいた大泉はそれを抱えて、建設会社の寮を後にした。

 

大泉は、待ち合わせの場所へついた。

そこにはいかにも屈強そうな男が立っていた。

「おう、あんたが大泉とかいう、どっかの東堂をもじったような名前の人かい。」

そういうオタクチックな、会話をかけられた。

「はい。そうですか。」

「そうかい、いまどき、誘拐なんぞやって楽しんでるのって、一部のオタクか快感を覚えるやつぐらいだろ…。面倒くさいなあ…。」

なんともやる気のない発言に、ちょっと大泉は驚いてしまった。

『本当に、この人たちで、大丈夫なのだろうか…。』

そういう不安が大泉の脳裏を横切った。

ともかく、こうして、大泉の新たな作戦が始まったのだった。


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