IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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ノリノリで書いてたらまた長くなった・・・orz
この日の話はまだ終わりません。


代表確定

 

 

 

「では、1年1組代表は織斑 一夏君に決定です! あ、1繋がりでいい感じですね!」

「先生質問です。何故負けた筈の俺がクラス代表になっているんでせうか? 俺負けたからオルコットがなるはずじゃ?」

「それは「私が辞退したからですわ!」」

「おーおーかぶってるかぶってる」

「カブリ、カブリ」

 

 

 

 

 

教室、いつも通りのHRで。

 

 

 

 

 

「まぁ勝負は私の勝ちでしたが、ISに乗り始めて間もないあなたと私では当然の事。それで大人げなく怒った事を反省しまして一夏さん(・・・・)にクラス代表を譲る事にしましたの」

「…その言い方は変わらないのな、もうどうでもいいけど。ま、これで一夏がクラス代表に確定だな」

「ま、待ってくれ。新華はどうなんだ? 新華だったらオルコットに勝ったんだから新華がなるべきじゃないのか?」

「アホ。織斑先生の注意忘れたな? 俺はクアンタ含めクラス代表になれない理由があんだよ。それに俺の相手をする事になる奴は悲惨な目に会うことになるし、なぁオルコット?」

「ッ!? え、えぇ。青木さんの仰る通り、私ですら圧倒されたのですから訓練機で勝てる人など限られるでしょう。生徒会長くらいで勝ち目が出てくるのではないかと」

「? 何でそこで生徒会長なんだ?」

「ここの会長は代々学園最強がなるって風習があってな? つまり教師を除いた学園最強が会長なんだよ」

「トウシュ、トウシュ」

「ハロ、ちょっと本音さんトコ行ってろ」

「ハロッ」

「や~ハロハロ~」

 

 

 

 

 

ハロが言ってはいけない事を言い出したので新華は本音に預けて言わせないようにする。暗部の事は一般には身内以外秘密になっているので変な面倒ごとに新華はしたくなかった。

 

 

 

 

 

「あとな、一夏。お前がこのクラスの代表って言って今誰も文句を言わないって事は、此処にいる全員に認められたってことなんだぞ? それだけ皆お前を認めているんだ。自信を持て。強くなるんだろ? だったらクラス代表は試合が他の生徒よりも多いんだから利用しな」

「そうですわ! そ、そこで私や青木さんの様な実力者が操縦を教えて差し上げれば、それはもうみるみるうちに成長して…」

「生憎だが一夏の教官は足りている。新華もそうだが、私も一夏に直接頼まれて承諾しているからな」

「あら、あなたはIS適正Cの篠ノ之さん。適正Aの私に何かご用かしら?」

「て、適正は関係無いだろう! 私は一夏に頼まれたのだ、最後まで私が付き合うのが道理だろう! それに新華も居るのだからオルコットの出番は無い!」

「お前ら落ち着け。当の一夏を置いて話を進めんな」

 

 

 

 

 

新華が2人を宥めようとするが、熱くなった2人には聞こえないらしく止まらない。そこに千冬の静止(物理)が入る。

 

 

 

 

 

「私からしたらお前らのランクなどゴミだ。まだ殻も被れていない段階で優劣など合って無い様なものだ。くだらん揉め事は10代の特権だが、生憎今は私の管轄時間だ。自重しろ」

「「うう…はい…」」

「それと青木、昨日も言ったが学園に居る以上相手に手加減は欠かすな。でなければ最悪再起不能になる者が続出する。流石にそうなるとそれ相応の対処をしなければならない」

「うっす。出来るだけ何とかしますが、普段はともかくクアンタ展開時はキツいんでそこんトコ容赦してください」

「善処しろ。ではクラス代表は織斑で決定だ。異論は無いな? ならこれでHRは以上だ。授業に遅れるなよ」

 

 

 

 

 

千冬の号令で各々動き出す。箒とセシリアはお互い睨み合っているが、それを見た一夏は漠然とした嫌な予感と不安を感じてさっさと廊下に出ていた。

 

 

 

 

 

「「…一夏(さん)!」」

「お2人が睨み合っている間に逃げたよ。最初の授業グラウンドだろ? さっさと行こうぜ。ハロ、もう戻ってこーい」

「ハロッ」

「んじゃ本音さん、また後で」

「うん、またねあおきー」

「「くっ((負けない…!))」

「おーい2人共走ると危ねーぞー…って聞こえてねェし。俺もさっさと行くかね」

 

 

 

 

 

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グラウンドに1年組の生徒達がISスーツ姿で並んでいた。しかし新華だけは制服のままでハロを抱えていた。この日は始めてISを使う授業だった。

 

 

 

 

 

「ではこれより、ISの基本的な飛行を実戦してもらう。織斑、青木、オルコット、試しに飛んで見せろ」

「わかりましたわ!」

「うっす」

 

 

 

 

 

返事に続き新華とセシリアがそれぞれISを展開する。ブルーティアーズは新華との試合で損傷が激しかったため一部パーツが足りない部分があるが、武装はスペアを、マニュピレータは腕スペアに換装して元通りになっていた。クアンタは今回試合では無い為リミッターは無しの通常形態での展開である。尚ハロは量子転換で収納した。

 

 

 

 

 

「…あ、あれ? っく、白式!」

「何を手こずっている」

 

 

 

 

 

一夏はこれが初めての展開だったため時間が掛かっていた。最終的には掛け声とポーズで展開出来ていたが千冬は見逃していなかった。

 

 

 

 

 

「よし、飛べ」

「jud.」

「くっ、う、うわあぁっと」

 

 

 

 

 

3人同時に地面から足を離すがそれぞれ飛び方が違っていた。まずセシリアはISの機能のみで勢い良く飛ぶIS乗りオードソックスな飛び方をし、新華は膝を曲げ跳躍の運動エネルギーとクアンタから放出されるGN粒子の大出力で一瞬で目標高度まで跳ぶ。一夏は試合の時とは違いハッキリとイメージが出来ていない為不安定にフラフラした後、ゆっくりと上昇していった。

 

 

 

 

 

『遅い、スペック上での出力はオルコットの機体よりも白式の方が上だぞ』

「そう言われてもなぁ…自分の前方に角錐をイメージってよく分かんねぇんだよな…っとやっと着いた」

「イメージは所詮イメージですわ。最終的には自分のやり易い方法を模索するしかありませんわよ?」

「………お前試合の時はどうしていた」

「あの時は我武者羅だったからなぁ、イマイチ覚えてねぇんだ。そもそも何で浮いてるんだこれ?」

「説明すると長くなりますが、よろしいですか? 専門的な話になりますが…」

「い、いや。やっぱ自分で何とかするよ」

 

 

 

 

 

2人は遅れる一夏に合わせて編隊を組み上空を飛ぶ。配置は新華のクアンタが先頭で、セシリアが一夏に飛行方法を教えるため自然と2人が並ぶΔ状になっている。本来であれば新華も教える側に回るのだがクアンタを展開しているので無口になり2人を先導する形になっている。

 

 

 

 

 

「その…やはり私が放課後指導して差し上げますわよ? その時は『一夏! 何時までそんな所に居る! 早く降りてこい!』」

「…はぁ(先生のマイク奪うな…)」

 

 

 

 

 

セシリアのセリフを見事に割るようにして箒が山田先生のインカムを奪い怒鳴っていた。恐らくセシリアと一夏が必要以上にくっついているのを見てイライラしたのだろう。山田先生が横で涙目になりながらオロオロし、千冬が箒に出席簿アタックをかます。

 

 

 

 

 

『3人共急降下と完全停止をやってみろ。目標は地表10㎝、手本として青木、オルコット、織斑の順だ』

「…jud.」

 

 

 

 

 

返事の直後新華はAMBACを使い体を地面に向けスラスターを吹かし一気に降下する。その速度は重力も加わっている為か恐ろしく速かった。

殆どの生徒がそのまま地面にぶつかるイメージをし悲鳴を上げたり顔を青くするが、新華は再びAMBACで地面に対してスラスターを吹かして完全停止をした。それを見ていた全生徒は絶句していた。無論上空で見ていた2人も同じだった。

 

 

 

 

 

「…す、すげぇ…」

「…一夏さん、あの方は何者ですの? この年齢であれ程の腕を持つのはありえませんわ。本当に私たちと同じ人間ですの…?」

「…昔からその質問を新華にしているけど本人は人間って言っているんだよなぁ。新華の両親は普通の人なのに新華だけずば抜けているし、決まって『人より何倍も鍛えているから』って答えが返ってくるし。明らかにそれだけじゃ無いよなぁ、思えば教科書に載っているほどだし」

 

 

 

 

 

新華自身は載ってはいないが、『白騎士・蒼天使事件』が歴史の教科書に載った為、自然と操縦者の新華が載っている事になる。IS学園は日本国内に有るとはいえ閉鎖空間なので一夏達は知らないが、世界では 新華=蒼天使 と言う報道が流れ大騒ぎになっていた。

 

 

 

 

 

『次はオルコットだ』

「は、はい! では一夏さん、お先に」

 

 

 

 

 

そう言ってセシリアも降下する。新華と比べると遅いがブルーティアーズは応急修理をしただけで不安定になっている事から、セシリアの腕の良さが表れている。

 

 

 

 

 

「…10㎝丁度だ。青木、貴様もこれくらいやれないのか」

「…今まで地面を踏み停止、もしくは方向転換しかやっていなかったもので」

「!? まぁあれだけの加速では止まれないでしょうね」

「まったく、地表3㎝は行き過ぎだ」

「………はい?」

「全員は青木よりもオルコットを見習って行うように。次は織斑、やってみせろ」

 

 

 

 

 

セシリアが呆然としている間に千冬は一夏に指示を出す。しかし一夏は新華のマネでもしようとしたのか勢い良く降下する。しかし飛ぶのもあやふやな素人に急速反転など出来るはずも無く、ドゴォと大きな音と土煙を上げて地面に激突しクレーターを作ってしまう。

 

 

 

 

 

「…馬鹿者が。いいか、あれが悪い例だ。誰もマネをしない様に」

「痛ててて…………」

「一夏さん、大丈夫ですの!? お怪我は無くって?」

「あ、ああ。大丈夫だどこも怪我してない」

「それは何よりですわ。ですが一応保健室で診ていただいた方がよろしいですわね」

「無用だ! ISを装備していて怪我などする訳が無いだろう!」

「(んなわけねェだろうが。P・V・Fから見たら無いにも等しいぞ。その考えがIS操縦者を腐らせる原因だと思っている奴がひとにぎりってのが悲しいねぇ)」

「あら篠ノ之さん。他人を気遣うのは当然の事でしてよ」

「お前が言うかこの猫かぶりめ」

「鬼の皮をかぶっているよりはマシですわ」

「…お前らそれを一夏の目の前でやるな…一夏、取り敢えず立て」

「お、おうサンキュ。でも何であの2人仲があんなに悪いんだ? 仲良くすりゃぁいいのに」

「…………(弾、お前のノリが懐かしいぜ。もうヤダコイツ、取り敢えず気付けよ)」

 

 

 

 

 

セシリアと箒が朝と同じ様に睨み合っているのに呆れながら新華は一夏を立つ様促す。一夏の言葉に何も言わない新華だが心の中では愚痴っていた。

 

 

 

 

 

「いい加減にしろ。さっさと進めるぞ。次は武装展開の実演だ。まずはオルコット、やってみろ」

「はいっ!」ガチャッ

「…流石は代表候補生だがそのポーズはやめろ。横に向けて誰に撃つ気だ。出来るだけ自然に、正面に展開出来るようにしろ」

「ですがこれはイメージを纏める為に…」

「直せ。いいな」

「……はい」

「次は近接武器だ。展開しろ」

「えっ、あ、はいっ」

「………………」

「っく」

「…まだか? 何時までかかっている」

「うっ…ああもう! インターセプター!」

 

 

 

 

 

千冬の指示通りに武装を展開していったセシリアだったが、近接武器の展開で時間が掛かっていた。セシリア自身、機体と同じく射撃に特化していたため近接武器に慣れて居なかったのである。セシリアの行なった音声認識展開は初心者様の機能で、本来代表候補生の様な熟練者が使う機能ではない。

 

 

 

 

 

「遅い。お前は実戦でも敵に待ってもらうつもりか」

「じ、実戦では敵を近づけさせませんわ」

「ほう、では昨日素人の織斑に接近され撃墜されかけたのはどこのどいつだ?」

「うぐぅ」

「くだらん言い訳を言う暇があるのなら大人しく努力しろ」

「は、はい…」

「分かればいい。次は青木、射撃武装を展開しろ」

「…jud.」

「む、流石だな。2つ同時にか。では次は近接武装だ」

「………」カシャ

「…何?」

 

 

 

 

 

セシリアが言い負かされたあと新華は両手にGNソードⅤを2振り展開し、ライフルモードからソードモードに切り替えた。流石にこれは予想外だったのか千冬も以外な声を出す。生徒達に至ってはもう驚きすぎて反応が薄くなっていた。

 

 

 

 

 

「すげぇ! それ剣にもなるのか!」

「…GNソードはモード切り替えで剣にも銃にもなる。…クアンタの武装の殆どがこの機能を持っている」

「ハァ!? なんですって!? 複合武器が殆ど!?」

「落ち着けオルコット。…まぁいいだろう。これ以上やるときりがない。次は織斑、お前がやれ」

「おう。いっで」スパァン

「返事は『はい』だ」

 

 

 

 

 

頭を叩かれながら武装の展開を行う一夏。これは飛行よりも楽に出来ていた。一夏のイメージは鞘から刀を引き抜くというもの。剣道における試合直前までの、体に染み付き昨日の試合までの特訓で思い出した動作の1つ。

 

 

 

 

 

「ふむ、及第点だろう。だが熟練者は展開に1秒も掛からん。まずは0.5秒での展開を目指せ」

「は、はい」

「さて、もう時間だな。今日の授業はここまでだ。織斑は自分で穴を開けた分グラウンドを整備しておくように。解散!」

「げっ、マジかよ」

「…ふう、やっぱ此方の方が楽だ、なっと」

「ハロッ」

 

 

 

 

 

解散の声が上がると同時にクアンタを解除しハロを取り出す新華。解散していく生徒の中には箒とセシリアの姿もあり一夏の手伝いでポイントを稼ぐチャンスを逃していた。流石に重労働は嫌だったのだろう。

 

 

 

 

 

「(アイツ等せっかくのポイント稼ぎを無駄にしたな)一夏、手伝おう。さっさと終わらせて教室戻るぞ」

「す、済まねぇ新華。にしても新華はやっぱトンデモナイな。今まで以上にスゲェよ」

「だろうな。普段見せねぇし、ハロ以外は使わないしな。もしこれが予定通り藍越学園に行ってたら一般ピープルに埋もれる様に過ごしていたしな」

「いやそれはない」

「なん…だと…」

 

 

 

 

 

2人で話しながら穴を埋めていく。力が有る新華が手伝っているお陰か作業は捗りサクサク進んでいった。

 

 

 

 

 

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「「「「「「織斑くんクラス代表決定おめでとう!」」」」」」

「「「「「「おめでとう!」」」」」」

「お、おう」

「一夏フィールドはここでも健在か。早速囲まれてやがる。…箒、そんなに一夏を睨まない」

「に、睨んでなどいない! あんな鼻の下を伸ばしている一夏なぞ睨んでいないぞ!」

「ほう…28282828282828282828228282828228」

「ええぃそのニヤニヤをやめろ!」

「2424242424242424242422424224」

「によによもするな、気持ち悪い」

「フヒヒwww サーセンwww」

「キサマ…!」

「ホウキオチツケ、ホウキオチツケ」

 

 

 

 

 

夕食後、食堂の一角で一夏の祝福パーティーが開かれていた。大勢の女子に囲まれている一夏の後ろには『織斑 一夏クラス代表就任パーティー』と書かれた画用紙が張ってあった。

このパーティーは1組主催で行われている筈なのだが、人数と人物の構成を見ると明らかに他クラスの生徒達も参加していた。

 

 

 

 

 

「(本音さん居ねぇな。簪さんの所か。そういやそろそろ完成だっけ? 俺も行っとくか)悪い、ちょっと用事思い出した。間に合えば戻るが、間に合わなかったらそのまま帰るわ。箒、頑張れ」

「シュラバ、シュラバ」

「何っ!? 新華?」

 

 

 

 

 

新華は箒に一言告げ静かに食堂を出る。一部の生徒はそれに気付きホッとして一夏に集中していく。箒は憮然としながらも新華が消えた廊下から再び一夏に視線を向けパルパルし始めた。新華は女子達の喧騒を背にハロを連れて本音が向かったと思われる場所へ移動して行く。

後で一夏にその後の話を聞いた時、新聞部副部長が来たと聞き抜け出して正解だったと思った。彼女も実は更識の関係者なのだが、自分より情報収集能力が高い新華を部長と共にスカウトしに何度も来ており、同時にクアンタの情報を要求してきたので鬱陶しいイメージが着いてしまっていた。そのためなるべく彼女を避けていたのだが、生徒会長の楯無の側近の1人なので遭遇する確立が高く彼女の目の前から姿を消すのが通例になるほどだったからだ。

 

 

 

 

 

 




ハロちょっと黙ってろ(笑)
クアンタ展開のイメージはロックマ○エグゼのクロスフュージョンで。
生徒達、みんな目が死んでるぅ~(笑)
新華は例え藍越学園行ってても暗部の仕事やら研究施設の破壊などで世界を回る事になっていたはずなので、一般ピープルに混ざる事はほぼ無いかとwww

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