注意:
ノリノリで書いてたら『蒼穹のファフナー』のルガーランスが本編に出てきました。タグに『ルガーランス』追加してあります。
2学期開始
夏休みが終わり通常授業が開始されて数日。新華達専用機メンバーはアリーナで模擬戦を終え食堂に来ていた。メインはセカンドシフトした白式と一夏のトレーニングである。
「おっかしいなぁ…。セカンドシフトして強くなった筈なんだけどな」
「消費エネルギーが増えて燃費が悪く、かつお前の零落白夜に使用が多くなりゃガス欠するのは当然だろうが。まずはお前は効率よく白夜を扱えるよう試行錯誤しろ」
「でもさー…流石に千冬姉の特訓と並行してってのはキツイだろ」
「俺は別にそうでもないが?」
「新華はそうでも俺らはクタクタなんだよ…、なぁ皆?」
「「「「「「うんうん」」」」」」
昼食を受け取り席に着く。一夏達専用機持ちは2学期が始まった後に、千冬の特訓(新華と楯無の悪ノリで鬼畜化した)を受けていた。それ故実力の底上げがされつつあるが体力の消耗が激しかった。
「まぁ一夏の目標としては、零落白夜の秒単位任意発動出来るようにするのと、レベルAのドローンを1機1秒感覚で30機落とせるようになると言った感じか」
「いや待て待て待て。前のはいいとして、ドローン30機ってキツイだろ! 1秒1機だから30秒って事か!? しかもレベルA!」
「目標だっつったろ。今日で千冬さんの特訓が終わるから、今度意識してやってみな」
「ガンバレ、ガンバレ」
新華がゆったりとサヤカを撫でながらお茶を飲む。回りの女生徒達もお菓子などを食べているが新華達、正確には箒へマイナスの感情が向いていた。
「(………これは、アレだな。箒が紅椿を受け取った事が完全に知れ渡っているな。嫉妬やら憎悪やらが集まってやがる)」
「…だあああ! やる事が山積みだぁ! ちくしょう…」
「ま、まぁあれだな! そんな物を私と組めば問題無いな!」
「「「「「「っ!」」」」」」
「(あーあー、専用機持ち以外からの嫉妬が増えたな。まぁ散々『う詐欺とは関係無い』って言っておきながらの赤椿に、それを利用したこの発言だからなぁ)」
2学期が始まって以降、生徒達の箒への風当たりは日に日に強くなっていた。新華の言う通り箒は言動が一致しておらず、更には無所属の第4世代ISということで一夏並みの企業間、国家間の争いが起きていた。
新華の場合は『ソレスタルビーイング』という、半ば第3勢力として扱われており『触らぬ神に祟りなし』状態にあった。下手に手を出すと報復を新華から受けるからだ。
「何を言っているか。私の嫁なのだから私と組むのは当然だろう」
「ざーんねん、一夏はあたしと組むの。幼馴染だし、何より新華が前に言った通り相性もいいしね」
「(組む組まないの話は専用機組に任せるとして、授業終わったら久しぶりに1人でP・V・Fのトレーニングをするか。丁度訓練所の向こう側に人気の無い場所があったよな?)」
『------』
『---ん、そうそう空き地が。と言っても篠ノ之道場の裏にあった空きは無いんだけど。ま、人気のない場所があるだけで十分さ。IS学園じゃ1人になれないからな』
新華は一夏達がタッグの話でぎゃあぎゃあ煩く、周りからの箒への嫉妬を無視してトレーニングの場所を決める。
「ね、新華君…。ルガーランスは出来たの…?」
「ん? あ、そうだ、後チョイで出来るんだった。出来たらテストとして使ってみる?」
「!」コクコク
「んじゃ授業終わったら整備科に向かうとしますか」
「ルガーランスって?」
「シャルロットは見たこと無いか? 日本のアニメ『蒼穹のファフナー』に出てくる武器の1つだ。ランスってか剣だけど。今作ってるんさ」
「へぇー。僕も見に行っていい?」
「一夏の事はいいのか?」
「え? あ、うん。一応ラファールのデータもまだまだ必要だし、テストの時は協力するよ」
「ああ、わかった。よろしく」
「うん」
3人で話している横で一夏が箒とラウラから手刀を食らって沈んでいた。新華はいつもの事だとスルーしておく。
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新華達が教室に戻り席に着いていく。新華はハロから、一夏達は机に入れていた鞄から筆箱を出す。そこで箒が異常に気づく。
「ん? (なんだ? 消しゴムが見当たらん。シャーペンも1本足りない…どこに行った?)」
「………」
「(…まぁどこかに落としたのだろう。探すのは後にして、この今日は何とか乗り過ごすか)」
「あれ、箒? どうかしたのか?」
「いや、なんでもない」
箒の筆記用具の1部が無くなっていた。よく使うシャーペンと消しゴムが無くなっていた。だが箒はそれを『自分がどこかになくした』と
「(始まったか。ま、今までよく持った方だと思うな。俺がよく説教して一夏が居たとはいえ箒はあまりに『特別』過ぎた。犯人はどうやらこのクラスには居ないようだが…)」
箒は『一夏と新華の幼馴染』で『篠ノ之 束の妹』で『剣道実力者』で『代表候補生でないのに専用機持ち』だ。一般生徒からすれば嫉妬の対象になるのは必然だった。特に1年3組のクラス代表を始めとした生徒や専用機を持っていない3年生からは良く思われていない。一部『胸が大きい』という理由でシャルロットとセシリアも纏めて嫉妬している者も居るが些細である。
「(いつもなら俺が犯人シめて原因を絶つんだが…今回は箒の身から出た錆だ。俺が動けば更に悪化するか箒が何も知らないで調子に乗ってしまう。流石にどうしようも無いな。箒には耐えてもらわねば)」
『------』
『---止めたら意味が無いだろう。なんせ、箒は自分で願った力『赤椿』が原因でこれから一生、そういう事に付き纏われるのは確定しているんだからな』
『------』
『---…無所属の第4世代、それもISの生みの親のう詐欺が作成した機体の持ち主。う詐欺にいつでも連絡が取れるという政治的かつ技術的な魅力によって一夏並みに引っ張りだこになる。そうなると代表候補生を始めとする女性達の嫉妬などのマイナスの感情が集まるんだ。当然陰湿な虐めや世間からの風当たりも強くなるだろう』
『------』
『---…下種な話だが、箒を手にすれば束の技術力を手に入れたも同然だから手段を選ばない勢力も当然出るだろう。それで捕まって不用意に拒否でもしてみろ。女性に対して鬱憤が溜まった奴らの慰めものにされるのがオチだ。特に箒は容姿が整っているし女性としてのスタイルも姉に似て抜群だ。そういう事になってもおかしくない』
『------』
『---…ああ、悲しいな。だが、だからこそ学校で学ぶんだ。悲しい事にならないように成長する為、仲間を得る為に。もっとも』
教室に千冬が入って来る。
『---耐えられずに逃げた俺が言えた事じゃないかもしれないけどな。だけど、だからこそストッパーにくらいはなれるだろ。箒が気付いて自身の行動を反省してくれれば直ぐに介入する準備はあるし』
ハロの電源を切り足元に固定する。いつも通りの授業で、1学期とは確実に違う2学期は本格的に動き出した。
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放課後、整備科に新華達3人は居た。
「ほれ、ルガーランス完成だ」
「「「「「「おお~!」」」」」」
「カンセイ、カンセイ」
新華が完成したルガーランスを近くの台の上に置く。簪とシャルロット以外に本音と整備科の面々が集まって見に来ていた。
「完成、した…!」
「へぇ、これがアニメで使われている武器なんだ」
「あおきーすごいね~」
「扱いはアニメ通り近接武器だ。ただ
「使えない?」
「ああ。そもそもあの使い方はザインの同化能力で強化されたから出来る事であって、素の状態じゃ無理だ。発射口とジェネレーターが耐えられないんだよ」
「…ということは壊れる事覚悟なら撃てるって事?」
「1発だけな。撃てば確実にオーバーロードで自爆しちまう。それに射撃用の照準も無いから命中率は全く無いと言っていい」
「ん。じゃあ零距離での使用限定だね…。使い処は…?」
「シャルロットのパイルバンカーを参考にするといいよ。相手に1撃突いてそのまま発射すればいいから。さて、アリーナに移動するか。許可はもう取ってある」
「い、いつの間に…」
「映像とデータ、出来れば私たちに後で見せてくれない?」
「いいぞ。ただランスの整備とか調整とかあるからデータは遅くなるぞ? 今日中には無理だ」
「いいのいいの! 見せてくれるだけでも十分だから!」
「わかった。後で持ってきてやる」
「「「「「「やったー!」」」」」」
新華の言葉で整備科の面々は声を上げて喜んだ。『蒼天使』の作った、アニメの武装のデータは参考になると同時に価値が高く、レベルの高いものが期待出来るからだ。
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第2アリーナ。3年生が量産機に乗りちらほらと訓練しているのが見える中、新華、シャルロット、本音、簪の4人は居た。新華とシャルロットと本音は生身で、簪は打鉄弐式で出来立てのルガーランスを振り回していた。
「どうだ? ルガーランスの感想は」
「うん…思ったより軽い」
「おし。ならまずは通常状態のテストからだ。簪さん、クアンタで防御するから思いっきり打ち込んで」
「うん…。わかった…」
「んじゃ(サヤカ、クアンタ展開)」
『------』
新華がクアンタを展開し両肩のシールドを前に向ける。
「………よし、来い」
「いくよ…ふっ!」ガキィン
簪は思い切り新華に向けてルガーランスを叩きつける。新華はツインアイに映されるデータを確認する。
「………なるほど。簪さん、もう1発」
「うん。ハァア!」ガキィン
「………ふむ。もう2、3撃頼む」
「えっと…新華? 機体は大丈夫なの?」
「…問題無い。GNドライブ関連の装甲は最も硬くなっている。それにこのパーツはシールドとしても使用するから特にな」
「そうなんだ」
「結構硬いんだねぇ~」
「…さぁ簪さん、遠慮無く頼む」
「うん。…はぁっ! せぁっ!」ガキィン、ガキィン
「………十分だ。次は零距離攻撃だ」
「えっ、もういいの?」
シャルロットは余りの早さに驚いた。本来ならデータ収集は戦闘の1つや2つはする必要があるのだが
「Jud. データ収集とはいえルガーランスの強度確認と内部破壊度、ジェネレーターの稼働率に各関節パーツの消耗度の確認がメインだからな。詳しいデータは整備科に行って確認すればいいし、威力はシールドを経由して記録した」
「そ、そうなんだ…」
「むずかしいなぁ~」
「………次はターゲットの破壊だ。ルガーランスを的に突き刺し、そのまま後ろにある的に攻撃を当てる」
「わかった…」
「ああ、だから後ろに射撃用のターゲットが2重にあるんだね」
「Jud. その通り」
新華達から見て最寄りの壁には何枚もの射撃用ターゲットが用意されていた。普通と違う所は2重に設置されていて、間隔が丁度ルガーランスの半分と同じ長さである事だった。
新華はクアンタを解除してターゲットに歩み寄る。
「このターゲットの間隔は丁度ルガーランスの半分の長さに設定してある。突き刺して撃つ分には丁度いい間隔だろう。簪さん、アニメみたいにやってみてくれ」
「うん…!」
「かんちゃんがんばって~」
新華がターゲットから離れると簪は腰を落とし突撃の構えを取る。
「………ハァッ!」ドゥッ
瞬間加速を使い一瞬で最高速度になりルガーランスをターゲットに刺す。そしてそのままトリガーに指を掛けると、ルガーランスが真ん中から真っ二つに割けた。
「んっ!」ドォンッ
そのままトリガーを押しビームを撃つ。ビームは見事にターゲットに大穴を開けたが直ぐに霧散した。
「す、凄い」
「おお~! ファフナーみたい~」
「うーん、ビームが拡散するのが早いな。それに細いし。戻ってから調整だな」
「え? そうなの?」
「そうだよ~。アニメだとね~、もっと太くてぶわーってなるんだよぉ~」
「原作だとあの広がった刀身からはみ出るくらい太くて威力のあるビームが出るんだ。やっぱジェネレータの出力が低いのか…?」
「新華君…、このあとはどうしたら…?」
「ん、ああごめん。取り敢えず今出てるターゲット全部同じ様に打ち抜いて。そしたらテストは終了だから」
「わかった…。…ハァッ!」ドゥッ
簪は突撃と射出を再開する。アニメの武装を使っているおかげか表情が輝いて見えた。
「ん~、かんちゃん嬉しそうだねぇ~」
「そりゃアニメの武装だからな。誰だって憧れる空想の物を実際に使えるとなれば嬉しいだろう」
「でも空想上の武器を作るなんて、新華はやっぱり凄いね」
「ね~」
「………」
シャルロットと本音が褒めるが新華はいい気分では無かった。現在ISで運用しているものの、ルガーランスはMSでも扱えるように設計してあった。つまり完全なる兵器。人を殺す為の物。それをモノづくりが趣味とはいえ作った事を褒められるのはあまり嬉しくなかった。
「んっ! ………終わったよ」
「ああ、ありがとう。それじゃあ次はシャルロットだな」
「うん、よろしく」
「ああ。簪さん、ルガーランス仕舞うよ」
「うん…。はい」カチャ
「ああ。さて、行くぞサヤカ」
『------』
新華とシャルロットはそれぞれ機体を展開する。新華のクアンタはGNドライブを3つ外した試合仕様、シャルロットの改造ラファール・リバイヴⅡは夏休み前とは違い武装とコンデンサが搭載された形だった。
「おお…そういう姿になったのか。腕が蜃気楼の様だ」
「蜃気楼?」
「…すまん、これもアニメの機体だった。まぁ後で見せてやるさ。さて、始めようか」
「うん」
シャルロットは武装を展開し、新華はGNソードⅤを2振り展開し、新たにもう1つパーツを取っ手の柄の尻に付ける。
「? 新華、それは?」
「これはな、こうするんだ」ガチャ
パーツを挟む形でGNソードⅤを繋げる。パーツの正体がGNソードの連結パーツだった。
「ルガーランス以外にも作った装備はあるんだ。そのテストも並行して相手になる」
「それは…鈴の武装から?」
「いや、実際にはファーストシフトする前のこの機体…『OOガンダム』の武装のリメイクだな。ただ使った素材が違うから、やはりテストをする必要がある。いいな?」
「うん、僕は大丈夫だよ」
「よし。簪さん、本音さん、離れてて」
「うん…」
「わかった~」
簪と本音の2人は壁まで歩き離れる。それを見て新華とシャルロットは上空へと移動する。
「…さて、始めようか」
「うん、行くよ!」
「………来い」
新華のクアンタとシャルロットのラファール・リバイヴⅡが戦闘を開始する。いつの間にかアリーナに居た3年生達は手を止めて2人の戦闘を観察していた。
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「ふぅー………」
「あら、シャワー上がっ、た、の…」
「あ、会長。戻って来てたんですか。今日は早いですね」
「オカエリ、オカエリ」
『------』
「…い、いいから服を着なさい!」//////
「ん? ああ、まだ戻って来ないかと思って。まだ暑いですからね」
「いいから!」//////
「へいへい…」
シャルロットとの模擬戦を終えた新華は整備科に戻ってルガーランスとコネクタパーツの調整を終えた後、自室に戻り汗を流していた。楯無は生徒会の仕事も早めに終わり部屋に戻って来ていた。
新華の現在の格好は、黒のボクサーにタオル1枚を首に掛け、ね○どろいどサヤカを頭に乗せた状態である。新華からは湯気が出ていた。またその影響でサヤカも暖かくなっていた。
楯無がハロを抱いて反対側を向いている間、新華はさっさと着替える。
「ほら、着替え終わりましたよ」
「全く、恥ずかしくないの?」
「その言葉をそっくりそのまま返します。俺が入学したての時の自分の行動をよーく思い出してくれませんかねぇ」
『------』
「ほら、サヤカもそう言ってますよ」
「アーアー聞こえなーい」
「あのですねぇ…」
「まぁそんなことはさておき、そろそろ学園祭の準備が始まるから忙しくなるわよ」
「あー…もうそんな時期ですか。書類が増えますねぇ…」
学園祭。IS学園のそれは他校のそれと内容は殆ど変わらない。だがIS学園は常に世界各国から注目されており授業と女子のレベルが高い。毎年来る人数も力を入れる生徒も多い。その上でIS学園の立地上一般公開される事が少ないので希少価値も出て、来たがる人間は多い。
その分問題も多く発生し毎年生徒会と教師達を悩ませる。
「メンド…」
「そんな事言わない。明日の朝礼と1限目の半分を使って全校生徒に説明をするから、新華君にも喋ってもらうわよ」
「待て、何ごく自然にかつ当たり前の様に言ってやがる。生徒会の仕事でしょうに」
「シンカ、ガンバレ、シンカ、ガンバレ」
「うっさい」
「あら、新華君も生徒会でしょう」
「勝手に入れんな。俺は資料の中に俺が処理しなきゃいけない物が入っているから手伝っているんであって、生徒会に入った覚えはありません」
「あなたに覚えは無くても、もう決定されているのよねぇー」
「………はい? どういう事ですか」
自分の身に覚えの無い事に疑問を感じる。楯無は理由を話していった。
「あのね、そもそも手伝いとはいえ生徒会室で私達生徒会と仕事が出来るのは居ないのよ? 立場的に用がある生徒や教師以外は立ち入り禁止だし、簪ちゃんも私のサポートと言うことになっているわ」
「………でも俺は例外じゃないですか? 色々と立ち位置複雑ですし」
「理由はそれだけじゃないわ。部活動の問題、覚えてる?」
「…成程、余計な混乱が起きる前に手を打っておこうってことっすか」
「正解」
生徒会には新華と一夏の入学当初から部活動に関する問い合わせが多く寄せられていた。新華も一夏も部活には無所属なのだ。
一夏は箒とよく剣道場で試合をしている為、剣道部に所属していると思われがちだが実際に入部届けを出している訳ではない。
新華は前世で映画部に所属していたものの、IS学園に映画部は無いし、ソレスタルビーイングの事などで忙しい事からどこにも所属する気は無かった。
しかし仕事の事など知らない生徒から見ればただ単に入部していない貴重な男子生徒な訳で、『ぜひ我が部に!』という要請が後を絶たない。
ただ一夏とは違い生徒会室に出入りし仕事をしている新華は、そのまま生徒会に所属させる事で余計な面倒を無くす事が出来た。新華ほどの実力者なら生徒会に居ても問題無いからだということと、更識の監視という意味でも都合が良く生徒会の面子と仲もいいので誰もが納得出来るからだ。
「いつの間に………ん? だとすると一夏はどうするんで? 俺はいいとして、アイツも無所属でしょう?」
「それについては明日の朝礼で発表するわ。新華君には学園祭の注意事項を含めた諸々の説明をしてもらうから」
「…拒否権は?」
「無いわ。それに生徒会に所属しているって言っても本人の口から『所属している』発言があれば大人しくなるでしょう?」
「………まぁ、確かに。…で、俺の役職は何ですか」
「あら、気になる?」
「知らない間になっていたとはいえ、自身の所属している組織の立ち位置くらいは把握しておかないと笑い物です。で、役職は?」
「『会長補佐』よ。簪ちゃんは『書記補佐』になってるわ」
「補佐と言う割には俺会長の仕事に手を付けてませんよ? いいんですか?」
「何言ってるの。あなた宛の書類と一緒に整理してくれてるじゃない。私宛の書類を」
「虚さんと組んでごく自然な流れの中でやらせておいて良く言いますね…。まぁ、取り敢えずは明日にスピーチすりゃいいんですね。カンペとか今あります?」
「そう言うと思って、ハイこれ。私の後に言ってもらうからね」
『------』
「覗き込んで落ちるなよサヤカ。………ふむ、わかりました。注意事項はこれだけで?」
「ええ。それじゃ、明日よろしくね」
「ういっす」
新華はハロを充電させてベットに腰掛ける。楯無から受け取った書類に目を通していく。
「んー、そういえば最近アニメ見てないわね…纏めて見ちゃおうかしら。新華君もどうかしら?」
「………考えてみれば俺もここんとこ見てませんね。開発やら仕事やら読書やらで。たまには見るのもいいかもしれませんね」
「一緒に見る?」
「いいですよ」
『------』
「サヤカも見たいらしいですよ。なんなら簪さんも呼びます?」
「当然。でもそうなると最終的に生徒会が全員揃うわね」
「別にいいんじゃないですか? 正直1人で見るよりは遥かに楽しめますし」
「そうね。あ、リクエストすれば武器作ってくれるのかしら?」
「勘弁してください…。著作権とか面倒じゃないですか。作った後に気付きましたけど、結構マズイじゃないですか。それにMS並みに時間掛かりますし」
「えー、いいじゃなーい」ポフッ
「子供じゃないんですから…」
「ぶーぶー」
「退行しないでください…。それと無駄に違和感を感じさせない動きで背中にもたれ掛からないでくださいよ。当たってるんですけど」
「ふっ、当ててんのよ! ………反応薄いわね」ムニョン
「そうそう何度も取り乱しませんよ(ちくしょう、背中越しでもわかる、柔けぇ…)」
「んー、悔しいわね」
「何言ってんですか。さっさと離れてください。読みずらいでしょうが」
「………もう少しこうさせてもらうわ」フニョン
「………はぁ(いいから離れてくれませんかねぇ…!? 集中出来ないんですけどぉ…!?)」
楯無が新華の背中に乗り掛かり両腕を新華の首に回す。新華からは見えて無かったが楯無の顔もそれなりに赤くなってた。
「………(言葉では余裕ぶってみせたけど、結構恥ずかしいわね…。それに今気付いたけど、顔が近いわ…)」//////
「………(ええい、書類に集中するんだ! そうすれば気にならなくなる筈だ! ………だめだ! 2人しか居ない部屋だから静か過ぎて逆に集中出来ない! くっ、収まれ俺の本能…!)」
「………………んっ(新華君は原稿を黙々と読んでるし、何とも思われてないのかしら。切ないわね)」
「………(何今の『んっ』って!? 集中出来ねぇ…! 息も当たってるんだよ…!)」
新華は2度も転生していながら女性関係はからっきしだったせいで、直接触れたり触れられる事に慣れていない。すぐ傍にnice bodyの宮田 彩香先生が居たものの手出しは全くしなかった。
ポーカーフェイスで誤魔化せてはいるものの、内心は10代男子並みの乱れっぷりだった。
箒への虐め開始。まぁ新華も言ってましたが、起こって当然ですよね。あと新華の言動にも矛盾が生じている部分が出てきているかもしれませんが、ガノタのミスor仕様です。
そして前書きにも書いたルガーランス。なんかノリノリで書いてしまいました。ノパソ無くて書けなかった反動って怖いですよね…。
同室なせいか簪、シャルロットより会長とイチャラブのチャンスが多い…
クォヴレーさん、かなり初期に頂いた感想の一夏トレーニング、使わせてもらいました!