そのため、秀吉がFFF団に追われたりするシーンもそのうち出てきたりします
また、オリジナル展開が非常に多くなったりします(強化合宿編とかはオリジばかりになる可能性も……)
あと、茨薔薇は小説はチラ読みしながら書いているのでセリフとか微妙に違いますので注意
それと、ルビのつけ方を誰か教えてください(ノ△T)
俺が文月学園に転入して早2週間。もうすぐ文月学園に来て最初のイベント『清涼祭』が開催されようとしていた
そんな面白そうなイベントに快楽主義のこの俺がテンションが上がらないわけがなく、まだ少し先だというのにすでにテンションは上がっている。さて、そんなテンションの上がった状態で俺は何をやっているかというと
「こい!吉井!」
「勝負だ、須川君!」
準備もせずに外で野球をする明奈達Fクラスの面々を木に登って、ちょうどいい場所にある枝の上に座り込んでみていた。ちょうど木陰になってるこの場所、すっごく気持ちよくていいんだよなぁ
明奈達の野球は白熱してるようで、随分とワーワーと騒いでいた。楽しそうだし俺も混ざろうかな、と思い閉じていた瞳をチラリと開けて様子を見ると白熱していたのはいつのまにか野球じゃなくて追いかけっこになっていた
「鉄人が来ちまったのか。ん~……こりゃ、全員教室に戻されるなっと」
1人だけ静かな空間で寝てるのも悪くないが、戻ってやることと言えば清涼祭の準備だ。ここにいるよりもはるかにそちらの方が面白そうなのだから当然俺も教室に戻る
鉄人の怒号を聞きながら、寝ていたのがばれる前に素早く教室に戻った
☆
「さて、そろそろ『清涼祭』の出し物を決めなきゃいけない時期になったんだが……。とりあえず、議事進行ならびに実行委員として誰かを任命する。そいつに全権を委ねるのであとは任せた」
非常にやる気のない態度で雄二がそういう。こいつが本当に清涼祭の全権を誰かに委ねる気なら…………俺がもらっとこうかな。面白そうだし
「俺がやってもいいなら俺がやりたいんだが、どうだ?雄二」
「なんだ?随分やる気じゃねぇか………。ま、やりたい奴に任せるのがいいだろ。他にやりたいってやつがいないなら明奈を板書係に任命して俺は寝るぞ」
「ちょっと雄二!?どうして僕が板書係なのさ!!」
「十六夜一人に板書から議事進行まで全部任せるわけにはいかないだろ。というわけで、二人でやってくれ」
ヒラヒラと手を振って教壇からおり、自分の席に戻っていった。雄二が退くのを見て、教壇に上がる。ここに上がるのは初めてだが、こういうのもいいなぁ
明奈が諦めたように黒板の前に立ち、短いチョークを手に取るのを確認してから全体を見渡し一言
「せっかくだし、世界旅行とかでいいか?」
「「「いいわけないだろ!!!?」」」
一斉にあがる驚きの声。それに満足した俺は、本題に入る
「ヤハハ!冗談だ。なんか、やりたいことあるやついるか?」
その言葉にすぐに反応し挙手したのは、ムッツリーニこと土屋康太だった。指名すると、すぐに立ち上がっていつも通りの淡々とした声で告げる
「………写真館」
「ふ~ん……写真館ねぇ。ちなみに、どんな写真だ?」
「………内緒」
………気になるじゃねぇか。後で問い詰めようかな
「明奈、書いといてくれ」
「う、うん……十六夜がいいならいいけど」
「??」
なんで俺の名前がそこで出てくるんだ?
なんて疑問をよそに、明奈は黒板に康太の意見を書いていく
【候補①写真館……[秘密の覗き部屋]】
「次、何か意見のあるやつ」
店名のことは後で聞くとして、とりあえず次の意見を聞く。すると次に手を挙げたのは横溝という男子生徒だった
「それなりにちゃんと意見は出てくるんだな………。横溝の意見は何だ?」
「メイド喫茶と言いたいところだけど、それは使い古されてるだろうからここは斬新にウェディング喫茶というのはどうだろう」
「それはつまり、ウェイトレスがウェディングドレスを着てる喫茶ってことか?」
確認のために聞くと、横溝はコクリと頷いた。ウェディング喫茶かぁ……ウェディングドレスって見たことしかないけど、動きにくくないか?
なんてことを考えてると、明奈は疑問を持たずに黒板に板書する
【候補②ウェディング喫茶……[人生の墓場]】
だから、さっきからその店名は一体何なんだ
「他に意見はないか?」
俺が聞くと、手を挙げてから立ち上がる男子生徒が一人。確か、須川だったな
「俺は中華喫茶を提案する」
「中華喫茶?それでチャイナドレスを着せる気じゃないでしょうね」
中華、と聞いて一番に思い立ったのがそれだったのか美波が嫌そうな顔をする。俺としては、明奈とか美波とか瑞希とかが着たら普通に似合いそうだからいいとは思うけどなぁ。俺?俺が着たらただの笑いもんだろ
美波の発言を聞いて、須川は少し心外そうな顔をすると自分の中華に関して(いや、中華料理に関してか?)のこだわりを長々と語った。Fクラスにも知識が深い奴っていたんだな
「ま、須川のこだわりはおいておくとして、この意見も板書しとけよ明奈」
「りょ、了解………」
「ん?どうした、明奈?」
「ううん。大丈夫だよ……」
大丈夫と言ったわりには微妙な顔をして板書をする
【候補③中華喫茶……[ヨーロピアン]】
明奈………いくらなんでもヨーロピアンは無いだろ。今さっき須川が淘汰されてるって言ったばっかじゃねぇか
そろそろ店名について一言言おうかと思ったとき、ガラッと教室の戸が開いた
入ってきたのはさっき明奈達をおいまわしていた鉄人だ
「おい、清涼祭の出し物は決まったのか?」
「候補なら黒板に書いてある奴だ」
クイッと指でそれをさす。鉄人はそれを見て、溜息をついた
「補習の時間を倍にした方がいいかもしれんな」
その一言を聞いて、クラスのほぼ全員が慌てだした。これ以上補習の時間を増やされるのが嫌なんだろうな
けど、その為に板書してた明奈を売るのはどうかと思うぞ?
そんな様子のFクラスを見て、鉄人は再度溜息をついてから言った
「少しは真面目にやろうという気はないのか……?稼ぎを出して、クラス設備の向上を目指すとかそういう気持ちを少しは持ったらどうだ」
鉄人の言葉を聞いた瞬間、Fクラスの奴らの眼の色が変わった。みかん箱にござというこの設備に対して当然不満があったのだから、設備向上と聞いてやる気を出したのだろう
が、さすがFクラス。どんどんどんどんまとまりがなくなっていき、最後は関係ない意見まで出始めた。やる気があるのは凄くいいと思うが、これでは稼ぎを出すどころの話じゃないだろう。さて、どうするか……………
大声を出すのもいいが、かといってこの騒ぎじゃ声を出したところでたかが知れている。なら、もう手は一つしかないよな?
「い、十六夜?なんか、すっごく悪い顔してるよ……?」
「ヤハハハ!ちょっと静かに、してもらおうか!!」
ドンッ!!と、大きな音がして教室全体が軽く揺れる。その大きな音と、揺れにクラスの奴らが全員黙った
「やる気があるのは大いに結構。だが、それでまとまりを失ったら意味がないだろ?というわけで、新しい意見を募ってもバラバラになるからこの中から決めるぞ。1人1回挙手しろ」
コクコクとFクラス男子が珍しく黙って頷く。その様子を見て、満足してから順番に聞いていく
結果、僅差で中華喫茶となった
「全員、ちゃんと協力しろよ!」
さてさて、今回の清涼祭はどうなるかな