IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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56話目の投稿ですよー。
深夜に勢いで書いたから意味不明な所があるかも…


水着回

 

 

 

 

 

花月荘、砂浜。

 

 

 

 

 

「新華のやつ遅いなー」

 

 

 

 

 

そこに新華の姿は無く一夏だけが居た。既に砂浜には着替えを終え水着ではしゃぐ女子たちの姿が。中には一夏の上半身を見て黄色い声を上げる者もいる。

取り敢えず準備運動していると

 

 

 

 

 

「いーちーかー!」

「うぉお!? 鈴か! 危ね!」

「ふふーん♪」

「こらこら、お前も準備運動しろよ。溺れても知らないぞ」

「あたしは溺れた事無いわよ。前世は人魚ね、多分。よ…いしょ。おー高い高い。遠くまで見えるわ。ちょっとした監視塔になれるわね、一夏」

「監視員じゃなくて監視塔かよ!」

「いいじゃん。人の役に立つじゃない」

「誰が乗るんだよ」

「んー…あたし?」

 

 

 

 

 

鈴が一夏に飛び付き肩車をするように乗る。すぐに後ろからセシリアがやって来て鈴に物申す。

 

 

 

 

 

「あっ、ああっ! な、何をしていますの!?」

「何って、肩車。あるいは移動監視塔ごっこ」

「ごっこかよ」

「そりゃそうでしょ。あたしライフセイバーの資格とか持ってないし」

「うーん、そう言われればそうか」

「わ、私を無視しないでいただけます!? と、兎に角! 鈴さんは一夏さんから降りてくださいな!」

「ヤダ」

「な、なにを子供みたいな事言って………」

 

 

 

 

 

そこに新華が到着する。

 

 

 

 

 

「そうだぞ鈴。まぁ子供だが、外見だけでなく中身まで退行する気か?」

「誰が貧乳よ!」

「そんな事言ってねぇだろ…」

「おう新華、もう来た………か?」

「新華さん、もっと言ってくだ………さい、まし………」

「ん? どうした」

『------』

「キズアト、キズアト」

「あ、そっか。今更な気がしたが外に晒すのは初めてか?」

 

 

 

 

 

新華は蒼に白のラインが入った水着だった。首にゴーグルを下げ、いつも通り両手両足首に重りを付け右肩にパラソルを担ぎ左腕でビニールシートを持っていた。

それはいい。だが問題は新華の上半身。鍛えられ一夏より引き締まった体に幾つもの切られた、撃たれた傷跡があった。一夏達はソレを見て言葉を失う。

 

 

 

 

 

「あー…上着を着て来た方が良かったかね? 取り敢えず鈴は、呆然とするのも良いが一夏から降りとけ」

「え、ええ」

「さて、セシリアのパラソルがあるから………あの場所にセットするかな」

「あ、ああ。えっと…」

『------』

「ああ。さっき言った注意事項を守って、ハロと一緒に行動しろな? ハロには一応防水と防砂処理はしてあるけど、海に沈められる程完璧じゃないから。浮かべる事は出来るけど」

『------』

「おう。行ってらー」ノシ

 

 

 

 

 

サヤカはハロを抱え海の方へ走って行く。それを見送った新華はまだフリーズしている一夏達を見て声を掛ける。

 

 

 

 

 

「おいお前ら。いつまでも突っ立ってると日焼けするぞ。あと、いつまでも人の傷を見るんじゃねぇよ」

「わ、悪い」

「まぁ気になるのも分かるがな」

「し、新華、どうしたらそんな傷を負うのよ」

「あのな、俺はIS学園来るまで絶対防御を使った事無いんだぞ? それに世界各国で戦闘したり潜入すれば撃たれたり斬られんのは茶飯事だ。法を思いっ切り無視してたし。その代償だろ」

「ま、また重大な事をサラッと言いますわね」

「あのう詐欺と一緒に行動してたんだぞ。常識で挑めば返り討ちに合う。ま、そんな事はどうでもいいんだ。気にせず今は、海を楽しもうや」

「あ、ああ」

 

 

 

 

 

新華はそう言ってパラソルとシートをセットするために一夏達を置いて離れた。一夏達が再起動する頃に新華は浜辺にパラソルとシートをセットし終え寝転んだ。

 

 

 

 

 

「んー………………………眠いが暑い」

 

 

 

 

 

真夏の海辺に居ればパラソルが無くとも暑いのは当たり前である。少し汗を流しながら上半身を起こすと簪が近付いて来た。後ろには本音も居る。

 

 

 

 

 

「………新華君」

「お、簪さん。ワンピースタイプにしたのか。似合ってるよ」ニコッ

「うん、ありがとう…」///

「で、後ろの本音さんは…」

「どう~あおきー?」

「うん、コメントに困るわ」ニコッ

 

 

 

 

 

簪の水着は薄い緑のワンピースタイプ。それに加え眼鏡と麦わら帽子を身に付け可愛さを全面に出していた。青色の髪に緑は映える。

しかし本音の水着? はハッキリ言うと着ぐるみ、それも狐の着ぐるみだった。可愛いことは可愛いのだが、正直インパクトが大き過ぎるうえに簪とは別ベクトルでの可愛さなので、新華の言葉通りコメントに困る。

 

 

 

 

 

「(暑くないのか? いや、それ以前に水着としての機能はあるのか? いや本当に水着か?)取り敢えず座りなよ。暑いだろ?」

「うん」

「お言葉に甘えるね~」

 

 

 

 

 

新華に促されてパラソルの下のビニールシートに座る2人。座るとやはり新華の体にある傷跡が気になっていた。

 

 

 

 

 

「新華君、その傷は…」

「ああコレ? 気にしなくていいよ? 自業自得の傷だし」

「あおきー海でも重りしてるんだね~」

「クアンタの次に体の1部になってる物かな? ちなみに重り外した時の身体能力が、亀○人の甲羅トレーニングみたいになってて笑った」

「え………」

「いやもう我ながら何してるんだろうってさ。流石にあれだけのジャンプは出来ないけどさ。ハハハ…」乾いた笑み

 

 

 

 

 

ちなみにP・V・Fを展開すれば高く飛べます、悟○みたいに。ただ一兎は今の新華の様にトレーニングしないで飛んでました。しかも空中で2段階跳んだり、ソレを応用して空を飛び回ったり。人類最強は伊達じゃなかった。

 

 

 

 

 

「そういえば…サヤカちゃんは…?」

「ハロハロも居ないね~」

「その2人(?)ならそこらへんでフラフラしてるよ。何か有れば脳量子波で言うように言ってあるし、ああ見えてサヤカはしっかりしてるからな」

「そう…」

「そういえばあおきーは泳がないの~?」

「まだ準備運動してないからな。訓練にも良さそうだし、ちょっと準備するか。今朝日課の訓練が出来なかったし」

 

 

 

 

 

新華は立ち上がりパラソルから出て準備運動を始める。視界には鈴と一夏が海に向けて走り出す光景が映っていた。

 

 

 

 

 

「アイツ等も青春してるなぁ…よっほっ、いっちにっ…」

「かんちゃんも運動する~?」

「うん…少し体動かしたいし…」

「じゃああおきーと一緒にたいそーしよ~」

「そうだね。うん」

 

 

 

 

 

簪と本音もパラソルから出て新華と運動を始める。新華は運動でなかなか際どくなる簪のアングルを視界に収めないように努力していた。新華も健全な男子なので視線がそっちに行ってしまうが、根性で耐えた。

運動が終わると新華は一夏と鈴に異常を感じた。考える前に体が動き、近くにあった非常用の浮き輪を持って砂を蹴る。見れば鈴の足が()ったらしく一夏が鈴をおぶっていた。そこに新華が横のスイングで浮き輪を飛ばす。

 

 

 

 

 

「一夏、鈴! 掴まれぇ!」

「「!」」

 

 

 

 

 

浮き輪は見事に2人の目の前に落ち捕まる。それを見た新華は安堵のため息を吐く。

 

 

 

 

 

「ふぅ、焦った」

「ちょ、ちょっとあおきー! 早すぎるよ~!」

「な、何があったの…?」

「ああ、ごめん。あそこの2人がトラブったみたいでさ。気付けば体が動いていた」

 

 

 

 

 

振り向いてみると、新華が蹴った砂が少し抉れていた。

 

 

 

 

 

「さて、準備運動は済んでるから、たまには羽伸ばすかな? 重り置いて来よ。2人はどうする?」

「…かんちゃんどうする~?」

「このまま、海、入る?」

「いいよ~」

「本音さん、それで泳げるのか…?」

「大丈夫だよ~」

「…謎だ」

 

 

 

 

 

新華は歩いてパラソルまで戻り重りを置き、2歩で(・・・)足に海水を付ける。

 

 

 

 

 

「さて…どれだけ綺麗な景色が見れるのかな?」

 

 

 

 

 

首に掛けていたゴーグルを付け海に入る。勢い良く潜り深い所まで泳ぐ。

 

 

 

 

 

「(おお………なかなか綺麗じゃないか)」

 

 

 

 

 

水中で見た光景は見事な物だった。珊瑚と共生している魚達が泳ぎ回り、魚以外にも海中生物が生息していた。

 

 

 

 

 

「(水中に入る事は有ったが、ここまで綺麗な景色も、鑑賞する余裕も無かったからなぁ…)」

 

 

 

 

 

前世で1度映画部全員で千葉の検見川浜(けみがわはま)に行った事は有るが、あの時は突然睦美が言い出したので準備を急いでしていた。それだけでなく睦美の様子がおかしく尾褄と話したりもした。何故か志甫がスイカを持ってきていて一兎がツッコミを入れていたりもしていた。

 

 

 

 

 

「(ただ、もうあの時には一兎の彼女のカウントダウンが始まってたんだよな。それどころか戦争へのカウントダウンまで始まってた。まさかあの蜘蛛野郎の撃破で戦争の最後の1押しになったとは思わなかったが)」

 

 

 

 

 

新華が昔の事を考えているせいか、慰めるように魚が新華の回りに集まる。それに気付き新華は自嘲した。

 

 

 

 

 

「(なにしてんだ俺は…魚に慰められるとか、情けない。何だかんだでまだ引き摺ってるじゃねぇか)」

 

 

 

 

 

新華は以前楯無に『もう乗り越えた』と言った事を思い出す。

 

 

 

 

 

「(何が『乗り越えた』だ。いつまでもメソメソと、何度も思い出して悲しくなってるのは『乗り越えて』ないだろうが)」

 

 

 

 

 

水中で頭を振る。魚達が逃げて行く。

 

 

 

 

 

「(………もう上がるか。そんな気分じゃなくなった)」

 

 

 

 

 

真上に向けて浮上しようとする。すると新華と同じ様に景色を見ていたのだろう、簪と本音が海面の方で新華を見ていた。新華は2人に手を振り浮上していく。

 

 

 

 

 

「(せめて、今の仲間だけでも笑顔で居て欲しいな)」

 

 

 

 

 

それまでの光景を簪と本音の2人は見ていた。新華と同じように2人も景色に心奪われていたが、新華の回りに魚が集まった時は幻想的な画に言葉を失った。本音も、である。それはまるで魚達による祝福のようで、慰めの様でもあり、何より新華が、儚かった。

 

 

 

 

 

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海面で簪と本音と合流した新華は、本音の着ぐるみ型水着に本気で首を傾げ、いつの間にか浜辺に来ていた千冬、山田先生の2人が参加しているビーチバレーの会場に行った。

 

 

 

 

 

「いつの間にネットとボールを用意したんだ…?」

「あ、新華か! 行き成りで悪いけど、ラウラが居た所に入ってくれ!」

「あ? ラウラ? ………何寝てんだ?」

「えっと、寝てるんじゃないみたい…」

「目を回してるね~」

「フ、次の相手は青木か、面白い」

「千冬さん。コレ、そんな競技じゃないと思うんですが」

『------』

「キケン、キケン」

「サヤカとハロはそこに居たか。ってか危険って何だ」

 

 

 

 

 

サヤカとハロは日陰で座っていた。楽しそうに皆を見ている。

 

 

 

 

 

「なぁ、これってビーチバレーだよな? 何で参加者以外がコートから一定の距離をとってるんだ?」

「何、気にするな。私は気にしない」

「千冬さんが言ってもなぁ…この状況の原因みたいだし、遠慮したい所だが…」

「………」期待する眼差し

 

 

 

 

 

簪を始めとした何人もの女子の期待の視線に晒され、囚われていた。先程コートに到着した時は新華の体の傷に驚きざわめいていたが、新華だからという理由で目を逸らしていた。

 

 

 

 

 

「しゃーない。一夏、シャルル、加勢する」

「た、助かった!」

「ふ、青木相手なら手加減不要だな。山田先生! 本気で行きます」

「は、はい!」

「げえぇ!? 本気!?」

「ら、ラウラでも反応出来なかったのに!?」

「はっ、上等!」

「「新華が乗った!?」」

 

 

 

 

 

新華がノリに乗った為、一夏とシャルルと山田先生は途中で離脱し千冬と新華の一騎打ち紛いになった。

 

お前らそういうゲームじゃねぇから!

 

 

 

 

 

 




お前らそういうゲームじゃねぇから!
大事な事なので2回言いました。

さて水着回。いかがでしたか?
パラベラムにも海回は1度だけありましたが、水着回は2回くらい有りましたよね?
ただシューリン以外の2人はちゃんと女性の象徴はバッチリあります。うなじ氏が描いたオオカミさんとは違うんで(ピチューン

??「ふぅ、涼子は足が良いんだろうが」

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