IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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76話目。
なんか真のデスティニーをサイコフレーム搭載型にしたくなった。ほら、真って赤いイメージがありますよね。デスティニーにUCタイプのサイコフレームがあれば怒りのSEED時に赤く輝き………優しい心MAXになってSEEDの時は緑色に輝き…
あれ、でもそのデスティニー何処かで読んだような…


2日目、帰宅

 

 

 

一夏達がソレスタルビーイングに来て2日目。

新華は青木家で朝食を取った後、一夏達の様子を見る為に孤児院食堂に来ていた。食堂の内部は新華の思った通りの状況が広がっていた。

 

 

 

 

 

「IS学園って危機感が薄いんですね」

「いや、そうなのか?」

「では、あなたは最新のISを自分の感情のままに、特に理由も無く受け取ったと?」

「理由はあるぞ! あるが…」

「へぇ、中国ではISを勝手に展開しても怒られないのか? そんなに規律と頭のネジが緩いなんて、日本で生まれてよかったよ」

「あんた喧嘩売ってんの…?」

「え、IS学園の部屋って2人共同ですよね? なのに無断で外装変えたんですか? 相手の意思も聞かずに」

「うっ!」

「確かフランスってこの前誘拐事件が有りましたよね。どうせ新華さんがまた無茶したんじゃないですか?」

「え、またって?」

「…それで、あの時の切りつけた時は、こうスラスターを吹かせて…」

「なるほどな。ではその後の砲撃は…」

「…蘭ちゃん、チャンスはまだ有ると思うから頑張って!」

「う、うん!」

「弾………新華さんと頑張って」

「………変わってくれないか?」

「…やっぱこうなっていたか」

「「カオス、カオス」」

 

 

 

 

 

一夏と箒とセシリアとシャルロットの4人が孤児達(年齢バラバラ)に色々と言われ、鈴は真と睨み合い、ラウラはスウェンと昨日の戦闘について話し合い、弾は何人もの男子に励まされ、蘭も何人もの女子に励まされていた。

 

 

 

 

 

「ようやく来たか。青木 新華」

「あ、カナードさん、劾さん」

「遅かったな。先に食べてきたのか」

「ええ」

「「オハヨウ、オハヨウ」」

「…やはり2機あると賑やかだな」

「それより、アレ、止めなくていいんですか?」

「良いも悪いも、お前の客人だろう。それに、ここなら会話も聞けてIS学園の生徒とやらの意思も確認出来る」

「加えて子供達が上手く情報を引き出している故、情報収集も可能だ。最も、院長に聞けば済む事だが」

「さいですか。あ、劾さん。今日ブルーフレームの強化改修をするので後で見に来てください」

「了解した」

「カナードさんも、機体の設計を始めるので完成したらジンからそちらに乗り換えてください。ジンとシグーはまた弄りまわすんで。あ、あとメリオルさんに警備時間の調整をお願いしておきますんで、後で確認してください」

「「カイハツ、カイハツ」」

「「了解」」

 

 

 

 

 

新華がね○どろいどサヤカを頭に乗せ食堂の入口で劾とカナードと会話を交わすと、一夏達の隣で静かに朝食を取っていた生徒会チームに近付く。

 

 

 

 

 

「おはようございます。いつもより賑やかっすね」

「おはよう院長さん。さくやはおたのしみでしたね?」

「!?」ガタッ

「なに言ってんですか」

「「オタノシミ? オタノシミ?」」

「だって昨日デュノアちゃんが新華君の家に行ったでしょ?」

「「「「「「そうなんですか!?」」」」」」

「………お前ら実は仲良いだろ」

 

 

 

 

 

楯無の朝一番の一言で簪が、その後の一言でそれまで騒がしかった食堂内が一斉に止み視線が新華とシャルロットに集中した。

 

 

 

 

 

「デュ、デュノアさん…!?」

「ち、違うよ!? 違うからね!?」//////

「というか家に行く=おたのしみにはならねぇだろうが。お前ら座れ。シャルルもわざわざ話題を与えるような反応すんな」

「うん…………新華、名前」

「名前? ………ああ、悪いシャルロット(・・・・・・)

「うん」

「え…? 呼び方…」

「ああ。昨日シャルr…シャルロットが来たのは、呼び方を変えてくれってのがあってな。まだ慣れないが、いい加減ちゃんと呼ばないと失礼だからな」

「…今更じゃないか? でも確かに新華だけシャルの事『シャルル』って呼んだままだったな」

「それはそれで一夏さんの『シャル』と扱い同じだと思ってたのですけど?」

「あっ…」

「いや、それまで『シャルル』で定着してたから『シャルロット』に変えるのに違和感があってさ」

「うう………」

「…取り敢えずシャルロットは戻ってこい」

 

 

 

 

 

項垂れて呻きを上げるシャルロットを新華が呼びかける。ソレを見たソレスタルビーイングメンバーは

 

 

 

 

 

「(あーあ。新華さん、このハーレムどう収集着ける気だ? いくら断り突き放し続けても返って寄ってくる人も居るのに…)」←真

「(まーた『なんで俺が』とか言うんだろーなー)」←トラッシュ

「(青木 新華…流石にもう無茶しない方がいいんじゃないか? 無茶する毎に女が惚れてるように見えるぞ)」←カナード

「(またか。まぁ、きちんと仕事してくれれば問題は無い…か?)」←劾

「(…新華さん、いい加減に誰かと付き合った方が収まるのでは?)」←スウェン

「(パルパルパルパルパルパルパル………もう一夫多妻でいいよ!)」←ガノタ

 

 

 

 

 

こんな感じだった。1名余計なやつが居たのを気にした奴、挙手。

ついでに、最後の言葉に賛成な奴も挙手。

 

 

 

 

 

「で、一夏達。今日はどうするんだ? 昨日大まかに案内したけど」

「ああ…えっと、着替えとか2日分しか持ってきてないんだよな」

「…そうだ。泊まり掛けになるとしか聞いていなかったし、家に行くだけだと思っていたからな」

「つまり、今日には帰らないといけないんだけど…」

「案内された建物で気になるものがあったので、そちらを見に行きたいですわね」

「それだけではなく、MSをもっと見てみたいな」

「僕は新華がこのソレスタルビーイングで1日何をしているのか見たい」

「…………好奇心旺盛な事で。んで? そしたら何時まで居るんだ?」

「「イツマデ? イツマデ?」」

 

 

 

 

 

新華が尋ねると一夏達は顔を見合わせる。

 

 

 

 

 

「…どうする? 正直まだMS見てみたいんだけど…」

「時間が無いな。それに私にも予定がある」

「アタシには無いけど、着替えが無いのが痛いわね…」

「それに行きと同じバスを使ってもIS学園に戻るまでかなりの時間を要しますわ」

「寮に着く時間が夜になっても良いと言うなら、昼に出ればいいだろう」

「じゃあ、お昼に帰るって事で。………あれ? 更識さん達はどうするの?」

 

 

 

 

 

シャルロットが生徒会メンバーを見て気付く。それに生徒会メンバーは一夏達が来る前から居たと新華も言っていたので、着替えとかはどうしているのかという疑問があった。

 

 

 

 

 

「流石に私達もそろそろ帰るわよ。仕事関係で来てた訳だしね。着替えもそろそろ無くなりそうだし」

「もうね~1週間もね~ここにぃ~居るんだよぉ~」

「えっ、1週間…?」

「ほ、本当なんですか布仏さん」

「ええ、本当です。青木君が溜めていた仕事の中に我々が関わる物が有りまして、それの処理が終わるまで………」

「…ちょっと新華、いくらなんでも女の子を1週間も待たせるなんて失礼じゃない」

「………俺は『終わったら連絡するので家で待機してて下さい』って言ったんだが、会長がゴリ押してなぁ」

 

 

 

 

 

新華が困ったように頭の上のサヤカを撫でる。

 

 

 

 

 

「だって夏休みの間は新華君と一緒に居られないのよ? 新華君の人間関係を知る必要もあったし。まぁ、最後のは口実なんだけどね」

「…だってさ。虚さんは会長の従者だからセットだし、簪さんも何気に本音さん連れて会長に着いて来たし」

「そりゃ~おねぇちゃん達がいて~あおきーがいるんだしぃ~。かんちゃんが行かないわけないよねぇ~」

「ほ、本音…!」

「じゃあ会長達も一夏達と一緒に帰りますか? 仕事も終わりましたし、何より前当主夫妻が毎日電話してくるので…」

「あらごめんなさいね。全くお父様にお母様ったら」

「そういう訳なんで、ゲストルーム組は全員帰宅と。じゃあ昼まで自由時間でいいですか?」

「「「「「「異議なし」」」」」」

「じゃあ12:30にバス停集合で。あのバス降りた所ね。俺は工房地下に居るから」

 

 

 

 

 

新華はそのままコロコロ回るハロ兄弟を連れて食堂を後にした。と、思ったら顔だけ出して

 

 

 

 

 

「言い忘れてた。真とスウェンは新型開発までお休みな。ストライクのデータは十分だから新型まで待て」

「えっ!? ちょっ!」

「街に出かけるなり部屋でゴロゴロするなり好きにしてろ。お前ら少し戦闘し過ぎだから」

「し、新華さん!?」

 

 

 

 

 

そう言って新華は今度こそ食堂から居なくなった。

 

 

 

 

 

 

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研究所地下、新華の開発室。

AGEシステムがフル稼働し続々と機体のパーツを生産していた。

 

 

 

 

 

「これでハイペリオンは完成、インパルスとストライクEはまだ設計中だから、先MS-09ドムとRX-78-1ガンダムを作ろうか」

「おい、青木 新華。このパーツを組み立てれば俺の機体が完成するのか?」

「ええ。CAT1-X機体名『ハイペリオン』。主兵装はザスタバ・スティグマトって言うビームマシンガンを採用してますので、使いやすいと思いますよ」

「ほう。それで要望の大火力ビーム砲はどうなっている?」

「ちゃんと付いてます。それと一緒に新機能を搭載しておいたんで、調整しながら使ってみてください」

「わかった。劾と模擬戦でもしながら見てみる」

「はい」

 

 

 

 

 

カナードがハイペリオンのパーツと睨めっこしながらクレーンを操作して組み立ていく。新華はそのまま新しくパーツを作っていく。現在ハロ兄とサヤカは離れた場所でとある物を解析していた。

 

 

 

 

 

「サヤカー。そっちの解析はどうだー?」

『------』

「ん、擬似の方はまだ14%でオリジナルは手を付けていないと。まぁ妥当だな。そのまま続けてくれ。オリジナルは俺も一緒にやる」

『------』

「ああ、擬似の解析が終わり次第、改良、生産に入る。同時にジンクス系も作りたいから、また時間が掛かるな」

『------』

「ハロはそのまま解析に集中させてくれ。終わったら俺に教えてくれ。異常が無いか確認してからヴェーダにバックアップを取る」

『------』

「ん、よろしく」

「ニイサンガンバレ、ニイサンガンバレ」

「オマエモナ、オマエモナ」

「…仲いいな。ハロ弟は早速RX-78-1とMS-09の開発に入れ。開発の後はストライクEとインパルスの設計に入る」

「リョウカイ、リョウカイ」

 

 

 

 

 

そして新華は予想外にやる事が無くなってしまった。

 

 

 

 

 

「しまった…。今まで設計はハロ兄経由でヴェーダを使ってたから、今は解析やらせているせいで出来ない。弟の方でも出来るけど、今はAGEシステムに掛りきりだ。加えてクアンタはサヤカとなって自我を持ち、今は解析中だ。整備も終わっているから適当に弄る意味も無い。真とスウェンは今居ないし、劾さんはブルーフレーム2ndを振り回している。カナードさんもハイペリオン組み立ててるし…。ロウさんとジェスさんに、レッドフレーム、アウトフレームについて連絡してみるか?」

 

 

 

 

 

新華が悩んでいる間にエレベーターが動き、中から生徒会メンバーの更識姉妹、布仏姉妹、加えてシャルロット。そして以外な事にラウラと弾が降りてきた。

 

 

 

 

 

「あ、そっか。ストライクルージュ作ればいいんだ。忘れてたな」

「何を忘れていたのかしら新華君?」

「…やっぱり何度見てもスゲェな」

「あ、来たんだ。ってかシャルロットにラウラ? 一夏と行動してるかと思った」

「私は軍人だぞ? 軍人として自国の脅威になる物は観察すべきだろう」

「…流石。目の付け所が違う。会長とシャルロットも?」

「うぇ!? ま、まぁそんな所かな!?」

「私は昨日大体は見たから、今日はもう少し詳しくね」

「そうですか。弾は?」

「お、俺はやっぱりMSってのが気になってな。丁度布仏さんが行くって言うから着いてきたんだ」

「へぇ~~~~~~~~」2828

「………なんだよ、その顔と変に伸ばした声は!」

「べっつにぃ~~~~~~? んで、お前ら前に言ったように、不用意に機械を弄るなよ? 時間も無いんだし、怪我して帰るときに憂鬱になりたくないだろ?」

「あ、ああ。気を付ける」

 

 

 

 

 

ISメンバーを見たカナードが声を出す。

 

 

 

 

 

「おいガキ共! 俺の邪魔をするなよ。下手に触って事故でもお越してみろ、ただじゃ済まないからな!」

「は、はい!」

「び、ビックリした…。行き成り怒鳴らないで欲しいなぁ」

「安心しろ。アレはお前ら子供を思っての事だから。怒ってるわけじゃないから」

「お~。ツンデレ~?」

「ツンデレツンデレ」

「具体的にはどんな~?」

「ツン:デレ=9:1の割合かな? まぁでもわかり易いからな。子供達の世話を任せたら、怖めの保育士さんに見える感じ?」

「おい青木 新華。聞こえているぞ…!」

「カナードさんは作業に集中していてください。ほら、パーツが」

「何? くっぬおお!」ガシャガシャ

「ほらね」

「そ、そうだね…」

 

 

 

 

 

カナードがクレーンを操作し間違え慌てるのを見て簪を筆頭に全員が頷いた。新華には遠目でカナードが青筋を立てているのが見えたが、無視する事にした。

 

 

 

 

 

「ま、テキトーに見てけ。俺はやる事思い出したからそっちをやる。仕事漬けでなかなか出来なかったから、割と楽しみでな」

「なぁ新華。俺もMSに乗ってみてもいいか?」

「駄目だ。必要無いなら乗らない方がいい」

「え? でもさ」

「あのな弾。これは上のMSと違って扱いは前に話したISと同じ『兵器』なんだよ。まぁこっちは人の生存率を重視して作ってあるし、生産ラインが確立されれば『機械の使い捨て』が出来るけどな。ISと違って『人の使い捨て』ではなくて」

「…あー、そう言う事ね」

「へ? 『人の使い捨て』って?」

「ああ、シャルロットには言ってなかったか。いや、それどころか一夏以外には弾と蘭ちゃんにしか言ってなかったな。会長と虚さんは知っているでしょ?」

「………ええ。聞いているわ」

「私もです」

「え~? なになに何の話~?」

「………聞きたいか? 俺の『ISに対する持論』を」

 

 

 

 

 

そう言って新華は、シャルロットや簪達が見たことが無い真剣な新華の顔を見て唾を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

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「…とまぁ、こんな所だ。どうだ? おかしい所はあるか?」

「「「「「「………」」」」」」

「そうか。お前は、そう考えてコイツらを作っていたのか」

「成程な。異常なまでの防御機能とMSの扱い易さの理由が分かった」

 

 

 

 

 

新華の持論にISメンバーは黙りこみ、カナードはハイペリオンを見上げ、いつの間にか演習場からクレーンでブルーフレームを移動させた劾が納得の表情でISメンバーを見ていた。

 

 

 

 

 

「やっぱ、何度聞いても、キッついよなぁ…」

「あおきーすごいね~。そんなに考えてたんだ~」

「消耗品…私が…?」

「僕のラファールも、死んだら、僕じゃない、誰かが乗れば良いって事? そんなの…!」

「………軍人は戦場において消耗品となる。ただそれは、自国民を守る為だ。だが新華の言う通り、今の世界ならそんな下らない事で兵をいたずらに消耗するだろうな」

 

 

 

 

 

新華はそんなISメンバーを見て、自分の話は無駄では無かったと思った。弾がきちんと考え成長しているように感じたからだ。ラウラの言葉に内心同意するが、前世の戦争を見ている者としては理想論だと思ってしまった。心にあるP・V・Fが疼く。

 

 

 

 

 

「弾。兵器ってのは人を殺す為の物だ。それ相応の覚悟が必要だ」

「それじゃあ、あの真ってのとスウェンって奴は?」

「覚悟済みだ。…あの2人にはこのソレスタルビーイングしか帰れる場所が無い。加えてISによって住んでた場所を追われた身だしな。ソレスタルビーイングという『家』を守りたいという覚悟は1人前だ。でしょう?」

「…そうだな。あの年齢でそんな覚悟をして欲しくは無かったが…」

「ISによる歪みは、我々が軍人だった頃に思った以上のものだったと言うことだ」

「因みに作業用MSはその名の通りの作業用、もしくは災害用だ。対するMSは防衛用。対IS用とでも言うかな? だけど世間に出たら真っ先にISに並ぶ兵器として使われだすだろうな。そして、その先にあるのは女尊男卑によって虐げられてきた男達の復讐戦争だ。MSは生産すれば数で勝る。パイロットも性別、年齢を問わない。研究もISと比べれば楽なもんだろう。対するISは最大467機しか出せず、生身じゃMSには勝てない。後は…分かるな?」

「………ああ」

「『コチラ側』に来て血みどろになりたくなければ、目の前のMSを『ロマン』で片付けろ。少なくとも俺はお前に『コチラ側』に来て欲しくない。それは一夏も、厳さんも同じだと思うぞ」

「…そうか?」

「そうだ」

 

 

 

 

 

新華がそう言うと見計らったようにエレベーターが動きだした。新華は一夏達が来たのを感じた。

 

 

 

 

 

「一夏達が来たようだ。新型2機も完成したみたいだが、あと少しで帰りの時間だ。大した物見れないだろうな」

「お、おう」

「院長。アレは新型だが、真とスウェンのか?」

「いいえ。あれはまた別の機体です」

「なら誰を乗せる気だ? 天田か?」

「ええ、片方は。もう片方はパイロット未定です」

「そうか」

 

 

 

 

 

エレベーターが降りて一夏達が降りてくる。新華は一夏達が降りる前に背を向け作業に戻った。

 

 

 

 

 

「…さて、俺も作業に戻るか。劾、後で模擬戦相手になってくれ。微調整はその後でゆっくり出来る」

「いいだろう。俺もブルーの調整をする必要があったところだ。相手になろう」

「助かる」

 

 

 

 

 

劾とカナードも作業に戻る。一夏達が降りて来たが3人はもう殆ど一夏達に反応せず作業に集中していた。

 

 

 

 

 

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12:40頃、バス停。

一夏達が来た時と同じバスの前に居た。荷物は既にバスの中に入れた後である。

 

 

 

 

 

「いろいろ、あったなぁ」

「そうだな。色々、あったな」

「もうお腹一杯よ。しばらくここの事が頭から離れそうにないわね」

「たった2日なのにへとへとですわ」

「だね…。考える事も多かったし…」

「私も同じだ。帰ったらやる事があるな」

「俺、帰ったらもうちょっと真面目に進路、考えてみるかな…」

「…進路、かぁ。どうしようかな…」

「色々考えてるようだな。良きかな良きかな」

「新華君、そのセリフはお爺ちゃん臭満載よ」

 

 

 

 

 

新華は笑顔を浮かべて疲れた顔の一夏達を見ていた。サヤカとハロ兄はまだ解析をしており、バスの台座には既にハロ弟が収まっていた。

 

 

 

 

 

「ほーら、お前らさっさとバス乗る。帰りが遅くなっても知らんぞー」

「あ、ああ」

「あ、一夏と箒、ちょっと待て」

「へ?」

「何だ?」

「言い忘れていた事があって。前に譲れない物があるって言っただろ? その答えをさ」

「ああ、確か俺と新華とセシリアが戦った日に言ってたな」

「あの時の問いの答えか。それで、お前の譲れない物とは何だ?」

「俺の譲れない物は………」

 

 

 

 

 

新華と一夏、箒の3人の会話に興味を持ったISメンバーがバスの中から、一夏と箒の後ろから見る。新華は両手を広げて

 

 

 

 

 

「このソレスタルビーイングそのものだ」

 

 

 

 

 

言った。一夏達は耳を疑ったが新華の目には確固とした意思があった。

 

 

 

 

 

「ここには俺の大切な家族が居る。俺の居場所がある。俺達が犯してしまった罪が集まっている。ここだけは誰にも譲れないし譲る気も無い。誰かがここを害そうと考えるなら俺は、それを全力で排除する。力尽で、俺の全ての力を使って。完膚なきまでに、完全に」

 

 

 

 

 

一夏達はそのセリフと新華の瞳に狂気を感じた。今まで感じた事の無い狂気を。

 

 

 

 

 

「ここを守る為なら俺は手段を選ばない。どんな手を使ってでも、どんなに手が汚れても構わない。それで守る事が出来るなら」

 

 

 

 

 

箒は新華の狂気を目の当たりにしてある事を思い出した。それはソレスタルビーイングに来る時にルイードが言った言葉だ。箒はその事を聞いてしまった。

 

 

 

 

 

「…ここがお前にとって譲れないものだと言うことは分かった。なら、一夏を含め我々が危機に陥ったらどうする?」

「箒…?」

「ここに来る時、ルイードという男性はこう言っていた。『君たちを守る為なら何だってするだろう』と。今新華の話を聞いて、真意を確かめたくてな。どうなんだ?」

 

 

 

 

 

箒は新華をしっかり見据えながら、それでいて不安を持って聞いた。それを新華は、穏やかな笑みで返す。しかしその後に続いたセリフで一夏達はその笑みを不気味に思えて仕方がなかった。

 

 

 

 

 

「その時は、喜んでこの命を差し出すさ」

 

 

 

 

 

そのセリフによる衝撃で一夏達は、その後IS学園に帰るまでの記憶が曖昧になっていた。ずっと最後まで新華の穏やかで狂ったセリフが忘れられなかったのだ。楯無はそこまで長引かなかったが、何か取り返しが付かなくなる気がして焦りを感じた。

 

 

 

 

 




結構書きました。
メリオルさんについては、原作で登場回数が少なくてもカナードの嫁だからと思い出しました。劾、スウェンの嫁は確定出来ないので出しません。真の嫁(ステラorルナマリア)は未定。トラッシュの嫁(イーチィ)も未定。
遂にハイペリオンとブルーフレーム2nd完成! インパルスとE開発後は105ダガーも作る予定です。あとM1も。
次回は設定を書く予定です。夏祭りはその後に。

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