主人公がとある物を作ってます。
『白騎士・
開発者の
混乱を避けるため、国連は新たに『IS委員会』を設立、ISの軍事利用を禁止しISの技術の独占していた日本への情報開示と共有を定めた『アラスカ条約』を締結。同時にISのパイロットなどISに関連する人材を育成する『IS学園』を設立。日本が運営する、あらゆる国家機関に属さず、学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国家規約が付けられた。
開発者篠ノ之 束の家族は、束以外政府の重要人物保護プログラムにより離散し、監視付きで各地を転々とさせられる事となった。
この時織斑姉弟や青木家には一切知らされずに行われた為連絡を取ることも出来なくなった。
事件時に使用されたIS『白騎士』は事件後、解体、初期化された後企業などに情報公開され第一世代ISの開発基盤となった。しかしもう一方の『蒼天使』OOクアンタは持ち主の新華の意図で束の作った2機目のISとして発表されるも、束を含めた全ての人に触らせなかった。しかしそれでは束は納得がいかないということで、データ収集を兼ねた傭兵紛いの事を新華はする羽目になった。
それ故新華はちょくちょく自宅や学校帰りに束に拉致られるのである。
尚、世間では『白騎士』『
---小学校教室
事件後篠ノ之家は国のプログラムにより一家離散となった。親しかった織斑姉弟、青木家には何の連絡もさせてもらえずに離ればなれとなった。学校では居なくなった箒を心配する声や事件の興奮が未だに覚めない子供たちが騒ぎっぱなしだった。特に一夏の落ち込みは大きく、新華が頑張って立ち直らせた。
「皆さん、今日は新しいお友達を紹介します。中国からの転校生の「
「こ、こンニちは。凰 鈴音デス。よ、よろシクおねがイします…」
箒と入れ替わる形で転校してきた女子、凰鈴音。未だ日本語に慣れないのか、たどたどしく自己紹介をした。
教室の子供たちは外国からの転校生に騒ぎ出す。その中一夏と新華は
「へー、転校生か、って新華いい加減に起きろよ。いつまで寝てる気だよ」
「シンカ、オキロ、シンカ、オキロ」
「っるせえなぁ、寝かせてくr…って、あれ、転校生? ………どうでもいいや」
「いや、良くないからな!? 挨拶はしようぜ」
「へいへーい、っつーかお前は何気にハロ起動させんな。「ピッ」うるさくて眠れんだろうに。っつーか何で起動方法分かった?」
この調子である。新華は束から譲り受けた(破棄予定だったのを貰った)開発施設で、プロトISコアを使った『ハロ』を開発していた。
更に魔改造を行いハロを『AGE』のようにパソコンとしても使える様にし、コアネットワークの無いISコアをヴェーダとリンクさせ、ウォークマンになっている『蒼天使』ことOOクアンタを接続して今までより手軽に調整、新たなパーツの設計、ヴェーダによる高性能なネット環境を構築した。しかもヴェーダにあった情報で自重せず、何故かセキュリティとして使われていた『ゼロシステム』を
コピー、改造することで、原作以上の汎用性がハロに備わってしまった。
新華はこれを作るのに何日も徹夜してしまい、更に束と連絡をとってハロの魔改造にテンションが上がってノリノリで作業していたせいで寝不足だった。
因みに束がこの話をしている時、(どうしてもスペックダウンしてしまうが)同じようなハロの兄弟機を作っており、半ば『OO』のソレスタルビーイングばりのファクトリーが出来ているのを新華は知らない。
後にそれを知った新華がorzになるがそれは後の話。
休み時間となり転校生の下に生徒達が集まる。そこに突撃する一夏と、電源を切ったハロを持って一夏に引きずられる新華。
2人は転校生の前に立ち自己紹介をする。
「よう、
一夏のニコポが発動! 周りの女子にヒット! こうかはばつぐんだ! ………失礼。
それを呆れた目で見ながら眠そうにハロを抱えて欠伸をする新華。安心と信頼と実績のどうでもいいスキルでスルーしていた。
しかし
ゴッ「おぐっ」
「んあ?」
「アレ?」
突然凰から一夏へのグーパン。しかし何故か殴った本人からも疑問の声が。周りの生徒たちが騒ぐ、1人例外を除いて…。
その例外、新華だけはサムズアップしていた。何故か、それは
(俺の変わりにこの朴念仁を殴ってくれて有難う)
こんなんだった。実際凰は一夏のニコポと周りの女子の反応を見てイラッ☆ときたのだろうと予測した。新華自信はどうでもよかったが。殴られた一夏は、当然だが怒り出す。
「いって、行き成り何すんだ!」
「ヒッ! ゴ、ゴメんナさい…」
スパァン「おい一夏ビビらすな。彼女自分でも分かってねーみてぇだからそうカリカリしなさんな」
「だっ、お、おうすまねぇ」
一夏が大声を出して凰がビビッたから、新華はハロからハリセンを出して一夏を叩く。すると、一夏は落ち着き(理不尽を感じ)凰に謝る。
「コ、こチラこソごメンなさイ。そレと、あリガとウ」
「いいって、気にしなさんな。俺はさっき一夏から紹介があった青木 新華だ。よろしくな」
これが一夏、新華の凰 鈴音との出会い。そして………後の一夏のフラグ。
「ッアーァ寝足りねぇ。一夏、後宜しく。俺は寝る、起こすなよ」
「お、おいっ!?」
「エッ?」
一夏と凰を放って自分の席に戻り、ハロからクッションを取り出して寝る体制に入った新華。一夏は気まずい状態を放って置かれ焦り、凰はさっきから新華が持っているハロからハリセンやクッションを当たり前の様に出し入れしているのに気付いて混乱している。
「おやす------」
「ちょっ、はえぇもう寝やがった!」
「エッ、エッ?」
さっきからついて行けない凰。しかし、周りも新華のハロに興味が向かって同じ状態だった。そのおかげか、凰は割と早くクラスに溶け込めることになる。
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---数週間後金曜日、昼休み
「ん、んんーっあぁ、お? もう昼か、飯飯っと」
「………スゴイわね、マトモに授業受けながらハロいじってるなんテ」
「………昔から凄かったけどここまでとは思ってなかったなぁ。これで俺より強いんだから本当にすごいよな」
凰はもうすっかりクラスに溶け込んだようで、日本語も殆ど違和感の無い位にマスターしている。………ただクラスに溶け込めた主な理由が、ハロを作った新華に対する驚愕による親近感であったが。
「あ、そウだ一夏、明日家にゴハン食べに来ない? 私んち中華料理屋やってるから作ってあげる」
「お、いいのか? そしたら有難く食べに行かせてもらうけど、千冬姉ぇと一緒に」
「う、ち、千冬さんもか…あ、そ、そうよ新華は来る?」
「あ? 俺は「ハロ、メール、ハロ、メール」この時間にメールって事は、わりぃちょっと待ってて」
「? いいけど」
「? どうしたんだ新華」
凰は一夏が何かと気を使ってくれるからか一夏に懐き、新華を巻き込む形で良く放課後遊んでいた。
凰からのお誘いの時にハロに新華宛のメールが届いた。新華はハロをPCモードにしてメールを読む。するとこれまで眠そうだった新華の表情が剣呑な物にみるみるうちに変わっていった。
「ど、どうしたんだ新華」
「し、新華?」
「………………」
普段と違う新華の雰囲気に戸惑う2人。まるで自分たちが知っている新華じゃないような………そう思った直後、なにやら文字を打ち込んでメールを返信した。その後ハロを通常の自律モードに切り替え、いつもの新華の表情に戻っていた。
「わりぃ、明日行けそうにねぇ。一夏、千冬さんと行ってこい。ついでにうちの両親も誘っておいてくれないか?」
「あぁいいけど、お前はどうすんだ?」
「用事が出来た。来週の月曜には帰って来るが、それまで留守にする。悪いな」
「ちょ、ちょっと何日も居なくなルってなに考えてンのよ!? なにする気!?」
「凰ちょっとうるさい。詳しくは話せねぇけど、取り敢えずうちの両親含め誰にも心配をかけさせる様なことにはならねぇよ」
「………本当に大丈夫か? さっきのお前の表情「おっ飯が来たな」新華!」
新華はそれ以降話をはぐらかし、その日の夜姿を消した。しかし翌週再び学校に姿を見せ、何事も無かったように過ごした。
だがそれ以降同じように姿をくらますことが多くなり、たまに一夏は束の声を聞いた様に感じていた。
それは中学卒業まで続いた。
ハロ魔改造
束ラボにはラクス並の量とCB並の性能がついたハロがあります。新華のが兄です。
ただし、新華のハロはヴェーダとプロトISコアのせいで、比べ物にならない程高性能です。
あと、セキュリティをゼロ仕様にしました。チートです