掲示板作戦で見事に玉砕した大泉。
翌日、朝の目覚めが悪かった。
「どうして、俺は、人ひとりも倒せないんだ!!」
柱に頭をつけて考えた。
「ああ、もう、俺の人生なんかどうでもいい。しかし、最後に綾崎ハヤテにだけは、綾崎ハヤテにだけは、復讐をしてやる。」
そう言って、しばらくそのままの姿勢でいた。
「そうだ。いいことを思いついた。」
大泉はそういうと、すぐさま、計画を実行するためにあるところに向かった…。
それは、学館組のところであった。
「やあ、お久しぶり。大泉さん。」
兄貴がそう挨拶する。
「あの、今日は、ちょっと話があって…。」
そう大泉が言うと、兄貴はこう返した。
「まさか、また金ですかいな…。」
「はい。」
大泉は、頼りない声で言った。
「そういえば、お前さん、三千院家の執事に攻撃をしてるんだろ。」
「はい。」
「それなら、話は早い。三千院家の娘をサラって、身代金を要求すればいいんだよ。」
それに大泉は納得した。
「一応、子分、派遣しておくから、うまくやれよ。」
そう大泉に言った。
その後、大泉が宿舎に帰ると、作戦を練った。そして、会社への辞表も書いた。
夜があけた。
朝、事務所に行くと、すぐさま上司に辞表を提出した。
上司は驚いて、
「えっ、君辞めるの?」
と言った。
「はい、実は、親が田舎で病気を患ってしまって…。」
大泉は心にもないような顔で上司にいった。
「そうか、君もかんばってね。応援してるよ。」
そう上司は言った。
荷物をあらかじめまとめておいた大泉はそれを抱えて、建設会社の寮を後にした。
大泉は、待ち合わせの場所へついた。
そこにはいかにも屈強そうな男が立っていた。
「おう、あんたが大泉とかいう、どっかの東堂をもじったような名前の人かい。」
そういうオタクチックな、会話をかけられた。
「はい。そうですか。」
「そうかい、いまどき、誘拐なんぞやって楽しんでるのって、一部のオタクか快感を覚えるやつぐらいだろ…。面倒くさいなあ…。」
なんともやる気のない発言に、ちょっと大泉は驚いてしまった。
『本当に、この人たちで、大丈夫なのだろうか…。』
そういう不安が大泉の脳裏を横切った。
ともかく、こうして、大泉の新たな作戦が始まったのだった。