◇4 問題児たちが異世界から来るそうですよ?にお気楽転生者が転生《完結》 作:こいし
「さて、皆さん良く集まってくれた。本日集まって貰ったのは他でも無い。召集の際伝えたとおり、全員であのサウザンドアイズ幹部の白夜叉を囲い、あらゆる手段を使ってあの幼女のアイドルグッズを作製する手伝いをしていただきたい」
さて、ここはノーネームの中庭。昔の名残故に多くの領地を残したこの広い場所に、総勢800人以上のメンバーが揃っていた。
まずはその戦力の紹介から始めよう。まずは珱嗄を含めるノーネームの黒ウサギ、春日部耀、久遠飛鳥、逆廻十六夜、ジン・ラッセル、レティシア、ペスト、メルン、そしてリリを筆頭とした子供達の全40名。
次にサラマンドラのサンドラを筆頭とした全250名、次にルイオスの敗北により解散したペルセウスの元メンバー達全60名、ちなみにルイオスはこの場にいない。そして最後に白夜叉を除いたサウザンドアイズの白夜叉好きが集まった白夜叉ファンクラブ(仮)の総員540名
計890人の総戦力。たかが白夜叉のアイドルグッズを作る為だけに、これだけの総勢が集まったのだ。
「おい珱嗄、お前これだけのメンツを揃えるなんてどんな手を使ったんだ? 元ペルセウスの奴らもいるみたいだしよ」
「良い質問だね十六夜ちゃん。だがその問いは簡単だ、俺のプロデュースしているアイドルはサラマンドラのトップだぜ? つまり、サラマンドラの総力を得るのは簡単だってことだ。んで、ノーネームについては言うまでも無い。そしてペルセウスに関しては俺が潰したんだから散り散りになった輩が何処へ行ったかの情報位は掴んでた。それに、サウザンドアイズのメンバーに白夜叉のファンは居ると踏んで声かけたらこの通りだ」
「うーんまぁアレだ。皆馬鹿なんだな」
「まぁこの世界にはロリコンが権力を持ってたりするからね」
珱嗄の言葉に十六夜は肩を落とす。そしてそのまま黒ウサギ達の下へ戻って行った。
「さて、それじゃあ話を元に戻そう。今日この時から白夜叉を24時間監視し、配布するカメラで撮りまくれ。いくら撮ってもらっても構わないぜ、なんせ俺特製の無限メモリー無限バッテリーの高性能カメラだ。ブレ補正も完璧だから猛スピードで動きながら撮ってもはっきりくっきり写るぜ」
「なんてチートカメラよソレ」
「そう言うなよ飛鳥ちゃん。ちゃんとそれぞれの手に合う様にサイズも調整してあるんだぜ? ほら、ディーン用の巨大カメラもホラ」
「なんで既に持ってるのよディーン!」
―――ディィィイイイ!!
珱嗄と飛鳥のやり取りを傍目に全員手元に現れたカメラを弄りだした。使い方は触れたら頭に流れ込んで来たので、全員もれなく把握することが出来た。
「でだ、大事なのは此処からで、今回に関してはどんな状況下でも撮影しても良い事とする」
『!!?』
「そう、つまりモラルは大事だろうとか甘っちょろいこと考えてる奴ら、その常識を今回ばかりは捨てて貰うぜ。風呂場だろうが寝室だろうがどこでもバレなければ撮影してオーケー。ペルセウスのメンバーは透明化のギフトを持ってるから期待してるぜ?」
珱嗄の言葉に全員が動揺し始めた。そりゃそうだ、こんな大勢に24時間撮影されると言うだけでも少し思う所があるというのに、プライバシーを完全に無視した行動。あまり気の進む事では無い。
「と、思う奴もいるだろう。だが、無理矢理でもやってもらう。もはや降りる事は出来ないんだよ馬鹿め。今から24時間後、そのカメラは自動的に俺の下へ集まる事になっている。その時、そのカメラに白夜叉の写真が300枚以上収まっていない奴には俺直々に罰を与える。とりあえず黒歴史公開な」
「っしゃああああ!! やるぞお前らあああああ!!」
『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!』
珱嗄の言葉に全員の心が一致した。あの公正な審判である黒ウサギですら諸手を上げてやる気を出している。
「それじゃあ始めようか。この場にいる全員で行なうギフトゲームを」
ギフトゲーム『夜叉の愛情』
ゲームマスター:泉ヶ仙珱嗄
プレイヤー:この場にいる全員
プレイヤー側勝利条件:配布されたカメラで白夜叉の写真を300枚以上撮影すること
ゲームマスター側勝利条件:無し
プレイヤー側が全員条件を達成した場合、ゲームマスター側は報酬を支払う事を誓います。
これは、プレイヤーの勝利しかないギフトゲーム。そして、珱嗄にとってはその勝利が得になるギフトゲームだ。白夜叉の全てをそのカメラに写し、献上する、珱嗄のアイドルになるということは、こういう事なのだ。
そして、言っておこう。この時、白夜叉はまだアイドルにはなっていないのだ――――――