ハイスクールD×Dの規格外   作:れいとん

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第十二話

次の日の朝

「……起きてください!!」

イリナに布団を持っていかれる

「……なんだよぉ、こんな朝っぱらから」

俺がイリナに文句を言うと

「朝って……。もう九時過ぎですよ?」

時計を確認する9:03

朝じゃねぇかよ

「朝食を作ったので下りて来てください」

そう言って下に降りていくイリナ

……しかたねぇ起きるか

俺はベッドの上で軽く両腕を伸ばす

「……下行くかぁ」

俺は眼を擦りながら階段を下りる

リビングに入るとイリナとゼノヴィアが座って待っていた

テーブルの上には朝食が用意されていた

俺が下りてくるのを待っていたらしい

(和食か)

俺はパンより米派だ。普通に嬉しい

俺も自分の所に座る

「ようやく下りてきましたね。ご飯覚めちゃうじゃないですか」

イリナが文句を言ってくる

俺はそれを無視して箸を持ちご飯がよそってある茶碗を持ちあげる

「……いただきます」

俺の行動をみてイリナとゼノヴィアが祈り始める

「「主よ、あなたの慈しみに感謝してこの食事をいただきます。ここに用意された物を祝福し、私達の心と身体を支える糧を与えてくれた事を感謝いたします。 アーメン」」

祈り終わった後食事を始めるイリナとゼノヴィア

「……和食なんて作れたんだな」

「私これでも日本人ですよ?」

よく見ると顔つきは確かに日本人だ

「……それで?今日はどうするんだ?」

俺はイリナ達に今日の予定を聞く

「この町に聖剣を盗んだ犯人が居る事は確実だ。なのでどこに潜伏をしているのか探します」

そうゼノヴィアが答える

……虱潰しかよ

俺は少し呆れながらこの町を探索する

聖剣の気配のおかげで直ぐにわかった

(居場所はわかったがそれを伝えるだけじゃぁつまらねぇし、どうするか……)

……こいつ等が十日以内に見つけられなかったら俺が片付けるとしようか

「あの、一誠さん」

イリナが俺に話しかけてくる

「なんだ?」

「幾つか質問したい事があるんですけどいいですか?」

「内容にもよるな」

いったい何が聞きたいのやら

「貴方はどうやってミカエル様と知り合ったんですか?」

どうやってミカエルと知り合ったか?

「質問の意味がわかんねぇンだけど」

「私達教会の者でも一部の人しかセラフの方々と会えません。ましてミカエル様は四大セラフの長ですから」

教会関係者でもない人間である俺がミカエルと知り合いなのが気になったのだろう

「ミカエルだけじゃなくて大半のセラフの連中とは知り合いだぞ」

俺のその言葉に驚くゼノヴィアとイリナ

俺は二人の反応を無視し答える

「俺がミカエルと出会ったのは十年前だ。そんときにサーゼクスとアザゼルとも出会ったがな」

「魔王はおろか堕天使の総督とも知り合いなのか!?」

驚く二人

「まさか今回の件……貴方はコカビエル達と通じているのか?」

そう言って聖剣に手を掛ける二人

パン!!

二人の聖剣を弾き飛ばす

「飯食ってる最中にそんなもん振り回そうとするんじゃねぇよ。埃が入るだろうが」

俺が注意すると二人は

「すまない」

「すみません」

頭を下げて謝ってくる

飯も食い終わりイリナが食器を片づける

「お前は何もしねぇのな」

「私は家事とかをした事が無くってな」

そう答えるゼノヴィア

「……今のお前はただ飯ぐらいのニートってわけだな」

「ニート?」

どうやらニートの意味がわからないらしい

ピーンポーーーン

ここ最近よく人が来るなぁ

……そのうちの半分以上は悪魔だけどな

この気配からして搭城だろう

俺は玄関に行きドアを開ける

「……おはようございます」

挨拶をしてくる搭城

「なんの用だ?」

「あの……祐斗先輩来ていませんか?」

「来てないぞ。木場がどうした?」

「……実は昨日、部長と喧嘩してから行方不明なんですよ。連絡もつきませんし」

悲しそうに事情を説明する搭城

「木場のやつは『はぐれ』にでもなったのか?」

もしそうなら俺があいつを守る理由がなくなる

「いえ、……部長は眷属のみんなに対して深い情愛をもっています。祐斗先輩を『はぐれ』にする気はないようです」

……はぁ。まぁ兄からしてあれだからなぁ。しかたがない

「あの……、祐斗先輩を探すの協力してくれませんか?」

めんどくせぇ。木場を探すのは簡単だがそれじゃぁつまらない

聖剣をめぐって三竦みの争いが起きるかもしれないのに

(いや、木場が聖剣にちょっかいを出すだろうから探しだした方が楽しめるか?)

俺はしばし考え

「……いいだろう。木場を探してやる」

「……ありがとうございます」

俺に頭を下げてお礼を言ってくる搭城

俺はすぐさま木場の気配をさがす

…………見つけた。

「見つけたぞ」

「……どこにいるんですか?」

慌てて聞いてくる搭城

「今こっちに呼び出してやるからまってろ」

俺は木場を家の前まで強制転移させる

「……ここは!!?」

いきなりの事に驚いている木場

「ここは俺ん家だ」

「……一誠さん!?」

俺の姿を確認して驚いてくる木場

「祐斗先輩!!」

搭城が木場に抱きつく

「……祐斗先輩、私、先輩が居なくなるのは寂しいです」

「……小猫ちゃん」

「手伝いますから。私も祐斗先輩を手伝いますから、だから、いなくならないでください……!」

涙を流しながら搭城が木場に縋る

「……上がれ」

俺は木場に家に上がるように促す

「……おじゃまします」

「おじゃまします」

二人が家の中に入ってくる

俺は二人をリビングにつれていく

「……!? 君等は!!」

木場がゼノヴィアとイリナに気づいて魔剣を構える

バシュッ!

俺が魔剣を消滅させる

「家の中でそんなもん出すな」

「何故この二人がここにいるんですか?」

こちらを睨みながら聞いてくる木場

「ミカエルからこいつ等の生活の面倒を見るように頼まれてんだよ」

「……そうですか。それで? 何故僕をここに?」

「一誠さん。昨日の悪魔じゃないですか?どうしているんですか?」

木場とイリナが質問してくる

「木場、お前が知ってる聖剣の情報を言え」

「なぜですか?」

「お前とこいつ等が協力すればエクスカリバーを破壊する機会が巡ってくるぞ?」

「どういうことですか?」

俺は木場に説明する

「こいつ等はミカエルの命令で聖剣を奪い返すためにいるのはしっているよな? ただ最悪取り返せなかった時を考えて最低でも破壊しなければならない。こいつら二人じゃぁ荷が重いからな。上手くいけば三本は破壊できるかもしれないぞ?」

俺の言葉に納得する木場

上手くいけば教会組のを合わせて五本、行方不明の「支配の聖剣」と今回無事だった「祝福の聖剣」を除き全てを破壊するチャンスだ

「……わかりました。僕が知っている事を話します。ついこの前、聖剣を持ったはぐれエクソシストと遭遇、戦闘になりました。名前はフリード・セルゼン」

その名前にゼノヴィアとイリナが反応する

「なるほど、奴か」

「フリード・セルゼン。元法王庁直属のエクソシスト。わずか十三歳でエクソシストになった天才。悪魔や魔獣を滅する功績は大きかったわ」

「だが奴はやりすぎた。同胞すらも次々に手にかけていったからね。奴に信仰心なんてものはなかった。有ったのは化け物に対する敵意と殺意。そして異常なまでの戦闘執着。異端にされるのもそう時間はかからなかった。」

木場が生きているってことは聖剣込みで木場と実力は大差ないってことだ。……折角聖剣を使っているのにこいつらと同じで雑魚かよ

「フリードは奪った聖剣を使い、同胞を手にかけているのか。あの時処理班が逃したツケを私達が払うことになるとはね」

忌々しそうにゼノヴィアが呟く

「とりあえず、エクスカリバー破壊の共同戦線と行こう」

そう言って木場と連絡先を交換するゼノヴィア

「お前らに言っておくぞ」

「なんですか?」

「お前らがあまりにも無様だったら俺が片付けるからな」

「……わかりました」

その言葉を最後に木場と搭城は帰って行った

(エクスカリバー対エクスカリバー、聖剣対魔剣。面白くなってきたじゃねぇか)

俺はこれから起こるであろう騒動に胸を躍らせた




今日は忙しかったのですごく眠いです。
それはともかくお気に入り件数が300件を超えました。このような駄文ですが楽しんでいただければ幸いです

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