IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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57話目!
次回からとうとう………


臨海学校初日 -夜-

 

 

 

 

花月荘、大宴会場。7時半頃。1年生は全員浴衣で夕食を取っていた。

 

 

 

 

 

「あーウマー」

「うん。おいしい…」

「お刺身おいし~」

 

 

 

 

 

現在新華は一夏の向かい側で、右に簪、左に本音と座っていた。

 

 

 

 

 

「これ本わさじゃないか! すげぇなおい。高校生の飯じゃねぇぞ」

「本わさ?」

「ああ、シャルは知らないのか。本わさってのは本物のわさびをおろしたやつの事を言うんだ」

「え? じゃあ学園で出されるわさびは?」

「あれは練りわさ。えーと、原料はワサビダイコンとかセイヨウワサビとか言うやつだったかな?」

「ただ、それだけじゃあの山葵(わさび)の色は出ないから、着色料とか入っているけどな」

「へぇ…はむ」

「「「「「「!?」」」」」」

 

 

 

 

 

一夏と新華の解説を聞いたシャルルは何を思ったのか山葵を直接そのまま口に入れた。流石に予想外だった行動に見ていた全員が驚く。

 

 

 

 

 

「っーーーーー!?!??!?!?!!?」

「だ、大丈夫かシャル!?」

「アホか…調味料を直接食う奴があるかい…」

「ら、らいひょうふだよ…?」

「でゅっちーチャレンジャーだね~」

「ふ、風味があって、お、おいしいよ…?」

「その精神力は評価に値するが、無理すんな。茶飲んで落ち着け」

「う、うん」

 

 

 

 

 

シャルルが大丈夫なのを確認して安心したのか、一夏は長時間の正座で呻きを上げたセシリアの方を構い出した。新華はまだ舌が辛そうなシャルルに刺身と山葵の風味を同時に味わう食べ方を教える。

 

 

 

 

 

「シャルル、山葵は刺身で包んで醤油を付けないように食べるんだ。そうすれば風味を損なわずに美味しく食えるぞ?」

「そ、そう?」

「ほら、簪さんも本音さんもそうやって食べてるだろ?」

「…? 何…?」

「ん~?」

 

 

 

 

 

シャルルは新華の言葉で簪と本音の手元を見る。2人共山葵を刺身で包むように乗せ、醤油を刺身にのみ触れさせていた。2人共、両親の教育の賜物である。

 

 

 

 

 

「へぇー…そうやって食べるんだ」

「? ………うん」

「このやり方で食べてみ?」

「うん」

 

 

 

 

 

シャルルは見様見真似で簪や本音のように刺身を食べてみる。

 

 

 

 

 

「刺身の味で………っ!?」

「ツーンと来るだろ? でもさっきより辛くないっしょ?」

「あ、うん。そう言われると…それに、美味しい…」

「な?」ニコッ

「う………」サッ

 

 

 

 

 

新華の笑みを見てしまったシャルルは顔を赤くして視線を逸らす。それを一夏は2828と見ていた。ハッキリ言おう。ウザイ。

 

 

 

 

 

「一夏こっち見んな」

「えー、なんでだよ」2828

「はぁ…この朴念神は。シャルル、しっかりしないと一夏が変な妄想をし出すぞ」

「う、うん」

「………」

『------』

「あ? ニコポ? 今のって………待て待て。俺はそんなスキル持ってねぇぞ。持ってるのはそこのヴァカだろ」

「新華君…?」

「簪さん、さっきから睨まんでくれ」

「………その前に新華、もう突っ込んでいいか?」

「…スルーが限界にきたか」

「「「「「「というか、本当に何? その可愛い生き物は」」」」」」

 

 

 

 

 

今までスルーしてきたが…新華の頭の上には人差し指サイズのサヤカがチョコンと座っていた。それでいて興味アリアリでキョロキョロしていた。

………ぶっちゃけ全身銀色の、ね○どろいどのような、それでいてシ○ナたんやらイ○デックスたんのようなサヤカが新華の頭に乗ってキョロキョロしていた。

 

 

 

 

 

「いやいい加減何も触れないってのは出来ないだろ。なに何もないようにしてんだよ」

「かわいいよね~」

「待機させてると五月蝿いからさ…だからって眼鏡じゃなくバイザーを食事中にするのも嫌だし…何故かこの状態に落ち着いた」

「何があったの…?」

「僕は小さくなれる事に驚きなんだけど」

「まぁ、アレだ。気にしたら負けだ。実害無いし、別にいいだろ」

「いやいや、良くないから」

『------』

「ほら、サヤカが不安になるだろ。気にするなって」

「………なんか納得いかない」

 

 

 

 

 

左手で器用にサヤカを撫でながら新華は食事の再会を促す。そこで一夏は思い出したように爆弾を投下する。

 

 

 

 

 

「セシリア、大丈夫か? 食べにくいなら食べさせてやるぞ? 前にシャルにして「い、一夏!」…スマン」

「い、一夏さん!? 今のは本当ですの!?」

「お前ら、そこまで進んでんのに何で付き合わない………?」

「えーと、あの時はシャルが体調を崩して…」

「シャルロットさんの事はいいんです! そ、その、食事を食べさせてくれるというのは…!」

「食いつくのはそこか…? シャルルの事も、お前らにとってはどうでもよくないんじゃねぇのか…?」

 

 

 

 

 

そのままダラダラと話は進み、一夏はセシリアに、俗に言う『あーん』をやってのけた。その光景を見ていた女子達に戦慄が走る。

 

 

 

 

 

「あ! セシリアずるい!」

「織斑君に食べさせてもらうなんて!」

「オ・ノーーーーレーーーー!!!」

「おい、今御大将居たぞ。なんでそのネタが出た?」

 

 

 

 

 

ガノタの趣味です。そう言いながら新華だって何度かネタ使ってるじゃん。真面目な話の時ばっかりであまり反応ないけど。

 

そんな事はどうでもいいんだ、重要な事じゃない。

 

問題なのは新華の隣で何かを訴えるように新華を見つめる簪さんだ。

 

 

 

 

 

「………」

「…アレが出来るのは一夏だけ。俺はやらないからな? そんなに期待しても駄目」

「………むぅ」

「あはは…新華は確かにしなさそうだよね」

「恋人でもないのに衆人環視の中で出来るか。見てるこっちが恥ずかしいわ」

 

 

 

 

 

そう言うと時々サヤカを左手で撫でながら着々と料理を食べていく。少し離れた所からの箒の視線も無視して。

 

 

 

 

 

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食事の後、新華は部屋に戻りPCモードのハロでネット小説を読んでいた。いくら新華が化け物スペックで経験を多く積んでいようが、中身は人間である。娯楽も当然求める。

しばらく読んだ後、ハロのPCモードを解除しバイザーを付けトイレに向かった。

トイレから戻り部屋の扉へと近づくと………

 

 

 

 

 

「………何してんのお前ら?」

「ナニシテル、ナニシテル」

「「「「………っ!?」」」」

「あ、新華君…」

「簪さん以外全員が扉に張り付いているとか…大丈夫か? この学園」

 

 

 

 

 

簪以外の箒、鈴、ラウラ、シャルルの面子が一夏と千冬の部屋に耳を付け顔を赤くさせながら張り付いていたのだ。思わず簪と新華は半目になって4人を見下ろす。

 

 

 

 

 

「んで? もう1度聞くが、何してる」

「え、ええっと…」

「…簪さん、何か知ってる?」

「知らない」

「あ、そう………ん?」

 

 

 

 

 

よく耳をすますと、一夏の部屋からセシリアのものと思われる喘ぎ声が聞こえた。

 

 

 

 

 

「………、…えーと」

「「「「「………」」」」」

「………何か、言えよ」

『おい、聞き耳を立てている5人に青木。そろそろ入ってこい』

「俺だけ名指し…?」

 

 

 

 

 

千冬の促しで部屋に入る6人。喘ぎ声の正体は一夏のマッサージによる気持ちよさからのものだと知った時、4人に安堵と羞恥、簪は呆れ、新華は達観があった。

 

 

 

 

 

「一夏、マッサージはもういいだろう。ほれ、全員、好きな所に座れ」

「「「「は、はい…」」」」

「はい」

「うす」

「ふー。流石に2人連続ですると汗かくな」

「手を抜かないからだ。少しは要領よくやればいい」

「いや、そりゃせっかく時間を割いてくれてる相手に失礼だって」

「愚直だな」

「千冬姉、たまには褒めてくれてもいいだろ?」

「どうだかな」

「この姉弟は………なんで揃いも揃って誤解を招くような発言を………」

『------』

「ああ…ありがとうサヤカ」

 

 

 

 

 

新華はシワが寄った眉間を摘み唸ると、サヤカが癒すような優しい脳量子波を流してくれた。

 

 

 

 

 

「は、はは………はぁ」

「ま、まぁ、アタシはわかってたけどね」

「「………」」/////

「………ふぅ」

 

 

 

 

 

箒は脱力し、鈴は妙な強がりを見せ、シャルルとラウラは千冬のセリフで具体的な内容を妄想してしまい顔を赤くし、簪はその4人の気持ちに気付かない一夏を見てため息をついた。

 

 

 

 

 

「まぁ、お前はもう1度風呂にでも入ってこい。部屋を汗臭くされても困る」

「ん。そうする。新華はどうする?」

「俺は別に汗かいてないから、残tt「青木も行って来い」………何故でせうか?」

「なに、たまにはコイツらと女同士で話をするのもいいだろうと思ってな。それに、お前はこの女だけの空間に1人で居られるのか?」

「行ってきます。一応サヤカは置いて行きますね。簪さん、サヤカの事頼んだ」

「「「「(早っ)」」」」

「(………逃げた)」

『------』ノシ

 

 

 

 

 

千冬のセリフに間髪入れずに新華はサヤカを残してさっさと一夏の後を追って行った。簪は逃げた事を確信した。

 

 

 

 

 

---side ガール(?)ズ

 

 

 

 

 

「「「「「………」」」」」

「おいおい、葬式か通夜か? いつもの馬鹿騒ぎはどうした」

「い、いえ、その………」

「お、織斑先生とこうして話すのは、ええと………」

「は、初めてですし………」

『------』

「…話したくても、言葉が届かないと言ってますね」

「あ、そういえばボーデヴィッヒさん、サヤカちゃんが何言っているのか、わかるんだっけ…」

「まったく、しょうがないな。私が飲み物を奢ってやろう。篠ノ之、何がいい?」

「えっ!? えっと………」

 

 

 

 

 

箒がいきなり話を振られ戸惑い何も言えない。その間に千冬が備え付けの冷蔵庫にから飲み物を6人分取り出す。

 

 

 

 

 

「ほれ、ラムネとオレンジとスポーツドリンク、コーヒーに紅茶と緑茶だ。それぞれ他のがいい奴は各自で交換しろ」

 

 

 

 

 

順に箒、シャルル、鈴、ラウラ、セシリア、簪が受け取り交換はされなかった。

 

 

 

 

 

「「「「「い、いただきます」」」」」

「………」

 

 

 

 

 

ヒロインズが飲み物を口にするが簪はそもそも開けなかった。

 

 

 

 

 

「…飲んだな? 」

「は、はい?」

「そ、そりゃ、飲みましたけど…」

「な、何か入っていましたの!?」

「失礼を言うな馬鹿め。なに、ちょっとした口封じだ」

『------』

「サヤカが『自分には無いのか』と言ってますが」

「………そもそも飲めるのか?」

『------』

「飲めない事は無いそうですが、空気的に、と」

「………そうか。だが、残念ながら後は…」

 

 

 

 

 

そう言って千冬は冷蔵庫から缶ビールを取り出す。

 

 

 

 

 

「生憎コレしか無くてな。いくらサヤカだろうと未成年にはやれん」

 

 

 

 

 

そう言って勢い良くビールを飲む。その光景に全員唖然とする。簪とサヤカも例外ではなかった。いつもは凛々しく毅然としている教師の姿が衝撃過ぎたのだろう。特にラウラは何度も瞬きして現実を確認していた。

 

 

 

 

 

「おかしな顔をするなよ。私だって人間だ。酒くらいは飲むさ。それとも、私は作業オイルを飲む物体に見えるのか?」

「い、いえ、そういう訳では…」

「ないですけど…」

「でも、その、今は…」

「仕事中なんじゃ…?」

「堅い事を言うな。それに、口止め料はもう払ったぞ」

「「「「「!」」」」」

「まぁ更識は姉に似て警戒して飲まなかったようだがな。青木の影響か?」

「………まあ、はい」///

「………む」

 

 

 

 

 

簪が顔を赤くして俯くのをシャルルは何か面白くなさそうに見た。

 

 

 

 

 

「さて、前座はこれくらいでいいだろう。肝心の話をしようじゃないか。………………お前らアイツのドコが良いんだ?」

 

 

 

 

 

千冬のセリフで全員誰の事を言っているのか理解する。しかし簪は一夏の事を別に好きではない、むしろ新華が気になっているのでサヤカを新華のように撫でながら静観していた。

 

 

 

 

 

「わ、私は別に………以前より腕が落ちているのが腹立たしいだけですので」

「あたしは、腐れ縁なだけだし………」

「わ、私はクラス代表として、もっとしっかりしてほしいだけです」

「ふむ、そうか。では、そう一夏に伝えておこう」

「「「言わなくていいです!」」」

「はっはっは! で? デュノアはどうだ?」

「僕………わ、私は、その………や、やさしい所です」

「ほう。しかしなぁ。あいつは誰にでも優しいぞ?」

「そ、そうですね。そこが、悔しいかなぁ…」

「で? お前はどうだ? ボーデヴィッヒ」

「つ、強いところが…でしょうか」

「いや弱いだろ。それに青木の方が明らかに強い」

「つ、強いです。少なくとも私より」

「そうかねぇ………」

 

 

 

 

 

2本目のビールを開けながら一夏ヒロインズを見る。

 

 

 

 

 

「まぁ強いかは別にして、だ。あいつは役に立つぞ。家事も料理も中々だし、マッサージだって上手い。先程のセシリアを見れば分かるだろ? な?」

「は、はい………」////

「と、いうわけで、付き合える女は得だな。どうだ? 欲しいか?」

「「「「「くれるんですか!?」」」」」

「やるかバカ」

「「「「「そんなぁ~」」」」」

「女ならな、奪うくらいの気持ちで行かなくてどうする。自分を磨けよ、ガキども」

 

 

 

 

 

そう言って3本目になるビールを開ける千冬。今度は簪に振る。

 

 

 

 

 

「更識は、青木のどこがいいんだ?」

「えっと………優しくて、強くて、それで………」

「「「「「「それで?」」」」」」

「…あ、暖かい所………です」/////

「ふむ。確かに青木ならどれも持っているな。なぁデュノア?」

「ふぇ!?」

「「「「え………」」」」

 

 

 

 

 

空気が凍った。シャルルは全員の視線を受けオタオタし出す。特に簪からの視線が強い。

 

 

 

 

 

「シャルロット、アンタ………」

「い、いつから………?」

「えぇえっと………」

「この間の休日の時からだろう? 事実デュノアはその日以降あまり青木と目を合わせていない」

「お、織斑先生~!」

『------』

「正確にはピアノを演奏している時らしいです」

「ら、ラウラ~!? サヤカちゃんまで!?」

「シャルロットさん………」

「う、うん!?」

「詳しく、聞かせて………?」

「………!」コクコク

 

 

 

 

 

簪に詰め寄られシャルルは簪の剣幕に押されて首を縦に振った。

 

 

 

 

 

「え、えっと………」

 

 

 

 

 

シャルルは話してしまった。

一夏と一緒に自分の境遇を聞き怒ってくれた事、自分が知らない間にフランスへ渡り全部の問題にケリをつけてくれていた事、父親から一夏か新華のどちらかを家に挨拶させるという指令を新たに受けた事、そうして意識していた所にピアノを弾き優しい笑顔を浮かべた新華の顔を見てしまった事。

 

 

 

 

 

「うわーそれは………」

「なんてコンボよ…」

「そ、それは凄いですわね…」

「だって、しょうがないじゃん! 気付いたら全部終わってて、親からはそう言われて! 意識しない方が無理じゃない!?」

「お、落ち着けシャルロット!」

「むぅ………!」

「…成程。それだけの事があれば、仕方ないかもしれんな。で? 簪はどうして青木に惚れた?」

「っ!? …!?」ガシィ!

「そうだよー…僕にだけ言わせるなんてさせないよー」

『------』

「サヤカも興味があるそうだ」

 

 

 

 

 

シャルルに肩を掴まれ逃げられなくなった簪。シャルルから言いようの無いオーラを感じ、簪も先程のシャルルのように話してしまう。

更識の家からの依頼を新華が受けた後に家の玄関で出会い、その後自分がIS開発で無理していたのを見て手伝ってくれた事、そのお陰で今の『打鉄・弐式』が完成したこと、その後姉と仲直りする切っ掛けを作ってくれた事、これら全てにおいて簪と楯無の意思を尊重しながら見守ってくれた事。

 

 

 

 

 

「な、なんと………」

「あいつ、もうホントなんでも有りね」

「どこまでも突き抜けてますわね…」

「す、凄すぎ…って仕事?」

「更識の家は些か特殊でな。まぁ気にするな」

『------』

「楽しそうだ、と言ってますが、まぁ、更識にとっては楽しかったようだな。すこし笑っている」

「!?」/////

 

 

 

 

 

簪はラウラの指摘で顔を赤くさせた。

 

 

 

 

 

「まぁどちらにしろ、あいつと付き合うなら一夏と違って相当な覚悟が居るだろうな。あのバカは別だが、青木はこれまで束と行動し各勢力からサヤカである『Evolveクアンタ』ともども狙われている。サヤカが生まれた事で更に過激になるだろうな」

「ああ…」

「ですね」

『------』

「サヤカが不安になったらしく何言ってるかわからなくなってます」

「サヤカはクアンタでもあるのだから、青木が手放したりどうにかするわけないだろう。今までもそうであった様に青木はサヤカを持ち続けるだけだろうな」

『------』

「安心したようですね」

「………もうラウラさ、完全に通訳だよね」

「む、そうだな」

「話を戻すが、正直青木は一夏より厄介だぞ? 一夏とは違い全部分かって、ああして今まで女の1つも作らん。一夏と同じくあいつの周りにもあいつを慕う者は多く居たというのに…」

「ほ、本当ですか…?」

「ああ。それも自分がどういう立場に居てどういう危険があるか分かっているからだろう。あいつと共に居たいなら、あいつに認めてもらうしかないな」

「「………」」

「(ただ、あいつ(新華)の場合はそれだけではなさそうだが…)」

 

 

 

 

 

簪もシャルルも新華の難易度の高さを思い動揺するが、簪はそれでもと言わんばかりに頑張ろうと聞こえるような顔を上げた。

 

 

 

 

 

「まぁ、結局はあいつら次第だがな。青木はともかくあのバカは、お前らの気持ちに気付いていないからな。まずはそれをなんとかせねばな」

 

 

 

 

 

ヒロインズは一斉に全員頷いた。

 

 

 

 

 

---side out

 

 

 

 

 

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---side 楯無

 

 

 

 

 

その頃IS学園1050室。

 

 

 

 

 

「むー………つーまーらーなーいー」ゴロゴロ

 

 

 

 

 

楯無は新華の布団の上で(・・・・・・・・)ごろごろしていた。新華本人が居ないので好き放題である。といっても布団にしか手を出していないが。

 

 

 

 

 

「簪ちゃんも新華君もあと2日居ないしー………つまんなーい!」ゴロゴロ

 

 

 

 

 

仕事も終え後は部屋で翌日の準備をして寝るのだが、いつも準備はすぐに終えるしその後新華や簪と会話するので、この時間だと早すぎた。

だからといって新華の匂いが染み付いた布団に乙女がゴロゴロするのもどうかと思うが。

 

 

 

 

 

「こうなったら新華君のエッチィ本無いか探してやる…!」

 

 

 

 

 

ああ…新華、強くイキロ。以前弾や一夏に『聖典(エロ本)が出せない』と言っていたので、有るのは確実である。そしてIS学園に来てからは新華自身が探らせなかった。そして隠す場所に細工を施すなど出来ない。なぜなら部屋の物は支給品扱いだから…

そして楯無は時間が立たない内に発見し顔を赤くしながら、それでいてじっくり読むのだった…

 

 

 

 

 

---side out

 

 

 

 

 

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キュピーン

「!? な、何だ!? いま、非常に嫌な感じが…」

「? どうかしたか新華?」

「いや………」

 

 

 

 

 

花月荘、風呂。ヒロインズが千冬と話している間、新華も一夏も風呂に浸かっていた。

 

 

 

 

 

「しかし、新華の傷、深いのもあるじゃないか」

「まぁ、時々治安の悪い所にも行ったし。銃撃戦もあったしなぁ…」

「よく生きてたな…」

「常に動き続けないと死ぬからな。クアンタに乗るより神経使ったわ。ほんと、良く生きてるよな俺」

「自分で言うなって」

 

 

 

 

 

銃撃戦はCANAANのOPを想像してください。ガン×ソードとかでも可。ただしヘルシングは無理。

 

 

 

 

 

「あー、温泉が五臓六腑に沁みわたる…」

「今の流れをバッサリ切ったな。まぁでも、確かに気持ちいいよな。さっき見たけど結構効能あったぜ。怪我とかにも良く効くらしいし」

「有難いな。束さんが厄介を起こすまでゆっくりするか…」

「あ、やっぱり何か有ると思うか?」

「有るに決まってんだろ………。むしろこれで何も無かったら、絶対その後でフラグとして回収される。何十倍くらいになって」

「あはは…有り得るな」

「だろ?」

 

 

 

 

 

何事も無いかの様に駄弁る2人。ハロは着替えの上に乗って着替えを守ってた。

 

 

 

 

 

 




食事の時の風味云々は『美味しんぼ』からです。父が全巻持ってるので…
そして楯無のキャラがどんどん………両親が見れば頭を抱えるか新華をマジで殺しに行きそう。主に父親が。

そうそう、大学の方が来週から始まるので更新が一気に遅くなります。ですが授業の合間にビッグスカイと話したり、他の面子と話ながら書くつもりなので、内容が濃くなる可能性も否めません。
そこんとこ御了承下さい。

-追記-
新華の持つエロ本は純愛モノです。もう心が癒やしを求めてます。ダメな方向に。でもこれも癒やしの1つって事で…いいよね?

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