IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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36話です。


休日-友情

 

 

 

 

 

---五反田家、弾の部屋

 

 

 

 

 

「で?」

「『で?』って、何がだよ…っおぅ!」

「ん? 行き成り何の話だ」

「ハロッ?」

「だから、女の園(IS学園)の話だよ。いい思いしてんだろ? お前ら。ってりゃ!」

「だからしてねぇっつうの。あっぶな!」

「あー…そう言う話」

「ガクエン? ガクエン?」

 

 

 

 

 

6月のとある日曜日。新華は一夏に誘われ弾の家に遊びに来ていた。楯無は居ないがどこかで更識関係者が監視している気配を感じるので仕事はしているようである。学園で簪を愛でているか報告に実家に戻っているとは思うが。

一夏と弾は現在『インフィニット・ストラトス/ヴァースト・スカイ』、通称『IS/VS』というゲームで対戦中だ。このゲームは第2回モンドグロッソに出場した機体と選手のデータを使った対戦ゲームで、世界中で大きな売上を記録した作品である。しかし一夏と新華の誘拐事件で途中棄権した千冬とIS『暮桜』のデータは無く、世界中の千冬ファンが暴動を起こしかけた。

ちなみにこのゲームの制作会社、IS学園の生徒にプレイヤーがなり、アバターを育成するという最新作を開発中で、ラスボスが化け物スペックの千冬+打鉄、EXボスとして新華+クアンタ(リミッター有り)という鬼畜仕様だという。しかし学園と新華がデータを出さない為、EXボスが無くなって発売、またしても大ヒット商品となるのはだいぶ後のお話。

 

 

 

 

 

「嘘をつくな嘘を。お前のメール見てるだけでも楽園じゃねぇかコノヤロー。新華のメールで裏付けも取れてるからな。そのヘヴンに招待券とかねぇの?」

「ねぇよバカ」

「安心しろ。有ったら迷わず招待してやるから。そして俺と同じ苦痛を味あわせてやる。中学の時以上のな」

「クツウ、クツウ」

「え”ぇー…そ、そこまでか?」

「弾の存在がかなり有難かった事に気付いてな…真面目にキツイ。もうヤダ一般ピープルとして静かに過ごしたい」

「「お前じゃ無理だ」」

「ムリ、ムリ」

「…ハロにまで言われるとか…」orz

 

 

 

 

 

一夏と弾、そしてハロの断言でorzになる新華。弾はそんな新華を見て少し安心していた。

 

 

 

 

 

「でもニュースで新華が『蒼天使』って知った時には驚いたけど、何も変わってないな。少し安心したよ」

「そんなにホイホイ人間変わってたまるかっての。今までの俺も演技だったわけじゃ無く素だしな」

「ん? ニュースって、報道されたのか!? 俺だって知ったのIS学園の中でなのに」

「お前らが入学してってすぐの時の話だ。朝寝てたらいきなり起こされてよ…テレビ見たら新華が映ってるときた。その時は驚いたって言やぁ驚いたけどよ、すぐに納得したな。色々おかしかったのはこれかって」

「…俺の知り合いには納得する奴ばっかりだな。鈴に至ってはむしろ何で今まで目立たなかったと言ってくる始末。…でもさ、お前ら不気味とか思わねぇの?」

「「何が?」」

「何がって、そりゃお前ら、俺がだよ。俺が言うのもなんだが、お前らに隠れていろんな事してたわけだろ? 化け物とか思わないのか?」

 

 

 

 

 

新華が一夏と弾に疑問を投げかける。前世で尾褄や演劇部部長の天童(てんどう) (あらわ)などの顔が広く個人の能力も高い人物と出会い凄いと思う中で引いた時もあった。だが自分はそれ以上の事をしているという自覚があった。行方不明のIS開発者の束と長い間行動を共にし、暗部『更識』と交流を持つ。頭脳は束と並ぶ程で生身の強さも千冬に劣らない、加えてハロを作る技術もあり伝説の『蒼天使』の操縦者という、人としておかしいと思えるスペック。前世かそれ以前の自分だったら信じられないうえに不気味に思い敬遠していると新華は思う。

 

 

 

 

 

「いや、思う思わない以前に俺らからしたら今までの新華の行動とか、頭の良さに理由付けるだけだから。とっくの昔に思ったけど慣れたし」

「新華は昔から隠し事は多かったからなー、それに驚かされるのはいつもの事だったしな」

「最初は一夏の引き立て役とか思ったけど、実際に見るととんだチートだったし。でも話しかけたら俺らと変わらないし、何より楽しかったからな。気にする事ねぇよ」

「………ありがとよ」

「そう思うなら、誰か良い娘紹介してくれ。ヘヴンだと選り取りみどりだろ?」

「んなわきゃねぇだろ。お前は一夏ラヴと百合百合の中でナンパ出来るのか?」

「おいおい新華、誰がラヴなんだよ。みんな騒がしいけどいい友達じゃねぇか」

「…弾、やれ」

「ヤッチャエ、ヤッチャエ」

「おう。おりゃぁあ!」

「あっ、汚ねぇ! 最後ハイパーモードとか、ああああけ、削られていく…!」

 

 

 

 

 

新華の顔が晴れたと思えば一夏の鈍感。新華の掛け声と共に弾がゲージ技を使い一夏を(ゲーム内で)追い詰める。

 

 

 

 

 

「うわっ、やられた! おい最後のはねェだろ!」

「黙れ鈍感。箒と鈴とセシリア泣かせ。だがこれだからモテるんだろうな」

「モテモテ、モテモテ」

「ってそうだよ鈴だよ。鈴が転入してきてくれた御陰でだいぶ助かったよ。話し相手が少なかったからなぁ」

「鈴か…鈴ねぇ…新華さんよ。あの(告白の)結末はどうなったよ」

「あー…弾、あの日予測した通りだった。ただ最後、このバカ(一夏)が気付いてチャンスだったのをヘタレてパァにしちまった」

「…なんだそりゃ。いつの間に鈴はヘタレキャラになったんだ?」

「前からだろ? しかも心の準備してない時に行き成りだったからな。しょうがないと言えばしょうがないが」

「? なんの話だ2人とも。っていうか鈍感なら新華もそうじゃねぇか。生徒会長姉妹と仲良いし、生徒会長とは同じ部屋だし」

「なにぃ!? 何だと新華、そんなの俺知らないぞ!? なんだその羨ましい環境は! それに鈍感だとぉ!?」

「…別にあの2人の気持ちに気付いて無いわけじゃねぇよ。ただ今も昔も、誰かと付き合うなんて出来ないって事は変わらねぇ」

「でもあの2人は特別っぽいよな。なんせ初めて新華から女の人に触れたわけだし」

「おいいいぃぃぃぃ!? マジ!? 新華が!? え!? 何、とうとう新華までリア充になるのか爆発しやがれええええ!」

「うっせぇ! ならねぇっつってんだろうが! というか爆発させるべきは一夏だ!」

「おいおい、確かに現実(リアル)で充実してるけどさ、付き合うとかそんな相手は居ないぞ?」

「「死ねえええ! 非リア充の敵ぃぃぃぃぃ!」」

 

 

 

 

 

などと3人で騒いでいると、部屋のドアが勢い良く蹴り破られる。

 

 

 

 

 

「お兄ウルサイ! それとさっきから昼出来たって言って----」

「お、久しぶり。邪魔してる」

「お久。…あー、なんかゴメン」

「い、一夏…さん!? それに新華さんも…っ!? き、来ていらっしゃったんですかっ…? 全寮制の学園に通っていると聞きましたけど…」

「ああうん、今日はちょっとした外出。家の様子見たついでに寄ったんだ」

「俺はその付き添い。久々に友人の顔も見たかったしね」

「そ、そうですか…」

「蘭、お前なぁ、ノックぐらいしろよ。恥知らずな女だと------」

 

 

 

 

 

弾の部屋のドアを蹴破ったのは五反田家長女、蘭。家の中で休日だからかかなりラフな格好で、頭には兄妹お揃いのヘアバンドをしている。だが想い人の一夏と先輩の新華を見た途端、動きを止め、弾のセリフで復帰したのか弾を睨みつける。

 

 

 

 

 

「…お兄、何で言わないのよ………」

「い、いや、言ってなかったか? わ、悪い。ハハハ…」

「………」ジー

「ラン、イチカノマエ、ラン、イチカノマエ」

「あ、ハロちゃんだ。久しぶり」

「ヒサシブリ、ヒサシブリ」

「そ、それで………よかったら一夏さんもお昼どうぞ。お昼、まだですよね?」

「あー、うんそうだな。頂くよ」

「………俺は?」

「新華も食ってけよ。流石にハブらねぇから安心しろ」

「いやだって、なぁ? どう見たって蘭ちゃんの視界には俺ら映ってないじゃん? 一夏だけじゃん?」

「ん? 俺がどうしたって?」

「…これだもの。ただ学園と比べるとまだマシだよなぁ…俺ほぼ恐れられてるか嫌われてるかだしな」

「シュウゲキ、シュウゲキ」

「何したんだよお前…」

「いや(おおやけ)の場で調子に乗ってた奴(セシリア)を一捻り。リミッター掛かってたのにあっけないのなんの」

「…中学ん時もそんな感じだったよな? いつの間にかヤンキー配下にしてたし」

「してねぇよ」

 

 

 

 

 

なんだかんだ言っている間に蘭は扉を閉め去っていく。

 

 

 

 

 

「いやしかし、蘭とはかれこれ3年の付き合いになるけど、未だに俺に心開いてくれないのな」

「「ハァ? 何言ってんのコイツ」」(゚Д゚)?

「ハモるなよ。いやほら、だってよそよそしいだろ、俺と話している時は。今もさっさと部屋から出ていったし」

「「…………ふぅ」」

「なんだよ2人して」

「いやー何て言うのか、お前はわざとやっているんじゃないかと思うな」

「心を開いた結果がアレだろ。出てったのはあの格好じゃハズいからだろうし」

「ワザト? ワザト?」

「?」

「分からなければいいんだ。こんな歳の近い弟はイラン」

「こういう時兄弟が居ない事に喜ぶべきか悲しむべきか」

「どうだろうな? 取り敢えず飯食ってから街に繰り出すとしますか」

「おう、そうだな。昼飯ゴチになる。すまんな」

「ゴチになりゃーっす」

「気にすんな。どうせ残り物の定食だろうしな」

 

 

 

 

 

そう言いながら3人は店の食堂に向かう。店舗部分と住居部分は別になっている為に1度外に出て裏口から入る。弾が先頭で食堂に入ると昼飯が用意されたテーブルに蘭が居た。

 

 

 

 

 

「うげ」

「ん?」

「お? 早いな。しかもしっかりとオシャレも出来てら、気合入ってんね~。何を意識しているのかな? ん?」

「キアイ、キアイ」

「…何? 何か問題でもあるの? あるんだったらお兄だけでも外で食べてきていいよ。あと新華さん、全部分かった上での敢えての発言、お願いですから止めてください」

「聞いたか新華、今の優しさに溢れた言葉、泣けてくるぜ」

「涙拭けよ… つ『ハンカチ』 蘭ちゃん、俺がそう言われて止めるとでも?」

「…そうでしたね、新華さんはむしろ更に楽しみますよね」

「おい皆、俺を置いていくなよ。仲良く4人で食べようぜ。それより他のお客さんもいることだし、早く座ろうぜ」

「スワル、スワル」

「そうよバカ兄、さっさと座れ」

「はいはい…」

 

 

 

 

 

用意された昼飯が置いてあるテーブルに4人で座る。並びは弾と新華が並び向かいに蘭と一夏が並ぶ形だ。当然蘭はソワソワし、一夏を強く意識する。

 

 

 

 

 

「蘭さぁ、着替えたのはどっか行くためか?」

「い、いやっ、あのっ。こ、これはですねっ」

「あ、わかった! もしかして、デートか?」

「違います!」ダンッ

「す、すまん」

「あ、い、いえ…とにかく、違いますから」

「兄としてはむしろ違って欲しくないんだがな。なんせ蘭が気合を入れてオシャレするなんて数ヶ月に1回------」

「っ! ………っ!」ガシッ

「! ………………!」コクコク

「ヤムチャシヤガッテ…」

「ヤムチャ、ヤムチャ」

「!」キッ

「おお、怖い怖い。それにしても、中いいよな、お前ら兄妹」

「「ハァ!?」」

 

 

 

 

 

蘭が弾にアイアンクローをかましアイコンタクトで弾に釘を刺す。続けて新華にもキツイ視線を送るも、新華は肩を竦めるだけで効果は無くむしろからかわれた。4人で騒いでいると店の調理場から弾に向けて鋭い視線が向かられる。

 

 

 

 

 

「食わねぇなら下げるぞガキども」

「く、食います食います」

「スンマセン。頂きまーす」

「「「いただきます」」」

「おう。食え」

 

 

 

 

 

五反田食堂調理人にして五反田家の頂点、五反田 (げん)(80)。威厳十分で蘭には甘いおじいちゃん。マッチョ、その拳骨は千冬に勝るとも劣らない。新華達が昼食を食べるのを満足そうに見た後は調理場に戻り中華鍋を豪快に振るう。なかなか繁盛している為、注文はそれなりに入る。

…と思えばお客の内何人かは新華の監視(と言う名のグルメ)をする『更識』関係者だった。もう新華の監視に慣れた、又は疲れたのか結構料理に集中している様に見える。

 

 

 

 

 

「(旨そうに食ってるなぁ…旨いけどさ)」

「でさぁ一夏、新華。鈴と、えーっとなんだっけ、ファースト幼馴染? と再会したって?」

「ああ、箒な」

「ほうき…? 誰ですか?」

「俺と新華のファースト幼馴染」

「一夏、そのファーストとかセカンドとかどうにかならないのか…? あ、セカンドは鈴らしいよ」

「らしいってなんですか。っていうか鈴さん、複雑だろうなぁ…」

「ん? 鈴が帰って来ている事に驚かないのか?」

「いえ、鈴さん、帰ってきた時1度ここに寄ったんですよ。なんで驚きはその時に済ませました」

「ほぉー…意外とちゃんとしてたな鈴の奴。遅かったのはそのせいか…」ボソッ

「ん? 何か言ったか新華?」

「いや別に」

 

 

 

 

 

新華の呟きに一夏が反応するが誤魔化す。だが『更識』は聞き取りきちんと報告用のメモをとっていた。

 

 

 

 

 

「そうそう、その箒と同じ部屋だったんだよ。まぁ今は…」

「お、同じ部屋ぁ!?」ガタッ

「またこのセリフ。まぁ落ち着けや」

「オチツケ、オチツケ」

「そうだぞ落ち着け」

「………!」ギンッ

「うっ…」

「…弾ェ…」

「い、一夏さん? つまりその箒さんと寝食を共に…?」

「まぁ、そうなるかな。あ、でもそれは先月までの話で、当然今は違って1人部屋だけどな」

「い、1ヶ月以上同せ…同居していたって事ですか!?」

「そうなるな。でも新華なんて、今も綺麗な生徒会長と同居だぞ?」

「し、新華さんまで………お兄、後でじっくり話を聞かせてもらうからね…?」

「い、いやぁこの後3人で出かけるから、ハハハハハハ…」

「じゃあ夜に」

「…弾ェ…完全に尻に敷かれてるじゃねぇか。昔有った兄の威厳はどうしたよ…」

「ナサケナイ、ナサケナイ」

 

 

 

 

 

新華とハロが好き勝手言っている中、蘭は拳を握り締め何やら体を小刻みに震わせて、瞳に決意の光りを宿した。

 

 

 

 

 

「…決めました。私、来年IS学園を受験します」

「お、お前何言って…!?」ガタッヒュンッパシッ

「…厳さん、これは教育ではなくただの暴力ですよ? 蘭ちゃんは良くて弾は駄目とは、甘えも度を越すとえらい事態を引き起こしかねませんよ」

「し、新華。スマン」

「いや」コト

 

 

 

 

 

弾が椅子から音を立てて立ち上がった時、厳から顔面目掛けておたまが飛んできた。弾は反応出来なかったが、ぶつかる直前で新華がおたまをキャッチ。厳に鋭い目で1言申してからテーブルの上に置く。

 

 

 

 

 

「さ、流石だな新華。って受験? なんで? 蘭の学校はエスカレーター式で大学まで行ける有名校だろ?」

「大丈夫です。私の成績なら余裕です」

「IS学園に推薦は無いぞ…」

「お兄と違い筆記で余裕です」

「で、でもなぁ…新華! あそこって実技あったよな!」

「ああ。ISの起動試験の事だな。適正が無ければそれでアウト、有ればそのまま適正ランクの判定といくんだが…弾、お前の希望は既に砕かれているぞ」

「? ど、どう言う意味だ…?」

「? 新華って時々変な事言うよな。…蘭? どうしたんだ、そんな顔して?」

「…何で新華さん知ってるんですか…?」

 

 

 

 

 

新華を疑う目で見ながら、蘭はポケットから1枚の紙を取り出し3人に見える様にテーブルの上に置く。

 

 

 

 

 

「げぇっ!? IS簡易適正試験…判定A…」

「既に問題は解決済みですが…」

「これって確か希望者なら誰でも受けられるやつだよな? 政府がIS操縦者を集める為にやってるやつ」

「はい。タダです」

「タダはいい…タダであるほどいい」

「厳さん、タダより高いものは無いとも言いますよ。正にこれはそれですし」

「…新華、さっきから何言ってるんだ?」

「で、ですので! い、一夏さんにはその時是非先輩としてご指導をお願いしたいのですが!」

「おう、いいぞ。受かったらな」

「はい安請け合いー、修羅場確定ー。…弾、これが日常だ」

「シュラバ、シュラバ」

「ほっ本当ですか!? や、約束ですよ!?」

「お、おう」

「お、おい蘭! なに学校勝手に変える事決めてんだよ!」

「あらいいじゃない別に。一夏君、蘭の事、よろしくね」

「あ、はい」

「はいじゃねぇ! お袋も何言ってんだ!」

 

 

 

 

 

一夏の安請け合いで蘭はテンションを上げ、話を聞いていた食堂の自称看板娘、五反田 (れん)の発言で弾が大声を上げる。蓮は弾の発言通り弾の母でぱっと見20代にしか見えない美人。いつもニコニコしており正確も柔らか。実年齢は---

 

 

 

 

 

「…新華君? 何を考えているのかしら?」

「別に弾と蘭ちゃんの年齢から逆算すれば分かることじゃないですか。大丈夫ですよ。蓮さんも十分若いですから」

「それでも、女性のそういうのは詮索しちゃだめよ?」

「肝に命じておきますよ」

「だあーっ! 親父も居ねぇし! いいのかじーちゃん!?」

「蘭が自分で決めた事だ。どうこう言う筋合いはねェわな」

「いやだって」

「弾、お前文句あんのか?」

「………ありません」

「俺は大有りですよ、厳さん。流石に見ていられない」イラッ

「…青木のガキ、他人の家庭に首突っ込むのか? あ?」

「し、新華? ど、どうしたんだよ行き成り?」

「…なんですか新華さん、私の決めた事にケチ付けるんですか?」

 

 

 

 

 

新華の雰囲気が代わり店の中の空気が悪くなる。厳と蘭の批難する視線を受けても全く動じない新華は、次の言葉で空気を凍らせる。

 

 

 

 

 

「…蘭ちゃん、君も人殺しに躊躇しなくなりたいのかい?」

 

 

 

 

 




次回は新華(ガノタ)が思っている事を書きます。不快感を感じた人が居ればごめんなさい。
新華は多くの戦場に居たので思う所があるということで

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