IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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報告致します…。
遂にファフナー×Destinyを投稿いたしました!
優先度はこちらの方が上ですが、気分転換に書いて勢い乗って投稿って事があると思うので確認してみてください。
それでは最新話、どうぞ


壮絶な姉妹喧嘩

 

 

 

 

第1アリーナピット内。新華、簪、本音の3人が待機していた。あの対話から1週間、今の姉妹関係に決着を着ける重要な試合が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

「…いよいよか。簪さん。準備はいいかい?」

「う、うん大丈夫」

「かんちゃん頑張ってね~」

「カンザシガンバレ、カンザシガンバレ」

「ほら肩の力抜いて。深呼吸深呼吸」

「うん…スーハー、スーハー」

「そうそう、リラックスリラックス」

 

 

 

 

 

今日は生徒会長権限と新華の説得でこの第1アリーナを貸切にしていた。観客席には新華と虚の工作により誰も居なかった。

新華はこの1週間、簪の特訓に付き合っていた。…一夏の訓練を箒とセシリアに丸投げして。

 

 

 

 

 

『…お嬢様の準備が整いました。試合終了後、そちらのピットに集合となります』

「分かりました。虚さんも試合開始後、こちらに向かって下さい。管制室で待機しています」

『わかりました。では』

「…と、言うことだ。俺は管制室で指示を出すからここで待ってて。本音さんは簪さんが出た後にハロ連れて管制室まで来てな。それじゃ」

「う、うん」

 

 

 

 

 

新華はそう言い放ち急いで管制室に向かう。新華は今まで色々な機械を弄ってきただけあって管制室の機能と操作方法を大体理解していた。故に今回教師には使用許可のみを貰い管制を新華が殆どやる事になっていた。鍛えすぎた体であっという間に管制室に到着し機械を操作、マイクのスイッチを入れ簪に通信を入れる。

 

 

 

 

 

「あーあー、簪さん、聞こえる?」

『! うん、聞こえる…』

「よし。じゃ、これから改めて今日の試合のルールを確認しようか。まず、この試合には制限時間は無い。どちらかのシールドエネルギーが尽きるか、どちらかの敗北宣言で試合終了。ココまではおK?」

『うん、大丈夫』

「よし、んじゃ続けるよ。今日はアリーナの観客席には誰も居ないから戦闘に集中するといいよ。対戦相手の会長は既に外に出ているから、2人の準備が整ったと思ったらこちらで開始の合図をするね。後は、今までの全てを、ぶつけてきな。思いっ切り」

『………うん』

 

 

 

 

 

この1週間新華と特訓をしてきた簪は、ブランクがあるとはいえ流石は代表候補生に選ばれた事はあると言うべきか、直ぐに感覚を取り戻し1次移行を行い訓練に入る事が出来た。新華がその特訓に参加したことで簪自身以前よりも戦闘能力は上がっていた。

 

 

 

 

 

『それじゃ始めましょうかね。簪さん、打鉄・弐式を展開して射出台の上に乗って』

「う、うん。本音、下がっていて」

「うん、頑張ってかんちゃん~」

「ハロッ、ハロッ」

「うん、ありがとう」

 

 

 

 

 

簪は新華の指示に従い次の指示を待つ。本音はハロを抱え安全な場所に下がる。

 

 

 

 

 

『よし。…それじゃ、いくよ』

「うん…」

『では、射出!』

「んっ…!」

 

 

 

 

 

新華の声の後簪は射出されアリーナに飛び出す。慣性で中心へ向かい相手を確認する。

 

 

 

 

 

「…お姉ちゃん…」

「…来たわね簪ちゃん…」

 

 

 

 

 

お互い向き合い相手を見つめる。楯無は自身のが作成したIS『ミステリアス・レイディ』を纏い簪と同じ青い髪を輝かせていた。その美しさと国家代表が持つ風格に簪はたじろぐ。

 

 

 

 

 

「(…やっぱりお姉ちゃんは凄い。私よりも、ずっと)」

「…簪ちゃん、本当にやるの?」

「うん…(でも、ここで逃げたらもう一緒に居られないどころかお姉ちゃんの顔もこうしてマトモに見ることも出来なくなってしまう)」

「そう…。分かったわ。簪ちゃんの覚悟と思い、受け止めてあげる」

「…うん。(それに、新華君や本音達が手伝ってくれたからここまでこれた。みんなの思いに報いる為にも、ケジメを着ける為にも)」

 

 

 

 

 

簪も負けじと胸を張り真っ直ぐに楯無を見据える。楯無は簪のその強い目を見て驚きと喜び、そして嫉妬の感情を得る。

 

 

 

 

 

「(簪ちゃん、いい目をする様になったわね…。とても喜ばしい事なんだけど…やっぱり新華君のお陰って言うのが情けないわね。簪ちゃんも私より新華君の方に心が向いているみたいだし、新華君も満更でもなさそうだし…)」

「…お姉ちゃん」

「っ! な、何かしら」

「…私、今まで色んな人と話した。新華君や整備科の人達とも一生懸命話した。そしたらね、今までよりも世界に色が溢れて見えた…」

「………」

「でも、何か足りない気がしてた。分からなかったけどとても大切な物が無かったと思っていた…」

「…簪ちゃん」

「だから、この試合が終わってから、ケジメを着けてから、続きを言うね。ちゃんと私がケジメを着けられる様に」

「………」

「お姉ちゃんも全力で来て…!」

「…ええ、そこまで言われたら、手加減なんて出来ないわね」

『よおっし。2人共、準備は出来たか?』

 

 

 

 

 

新華の声がアリーナに響く。2人は今の思いのままに返事をする。

 

 

 

 

 

「ええ!」

「うん…!」

『…いい返事だね。先週より、な。よし、試合を始めようか。俺の合図と同時にブザーが鳴るから、そこからスタートだ』

「…よしっ」

「…スー…ハー…んっ」

『では、いくぞ。思いっ切り暴れな! 試合、開始!』

 

 

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「「…っ!」」

 

 

 

 

 

ブザーが鳴り2人同時に動き出す。壮絶な姉妹喧嘩の幕が上がった。

 

 

 

 

 

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「さて、始まった訳ですが、改めて考えるとここまで壮絶な姉妹喧嘩って現実的にありますかね?」

「姉妹でISに乗る事例はありますがまず無いでしょう。ISを自由に動かせる環境があるこのIS学園ならではの事でしょう」

「かんちゃんもかいちょーもがんばれー」

「ガンバレ、ガンバレ」

 

 

 

 

 

管制室のモニターには激しく戦闘する姉妹の姿が映っていた。楯無はランスを、簪は薙刀で打ち合い時には銃弾やミサイルに荷電粒子砲、多くの火花を散らしていた。

 

 

 

 

 

「ふむ、簪さんが押されていますね。流石は国家代表、実力は折り紙つきですね」

「ですが妹様も負けてはいませんね。武装もお嬢様の機体と比べて豊富のようですし、妹様は上手く活用していらっしゃるようで」

「打鉄の後継試作機ですからね。生産が前提になるんでキャパの方も大きくなっていますし、俺との特訓で以前よりも強くなっているはずですからね」

「加えてお嬢様はここ1週間妹様を見れずにストレスが溜まっているので、妹様にも勝ち目はあるかと」

「…ホント残念な人ですね会長って。人間味があっていいですが、仕事に影響はさすがに無いでしょう?」

「ええ。伊達に当主の名を受け継いでいませんから」

「そうでなくてはね。後継者に与えられる"楯無"の名前、その実力は文句なし、と。でも楯無とは別に名前があるんじゃないんですか? 流石に生まれた時には別の名前があるとおもうんですけど」

「それは言えません。本当の名は最も信頼の置ける者にのみ明かされる決まりなので。聞きたいのであれば本人からどうぞ」

「そうっすか。ま、別に会長か当主としか呼ばないんでいいんですが。しかし打鉄・弐式、簪さんの本気の機動でデータがどんどん集まる。技研にデータを渡すのが勿体無い」

 

 

 

 

 

 

簪の戦闘を見ながら呟く。新華は正直技研の技術者の腕は評価しているが人間としては評価していなかった。一夏の白式の開発(仕上げ)を優先して簪の弐式の開発を止めたからだ。新華も開発や生産を行なっているので大変さはわかるのだが、1度始めた物は最後まで基本やりきるのが信条なので気に食わなかったのである。

 

 

 

 

 

「最近じゃ俺が開発手伝ったからってデータ提出の催促が簪さんに来ていると聞きますし、ちょっと脅しますかねぇ…」

「あまりやられてもこちらに被害が出るので程々にお願いします。お嬢様と同じこと言わないで下さい」

「あ、やっぱり言ってましたか。でもほんと図々しいですよね。一度は放り出した機体に執着してくるなんて」

「元は向こうの管轄でしたから致し方ないかと。そしてあなたにはそれだけの価値があるものですし」

「分かってますけど、ウザイんですよねぇ…。ま、今後は会長がテンションMAXで対応しそうですし任せる事にしますわ。おっと今のはナイス。簪さんも攻めるねぇ」

「ミサイルの爆煙で目くらましとイグニッションブースト+薙刀突きですか。あの勢いはお嬢様でも厳しかった様で」

「かんちゃんすごいー」

「ヤッチャエ、ヤッチャエ」

 

 

 

 

 

激しい戦い(喧嘩)に再び視線を戻す新華。始めから激しい故に2人のシールドエネルギーも限界がきていた。

 

 

 

 

 

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ミステリアス・レイディと打鉄・弐式。どちらも操縦者が開発した異色の戦いは、始めから全力で戦っていた事で既にエネルギーが少なくなっていた。しかし操縦者は対照的にアドレナリンが分泌され疲労を感じるどころか勢いがピークに達していた。

 

 

 

 

「…強い! あと一歩が届かない…!」

「すごいわね簪ちゃん…ここまでやるなんて…でも!」

 

 

 

 

 

激しい打ち合い。打鉄・弐式は荷電粒子砲が使用不能、マルチロックミサイル『山嵐』は残弾3、他は近接武器の薙刀だけであった。

対するミステリアス・レイディはランス内蔵4連ガトリングが2秒分、ランスはそのまま近接武器に。ナノマシンは問題無しといった状況だった。

ここで簪が最後の賭けに出る。

 

 

 

 

 

「行って…!」

「くっ、まだあったの!? でもっ」

 

 

 

 

 

残った『山嵐』の残りのミサイルを頭、胴、武器にロックし発射する。ミサイルは指示に従い発射され目標を追尾する。しかし楯無は残ったガトリングで撃ち落とす。しかし最後の1発は距離が離れていた為弾が完全に切れランスで叩き落とした。一瞬だけ爆煙で視界が遮られるが楯無は冷静だった。ミサイルを使ったとなるとこの瞬間が隙になり攻撃が受けやすい事が先程の攻防で気付いた。故に敢えてこの状況を作り警戒を上げカウンターをしようとしていた。

 

 

 

 

 

「えええぇい!」

「! 同じ手は! っえ!?」カキィン

「いけええぇええ!」バァン

「ぐっ!?」

 

 

 

 

 

自身目掛け突っ込んできた槍を視認した瞬間楯無は先程の突きがまた来たと思い、簪の体勢を崩す為に槍を弾く。しかし予想していた衝撃は来なかった。呆気なく槍は宙に浮き、簪が再びイグニッションブーストを使い思いっ切り楯無を殴ったのだ。さすがの楯無もこれは予想外だったのかマトモに食らってしまう。

 

 

 

 

 

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「お嬢様!?」

「おおー! かんちゃんすごーい! かいちょーを殴ったー!」

「なんて最高のタイミングだよ…まさか本当に使うとは」

「アレを妹様に教えたのですか?」

「いや、簪さんの機体って燃費が激しいじゃないですか。訓練中にそこを指摘して冗談半分に話したんですが…」

 

 

 

 

 

管制室でも盛り上がっていた。虚は簪がしないであろう今の動きに違和感を感じた。そこでボソッと呟いた新華の一言に食いつく。

 

 

 

 

 

「ほぅ…どんな?」

「いや、もし武装全部撃ち切ったら薙刀しか武器無くね? って言ったところ妙に食いつきましてな? 俺だったらどうするかって聞かれたんですけどクアンタは基本弾切れとか無いんで前提が違うっつったら、試合の時はどうするの? と。そしたらとにかく動きまくって切りつけるか、不意打ちとして武器ぶん投げて殴るって答えたんですわ。言った後で有効な手段って気付いて今それ用のパーツの図面引いてるんですが…」

「…それを妹様が今使ったと」

「ええ。恐らくぶっつけでやったんでしょうね。しかしここまで見事にハマるとは…」

「あっ! かいちょーが立った」

 

 

 

 

 

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「いたた…まさか簪ちゃんが殴って来るなんて…仕込んだのは新華君でしょうから、後でじっくり話を聞かないとねぇ…?」

『!? なんか悪寒が…』

「…今のは効いたは簪ちゃん。でも、もう武器は無いでしょう?」

「………」

「…まだやる気なのね。いいわ。簪ちゃんの強さ、見させて貰ったわ。正直ビックリ、私がここまで追い詰められるんですもの」

「………」

「でも…私の勝ち」

「…!? あっ」

 

 

 

 

 

簪の周りが光り出す。この光景を簪は新華から聞いていた。この光は姉の切り札だと。

 

 

 

 

 

「簪ちゃんは最後まで諦めなかった。本気の私が相手でも一歩も引こうとはしなかった。だから、私の切り札で終わりにする」

「…くっ」

「…発動」

 

 

 

 

 

そして光は爆発の連鎖になり簪を襲った。楯無のミステリアス・レイディの切り札。それは機体の表面のコーティングとランスの刀身を構成しているアクアナノマシンを空気中にばら撒きビットの要領で相手を包み込む技。使い方によっては相手を水球で包み窒息させる事や今の様に爆発させダメージを与える事も可能だった。しかし操作には熟練の技でも厳しいものなので、これを切り札にしながら戦闘ができる楯無の腕が良いのを証明していた。

爆発が収まり煙が張れると

 

 

 

 

 

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『試合終了。勝者、更識 楯無。…お疲れさま』

「………くぁっ」ガチャン

「! 簪ちゃん!」

 

 

 

 

 

腕をクロスさせ衝撃に耐えきった簪の姿が。しかしそれでシールドエネルギーを使い果たしたのか打鉄・弐式が解除され簪が膝を着いた。倒れそおうになった所を同じくミステリアス・レイディを解除した楯無が受け止める。

 

 

 

 

 

「…やっぱりお姉ちゃんは凄い。私よりもずっと凄かった…」

「簪ちゃん…」

「やっぱり、私はお姉ちゃんのお荷物なの…?」

「っ! そんな事無いわ!」ギュッ

 

 

 

 

 

弱々しく呟く()を抱きしめる楯無()。簪からは見えなかったが楯無の顔には後悔の色が出ていた。

 

 

 

 

 

「でも、私は…」

「簪ちゃんはお荷物なんかじゃないわ。昔酷いこと言ってしまったけれど、あれは危険な事が一杯だったから簪ちゃんを危険な目に合わせたく無かったから。本心じゃないわ」

「…本当に?」

「本当よ! でなければこうして抱きしめたりしないわ。簪ちゃんは私にとって大切な存在なの」

「………」

「…ごめんなさい。今は謝る事しか出来ないけれど、本当にごめんなさい」

 

 

 

 

 

簪は体を少し離し姉の顔を見る。姉の瞳には罪悪感と怯えの色があった。簪はその目を見て安心した。自分が嫌われていないこと、愛され姉妹の関係が断ち切られていなかったこと、そして姉もまた自分と一緒に居たいのだということを知った。簪の閉ざされていた心は謝罪とその目によって完全に開かれた。簪も口を開く。

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん、私戦う前に言ったよね? 今見える世界に何か大切な物が足りない気がしてたって…」

「…ええ」

「それはね、お姉ちゃんが居なかったから。どんなに多くの人と知り合っても、どんなに誰かと仲良くなっても、やっぱりお姉ちゃんが居てくれないと駄目だった」

「簪ちゃん…」

「…拒絶されても、怖く思っても、お姉ちゃんがどうしても嫌いになれなかった。打鉄・弐式(この子)を作っていたのもお姉ちゃんに見て貰う為だって気付いたら、やっぱりお姉ちゃんが好きなんだって、一緒にいて欲しいんだってわかった」

「………」

「…この試合でケジメは、ちゃんと着いた。だから…」

「まって」

「?」

「1つ、聞かせて」

 

 

 

 

 

簪のセリフを遮り楯無も今まで言えなかった、言うのが怖かった言葉を言う。

 

 

 

 

 

「さっきも言ったけど私は酷い事を言ってしまった。簪ちゃんが危険な目に遭わなくなったけど、私は後悔していたの。簪ちゃんに嫌われたんじゃないかって。だから影から見守る事しか出来なかった。ごめんなさいね、こんな風にしか謝れなかったお姉ちゃんで」

「………」

「こんな私でも…許してくれる?」

 

 

 

 

 

お互いの目を見て心の内を広げる。今、この瞬間、2人の心は繋がっていた。

 

 

 

 

 

「…うん。もう大丈夫。…許して、あげる」

「簪ちゃん…!」

「だから、私とも、一緒に、居て、くれる?」

「ええ…、ええ…! ずっと、一緒に居るわ…!」

「うっ、お姉ちゃん…う、うあああぁぁあああああ」

「うん、うん、ごめんなさいね。ごめんなさい」

 

 

 

 

 

アリーナの中心で泣く2人。今ここに、長年の関係の精算と姉妹の喧嘩が幕を閉じ、姉妹の絆はより強固な物になった。

 

 

 

 

 

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「と、言うわけで。今日から俺も練習に復帰すると同時に1名追加しまーす。更識 簪さんでっす」

「よ、よろしく…」

「ちょっと待ってくれ新華。何が『と、言うわけで』だ。サッパリ分からん」

「ちょっと待って下さい! 一体どう言う事ですの!? 説明していただけません!?」

「どう言うことだ新華…!」

「オチツケ、オチツケ」

 

 

 

 

 

翌日。放課後で新華の発表で3人は新華に詰め寄る。新華の隣には4組から来た簪が居た。

 

 

 

 

 

「人が多い程実力は上がるし楽しめるダロ? 簪さんは日本の代表候補生だし問題無いっしょ」

「代表候補生!? …ですが!」

「あのな、近接苦手なガンナーと不定期でしか参加出来ない近接特化じゃ足りねぇんだよ。特にセシリア。お前ここ1週間一夏にくっついてばっかでお前自身の訓練あんまして無かったろ」

「うっ」

「それと箒。オメエは剣道に集中させ過ぎだ。たまには基礎トレーニングもやれ。いくら一夏の白式が近接特化っつっても柔軟するしないじゃ全然違うし、何より体力つけろや」

「ぐぅっ」

「あと一夏。オメェちゃんと勉強したか…? 訓練に夢中で全然してねぇだろ。千冬さんに覚えろって言われただろうが」

「あ、やっべ」

「…簪さんは射撃、近接共に実力があって頭も良い。お前らに任せるより頼り甲斐があらぁ」

「ロンパ、ロンパ」

 

 

 

 

 

新華論破! 簪は新華に褒められてモジモジしている。一夏達は反論出来ずにいる。

 

 

 

 

 

「…反論、出来るか? 出来ねぇだろ。簪さん居れば分担して指導出来るしな」

「待ってくださいまし、一夏さんはともかく私は指導する側では?」

「射撃か格闘とBTの同時操作、偏向射撃が出来ねぇうえ素人に危うく落とされそうになった奴が何を言う。せめて近接戦闘出来る様になってから言え」

「うぬぅ…」

「さて、ここで時間くってもアレだし、アリーナに行こうぜ」

 

 

 

 

 

そう言って新華は簪の手を引いて(・・・・・・・)歩き出した。

 

 

 

 

 

「あっ」///

「えぇっ!? し、新華が自分から女の子に触れた!?」ガタッ

 

 

 

 

 

簪は手を握られて赤くなり、一夏は新華の動作に驚く。新華は今まで鈴や蘭など一部を除き殆ど接触をしなかった。しかも相手から話掛けたり、鈴や蘭を経由してしか知り合う事すら無かった。なのに急にここに来ての接触である。正直一夏は信じられなかった。

 

 

 

 

 

「おーい何してる。さっさと行こうぜー」

「………」テレテレ///

「…まさか新華と一緒にいられる女の子が出てくるなんて…」

「…おーい早くしろー」

「イチカ、サキイク、イチカ、サキイク」

「一夏、戻ってこい。それを聞く為にも行くぞ」

「一体新華さんに何がありましたの…?」

 

 

 

 

 

新華を追う様にしてアリーナへ向かう3人。周りの呆然とするクラスメイトは3人が出ていった後にざわめきだし長い間話題になった。

 

 

 

 

 

 




新華万能説www
しかしフラグも着々と。
しっかし新華と関わる奴は書いている内に逞しくなってますねwww
まさか簪さんが殴るとは…書いていた自分も予想出来ませんでしたwww

ファフナー×Destinyの『蒼穹の空に舞う運命の翼』もよろしくお願いします。

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