あとは一夏自宅と同じ時間での新華の行動を書いて第2期へ
まだ前話でside outしていないので、まだ一夏視点です
実は現在愛用のPCが壊れてしまいまして、更新速度とクオリティが下がります。電子辞書のメモ機能を使って書いてますが、PCのように上手く書けません。ご了承ください。
「おー、変わってないな、ここも」
「そ、そうだな」
一夏と箒は虫の鳴き声くらいしか聞こえない静かな林についた。これから始まる花火を見るには絶好のスポットである。
「(い、今は2人きり…こ、これは告白のチャンスでは!?)」
「そろそろだな、花火」
「そ、そうだな……い、一夏!」
「ん?」
箒はついに心を決めた。一夏に自分の想いを告げることを。今の箒の頭の中は決意で、視界は一夏で一杯だった。故に気付かない。迫る影に。
「わ、私は、お前の事がっ」
「? ! 箒! 離れろ!」バッ
「!? くっ、一夏、何を」ドサッ
ドスッ
ドォーーーーーン
「織斑君」
「え」
一夏に突然突き飛ばされた箒は、花火の明かりを横にその光景を見た。見知らぬ女子が一夏の原に何かを突き出しているのを。女子の顔が花火の明かりで映される。その顔は狂気の笑みで染まっていた。
「私のものにならないなら、一緒に死んで?」
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「…一夏!?」
新華はソレスタルビーイングの工房内でそれを感じた。新華はこの期に及んで気付いてないがNTである。人の感情や害意に敏感で、特に親しい者に何かあれば今の様に遠距離でも気付くことができる。
「何だ、何が起きた…!?」
新華は新たにジンクスの設計をするためにハロ兄経由でヴェーダに接続していたが、すぐに接続を切り椅子から立ち上がった。
「今すぐクアンタで…いやまずは状況確認だ。一夏の携帯…出てくれ、いや、無事でいろ…!」
新華は携帯を取り出し一夏の携帯にコールする。その顔には焦りの表情を汗が浮かんでいた。
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「一…夏…?」
「あ、危ないじゃないか!」
「え…? なんで刺さってないの!?」
「! 一夏! 無事か!?」
「あ、ああ! お、大人しくしてくれ!」
「離して!」
「そんなもの持たせたまま離せるか!」
一夏は腹を刺されていなかった。だが包丁は脇腹を掠り血が流れていた。
一案津は女子の両手の手首を掴み動きを止めたが、女子はその手を振り払って再び一夏目掛けて包丁を突き出した。
「死んでよおおおおおおおお!」
女子は勢いよく突いた。一夏は腕を振り払われた直後なので確実に刺さる状況だった。しかし
キィン
「え!? きゃあ!」
「えっ?」
「い、今のは」
刺さると思われた時、包丁が何かに弾き飛ばされた。一夏と箒の2人は今の現象を見慣れていた。
「絶対防御!? 白式、なのか?」
「馬鹿な、ISは展開されていないのに」
「そんな、なんで…」
「! 拘束する!」
白式はサヤカに『守って』と言われたことで一夏の窮地を救うことができた。本来なら展開しなければ使えない絶対防御を緊急的に発動したのだ。他ならぬ、白式の意思で。
浴衣の箒が女子を拘束する。うつ伏せにさせて手首を抑える。包丁は離れたところに刺さっていた。
「離せ!」
「大人しくしろ!」
「君は、中学の時の…」
一夏は女子に見覚えがあった。中学の時にクラスメートになったことがあった女子の1人だった。
「君は、何で…?」
一夏が女子に話しかけようとしたとき、一夏の姿を見た箒が叫ぶ。
「一夏、血が!」
「へ? い、痛たたたたたたた! やばい、血が出てる!」
「早く救急車を! それと警察もだ!」
「あ、ああ!」
一夏はすぐに携帯で110、119番に掛けた。
「すぐ来るみたいだ。イテテテテ…」
「今私は動けん。止血は出来るか?」
「一度箒の実家に寄らせてもらえば出来るけど……あれ? 血が…」
「どうした?」
「止まってる。…もしかして、白式か?」
見ればもう脇腹の傷から血が止まっていた。時間が経てばおそらく傷跡も残らないだろう。以前の福音戦の時のように、白騎士事件の時の千冬のように。
「どうして…」
「白式の、お陰かな? なんとなくそんな気がする」
「白式の?」
「ああ。それで、その子どうす……ん?」
一夏のポケットに入れた携帯が鳴る。見ると新華からだった。
「箒、新華からだ」
「何? このタイミングでか?」
「新華君…そうよ、新華君の言葉を聞かずに行動していれば…!」
「え…?」
「なんだと?」
「と、とりあえず出てみるか」
一夏は呼び出しに応じる。すると焦った新華の声が聞こえた。
『一夏、大丈夫か!? 何かあったか!?』
「えっ、何でわかったんだ?」
『やっぱりか…! 大丈夫か!? 怪我はないか!? いやそれ以前に何があった!?』
「お、落ち着いてくれ新華! えっと…」
一夏は新華に状況を伝えた。その間、箒に拘束されている女子は悔しそうに一夏を睨んでいた。
『そうか…。一夏、その女子と話をさせてくれないか?』
「え? どうしてだ?」
『警察が来たらまた暴れるかもしれないだろ? 少し諭す』
「出来るのか?」
『世界中を飛び回ってう詐欺の相手をしていた経験を舐めるな。耳に当てるだけでいい。あとは俺がやる』
「わかった。箒、新華がその人と話したいらしいんだけど。携帯を耳に当てるだけでいいらしい」
「何?」
「今更話すことなんて!」
箒は戸惑い女子は怒りの表情を浮かべた。
『一夏、今から俺の言うとおりに彼女に言ってくれ』
「え? わ、わかった。今から新華の言葉を言うぞ」
「? わかった」
「『俺の忠告を無視した挙句組み伏せられた敗者は黙って勝者の言う事に従え、この犯罪者』って新華!?」
「なっ、なんてことを言っているんだ!?」
『殺人未遂は十分犯罪だ馬鹿たれ。お前らが慌てる要素がどこにある? 気付いていないのか? 一夏、お前』
携帯を持つ一夏の後ろで大きな花火が咲く。
『殺されかけた、命を奪われかけたんだぞ。つまり、お前は何も守れないまま死んでいたことになる。気付いて少しは危機感を持て』
「あ…」
一夏が言葉を失うと、パトカーと救急車と思われるサイレンが近付いてくるのが聞こえた。
「あ、警察」
『時間を掛けすぎたな。話はもういい。あとは今度時間があるときに個人で話をしに行く。跡は警察に任せな』
「あ、ああ…」
『じゃあな。白式に感謝しろよ。お大事に』
「あ、新華」ツー、ツー、ツー
新華は一方的に通話を切り、その場には終わりを告げる最後の花火の音とサイレンが響いた。
---side out
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「はぁ…」
「どうしたんですか新華さん? いきなり挙動不審になって」
「俺の一連の動作は挙動不審かよ…。なんでもない。一夏関連だ」
「なんでもないって顔ではないぞ。一夏とは、あの3日前に来たISの…」
「ええ。いつもの面倒事です」
「「「「いつもの?」」」」
AGEシステムの管制室で頭を抱えていた新華を、帰る所だった真とスウェンにカナード、劾の4人が注視した。
「昔から一夏の周りはカオスですから。一夏が気付かない故にいつも俺が処理しているんすよ。IS学園でもそれは変わりませんし」
「何で新華さんが処理するんですか? 本人にやらせればいいじゃないですか」
「そうなんだけどな…ヤンデレだったりお嬢様だったりホモォだったりをあの馬鹿に対処させると、俺にまで被害が来そうでな」
「「「「いやいやいやいや」」」」
「最後の明らかにおかしいだろおう!? いったいどんな状況だ!?」
「ですから、カオスです。極め付けは一夏本人が気付いていないことっすね」
新華の話に一同はあきれる。一夏の鈍感もそうだが、新華の過保護にも。
「被害がくるって、えっと、具体的にはどんな?」
「そうだな…。一夏への紹介を頼まれたり、告白のセッティングを頼まれたり、ヤンデレの暴走が飛び火したり、男の娘にライバル認定されたり、腐女子のネタにされたりets…」
「うっわ、ひでぇ」
「そんな中、あの馬鹿に何かさせても余計にややこしくなってアボンだ。被害を大きくさせる前に火種を消すのは自分の為でもあるんだよ」
「…それで、さっきのは?」
「ヤンデレの暴走。また暴走しないように後日トドメ刺しに行かんとなぁ…」
「さすが『蒼天使』だ。追い打ちをかけるか」
「何度も同じことを繰り返されて無駄に時間を掛けたくはありませんから。さて、まだ設計する物があるんで先に帰って大丈夫ですよ。しばらくここにいるんで戸締りは自分でやります」
新華は椅子に座り直し設計画面を出したハロに向き直った。4人はお互いに顔を見合わせ方をすくめる。新華が設計するときは、普段とは比べものにならないくらい集中していて話を聞かないと思っているからだ。実際はヴェーダに意識ごとアクセスしているために話し掛けられても気付かないだけだが、あながち間違っていないのでそっとしておこう。
「あ、言い忘れていましたが、最近機体数とパイロット数のつり合いが取れないので元軍人を3人ほどスカウトしますんで、よろしく」
「「「「先に言え」」」」
PCが無いので最近『ソールトリガー』というゲームをプレイしているんですが…
最初の主人公がキタローに、2人目の主人公が一夏にしか見えない…
一夏より押しが強いけどね! ラーズは!
しかも最初の主人公『ファレル』の息子という…
おいファレル、いつヒロインとそう言う事したよ。そんな描写無かったぞ!?
というかヒロインと結ばれた直後の作戦で死んでなかったかお前ら…?