今回かなり短めです。キャノンボール・ファストまでかなりの駆け足。
新華が授業をサボると一夏の部分を書かなくていいから楽だなぁ…。
朝。
新華が日課のトレーニングを終えシャワーを浴びた後に学食へと向かう。ハロが増えた事で賑やかになった新華の足元だが
「ええええええええええええええええええ!?!?!?!?」
「っ!? ………またコメディか」
「シャルロット、シャルロット」
「ナニカアッタ? ナニカアッタ?」
「ダイオンリョウ、ダイオンリョウ」
『------』
「…でも、行くと更にややこしくなりそうなんだよなぁ…。朝飯抜きたくないし、行くしかないか。はぁ…」
シャルロットの叫びのあった学食へと向かう。そして目の前では鈴が一夏に掴み掛かり、セシリアが愉悦感に浸り、シャルロットが一夏を非難の目で1歩下がり頬を少し赤く染め見ていた。
「…静かにいくか」
「「「ハロッ…!」」」
「…ハロもだんだん芸を覚えてきたな」
『------』
「確かに以前からの気もするんだが、気にしてはいけない気がする…」
そう言って新華は素知らぬ顔で食券を買う。しかしそこでシャルロットに見つかってしまう。
「あっ、新華」
「えっ!?」
「チッ(見つかったか)」
一夏は思わず新華を見る。しかし新華は舌打ちをしただけで一夏達を見向きもしなかった。だがシャルロットが新華に近付いてくる。逆に新華の方が驚く。
「…!? (どうしてシャルロットは近付ける!?)」
「ねぇ聞いてよ新華。セシリア、一夏の部屋からパジャマで出てきたんだよ」
「………、………、………あ?」
新華は思わず素で息を漏らし、ここ最近の険しい表情で一夏達を見る。一夏、鈴、セシリアの3人は新華に視線を向ける。
と、新華は
「…セシリア」
「なんですの?」
「GJ」d(´<_` )
「は、はぁ…」
サムズアップをセシリアに送って新華は視線を戻し朝食を受け取りに行く。一連の流れについて行けなかった一夏だったが、新華が何を思ってサムズアップしたのかを理解すると慌てて否定に入る。
「いや待て待て待て!? 昨日セシリアにマッサージしてやってたんだ! それで途中で寝ちゃったから部屋に泊めてやってたんだよ!」
「あ、やっぱり」
「ま、どーせそんな事だろうと思ったわよ」
「………どうでもいい」
そう言うと鈴、シャルロットは朝食に戻り、新華も人の居ない一夏達から離れたテーブルに座る。
「………何も正直に言う必要はありませんのに…。一夏さんの馬鹿…」
「ん? 何か言ったか?」
「なんでもありませんわ!」
「そ、そうか」
そんな一夏達のコントを無視して新華は黙々と朝食を平らげていく。だがそこで、シャルロットが意を決したように食べていたクリームシチューを持って新華のテーブルへと行く。
「…新華、一緒にいいかな?」
「………」
「ハロ、大丈夫?」
「「「ダイジョウブダ、モンダイナイ」」」
「あはは…。…座るよ」
シャルロットが新華の向かいに座る。新華は無視をしたままだった。
「この間、一夏の誕生日って事でさ。このブレスレットのお礼に一夏に時計を買ったんだ」
「………」
「それで、その時に新華の事を色々聞いたよ。新華、自分で自分を苦しめ過ぎだよ…」
「………」
「ソレスタルビーイングの事もそうだけど、自分で何でも抱え込み過ぎだよ。僕らに少しくらい相談してくれたっていいじゃない」
「………お前らにゃ無理だ」
「え…」
「何も知らない真っ白なお前らは、俺なんかが居るからといってコッチ色に染まらなくていい。お前らは大人しくこの
「で、でも」
「………絵の具は」
「え?」
「白の絵の具は何色にでもなれる。だが1度染まってしまえば2度と白に戻る事は出来ない。白に近付く事は出来ても白には成れない。逆に黒は全てを塗り潰す。白も、青も、茶も、紅も、黄も、蒼も、全て消してしまえる」
「………」
「俺という『黒』は、他の『
「し、新華…」
「俺を恐ろ。俺という『黒』を。深く『黒』に沈む事を躊躇わない俺を怖がれ。人として、『表』に住む人間として」
そう新華は言い放ち、食べ終えた朝食の食器を片付け立つ。
一夏の方では箒とラウラが合流し新華とシャルロットの会話を聞いていた。
「あ、し、新華…」
「………もう俺に関わるな。アレを見て怖がるのは人として当然だ。そして、恐れず作り出す側の俺を『助けよう』などと思うな」
「!?」
「俺に『救い』は必要無い。それが俺の持つ罪の重さだ。それが、俺の選んだ生きる道だ。誰にも邪魔はさせない。敵が居るなら…叩き斬る、だけだ」
そう言ってハロ3機を連れて食堂を後にする。だが食堂の入口には千冬が立って顔を顰めていた。
「おはようございます織斑先生」
「チフユ、オハヨウ、オハヨウ」
「ああ………今日も授業に出ない気か?」
「はい」
「…いい加減にしろ。お前は今はここの生徒だ。授業に出る義務がある」
「普通の生徒だったら、でしょう。俺にそんな事をする理由はもうありませんからね。むしろ今まで授業にちゃんと出てた面の厚さを自分で賞賛したいくらいです」
「貴様…」
「おおこわいこわい」
新華は両手を上げおどけてみせる。千冬は出席簿で新華を叩こうとしたが、間違い無く回避されるビジョンが浮かび止めた。
「…お前はデュノアの言っていた通り他人を頼らなさ過ぎだ。一夏達が無理でも、我々や更識を頼れ。でないと抱えている物に押し潰されるぞ」
「………それでもいいです」
「なっ」
「その方が、楽になれるかもしれませんし、中学の時の様に穏やかな生活が待っているかもしれません。
「…お前、は」
「でもそんな事は許されない。せめてソレスタルビーイングが俺無しで生存出来るか、一夏達が
「………」
「…失礼します」
新華は千冬の横を通って歩いていく。千冬は新華を悲しみの目で見送る事しか出来なかった。教師であるにも関わらず新華に何もしてやれない自分に不甲斐なさを感じて。
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一夏達が第6アリーナで高速機動の授業を受けている頃、新華は
「………」ZZZ…
『------』
「シズカニ、シズカニ」
「アソブ、アソブ」
「ミハリ、ミハリ」
校舎の屋上にある芝生の上に横になり眠っていた。新華の頭の横には人形態のサヤカが座り、ハロ3機は纏まって屋上の入口と新華の間でじゃれ合っていた。
「………」ZZZ…
『------』
サヤカは新華を辛そうな目で見て、新華に癒やしの効果が
『------』
「! ダレカキタ、ダレカキタ!」
「ISハンノウカラ『タテナシ』トハンテイ、『タテナシ』トハンテイ」
『------』
「リョウカイ、リョウカイ」
「ツレテクル、ツレテクル」
サヤカの指示でハロ3機が入口前に移動する。そして扉が開かれる。
「あら、ハロちゃん達。やっぱり新華君はここだったのね」ギィ
「「「ハロッ!」」」
「ふふ。案内してくれる?」
「ハロッ!」
「シンカ、ネテル。シンカ、ネテル」
「シズカニ、シズカニ」
「分かったわ」
楯無はハロと新華の所に行く。
「…サヤカちゃん」
『------』
「…やっぱり私には何を言っているのか聞こえないわね。ラウラちゃんが羨ましいわ」
「ハロッ、ツウヤク、ツウヤク」
「オシエル、オシエル」
「『コンニチハ、タテナシサン』ッテイッテル! イッテル!」
「そう。こんにちは」
『------』
挨拶を交わすと、サヤカと向かって反対側の新華の頭の横に座る。楯無は新華の顔を撫でる。
「ん………」ZZZ…
「…新華君」
『------』
「『ハヤクイヤシテアゲテ』ッテイッテル、イッテル」
「癒す…ね。そうしたいのだけど、肝心の新華君のガードが堅いの、分かるでしょう?」
『------』
「『ハヤクシナイト、ホントウニコワレテシマウ』ッテイッテル」
「イッテル、イッテル」
「…新華君は、今どんな状態なの?」
『------』
「『クワシクハイエマセンガ、P・V・Fヲミレバワカル』ダッテ、ダッテ」
「P・V・Fを? どういう事かしら」
「………ぅ…」
新華が身じろぎする。そして寝言を言った。
「…彩香先生…」
「え?」
「約束………すみません…」
「…サヤカちゃん?」
『------』
新華の寝言に楯無は疑問を持ち、サヤカに聞くがサヤカは否定の意味で首を横に振る。楯無は頭に『?』を浮かべて新華を見る。
新華は、涙を流していた。
「新華君…」
「一兎…志甫…皆………ゴメン…」
「一体、新華君は誰の事を言ってるの…?」
楯無は新華の寝言と涙に戸惑い、涙を拭う。第6アリーナでは一夏がシャルロットとラウラの高機動のデータを覗き込んで勉強していた。
…シャルロットは何か乙女回路に反応したのか、行き成り顔を上げて新華の居る屋上へと目を向けていたが。
あと1話入るか入らないかでキャノンボール・ファストです(笑)
だって一夏を書きたくないんですもん。というか面倒。
ちなみにキャノンボール・ファストでは原作ブレイクになります。まぁ大体予想つきますかな?