IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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28話でございます


再会-2-

 

 

 

 

「さて、今日も1日頑張りますかねぇ~。このイベント豊富な学園生活を」

「マンキツ、マンキツ」

「おはよー織斑君に青木君。ねぇ、転校生の噂聞いた?」

「転校生? 今の時期に?」

「そう。なんでも、中国の代表候補生なんだってさ」

「ふーん」

「…へぇ(鈴ちゃんキマシタワー。早速来るだろうな。あれから1年、か? 随分早かったな、再会)」

 

 

 

 

 

HR前の空いた時間、一般の高校の様にざわついている教室にて。あの新華はいつも通りだが一夏はようやく環境に慣れてきたのか、女子との会話に戸惑いを感じる事が少なくなっていた。新華が鈴の転校を何故知っているのか。いつもの様にヴェーダである。

 

 

 

 

 

「あら、私の存在を今更ながら危ぶんでの転入かしら?」

「このクラスに転入する訳では無いのだろう? 騒ぐほどのことでもあるまい」

「どんな奴なんだろうな~」

 

 

 

 

 

席が離れているセシリアと箒がいつの間にか側に居た。ちなみに場所は一夏の席である。新華は荷物を席に置いてから一夏の所に来て話ているのだが、箒とセシリアは席に座っているのを新華が確認したにもかかわらずいつの間にか居た。

 

 

 

 

 

「む、気になるのか?」

「ん? ああそうだな、少し」

「ふん…今のお前に他人を気にしている余裕が有るのか? 来月にはクラス対抗戦があるというのに」

「そうですわ一夏さん! 対抗戦に向けて実戦に近い訓練をいたしましょう! 相手なら私が…」

「俺が見越してないとでも思っていたか? 甘ぇんだよ。因みに簪さんもクラス代表だからな? もし勝ち抜けば当たる可能性があるって事覚えとけ」

「げっ、マジで!?」

「マジだ」

 

 

 

 

 

簪は対 一夏、セシリアのどちらにも勝っていた。姉妹喧嘩の時に新華が鍛えたせいでセシリアにも勝利を収められる程強くなっていた。そもそも学園最強に切り札使わせる程に実力が着いた彼女相手に一夏が勝てるとでも?

 

 

 

 

 

「ってか皆そんなにデザートのフリーパス欲しいのか?」

「「「「「「当然!」」」」」」

「そ、そうなのか。まぁ、やれるだけやってみるけど」

「やれるだけでは困りますわ! 一夏さんには是非勝って頂かないと」

「そうだぞ。男たるもの、そんな弱気でどうする」

「織斑君が勝つと皆幸せだよ!」

「お前らなぁ…簡単に言うが他人事だろ。割と今回はキツイぜ?」

「ヒトゴト、ヒトゴト」

「かんちゃんすっごく強くなったからね~。かいちょーも元気だしぃ~」

 

 

 

 

 

というか勝ち目がががガガガ

マトモにやったらまず一夏に勝ち目無し。どうしてこうなったとは思うが後悔はしていない(キリッ byガノタ

 

 

 

 

 

「今のところクラス代表で専用機持っているのって織斑君と簪さんだけだから、対策すれば行けるよ!」

「おう」

「---その情報、古いよ」

「ん?」

「来たな」

 

 

 

 

 

新華と一夏にとって久しぶりの声がした方向にクラス全員の視線が集まる。教室の入口で腕を組み片膝を立てドアに寄りかかって鈴が格好つけていた。

 

 

 

 

 

「2組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝出来ない「ブフッ!」ってちょっと! 何台無しにしてくれてんのよ!」

「い、いや…クッククク、あっはははははは。に、似合わねー」

「な、なんですってー!」

「ハロッ、リン」テーンテーン

「ってハロじゃない! って事は…」

「あははは…いやスマン。久しぶりじゃねえか鈴」

「あ、やっぱり鈴か!」

「気付くの遅いわよ一夏!」

「いや、新華の笑いで反応出来なくて」

「…あー」

 

 

 

 

 

感動の再会が台無しになってしまったが、新華は後悔はしていなかった。鈴は今の様にクールに決めるよりもハツラツとしていた方が似合っているからだ。一夏も同じだった様で、その顔に書いてあった。一夏の言葉に激しく納得した鈴はハロを抱きながら、後ろから近付く(ブリュンヒルデ)に気付かなかった。

 

 

 

 

 

「おい」

「なによ、っだっ」スパァン

「もうSHRの時間だ。自分のクラスに戻れ」

「ち、千冬さん…」

「織斑先生と呼べ。そして入口を塞ぐな邪魔だ」

「す、すみません…また後で来るからね! 逃げないでよ一夏と新華! ついでにハロ!」

「ハロッ!」

「さっさと戻れ」

「は、はい」

 

 

 

 

 

ハロを離し2組に戻る鈴。新華はハロを回収し自分の席に戻る、が

 

 

 

 

 

「っていうかあいつ、IS操縦者になってたのか。初めて知った」

「…一夏、今のは誰だ? 知り合いか? えらく親しそうだったな」

「い、一夏さん!? 今の方とはどのような関係ですの!?」

「あおきー、今のダレ~?」

「後で簪さんにも纏めて話すから席に着こうか」

「分かった~」

 

 

 

 

 

新華と本音、一部の生徒は席に着くが、箒とセシリアを含めた多数の生徒は一夏に群がっていた。みんなの憧れ(鬼教師)の目の前で…

 

 

 

 

 

「「「「「「痛いっ!?」」」」」」「むぐっ」「きゃうっ」「あっだァ」スパパパパパパパパパパズッバン

「席に着け馬鹿共」

「学習しろよ…」

 

 

 

 

 

席を立っていた生徒達は千冬の出席簿アタック(一夏の時、威力1.5倍)を喰らい沈黙する。席に着いた後何事も無かったかの様にSHRが行われ授業が始まる。セシリアと箒は朝の一夏と新華の反応の事で頭が一杯だったのか千冬に制裁を何度も食らっていた。

 

 

 

 

 

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「「おまえ(あなた)のせいだ(ですわ)!」」

「なんでだよ…」

「自業自得だアホ。気持ちを切り替えられないお前らが悪い」

「なんだと!」「なんですって!?」

「とにかく食堂行こうぜ…」

「俺簪さん誘って来るからちょいと待っててくれ。本音さん、行こうぜ」

「うん~。おいで~ハロハロ~」

「ハロッ」

 

 

 

 

 

午前の授業が終わり一夏と箒とセシリア+新華と簪と本音で食堂に向かう。後ろには新華と一夏目当てなのか数名の女子が後ろに続いて付いてきた。

 

 

 

 

 

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食堂に到着しそれぞれが食券を買おうとするが、、そこに鈴が立ち塞がる。

 

 

 

 

 

「待っていたわよ! 一夏、新華!」

「おい鈴、待っていたのはいいがそこ邪魔だ。食券出せねぇ」

「まぁ、取り敢えずそこどいてくれ。普通に通行の邪魔になってるぞ」

「う、五月蝿いわね。分かっているわよ」

「…なぁ鈴。何でラーメン持ったままなんだ? さっさと食わねぇと伸びるぞ?」

「わ、分かってるわよ! 大体アンタを待っていたんでしょうが! 何で早く来ないのよ!」

「…相手が一夏でよかったな。普通だったらウザがられるんだがな。だが見事に空回っている」

 

 

 

 

 

鈴と一夏のやり取りを見て新華は、弾と見た告白シーンを思い出していた。鈴には悪いが、過度な期待を一夏に寄せるのは危ないぞと。そんな哀れみの視線が注がれている事に気付かない鈴はハイテンションなまま一夏にくっ付く。その様子を見ている箒とセシリアは気が気では無かった。

 

 

 

 

 

「それにしても久しぶりだな。あれから丸1年になるのか。元気にしてたか?」

「げ、元気にしてたわよ。アンタこそたまには怪我とか病気しなさいよ」

「どう言う希望だよそりゃ…」

「…駄目だありゃ。空気が出来上がってやがる」

「あー、ゴホンゴホン!」

「ンンンッ! 一夏さん、注文の品、出来てましてよ?」

「お、サンキュ」

「おばちゃーん、今日もウマイのお願いねー」

「ハロハロ」コロコロ

 

 

 

 

 

全員飯を受け取り運良く空いていた席に座る。流石に全員1つのテーブルに座れないので新華チームは隣のテーブルに座る。

 

 

 

 

 

「鈴いつ帰って来んだ? おばさん元気か? いつ代表候補生になったんだ?」

「質問ばっかしないでよ。アンタこそなにIS使ってんのよ。ニュースになったときビックリしたじゃない。新華はまぁ…うん」

「おいコラ何だその反応は」

「だってアンタだもん。むしろ何で今まで目立たなかったのよ」

「目立たない様にしてたんだよ…一般ピープルに混じっていたかったのにあんのクソう詐欺がなぁ…」

「でもアンタ『蒼天使』だったんでしょ? だったら遅かれ早かれこうなってたんじゃない?」

「それに束さんだしなぁ…むしろよく無事だったな新華」

「まぁな…」

「一夏、そろそろどう言う関係か説明してもらおうか」

「そうですわ! 一夏さんまさかこちらの方と付き合ってらっしゃるので!?」

「つ!? べ、別に付き合ってる訳じゃ」

「そうだぞ。なんでそんな話になるんだ? ただの幼馴染だよ」

「………」ムスッ

「…なんだよ? なんでそんなに睨んでるんだ?」

「何でもないわよ!」

「…だろうな。ヤレヤレ」

 

 

 

 

 

詰め寄る箒とセシリアに一夏が言葉を返すと鈴は途端に不機嫌になる。新華はそれを見て呟く。簪は新華の反応に少し安心しながら新華に尋ねる。

 

 

 

 

 

「新華君、幼馴染って篠ノ之さんではないの…?」

「ああ、それはな。箒は小4で保護プログラムで転校しちまったんだが、入れ替わる形で鈴が転校してきたんだよ。結局鈴も中2ん時に帰国してたんだ。後は、今の鈴と一夏のセリフで察してくれ」

「あ~だいたいわかった~」

「そう言う事なの…」

「新華説明サンキュ。そういや鈴と箒って面識無かったよな? ほら鈴、こっちが箒。前に話しただろ? 俺が小学校の時通ってた剣道道場の娘だ」

「ふぅん、そうなんだ。はじめまして、これからよろしくね」バチバチ

「ああ。こちらこそ」バチバチ

「だからお前ら一夏の前でやるなよ…。一夏、お前社会人になる前に疲労以外の理由で死ぬぞ、このままだと」

「なんで新華も心読める様になってんだよ。そういうのは千冬姉だけで十分なのに」

「全部顔に書いてあんだよこのオルフェウス野郎。いつかバラバラにされっぞ」

 

 

 

 

 

ちなみにオルフェウスとは神話上の詩人で妻以外アウトオブ眼中のモテ野郎の超鈍感である。この人物、妻のエウリュディケが死んだ際死後の世界から連れ戻そうとして失敗、深い悲しみに陥るのだが、オルフェウスを狙う女性の慰めをガン無視して宗教起こしてある神様を怒らせて女性にバラバラにされたというヤヴァイ逸話がある。一夏も鈍感野郎で多くの女性(年齢問わず)にモテている。

だが最後にバラバラにされるとなると…

 

 

 

 

 

「やっべ、言っててシャレになってねぇ…」

「ん、んんっ。私の存在を忘れてもらっては困りますわ。中国代表候補生、凰 鈴音さん?」

「…誰?」

「な!? 私はイギリス代表候補生セシリア・オルコットでしてよ!? まさかご存知無いないと!?」

「うん、アタシ他の国とか興味無いし」

「んなっ、なっ…!」

「…デジャブじゃね? 確か入学初日にもこんなやり取りあったな」

「ニドメ、ニドメ」

「い、言っておきますけど私あなたの様な方には負けませんわ!」

「そ。でも戦ったらアタシが勝つよ。悪いけど強いもん」

「………」

「い、言ってくれますわね…」

「お前ら喋ってばっかりじゃなくてちゃんと飯食え。ごちそーさん」

 

 

 

 

 

鈴のためらいの無い言葉の勢いにセシリアはタジタジ。箒も箸を置き拳を握り締めていた。その間に新華は食事を終えていた。

 

 

 

 

 

「ふんふん、あれが中国からの転校生ね」

「! お姉ちゃん…」

「あ、会長、飯食い終わたんすか?」

「…会長、行儀が悪いですよ」

「あ、お姉ちゃんもいる~」

「噂の転校生を一目見にね。ちゃんと話は聞いていたわよ?」

「そうですか」

 

 

 

 

 

一夏とは反対側から楯無が顔を覗かせる。あの姉妹喧嘩の後、楯無と簪は今まで一緒に居られなかった分を埋めるかの様にここのところ一緒に過ごしていた。しかし何故か一夏達とは接触していない様で、一夏は会長の事を知らないらしい。

 

 

 

 

 

「んで、会長からの鈴への評価はどのようなもので?」

「んー、確かに実力はあるんでしょうけど感情の起伏が激しいからそこが問題ね。ただ日常で体を鍛えている訳じゃ無いみたいだし、あの子には悪いけどそれ程簪ちゃんの驚異にはならないかしら」

「手厳しい意見で。でもそうですね、今や簪さんは1年最強に一番近いですし」

「あら、新華君のお墨付きね。凄いじゃない簪ちゃん!」

「う、うん」

「そこ! 聞こえてるわよ! さっきから好きに言ってくれるじゃない!」

「おおっと、そりゃ隣じゃ聞こえるよな」

「ミンナ、ナカヨク、ミンナ、ナカヨク」

「そーだよねー」

 

 

 

 

 

ハロは何気に食事を終えた本音の腕の中にスッポリ収まっていた。その姿は最早1組のマスコットである。ちなみに新華達はうるさかった一夏達の会話を片耳程度にしか聞いていなかった。

 

 

 

 

 

「新華さんからも何か…ってあら? そちらの更識さんに似たお方はどなたですの?」

「…会長、マジで今まで会ってなかったんですか? 部屋それなりに近いのに」

「生徒会の朝は早く夜は遅いのよ。はじめましてね。私は生徒会長の更識 楯無、簪ちゃんの姉よ」

「せ、生徒会長!? って事は学園最強の人?」

「そうよ織斑 一夏君。どうやら新華君と簪ちゃんから少しは聞いているみたいね」

「えっ、一夏が知らなくて新華が仲良さそうってどう言う事!? 逆はあったけどこんなの初めてじゃない!?」

 

 

 

 

 

鈴は新華が特定の女子(例:鈴、蘭)以外と積極的に話している姿を見たことが無かったから驚いていた。それはもう盛大に。今まで新華と話す女子と言うのは、新華に好意を持ちアピールしているか、一夏に好意を持ちまずは新華と仲良くなろうとしている者ばかりであった。

故に簪、本音、楯無もそうだろうと、すわ新たなライバルか! と懸念したのである。因みに新華に話しかける人物は大なり小なり一夏が知っている人物であった。

 

 

 

 

 

「最強って聞いていたから変な先入観あったけど、綺麗な人だな」

「一夏…?」

「一夏さん…?」

「ちょっと一夏…?」

「な、なんだよお前ら」

「ウフフ、ありがとう。でもそこの3人は安心してもいいわよ? 織斑君を狙う気は無いから」

「えっ、狙うって俺何かしましたか?」

「「「…ちょっと一夏(さん)、黙ってて(くださいな)」」」

「お、おう」

「取り敢えずお前らいい加減さっさと飯食えっつーの」

 

 

 

 

 

新華の言葉を半ば無視する形で勝手に話が進んでゆく。箒、セシリア、鈴の3人は楯無の言葉が信用出来ないみたいであった。無理もないだろう、一夏は目を離した隙にいつの間にかフラグを立てる人物である。例え新華が先に仲良くなっていようが信用出来ないのも当たり前である。楯無は何処からか扇子を取り出し広げる。そこには『恋せよ乙女』と書いてあった。

 

 

 

 

 

「そりゃ簡単には信じてくれないでしょうね。それでもいいわ。今日は顔合わせみたいなものだもの」

「…遅くないですか? 新華のセリフだと何時でも会えたみたいですけど」

「一夏君今まで忙しかったでしょう? 私の方もようやく落ち着いてね。ちょうど転入生の確認も出来たし一石二鳥じゃないの」

「そういや今日は俺の手伝い要ります? 今日もコイツらの訓練の後になりますけど」

「今日は大丈夫よ。でも簪ちゃんもそうだけど来ればそれなりにもてなすわよ?」

「俺は今日恐らく暴走するであろう2名を抑えて疲れると思うんで一夏達と真っ直ぐ寮に戻ります。簪さんは今日も会長と帰る?」

「うん。多分本音も一緒だけど」

「わたしはね~またお菓子食べて待ってる~」

「りょーかい」

「…嘘でしょ…新華がこんなに女の人と喋ってるなんて…何があったの…?」

「…さぁ? 教えてくれねぇんだよな。何でだろ?」

 

 

 

 

 

新華も流石に暗部関係の事を喋る訳にもいかないので従者の虚、簪と本音、薫子の様な関係者以外は理由を知らない。

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ行こうかしら。それじゃ新華君、また夜に…ね?」

「「「「「!!?!?」」」」」ガタタッ

「同じ部屋ってだけでしょうが。誤解招く言い方せんでください」

「「「「「同じ部屋ぁ!?」」」」」」

「…お前らうるせぇ。静かにしろ。ちなみに鈴、昔以上に一夏、フィールドがデカくなるスピードが早いぞ。気を付けろ。おばちゃーん、ごちそうさまー」

「あっ、新華! …ちっ、逃げられた」

「そういや鈴さー、---」

 

 

 

 

 

随分と食堂がカオスになっていたが新華はさっさと片ずけて話題をさり気無く一夏に移し、簪と本音を連れ会長と虚と食堂を脱出した。

 

 

 

 

 

「ふぅ。さて、残りの授業も消化しましょうか。では会長、また後で」

「ええ。またね」

「それでは」

「ハロハロ」

 

 

 

 

 

会長と虚は生徒会室に向かう。それを見送り3人+1は廊下をゆっくり歩く。何人もの女子が離れて新華を見ていたが新華は気にしていない。新華は先程の会話で思った事を口にする。

 

 

 

 

 

「しっかし会長スゲェな。あの一夏のオートマリンカリンが効いてないとは。大抵の女子は下手すると初対面の会話だけで落ちるのに」

「…………(もしかして…)」

「ん? どうした簪さん」

「…ううん、何でもない」

「かんちゃん~? なにかあったら言った方がいいよ~」

「…うん大丈夫」

「そうかい? ま、何かあったら相談には乗るよ」

「そうだよ~。かいちょ~もそう言うと思うし~」

「…うん、ありがとう」

 

 

 

 

 

簪は思う。一夏に姉がなびかないのは新華が居るからではないのかと。一夏より先に新華と会ったからだと。今日初めて会う人より自分達に親身になって手伝いをしてくれ、更識でも、生徒会長でもなく1人の人間として見てくれている新華が気になっているからだと。

 

 

 

 

 

「…新華君」

「ん? 何?」

「………何でもない」

「なんだそりゃ? あ、そうそう。今日は箒とセシリアが暴れると思うから俺と抑えてくれない? 交代で面倒見るって事でさ」

「暴れる原因ってさっきの子だよねぇ~。おりむーも罪作りだよね~」

「それで済めばどれだけ良かったか…あのエロゲ野郎とっととヒロイン確定して楽にさせろよ…」

「大変だねあおきー。でも楽しんでなーい?」

「でないとパルパルしすぎて俺の精神が死ぬ。アイツ等()遊んでないと辛い」

 

 

 

 

 

ぶっちゃけ新華は40年近く童貞やっているのでリア充を見てるとホントに辛いのだ。一兎の時は自覚する余裕が無かったのだが最近一夏の様な平和なリア充の近くで過ごすと、一夏達で遊ばない限り弾以上に精神的に辛いのである。

簪は新華に色々感謝しているが、自分が感じている感情はそれだけでは無いことに薄々気付いていた。最近彼と一緒に居ると何だか暖かいものが溢れてきて新華のちょっとした優しさで顔を直視出来なかったりと変になるのだ。しかも姉も同じな様で、それが一夏を狙わない理由になっているのだと

考えていた。

 

 

 

 

 

「鈴も積極的に動くだろうし。このままだと中学以上の忙しさになりかねねぇな。…タルい」

「がんばってね~」

「本音さんマジで他人事だよな。実際そうだけど。っともう教室着いたな」

「あっ…」

「ん? 簪さんどったの?」

「う、ううん、何でもない」

「何かそればっかだな。無茶はしないでね」

「…うん」

「んじゃまた放課後」

「かんちゃんまたね~」

「ハロハロ~」

 

 

 

 

 

簪は名残惜しさを感じながら新華と別れ教室に入って行く。新華も教室に戻るが、一夏達が戻って来た時箒達の不機嫌そうな表情を見て予想が当たっている事を確信し憂鬱になった。

 

 

 

 

 

 




さっさと姉妹と新華をイチャイチャさせたい…
でも予定ではゴーレムⅢ以降じゃないと進まない…
っつーか本当に日常が進まない…
あと割と原作崩壊気味…


なんか疲れた
でも書きたい(キリッ

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