魔法少女リリカルなのは【魔を滅する転生砲】   作:月乃杜

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 果たしてどれくらい振りになるのか……





第4話:ファリン 私は貴方のメイドです

 

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 第一世界ミッドチルダ首都クラナガン。

 

 この首都に実はユートの住まう為の邸が存在しており、しかも財団法人【OGATA】のミッドチルダ支部もクラナガンに在る。

 

 抑々にして約六〇〇年前から普通に在った為、実質的にこの地はユートの支配地域だった。

 

 第一世界ミッドチルダというのは云ってみればユートの慈悲で誕生した世界、正確に云うならば原典を守らねばならないからというのもある。

 

 何故ならユートが元居た時代にミッドチルダが在った以上、無くしてしまう動きは本来の世界線への回帰が不可能となってしまうから。

 

 他の誰の為でも無い、それはユート自身の為に原典を破壊する訳にはいかなかったのだ。

 

 この広大なるクラナガンにある土地の本来では【StrikerS】に於いて、ティアナ・ランスターとスバル・ナカジマが陸戦Bランクの資格取得の為の試験をした廃棄区画を含む場所に位置している。

 

 つまり、ミッドチルダに黄金聖衣を与えられた転生者が居た場合はきっと驚くだろうといった、ユートなりの転生者に対する配慮(笑)であった。

 

 裸のユートの隣には何故か月村すずかの専属でメイドをするファリン・K・エーアリヒカイトが同じく裸で寝ており、それを未だ三歳児に過ぎないアインハルト・ストラトスがバッチリと目撃をして真っ赤になっているというカオスな場面。

 

 三歳児とはいえクラウスの記憶が既に顕れている彼女の人格は、既に中学生くらいには精神が育っていた上に記憶の中には子孫繁栄の知識なども盛り込まれていた為、ユートとファリンの格好からナニをしていたか理解もしていた。

 

 ユートもすずかやファリン本人の許可の元に、彼女の身体を調べさせて貰って判った事だけれど矢張り、本来の【魔法少女リリカルなのは】に於ける設定は兎も角としてこの世界でのファリン、延いては彼女の姉であるノエルは自動人形と呼ばれる存在であるらしい。

 

 【とらいあんぐるハート】のノエルの作りとも違うのか、半分以上は有機体で構成をされているらしくて少なくとも本体は殆んどが人間と同じ様な構成物質、特に『夜の一族』の趣味かは定かではなかったけど下半身は人間と全く変わりないという良い趣味に走っていた。

 

 誤解を覚悟で云えば出来の良いダッチワイフとでも称される代物で、どうやら姉のノエルよりも元々が後期モデルだからか改善が成された結果であるらしい。

 

 抑々、そんな前期モデルであるノエルからして【とらいあんぐるハート3】では、主人公である高町恭也とセ○クスをヤっているくらいだ。

 

 この世界でも妻となった月村 忍の許可の下で、高町恭也の愛人兼メイドとして忍との3P要員としてドイツで暮らしている。

 

「んんっ、朝ですかぁ?」

 

「っ!」

 

 少し長居し過ぎたらしくファリンが目覚めてしまったらしい。

 

「あれ? アインハルトちゃん……お早う御座いま~す」

 

「お、お早う御座います……」

 

「別に私もユートさんも構いませんけど、幼いのですから余り男女の閨には入らない方が良いとは思いますよ?」

 

「す、済みません」

 

 パタパタと部屋を出て行くアインハルトを見つめると、ニコニコと笑みを浮かべながらユートの唇に自身の唇を重ねてからバスルームへ。

 

 勿論だけどファリンは恋人とかでは決して無いのだが、まだ地球に居た頃にすずかと共に懇ろとなってしまった流れでミッドチルダに移住して、こうして邸のメイドとして働いている傍らユートの性欲処理もしていた。

 

 主の男とヤってしまう、そこら辺は流石に姉妹か? 何て言ったらアレかも知れないが……

 

 因みにすずかは現在、任務として時空管理局に於いては管理外世界と呼ばれる世界にアリサと共に赴いている。

 

 ユートの組織である『聖域』はユートが真皇となる『アシュリアーナ真皇国』と提携しており、その組織力と資金力と人足力を以て時空管理局が管理しない世界での問題解決などを行っていた。

 

 『アシュリアーナ真皇国』は六百年前の古代のベルカ時代、『アシュリアーナ公国』という小さな自治国家でしかなかったのだが、ユートの前世で時空放浪期に【影技 -SHADOW SKILL-】の世界に滞在をしていた際に、聖王国アシュリアーナが主な活動場所となっていて後期にこの国のトップたる聖王女リルベルト・ル・ビジューとの交流の機会があり、その縁から彼女の願いを叶える代償として来世契約を持ち掛けたのだ。

 

 聖王女リルベルト・ル・ビジューは見た目には二十歳にもならない美少女に見えるが、その実態は二千年をも超越して生きる大人の女性であり、しかも割と近年に三人もの子を産んだ母親でもあるのだから驚きだ。

 

 それがヴァイ・ロー、ヴァジュラ、ガウ・バンという三人で内情としてはヴァイとヴァジュラが闘ってヴァジュラが死亡、最後にガウがヴァイと闘って()()()()()()()()()()()

 

 その後はガウ・バンがヴァイ・ローの二つ名であった『刀傷』を継いでおり、『第六〇代修練闘士『黒い咆哮(ブラック=ハウリング)』……そんな存在は誰も知らない、歴史にも無い――存在しない修練闘士。それはらば居る必要は無い』と言った。

 

『此処に居るのは真修練闘士(ハイセヴァール)刀傷(スカーフェイス)』』

 

 リルベルト・ル・ビジューがユートに願ったのは万が一、というよりまず間違い無く死ぬであろう自分が如何なる形でも息子達の往く末を見守りたいというモノ、ヴァジュラとヴァイ・ローが逝ってしまってもガウ・バンは『刀傷』として新たな冒険へと出掛けている。

 

 リルベルト・ル・ビジューの願いは叶えられ、契約が遂行されてアシュリアーナ公国にて再会を果たした二人は、ラルジェント・ル・ビジューと暁美ほむらとシュテル・スタークスで集まって、アシュリアーナ真王国を建国したのであった。

 

 『真王(ユート)』と『神異(リルベルト)』と『光輪(ラルジェント)』に加えて『暁の魔王(シュテル)』と『黄昏の魔女(ほむら)』、各諸王はアシュリアーナ真王国を相当な脅威であると位置付けたのだと云う。

 

 古代ベルカの時代の聖王戦争とも呼べるであろう彼の戦争、地も海も空も汚染をしてしまう忌まわしき『禁忌兵器(フェアレーター)』にまで手を出し始めて聖王家が『ゆりかご』の起動を決定、オリヴィエが鍵の聖王と成ってしまった。

 

 ユートとオリヴィエとクラウスとヴィルフリッドの四人もバラけてしまい、後にヴィルフリッドのみがユートと合流を果たしたものの泥沼化した諸王の闘い、竜王ライ・リュウガや覇王クラウス・G・S・イングヴァルトとの友情にも似ている闘争を幾度も中断させられ、竜王の死とクラウスとの決戦ではファイズフォンを破壊されてしまったから真王としての力を使おうとするも中断、ユートは嫌気が差して民を引き連れベルカの戦争をバックレたのである。

 

 無人世界の開拓で民の移住をしていって、更には衛星型超弩級万能戦闘母艦『ダイコンボイ』の建造を行って防衛力の強化、内部での食糧生産やいざとなったら民を住まわせる居住性を持たせ、民が謳う『真なる王』に相応しく遥かなる六百年を駆け抜けていった。

 

 その年月で幾つもの無人世界が開拓されていき遂には、アシュリアーナ真王国は数十ヶ国にも及ぶ領国を持つ宗主国として『アシュリアーナ真皇国』と国号を改めるに至る。

 

 尚、衛星型超弩級万能戦闘母艦二番艦の名前は『ダイリュウガ』――漢字に直すと『大竜我』、竜王国の難民を主にしたゴジョウ領国の軌道上に置いた物がそれだった。

 

 このダイリュウガの艦橋にはクロノススリープのシステムが置かれ、ダメージを負って雷から託された紫紋と侍女をしていた蘭々が眠る。

 

 現在は起こされて二人はユートの【閃姫】に成っているけど、紫紋は前世の記憶が現世の記憶とごちゃ混ぜになってしまって混乱していた。

 

 それでも現在を受け止めて今は亡き雷の事を偲びつつ、今の紫紋の立場を固める意味合いも込めてユートの【閃姫】となるのを受け容れたのだ。

 

 緒方紫紋――アシュリアーナ真皇国・ゴジョウ領国の国主である。

 

 蘭々はユートの【閃姫】に成ってからも紫紋の侍女であり、今は侍女頭という立場と国主の()()という身分も持っていた。

 

 前世でも蘭々は一応だが()()だったから問題も特に無く務めている。

 

 ファリンはテキパキと朝食の準備をして嘗てはドジっ娘メイドの名を欲しい侭にしていたとは思えない程で、穏やかな笑みを浮かべられるくらいには余裕を持って仕事をしていた。

 

 何なら鼻歌を鳴らしているくらい。

 

「はぁい! アインハルトちゃんの朝御飯です。食べたらまた鍛錬ですか?」

 

「はい、強くなりたいですから」

 

「フフ、ユートさんもアインハルトちゃんが強くなるのを楽しみにしていますからねぇ」

 

「は、はい!」

 

 今朝方のアレとユートからのちょっとした期待感に赤くなる。

 

 まぁ、流石にそれが何なのか表現をするのに今は幼いにも程があるが……

 

「早く成長してもっと強くなりたいです」

 

 成長はどうしても年月を掛ける必要性があるのだから、強くなる為の努力だけは確りとしておきたいのがアインハルトの実状。

 

 幼稚舎には通っていない彼女が学校に通うのは三年後の六歳に成ってから、覇王の系譜だからという訳では無くクラナガンの学校といえば矢張りクラナガン郊外に設立されていて古き良き時代を現代に残すSt.ヒルデ魔法学院、恐らくも何も無くてアインハルトは其処に通う予定である。

 

 現在は新暦七〇年だから新暦七三年に入学する事になる訳だが、まさかの【まつろわぬイングヴァルト】なる神? というか御先祖様に乗っ取られて憑依されてしまう事件が先日に起きた。

 

 果たして恙無く入学出来るのかアインハルトにも判らない。

 

「魔法で大きくなるのはどうでしょうね?」

 

 強化魔法の一端に見た目を成長させるモノが幾つか存在しており、今はまだ上手く魔法を扱えないから出来ないけど練習をすれば見た目だけであれば幼い自分を大人に出来る。

 

 アインハルトはグッと拳を握り締めて決意を新たに、『ピピルマピピルマ』な魔法を覚えようと考えるのだった。

 

 そんな決意をしていたら扉が開く。

 

「お早う……アインハルト、ファリン」

 

「お早う御座います、ユートさん」

 

「お早う御座いますです、ユートさん」

 

 揺ったりと起き出して来たユートは眠たそうな目をしつつ、既に朝シャンまで終えてサッパリとした姿でだらしなさは全く見られない。

 

「朝御飯は出来てますよ」

 

「ああ、有り難う」

 

 作れる癖に作りたがらないユートにとってみればメイドさんは必須な存在、これでも食糧を題材に使う世界でそれなりの立場を得ていたのだからおかしな話しであろう。

 

 とはいえ、【トリコ】な世界では食材捜しこそがメインで作っていたのは別の人間。

 

 あの世界の食材は殆んどを集めて別の場所にて増やせる様に準備をしてあった為に、今現在では星帝ユニクロンの内部に創ったハイパースペース内の惑星『ユニウスセブン』とは別に特殊食材育成用惑星『トリコ』で作り増やしていた。

 

 ユートの【創成】で【トリコ】世界を基礎として創造しており、その場所にしか存在が出来ない食材も育成が可能となっている。

 

 なのて、ガララワニだとかBBコーンであるとか『古代の食宝』リーガルマンモスだとかを好きな様に捕れていた。

 

 この星はユートが食材を獲る為の悪く言ってしまえば家畜化された場所、とはいえユートが捕獲する以外では基本的に自然淘汰くらいしか滅びを迎えないある意味ではエデン。

 

 まぁ、ファリンが今使っている食材は普通に店で買ってきた極々普通の品なのだけれど。

 

 他にも『遠月』なる場所で調理の切磋琢磨もしてきたけど、矢張りユートは作るより作って貰う方が良いのであろう。

 

 極々普通に買える食材とはいってもユートは舌も肥えているから、有機栽培やら自然育成が成された植物系や食用肉やミルクや御茶など会社――【OGATA】にて作っているものを卸していた商品を買っていた。

 

 直に使わないのは当然の話。

 

 ファリンとしてもこれだけの食材を使えるのは光栄というものであり、それこそ張り切って美味しい御飯を作ってくれている。

 

 昔は兎も角として、今のファリンは相当に腕前が上がっているから舌の肥えたユートも喜んで食べており、それを見たすずかが剝れて花嫁修行を何だか凄く頑張っていた。

 

 彼女がマズじゃなかったのは、ユートにとってもすずかにとってもお互いに幸いであろう。

 

 すずかは【イノセント】的に氷を扱う能力を得ており、アリサも対比的に炎を扱う能力を獲得していて実に愉しい毎日を過ごしていた。

 

(ふむ、原典にも有ったスバルとギンガが巻き込まれた空港火災は確か来年の四月だったか)

 

 新暦七一年の四月だった筈だ。

 

 現在は新暦七〇年で、約一〇年後の新暦八〇年に一二歳なアインハルトがSt.ヒルデ魔法学院に於ける中等部で登場する【魔法少女リリカルなのはVivid】が始まる。

 

 未来アインハルトや未来ヴィヴィオから得られた情報からして可成り変わった部分も在るには在るみたいなのだが、影も形も無くなるくらいには変化している訳でも無さそうだ。

 

 少なくともヴィヴィオはアインハルトと親友的な付き合いだし、コロナ・ティミルやリオ・ウェズリーもヴィヴィオと仲良しらしいから。

 

 異なる点として一番解り易かったのが名前であろう、ヴィヴィオ・ゼーゲブレヒトと遺伝子提供者となるオリヴィエの姓を使っていた。

 

 だからといって聖王教会に囚われたりしている訳でも無さそうだし、ユートを『兄』と呼んでいる辺りから良好な関係なのは間違い無い筈。

 

 聖王教会というより、カリム・グラシアが何やら愚かな真似はしないであろうから。

 

「御馳走様、変わらず美味かった」

 

「御粗末様ですぅ」

 

 『美味しい』の一言、月並みで使い古されていても……否やだからこそ嬉しいファリン。

 

 御為ごかしなどでは決してない。

 

「アインハルトは今日も修業か?」

 

「あ、はい」

 

 訓練メニューを消化するだけでもアインハルトには一苦労、しかもそれが必ずしも鍛練としての成果に繋がるかは判らないときている。

 

 謂わば、本編【StrikerS】のティアナ・ランスターにも似た思いを懐いていた。

 

「アインハルト……」

 

「はい?」

 

「覇王の血脈でクラウスの記憶を継承している君には少しアレかもだが、今日の僕の予定は昼からだけど聖王教会に行く事になっている」

 

 ミッドチルダ北部のベルカ自治区に存在している聖王教会の本部、其処にはカリム・グラシアが生活と仕事をしている。

 

「聖王……教会……最後の聖王オリヴィエを奉る教会ですから、兄様が気を遣って下さったのは判ります。私は特に気にしてませんよ、聖王教会が運営するSt.ヒルデ魔法学院にも通う予定ですし」

 

「そうか? アインハルトも来ないか? っていう話しなんだけど……どうする?」

 

「私がですか?」

 

「話し合いの後にカリム・グラシアの護衛騎士見習い、シャッハ・ヌエラっていうけど……彼女の鍛練がてら組み手をする予定もある。何ならアインハルトもシャッハと組み手をしてみないか?」

 

「……やります!」

 

 僅かな逡巡、然しながらアインハルトは確りとした口調で頷いていた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 朝の予定は時空管理局地上本部に於ける序列的にはNo.2に位置する男、レジアス・ゲイズ少将とのちょっとした秘密の会合である。

 

 車にはユートとアインハルトの他に運転手としてファリン、そしてレジアス・ゲイズの娘にして現在は魔導を修得したオーリス・ゲイズ。

 

 本来であるなら、オーリスは時空管理局地上本部に所属して三佐という地位で父親のレジアスの秘書官をしていたが、今は時空管理局を辞職してユートの興した聖域・ミッドチルダ支部に所属しつつ秘書官の仕事をしていた

 

 同時に魔導師としての訓練も欠かしてないから今や、時空管理局の定める処のAランクにまで上り詰めるだけの魔力量と力量を持つ。

 

 原典ではトップだったレジアスの秘書官だけあって、秘書官としても有能なオーリスは様々な場面で折衝などをしてくれている。

 

「それでユートさん、父……いえ、レジアス・ゲイズ少将との会談ですが」

 

「身内だけなんだから父さんでも良いのに」

 

「普段から呼び慣れるべきですから」

 

「ま、良いけど。もうじき彼が時空管理局地上本部のトップになるからね」

 

「つまり、挨拶に……と?」

 

「そう。ウチの警備会社を宜しくってな」

 

 【OGATA】では様々な商品を商っているのだが、警備会社として人員の貸し出しも商っているモノの一つに数えられる。

 

 地上本部が本局から戦力を抜かれてカツカツなのは原典と同じく、しかも現在のトップがそれに迎合をしているから始末に負えない。

 

 だからこそ現在のトップを叩き出してレジアス本人がトップの座に座る必要があったのだけど、事情があって原典に比べてそれが少しばかり遅くなってしまっていた。

 

 ユートはレジアスが中将本部なトップになって中将へと昇格したら、聖域・ミッドチルダ支部と提携を行う事を彼と話し合って進めている。

 

 レジアスとしても戦力がカツカツだったからこそライオットギアを地上本部で購入をしていた訳なのだが、戦力の底上げこそ出来ているけど矢張りマンパワーの補充は必要となっていた。

 

 とはいえ、時空管理局に所属していたら引き抜きがあるからいまいち戦力補充に成らない為に、嘱託魔導師制度を利用する形で【OGATA】の警備部門から人員を借りる算段である。

 

 レジアスからオーリスを通じてこの話を持ち込まれており、警備部門の優秀な人員や豊富な人数に目を付けていたのだろう。

 

 何しろユート自身は暫く知る由も無かった事だったけど、ユートが興した『アシュリアーナ真皇国』には何億にも上る国民が居た。

 

 古代ベルカの時代が終焉を迎えて数百年間が過ぎ去り、新暦の時代になってユートが過去へと跳ばされた時点で入れ替わった今のユート。

 

 その数百年で幾多の無人世界を開拓。

 

 多くの無人世界を開拓して民を養っていった事を受け真王から真皇へ、無人世界は『アシュリアーナ真皇国』の領国として配下に置かれた。

 

 それにより産めや増やせやと民は増えていき、同時に世界を護る組織としての『聖域』に所属をする者も増えていく。

 

 時空管理局の所属ではない力を持つ者達なだけに無理な引き抜きは出来ない。

 

 というより、『アシュリアーナ真皇国』に対して時空管理局は従属を迫って当然ながら断られ、それに激昂した艦隊司令官が勝手に戦闘を仕掛けてしまい、ズタボロにされて這々の体で逃れた後に『アシュリアーナ真皇国』の危険論を説こうとした際に、司令官の独断専行の証拠映像が彼方此方に出回って寧ろ世間にバッシングを喰らった。

 

 しかも時空管理局の不意打ちによる攻撃の謂わば報復で、応龍皇やその眷属的な龍人機や量産された轟龍改を数百万機ばかり持ち出してやったら流石にヤバいと感じたらしい。

 

 応龍皇の全長は約八〇〇〇Kmにも及ぶ巨体であるが故に、そしてこの二代目応龍皇の機体を扱うユートとおうるの娘の『応姫』は母おうるに比べて情け容赦が無いが故に……だ。

 

 

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 そして次はいつになるのか……




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