IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

81 / 173
もうノパソの見積もりが全然来ないので新しいの買いました。壊れた奴の次の型です。
まぁそれはどうでもいいですね。
最新78話をお届けします。
次設定入れて2期へ。


夏休み最後の人事

 

 

 

 

---side 元軍人×3

 

 

 

 

 

彼らは以前、シャルロットを誘拐しパラべラム状態の新華と戦った元軍人だった。新華に行動不能にされた後に逮捕され刑務所に入れられていた。彼ら自身も自分がした事の罪を自覚し大人しく刑罰を受けていた。

だがつい最近、突然釈放を言い渡され唐突に日本へ行くように通達された。いきなり過ぎる展開に面食らう彼らだったが、元軍人で罪を犯した為に行くところも無く、多くの疑問を抱えながら日本へと渡った。

日本の羽田空港に着いた彼らを待っていたのは

 

 

 

 

 

「…貴様らが奴の言っていた元軍人か。フン、戦力にはなりそうだな」

「カナード、あまり喧嘩腰にならないでください。…コホン、ようこそ日本へ、御三方」

 

 

 

 

 

1組の男女だった。彼らはフランスから来る自分たちを迎えに来たのだと言う。しかし心当たりが無かった彼らは内心困惑していた。当然だろう、少し前まで犯罪に手を染め刑務所に居た自分たちが突然釈放され、言われた通りに日本に来てみれば自分たちを待っていたと言う見知らぬ男女がいるなど、誰が想像出来ようか。

 

 

 

 

 

「我々は『ソレスタルビーイング』。青木 新華…『蒼天使』が率いる組織の一員です」

「…なんだと?」

「チッ、詳しい話は後だ。ついてこい。時間が惜しい」スタスタ

「カナード! …はぁ、取り敢えず、こちらへ。案内します」

「あ、ああ」

 

 

 

 

 

戸惑いをよそに3人はカナード、メリオルと言う男女について行った。駐車場に止めてあったバスに乗り込むと

 

 

 

 

 

「ハロッ! オカエリ、オカエリ」

「………」

「ハロ、彼らが乗ったら出発を。行先は『カソウサス』で」

「リョウカイ、リョウカイ」

「「「!!?」」」

 

 

 

 

 

本来運転席のあるべき部分に丸い蒼い何かがセットされていた。しかも会話が出来る事に驚愕した。メリオルが言った通り、自分たちが乗ったことを確認した後バスは走りだした。驚いていると

 

 

 

 

 

「…これで驚いていたら向こうに着いたときに持たないぞ。この程度は当たり前の環境だからな」

「そ、そうか…。それで、あなた方は、一体…」

「話を聞いていなかったのか? 俺たちは…ゴフッ!?」ゴスッ

「カナード、いい加減にその喧嘩腰はやめてください。…さて、ご説明しましょう。我々『ソレスタルビーイング』について、何故あなた方が突然釈放されこの日本へと来るように指示されたのかを」

 

 

 

 

 

走るバスの中で3人は自分たちがどういう状況なのか、彼らの言う『ソレスタルビーイング』とはどういう組織なのかを説明された。

にわかには信じられないが一個人が出来る範疇を超えていた。孤児たちを集め育成する資金力、目の前の男女のような人材を集め纏める事の出来るカリスマ、そして、『蒼天使』として世間にも有名なIS操縦者としても一流の戦闘能力。例え10代の少年でなくても出来る者は限られるだろう。

そして何故自分たちがその『ソレスタルビーイング』に連れていかれているのか。青木 新華本人が裏で手をまわして取引したらしいと言われた。『蒼天使』本人からのスカウト。だが3人には理由が分からなかった。そのことを聞いてみると

 

 

 

 

 

「なんでも、実際に戦って(・・・・・・)優秀だから放っておくには勿体無さすぎる人材だからと言ってましたね」

「実際に戦った…?」

 

 

 

 

 

3人には一瞬心当たりが無かった。しかし直ぐに気付く。

 

 

 

 

 

「まさか…!?」

「あの時の、『裏路地の死神』とでも言うのか!?」

「おいおい…、あの化けもんが『蒼天使』だと…? 国際問題じゃねえか!? なんてこった…!」

「…やはりあの死神騒ぎは院長の仕業でしたか。本人に聞いてもはぐらかしてばかりで口を割らないんですよね。詳しく聞かせてもらえませんか?」

「あ、ああ」

 

 

 

 

 

3人はメリオルに誘拐事件のことを話した。

話し終え、情報の交換を行っている間にバス(ハロ操作、ETC付)は高速道路に乗り走っていく。

 

 

 

 

 

----

--------------

--------------------------

 

 

 

 

 

「トウチャク、トウチャク」

「ん…、着いたか」

「到着ですね。ようこそ、ソレスタルビーイングへ」

「…着いた、のか」

「やれやれ…なげぇ道のりだったな」

「あの門の先が敷地内なのですか?」

「ええ。あと少しで降りるので準備をお願いします」

「了解した」

 

 

 

 

 

バスが敷地内を走り停留所で止まる。カナード、メリオル、元軍人3人はバスから降り管理棟へと向かう。バスはハロの操作で自動に車庫へと走っていく。

 

 

 

 

 

「…」

「…」

「「「……」」」

 

 

 

 

 

敷地内を歩く中、3人は敷地内を観察する。敷地はそれなりに広く、子供達や家族の姿がちらほら見ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

「…こちらです。中で院長がお待ちしてます」

「「「………ッ」」」

 

 

 

 

 

あっという間に院長室に到着し息を飲む3人。こんなに早くあの化け物と再び会うとは、そもそも会うことがもう1度あろうとは思わなかった。3人は緊張して体を堅くするが、メリオルとカナードは自然体でドアをノックする。

 

 

 

 

 

「院長、例の3人をお連れしました」コンコン

『ご苦労さまです。入ってきてください』

「はい。…では、どうぞこちらへ」

「「「は、はぁ…」」」

「さっさと済ませるぞ」

 

 

 

 

 

ドアが開けられ5人が部屋に入る。部屋の中にはスーツを来て書類処理をしている青年が座っており、机の上には銀色の人形らしきモノが置いてあった。

 

 

 

 

 

「すみませんこんな状況で。メリオルさん、お茶を出してあげてください」

「はい」

「カナードさんもありがとう御座いました。劾さんと合流して仕事に戻ってください」

「了解した」

「さて、ようこそソレスタルビーイングへ。院長にして『蒼天使』の青木 新華です。コンゴトモヨロシク」

 

 

 

 

 

新華が自己紹介と同時に3人に微笑み掛ける。本来なら温かい印象を受ける笑顔だったが、3人には悪魔の笑みにしか見えなかった。

 

 

 

 

 

---side out

 

 

 

 

 

-----

----------------

-------------------------------

 

 

 

 

 

---side ロウ

 

 

 

 

 

とある国のゴミ捨て場。多くのジャンクが積まれている『ジャンク山』に彼らは居た。

 

 

 

 

 

「ふぅー! アウトフレームの新装備、追加しておいたぜ」

「ありがとうロウ。これで秘境にも行けるな」

「お前はどこまで取材しに行く気だジェス。護衛の俺のことも考えろ」

「全くだ。俺達がどれだけヒヤヒヤしたと思っている」

「悪い悪い。でも真実を伝えるのが俺の信条だからな。少しの無茶は多めに見てくれよ」

 

 

 

 

 

ロウ・ギュール、ジェス・リブル、カイト・マディガン、カイ・シデン。彼らの、カイ・シデン以外のメンバーは新華の関係者である。ロウ・ギュールとジェス・リブルの横には2人のMS『アストレイレッドフレーム』と『アストレイアウトフレーム』があった。ISのように本体を収納するコアが無いので普段の移動はトレーラー、もしくはワゴン車を使用している。

 

 

 

 

 

「お前の無茶は無茶とは言わないだろうが。俺らやアウトフレームが無かったらどうなっていたことやら…」

「日本でなくて良かったな。あの国だったらまず間違い無くISが来て豚箱入りだぞ」

(新華君)だって無茶しているだろ?」

「奴と比べるな、奴と。あれは最早別の生き物だ」

「うーん…でも、俺らとそんなに変わらないように見えるけどなぁ…」

「見た目だけだ。お前は何を見ていたんだ」

 

 

 

 

 

 

カイトがジェスに小言を言っていると、4人から少し離れたところから声が掛かる。

 

 

 

 

 

「おーいロウさん、ちょっとこのガレキどかしてくれよー」

「おー、今行くぜー! ちょっと待ってろガロード!」

「あいよー!」

「今のは?」

「ああ、この辺に住んでる奴だ。このジャンク山を教えてくれたのも彼なんだぜ?」

「へぇー、地元の子か」

「ああ。俺と同じくリサイクルが得意な奴なんだ。まぁ俺みたいに新しいのをつくるんじゃなくて、修理する方が得意らしいけどな」

「ロウさん早くしてくれー!」

「おう! 悪い悪い!」

 

 

 

 

 

ロウは真ん中から裂けるように開かれていたレッドフレームに体を預ける。左右に開いていた装甲が閉じレッドフレームのツインアイが光り、ロウの視界にいくつもの画面が開く。

 

 

 

 

 

「おぉっし! ガロードー、どこだー?」

『こっちこっち! これなんだけどさ』

「おお。よぉっし! いっちょやるか!」

 

 

 

 

 

レッドフレームの口の部分からロウの声がスピーカーを通してガロードに聞こえる。MSは操縦する際に着込むという性質上、声が篭もり聞こえにくくなるからMSにはスピーカーが付いている。ISサイズで製造する時に新華は気密性を求め密封出来る構造にしたと同時にスピーカーも取り付けられるよう設計していた。

ロウのレッドフレームがガレキの1つである廃車を持ち上げる。

 

 

 

 

 

「お…りゃあ!」

『おお! やっぱスゲーなMSって! あったら便利だろうなぁ』

「おう! なかなか役に立つぜ! ソレスタルビーイングに行けば新しいのがあるかもしれないなぁ」

『ホントか!?』

「ああ。だけど、あの場所に入るだけで一苦労だからなぁ。それにMS乗るにゃあいつの許可が必要になるし」

『あいつ?』

「後で話てやるよ。それより、何か見つかったか?」

『おう! これこれ!』

 

 

 

 

 

ガロードはジャンク山に駆け寄り目当てのジャンクを掘り出す。これらを修理し売る事で日々の生活の向上を目指していた。雀の涙程しか期待出来ないが、それでもやらないよりマシだろうとガロードは毎日のようにここに足を運んでいた。ロウをこのジャンク山に案内したのは、自身の稼ぎを増やす為に技術を学ぼうと思ったのと、作業の手伝いをしてもらおうと思ったからだった。

ロウはただ単にリサイクル出来るモノがあるか探しに来ただけで、今はレッドフレームの強化や新しく作る物を考えているだけである。

 

 

 

 

 

「さて、俺は……ん?」

『俺らも次の取材に行くか! カイト、シデンさん、行こう』

『やれやれ、ようやくこのゴミ山とオサラバか』

『そうだな。次の取材地は---』

「おい皆! 何か来るぞ!」

 

 

 

 

 

ジェス達ジャーナリスト組がその場を去ろうとしたとき、レッドフレームのセンサーがISの反応を捉えた。数は1。

 

 

 

 

 

『何だ何だ。何が来るって言うんだ?』

「反応はISみたいだ。数は1」

『1機だけ…? おかしい、なぜこんな所に1機だけなんだ?』

「!! ロックオンされたぁ! やべぇ!」

『ヤバい匂いがプンプンするな…ジェス! さっさと逃げるぞ! さっさとMSを戻…いや、乗り込め!』

『カイト!?』

『生身で逃げるよりMSに乗っていた方が安全だ』

『わ、分かった!』

「おいでなすったぜ…!」

 

 

 

 

 

カイトの指示でジェスは装甲が開いて待機していたアウトフレームに乗り込み乗ってきたワゴン車へと乗り込もうとした。その時既に、ロウとガロードはジャンク山に影に隠れていた。

 

 

 

 

 

『!!』ドウッ、ドウッ

『うわわ!』

『ちっ! いきなり発砲してきやがった!』

『くそっ、ジェス! カイト! 車から離れろ! ジャンクを利用して隠れるんだ!』

「うおおおおお!」

 

 

 

 

 

ロウはジャンクの影から、ISが空中でその手に持っていたライフルでカイト達を狙い撃ったのを見た。衝動的にレッドフレームのスラスターを吹かしISに突撃した。そして、同時に気付いた。

 

 

 

 

 

「(こいつ、何度か俺を襲って来た奴の仲間だなぁ!)」

 

 

 

 

 

敵のISの名は『ゴーレムⅡ』。その姿はⅠと比べて人に近く手にビームライフル、腰に刀を装備した武士のようだった。所属は『亡国機業』。狙いはロウ自身とレッドフレーム。

ロウは修理、改造、再利用のスペシャリストである。豊かな発想を持ち機械に対する興味と愛が強く、少ない資材や廃棄予定のスクラップで新たな装備や工具を作ることも少なくない。その優秀さから亡国機業にスカウトされていた。

しかしロウは自由気ままに放浪しながら、物の再利用をすることを第1としており、犯罪に手を染めるようなマネを嫌っていた。(ジャンクを勝手に持っていくのは犯罪じゃねとか気にしちゃいけない)

スカウトを蹴ったロウは、まるでスカウトされた事自体を忘れたかのように放浪し、亡国機業は味方にならず自分たちの存在を知るロウを消そうとした。ISを使って。

しかしロウの奇抜な戦闘センスとレッドフレームの性能によりロウを殺す事は叶わず、尽く撃退されていた。

 

 

 

 

 

『ロウ!』

「うおりゃああ!」

『…!』

 

 

 

 

 

ロウはゴーレムⅡにタックルした後、そのまま柔道の要領で背負投をする。しかし腐ってもIS、PICで地上に叩き付けられる前に体制を立て直した。MSにはまだ(・・)完全な浮遊が出来ないので、地上に足を付ける。

 

 

 

 

 

「あいつらしつけぇな! また無人機かぁ!?」

『む、無人機!? ロウ、それは本当か!?』

「ああ! ってぅお!」バチィ!

『…』

 

 

 

 

 

ゴーレムⅡが刀を振り下ろしたのに合わせてベームサーベルを引き抜き鍔迫り合いになる。ジェスとカイがロウの言った『無人機』という単語に反応した。

 

 

 

 

 

『無人のIS…!? まさか、作れる所があったとは…!』

『でも、なんで俺らを狙うんだ!?』

『心当たりは割とあるが、無人のISを作れる組織なぞ…』

「兎に角、今はこいつをどうにかしねぇと! そうりゃあ!」

 

 

 

 

 

ロウは腰にマウントしてあったビームライフルを持ち碌に照準を付けずに乱射する。ゴーレムⅡはすぐに回避して刀を鞘に戻しライフルを打ち返す。ゴーレムⅡの照準は正確でレッドフレームのライフルを打ち抜いた。

 

 

 

 

 

「のわぁ!」

『ロウ! ちぃ!』ダンッ、ダンッ

『!!』ビシュウ

『カイト、危ない!』

 

 

 

 

 

カイトが拳銃をゴーレムⅡに撃った。しかしISの装甲どころかMSの装甲すら抜けない拳銃では気を引く程度しか出来なかった。ゴーレムⅡがカイトに向けてビームを撃つ。それをジェスのアウトフレームが腰に装備されていたビームサインで防ぐ。

 

 

 

 

 

「やっぱつえぇな…」

『…ロウさん、ロウさん。大丈夫か?』

「ガロードか。大丈夫だが、ライフルがやられちまった。もう近付かないと攻撃出来ねぇ」

 

 

 

 

 

ロウがジャンクから何か使えそうな物を探していた所に、隠れていたガロードがロウに声を掛ける。

 

 

 

 

 

「それに空を飛ばれたら厄介だ。こっちには有効な飛び道具がねぇ。なんとかして低い所に居る間に倒さねぇと、逃げる事も出来ねぇ」

『それなんだけどよ、何とかなるかもしれないぜ?』

「マジか!?」

『ああ。あのオッサンたちにも手伝ってもらう必要があるけど…』

「今いい手が無いんだ! 兎に角話してくれ」

『分かった。まずは…』

 

 

 

 

 

ロウはガロードから作戦を聞く。その間ジェス達は走って逃げ回っていた。

 

 

 

 

 

『うおおおおおお! ロウ、どこ行ったぁ!』

『くそっ、アウトフレームのエネルギーが!』

『ジェス! ちゃんと写真は撮ってるだろうな!?』

『もちろんですカイさん! でも…うぉ!? 壊されそうに…!』

『『絶対に守れ!』』

「おい皆! ちょっと今からアイツを倒す為に手伝ってくれ!」

『ロウか! 何かいい策があるのか!?』

 

 

 

 

 

ロウは車の廃材をゴーレムⅡに投げ付けジャーナリスト組に近付く。

 

 

 

 

 

「ああ。今ガロードが仕込みの為に動いてくれてる。俺らは合図があるまでアイツを低い所に止めておくぞ」

『…勝算はあるのか?』

「当然!」

『………わかった。逃げ回っても事態は好転しない。乗らせてもらう』

「そうこなくっちゃな!」

 

 

 

 

 

ロウはレッドフレームのスラスターを吹かして、近くにあった廃材を持ち盾にしてビームサーベルを引き抜き突っ込んだ。ジャーナリスト組はそれぞれ拳銃×2、ガンカメラのレーザーを撃ち援護する。

ガロードはその時廃材を移動しながら気付かれないようにジャンク山に仕込みをしていく。

 

 

 

 

 

「おりゃあああ!」

『…!』

『やらせるかぁ!』

『行け、ロウ!』

「おっしゃあああ!」

 

 

 

 

 

ロウ達は、ロウのレッドフレームがゴーレムⅡに突っ込み1撃与え離れ、ジャーナリスト組が銃、ビームサインで援護するというヒットアンドアウェイで時間を稼いだ。無論、ゴーレムⅡを地上に押し込めるように、である。

アストレイチームの時間稼ぎの間にガロードが仕込みを終え、仕込みをしたジャンク山から離れて叫ぶ。

 

 

 

 

 

『みんな、今だぁ!』

「でりゃあああああ!」

『うおおおおおお!』

『!?!?』

 

 

 

 

 

ロウのレッドフレームとジェスのアウトフレームがゴーレムⅡに同時に取り付き、ガロードが指示したジャンク山に突っ込む。その際2人はちゃっかりゴーレムⅡにそれぞれサーベルとサインで1撃加えて離れた。しかも、ロウはさっきから気になっていた刀を強奪した上で、である。

 

 

 

 

 

「ガロードォ!」

『おう! くたばれぇー!』

 

 

 

 

 

ガロードが手元に自作の(・・・)スイッチを押す。直後、ジャンク山の中にあった車などのガソリンを使うジャンク、電気製品が爆発を起こしジャンク山が丸々吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

ドガーン

 

 

 

 

 

『…………………、………』カイ、(゜д゜)

『やりすぎだ馬鹿野郎ー! アッツ! 暴風があっつい!』カイト、慌てて近くのガレキでやり過ごす

『あっちゃー…やりすぎた』ガロード、離れた場所で爆発を見て頭をかく

「よっしゃあ!」ロウ、レッドフレームで作戦成功にガッツポーズ

『うわぁ、これ当事者じゃなかったらネタになるのになぁ…』ジェス、爆発を見てジャーナリストとしての考えを浮かべる

 

 

 

 

 

ゴーレムⅡは爆発に巻き込まれた。ロウ達がやった事は、ロウたちアストレイチームが時間稼ぎをしている間、ガロードがジャンクの中から爆発に適している物に爆弾を仕込み、合図でゴーレムⅡを押し込み爆破するといったものだった。

 

 

 

 

 

『でも、これなら一溜りも…』

『! ロウ、まだ!』ピピッ

「! うおりゃあああああ!」

 

 

 

 

 

アウトフレームのセンサーがゴーレムⅡの反応を捉えジェスがロウに伝える。アウトフレームは戦闘目的ではなく作業用MSなので、武装が殆ど搭載されていない代わりにセンサー類が強化されている。先ほどまで使われていたビームフラッグは、ビームで文字を空中に映し出せるもので戦闘用ではない。むろん使い方によっては武器になるが出力は低い。

ロウはビームサーベルを持ち炎に突っ込む。炎の中から黒い影が浮かび上がる。

 

 

 

 

 

『!!』ビシュウ

「ぐああ!」

『『『『ロウ(さん)!』』』』

 

 

 

 

 

黒い影、ゴーレムⅡは爆発の影響で内部温度が上がり処理速度が遅くなっていた。しかし接近するロウと、手に持つサーベルを確認した後に残った武装のビームライフルで撃った。ロウ本体を狙っていたが処理速度の遅れと爆発の影響でロックがずれ、レッドフレームのサーベルを持った右手に直撃した。

 

 

 

 

 

「ぐ、おおおおおお!」

『!?』

「これが俺の、赤い一撃(レッドフレイム)だぁ!」

 

 

 

 

 

サーベルを消失したロウだったがスラスターはそのままに、ゴーレムⅡに肉薄した。そしてそのままサーベルを抜かずにエネルギーを手の平に集める。するとサーベルに向かう筈のエネルギーが左手の平で球体を作り光の玉となった。

ロウはそれをゴーレムⅡに直接叩きつけた。光の玉はゴーレムⅡの装甲を突き破りコアに直撃、ゴーレムⅡは動きを止めた。

 

 

 

 

 

「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ふぅー…」

『ロウ、大丈夫か!?』

「いてて…まぁ大丈夫だ。レッドフレームが守ってくれてるからな」

 

 

 

 

 

今だロウは炎の中に居たが、レッドフレームの装甲はさほど熱くなっていなかった。ロウはすぐに炎から出てジャーナリスト組とガロードと合流し、レッドフレームから降りる。

 

 

 

 

 

「ロウ! 手が!」

「いててて…、わりぃ、俺のトレーラーの中に救急セットあるから取ってくれねぇか?」

「わかった。ちょっと待ってろ」

 

 

 

 

 

カイがロウのトレーラーに向かい救急セットを取ってくる。先ほどサーベルを破壊された時にレッドフレームの右手の平の装甲が破壊されロウの手の平が焼け爛れていた。

 

 

 

 

 

「こりゃ酷い。だけどIS相手にこの程度で済んだと思いたい。まさか撃退するどころか撃墜するとはな」

「まぁ、無我夢中だったしな。ガロード! お前は大丈夫か?」

「ああ! だけどロウさんの方が大丈夫じゃないじゃないか」

『全くだ。無茶しすぎだぞロウ』

「「お前が言うなジェス」」

「はははは! あ、ジェス。わりぃけどレッドフレームをトレーラーに戻しといてくんねぇか?」

『いいぞ』

「じゃあ、戻し終わったらさっさとトンズラするか」

「ああ。これだけの爆発じゃあ直ぐに警察が来る。急いだ方が良さそうだろうな」

 

 

 

 

 

ジェスがアウトフレームでレッドフレームをトレーラーに戻す。ロウがカイとカイトの言葉を聞き声を上げる。

 

 

 

 

 

「じゃあよ、あのISも回収して行こうぜ!」

「あ? あのガラクタをか?」

「そうそう。ジェス! 出来るか?」

『俺は運び屋じゃなくてジャーナリストだぞ。まぁ出来るけど』

「なら頼む。俺もこんなんだし、ちょうどそろそろソレスタルビーイングに帰ろうかと思っていた所だしな。新華にちょっとしたお土産だ」

「俺も場所変えなきゃな。もうここは閉鎖されて入れなくなるだろうし、いつまでもここにいたら捕まっちまう」

 

 

 

 

 

ガロードが地元の地形を思い出しながら呟く。それを聞いたロウは

 

 

 

 

 

「お、じゃあガロードも来るか?」

「え? どこに」

「MSがある、『ソレスタルビーイング』に」

「え? いいのか?」

「おうよ!」

「でも、簡単に入れないんじゃ」

「大丈夫だっての! 俺に任せておきな!」

「…まぁここで出来る事も無いからなぁ」

 

 

 

 

 

そう話している間にジェスがゴーレムⅡの残骸を回収しロウの手の応急処置が終わった。

 

 

 

 

 

「これでよし。ほら、さっさと行くぞ。お前も、着いて来るならさっさとしろ。もう待てん」

「おう! で、どうするガロード」

「…よし! 俺も行くぜ!」

「よっしゃあ! じゃあトラックに乗りな!」

「ああ!」

 

 

 

 

 

ジェスがアウトフレームをワゴンに載せロウとガロードがトラックに乗り込む。エンジンを掛けて2台とも直ぐにアクセルを全開にした。

 

 

 

 

 

「やばい、警察が来たみたいだ。すこし遠回りして空港に向かうぞ」

「んぁ? カイト達も来るのか?」

「アウトフレームも今の戦闘でダメージを負ったからな。それにカメラの調子が悪くなったんだ。精密機械だし1度行こうかなと」

「俺は『蒼天使』に会った事が無いからな。1度取材してみたいと思っていたんだ」

「へぇー。じゃあ全員で行くか!」

 

 

 

 

 

ロウ達は道路を全速で走って行く。行く先は空港。目的地は『ソレスタルビーイング』。

 

 

 

 

 




元軍人3人の名前は次回の設定に載せます。
あとガロード登場。多分ティファはCBの孤児院に居る。
Xフラグ、レッドフレーム(フライト、パワード)フラグ、テスタメントフラグ、ヒルドルブフラグ、リーオーフラグ、エアリーズフラグが立ちました。出番あるかわかりませんけど。

次回もおたのしみに

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。