IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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55話。
移動教室とか修学旅行とか、青春ですよね………


臨海学校初日

 

 

 

 

 

「海だーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

臨海学校初日。快晴の空の下、IS学園の1年生を乗せたバスが海の見える道を通る。何人もの女子がテンションを上げ騒がしくなる中、我らが主人公青木 新華は

 

 

 

 

 

「………」ZZZ…

『------』

「ウミダ! ウミダ!」

 

 

 

 

 

サヤカが同化したバイザー型サングラスをアイマスクにしてぐっすり寝ていた。サヤカは自我を持って初めての海に興奮しハロは通常運転。

 

 

 

 

 

「新華、相変わらず寝てるのな」

「もうバス乗ってからずっとだよね」

「隣に座ってるのほほんさんも釣られて寝ちゃったし。なんというか、微笑ましいな」

「だね。フフッ」

 

 

 

 

 

一夏とシャルルが並んで座り、その後ろに新華と本音が座っていた。新華は窓側で黒い契約者のOPを聴きながら寝ている。

 

 

 

 

 

「………」ZZZ…

「ん~むにゃむにゃ~」

『------』

「ミンナナカヨシ、ミンナナカヨシ」

 

 

 

 

 

新華と本音の2人はバスが臨海学校の舞台の旅館に到着するまで寝続る。近くで一夏達が騒ごうとも、我関せずで寝続ける。

 

 

 

 

 

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バス到着後、新華はサヤカとハロに起こされ本音を起こし、千冬の指示の下整列した。

 

 

 

 

 

「それでは、これから3日間お世話になる花月荘(かげつそう)だ。全員従業員の仕事を増やさないように注意しろ」

「「「「「「よろしくお願いしまーす」」」」」」

「はい、こちらこそ。今年の1年生も元気があってよろしいですね。あら、そちらが噂の…?」

「ええ。まぁ今年は男子が2名も居るせいで浴場分けが難しくなってしまい申し訳ありません」

「いえいえそんな。それにいい男の子じゃありませんか。しっかりしてそうな感じを受けますよ」

「ありがとうございます。IS学園1年1組、『蒼天使』こと青木 新華です。3日間、どうぞよろしくお願いします」

「ヨロシク、ヨロシク」

「あらあらご丁寧にどうも。女将の清洲(きよす) 景子(けいこ)です」

「しっかりしているのはそっちだけです。ほら、挨拶をせんか馬鹿者」

「お、織斑 一夏です。よろしくお願いします」

「うふふ、ご丁寧にどうも」

 

 

 

 

 

新華と女将の挨拶に遅れて一夏の挨拶だったが、女将は微笑ましいといった顔で一夏を見ている。

 

 

 

 

 

「不出来の弟でご迷惑をお掛けします」

「あらあら織斑先生ったら、弟さんには随分厳しいのですね」

「いつも手を焼かされていますので」

「デスヨネー。ほれ、お前の事だ一夏」

「いや、それ程でもないと思うんだけど」

「どの口が言うか」

「お前もだぞ青木」

「サーセン。いやホントに」

「ブーメラン、ブーメラン」

「うふふ。それじゃあ皆さん、お部屋の方へどうぞ。海に行かれる方は別館の方で着替えられるようになってますから、そちらをご利用なさってくださいな。場所が分からなければいつでも気軽に従業員に聞いてくださいまし」

「「「「「「はーい」」」」」」

 

 

 

 

 

女将の海の単語に反応したのだろう、女子は再びテンションを上げ我先にと旅館へ入っていく。一夏と新華、千冬がソレを見送っていると簪とまだ眠そうな本音が来た。簪の制服のスカートには新華がクアンタをぶら下げているのと同じ場所に、新華が買ったタンザナイトのキーホルダーが煌めいていた。

 

 

 

 

 

「あおきーおりむーまだ眠いよ~」

「うん、俺も微妙に眠い。けどそれ以上に暑くね?」

「まぁね…新華君、部屋はどこなの? 一覧に書いてなかったから…」

「「「「「「!」」」」」」

 

 

 

 

 

簪の発言を聞いていたその場の女子が一斉に動きを止めた。まさに興味津々だが男子2人にとっては何か恐ろしいものを感じた。

 

 

 

 

 

「さてな? どこだと思う一夏?」

「俺も知らないな。廊下にでも寝るんじゃないか?」

「わーそれはいいね~。私もそうしようかな~。あー、床つめたーいって~」

「本音さん、それはステイル()の役目だぞ。あとのネタ『あー床つめてー』じゃねぇの?」

 

 

 

 

 

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「ぶぇっくしゅ!」

「うわぁ! どうしたの弾?」

「いや、何かいきなり鼻がムズムズして…誰か噂してんのかねー?」

 

 

 

 

 

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「織斑、青木、お前らの部屋はこっちだ。ついて来い」

「あ、はーい。だそうだから、簪さんも本音さんもまた後で」

「うん、わかった」

「わかった~また後でね~」

 

 

 

 

 

千冬に連れられ旅館の中を歩いていく。新華はそろそろバイザーを外してサヤカを出してもいいか考える。

 

 

 

 

 

「ここだ」

「え? ここって…」

「教員室、ですか。まぁ妥当じゃねぇですかい? しかし何で2部屋?」

「右の部屋が私と織斑、左の部屋が青木と山田先生の部屋だ。何分、お前らを固めて部屋に入れれば就寝時間を無視した馬鹿が押しかけるだろうという事になってな。2人共監視の意味でこうなった。これなら、おいそれと女子は近付いて来ないだろう」

「監視の意味が俺と一夏で違いますねぇ…ただ、山田先生じゃ女子は寧ろ来そうなんですが」

「私が気付かないと思うか?」

「いえ、確認したかっただけです。可能性の1つとして会長が理由こじつけて先回りしてるかと思っていたんで」

 

 

 

 

 

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「ックシュ! 簪ちゃんか新華君が私の事を噂してるわね」

「何言ってるんですかお嬢様…妹様と青木君が恋しいのは分かってますから、今日分の仕事を早く終わらせましょう」

「ううう…仕事が無ければテキトーに理由こじつけて先回りしてたのにぃー!」

 

 

 

 

 

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「それとサヤカを出してもいいですか? さっきから出たがっているんですが」

「その事だが、既に説明は済んでいる。出しても構わんが騒ぎにするなよ」

「了解です。って事で、いいぞサヤカ」

『------』

 

 

 

 

 

バイザーを外しサヤカが出てくる。太陽光の反射で7色に輝く銀の体でキョロキョロする。

 

 

 

 

 

「あと、先に言っておく。大浴場は使えるが男であるお前らは時間交代だ。本来なら男女別になっているが、たった2人の為に1学年全員が窮屈な思いをさせるわけにもいかんだろう。よって、1部の時間のみの使用だ。深夜、もしくは早朝に入りたければ部屋の物を使え」

「はい」

「了解っス」

「さて、今日1日は自由時間だ。荷物を置いたら好きにしろ」

「わかった」

「ウス」

『------』

「はいはい、海にはちゃんと行くから急かすな」

 

 

 

 

 

3人はそれぞれ部屋に入り荷物を置く。新華は水着と荷物を取り出し部屋を出る。廊下に出ると山田先生の声が聞こえた。

 

 

 

 

 

「わあ! 織斑君!」

「いや、そんなに驚かなくても…」

「山田先生はいつも驚いたりしてる節があるな…」

「オドロキ、オドロキ」

 

 

 

 

 

ハロを連れ部屋を覗くと山田先生が織斑姉弟と話をしていた。

 

 

 

 

 

「山田先生。確かこれはあなたが提案した筈だが?」

「は、はいっ、そうです! ごめんなさい!」

「何してんだか…一夏ー行こうぜー」

「ええ!? 青木君!?」

「センセェ………驚き過ぎっすよ」

「全く…さて織斑、青木。私達はこれから仕事だ。どこへでも遊びに行ってこい」

「はい。それじゃあ早速海にでも」

「羽目を外し過ぎないようにな」

「うぃっす。一夏、行くぞー」

『------』

「ウミ、ウミ」

 

 

 

 

 

はしゃぐサヤカを抑え新華と一夏は水着に着替える為別館へと向かった。

 

 

 

 

 

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「なぁ箒、新華…これって」

「知らん、私に聞くな。関係無い」

「触れるな一夏。それはパンドラだ。厄災が湧いてくるぞ」

「ビーラビット、ビーラビット」

「それは『ハーツ』が付く漫画だ。まぁ兎って所は間違っちゃいないが」

「えっと…これって…?」

「簪さん、心の準備を。カオスになると思うから」

『------』

「いや、捕獲はしなくていい。ただセキュリティ上げとけ」

『------』

「ハロもだ」

「リョウカイ、リョウカイ」

 

 

 

 

 

更衣室がある別館へと向かう途中、簪と箒と合流した新華と一夏は旅館の中庭に心当たりの有りすぎる兎耳のようなモノが植えられているのに気付いてしまった。

 

 

 

 

 

「えーと…抜くぞ?」

「好きにしろ。私には関係無い」

「どの口が言うんだか」

「えっと…篠ノ之さん…?」

 

 

 

 

 

箒は別館へと歩いて行ってしまった。丁度入れ替わるようにセシリアがやって来る。

 

 

 

 

 

「あら? 皆さん何してますの?」

「見てれば分かる」

「そう…りゃっとお!?」ドサッ

「一夏さん、何を…?」

「あ、セシリアか。いや、このウサ耳を…あ」

「? …………!? い、一夏さん!?」

「なにラブコメってんだよ、このラッキースケベ」

「スケベ、スケベ」

「い、いや違うぞこれは!」

 

 

 

 

 

ウサ耳が刺さってただけだったせいで一夏は後ろに倒れセシリアのスカートの中身をバッチリ記録した。新華は何気に位置を変え簪に被害が行かない様にしていた。

 

 

 

 

 

「せ、セシリア、すまん。そのだな、ウサ耳が生えていて、それで…」

「は、はい?」

「いや、束さんが………」キイイィィィィィン

「来たぞ元凶が」

『------』

「キタ、キタ」

「な、何あれ…!?」

 

 

 

 

 

端的に言えば人参が降ってきた。よく見れば塗装こそ人参だが、人参の先端は空気抵抗を少なくするために尖り気味で葉の部分は進行方向を変える為の翼、もしくはプロペラとなっており無駄に高性能だった。

新華以外の呆然としている3人の目の前で人参が割れ中からナイスボディの元凶が現れる。

 

 

 

 

 

「あっはっは! 引っ掛かったねいっくん!」

「え、えっと………」

「やー、前ほら、ミサイルで飛んでたら危うく何処かの偵察機に撃墜されかけてさー」

「あん時はビビッた。いつの間にか居ないと思えば偵察機との追っかけっ子してる馬鹿が画面に映っていたんだもんなぁ…俺が居なかったらどうしてたんだコノヤロウ」

「しんくんも通常運転で束さん安心だよー!」

「え、えぇっと…お久しぶりです、束さん」

「うんうん。お久だね。本当に久しいねー。ところでいっくんにしんくん、箒ちゃんはどこかな? さっきまで一緒だったよね?」

「えーと…」

「自分で探しな。あと教員室はあっちで千冬さんもそこに居るだろうから」

「ほうほう! ちーちゃんはそっちか! でも先に愛しのMy sisterの顔を見に行かないとね! この私が開発した箒ちゃん探査機ですぐ見つけちゃうよー! じゃあねいっくん、しんくん! また後で!」

「ちゃんと千冬さん(お目付け役)のトコ行けよー」

 

 

 

 

 

短時間で言いたいことだけ言って走り去った篠ノ之 束。マトモに会話が成立していたのは慣れた新華だけで、あとの3人は呆然としたままだった。

 

 

 

 

 

「………し、新華さん…? い、今のは方は一体…」

「全ての元凶にして篠ノ之家長女、篠ノ之 束(う詐欺)だ」

「え…!? あの人が…!?」

「いつも通りぶっ飛んでるわあのう詐欺。くーちゃんはお留守番かね? というかどうすんだコレ…」

「箒を探しに行ったみたいだけど…この人参? はこのまま放っておくのか?」

 

 

 

 

 

4人は立ち尽くして新華はため息をついた。

 

 

 

 

 

 




---ボツネタ


千冬「右の部屋が私と織斑、左の部屋が青木と………」
楯無「私よ♪」
新華「ファッ!? アイエエエ!? ナンデ!? カイチョウナンデ!?」
楯無「来ちゃった♪」
新華「おいいいいいい!? それでいいのか?」


生徒会や更識の仕事で来れないのでボツに。ただ、楯無の水着はショートパンツ型だと思うんだ…




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