IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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割と早く投稿出来ました(^_^)
MT免許受かったのでノリに乗ってます


今更な発覚

 

 

 

 

 

---休み時間---

 

 

 

 

 

一夏と箒は新華の席にすぐ向かった。新華の持つ専用機のついて問いただす為に。しかしそれより早く動いた者が居た。

 

 

 

 

 

「あなた、どう言う事ですの!? あなた如きが専用機!? いくら織斑先生のお墨付きとはいえ納得できませんわ!」

「誰がテメェに納得しろと言った? こっちはイラついてんだ、くだらない事言ってんじゃねぇよ。代表候補生如きが知ったか振りしてんじゃねぇよ」

「な、なんですってぇ!!」

「ミンナ、ナカヨク、ミンナ、ナカヨク」

「「………」」

 

 

 

 

 

2人より早く席も近いセシリアが新華に詰め寄っていた。新華の言葉にどんどん苛立っていくのが傍目でも分かった。しかし対する新華は言葉で言う程苛立っているようには見えない。ただ淡々と口を動かしている様に見える。それがかえって見ている者の恐怖を煽る。

 

 

 

 

 

「…一夏、新華は本当に苛立っているのか? あれは」

「…いや、実際は苛立つどころか相手にしてないな。本当に苛立ったり怒った時の新華は、あんなに優しくない。昨日の新華のアレ、見ただろ?」

「確かにな。しかし………優しいのか? ただケンカを買ってる様にしか見えないのだが」

「相手している分優しい対応だな。あいつが本当に怒った時は何も喋らなくなるからな」

「一夏ー、箒ー。そんなとこでだべってないでこっち来いよ」

「無視しないでいただける!?」

「ハロハロ」コロコロ

 

 

 

 

 

一夏と箒が巻き込まれない様に離れて話していたが、新華に呼ばれてしまい渋々と新華とセシリアの元に行った。

 

 

 

 

 

「2人共俺の機体(相棒)見に来たんだろ? 実際の公開は今度の試合の時にじっくり見とけ。意味ないかも知れんがな」

「? どう言う事だ? 取り敢えず見せてくれないか?新華、いつもと同じスタイルだから分かんなくて」

「? 制服がいつもの格好なのか」

「いやいや確かに制服もそうだけど、普段は流石に私服だぜ? 一夏が言ってるのはこれだろ」カチャ

 

 

 

 

 

そう言って新華は腰にぶら下げていたウォークマンを取り机の上に置いた。それはこの世界(・・・・)においても旧式と呼べる物だった。一夏はいつもの事なので何の反応もせず、箒は懐かしさを覚え、セシリアはそれから出る極僅かな反応に気付き驚く。

 

 

 

 

 

「そうそうこれこれ。昔からこれ付けてるよな。気づいたらイヤホンマンになってるし」

「未だに使っていたのか…懐かしいな。確か小学校の時にはあったな」

「!? 本当ですのそれは!?」

「ぅお! どうしたんだオルコット? 新華のウォークマンがどうかしたのか?」

「どうかしたも何も、これから極々僅かにISの反応が出ているんですのよ!? 私でも気付くのが奇跡な位の反応が!」

「は!?」

「何っ!?」

「「「「「「えぇーーーーーー!?!?」」」」」」ガタタッ

「んー、このレベルもダメになったかー。でももう隠す必要も無くなったしそのままでいいか。取り敢えずこの事を記録するか、ハロ」

「ハロッ」ピョーン

 

 

 

 

 

クラス全員が驚愕する中、新華はハロをPCモードにしてウォークマン(クアンタ)をセット。スキャンを行い本人確認としてイノベイターの能力を発動、ヴェーダと一瞬だけリンクしデータの更新を終えた。

 

 

 

 

 

「よし終了。んで、分かったと思うがこの俺の愛用のウォークマンが専用機なんだよ。ISの待機状態ってどれもこれもアクセサリが殆どだから意表を付くんだよな。今までどれだけ助けられたことか。因みに曲聴いてるのは趣味だからな、自己紹介の時言い忘れてたけど」

「え、ちょっ、ちょっと待ってくれ。それって確か箒がまだ一緒にいた頃から持ってたよな!? でもISが始めて出た『白騎士・蒼天使事件』って箒ん家で中継見た記憶が有るから、その前後って事で…ええと?」

「………そういえばあの時新華だけは風邪か何かで道場には居なかった気がする。それに加えてあの人も居なかったな」

「!! つまりあなた…!」

「はいストップ。そこまで達したのは褒められるが、それ以降は答えになっちまう。答えは嫌でも来週分かるんだから、それまでのお楽しみにしとけ。ってこのセリフ何度目だよ」

 

 

 

 

 

真相に迫る3人だったが、新華に止められモヤモヤを溜めてしまった。新華は席からスッと立ちあがって教室を出ようとする。

 

 

 

 

 

「新華? どこ行くんだ?」

「アホ。昼休みだろうが。飯食いに行くんだよ、時間に余裕持って味わって食べたいし」

「あ、それ同感。ゆっくりなら話も出来るしな。箒も行こうぜ」

「あ、あぁ」

「くっ…そんなはずが…!? あんな人物がまさか…!?」

 

 

 

 

 

呻いているセシリアを放っておいて3人は食堂へと向かった。

 

 

 

 

 

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「ウマウマ」モキュモキュ

「旨いなー」もぐもぐ

「…」ぱくぱく

「ハロハロ」コロコロ

 

 

 

 

 

3人共定食を頼み食事を楽しんでいた。新華は幸せそうな顔で、一夏は関心しているように味わい、箒は無言で食べていた。3人共その顔を普段からしていれば少しは印象が変わるだろうに…新華はギャップ、一夏は知的(笑)、箒はお淑やかと言った具合に。

 

 

 

 

 

「なんだか俺だけ扱いが酷い気がする」

「今更じゃね? そしてメメタァ」

「おい、一夏、新華やめろ。そういう小説じゃないだろう…ん? 小説? 電波でも入ったか?」

「メメタァ、メメタァ」コロコロ

 

 

 

 

お願いですからやめて下さい。まだフォークでどーんされたくないんで。メタは忘れてください。では(byガノタ

 

 

 

 

 

「さて一夏、話題に何度も出ているが試合は大丈夫なのか? お前試験とかちゃんと勉強してから挑むけど、今回の様なイベントはそうも行きそうにねぇだろ」

「そうなんだよなぁ、今から独学でISの勉強したところでたかがしれてるし」

「それに向こうも専用機持ってるからな」

「えっ、そうなのか?」

「…一夏、授業中に新華の説明を忘れたのか? オルコットは自分で言っていたが代表候補生だ。IS学園に入学してくるあたり間違いなく専用機は持っているだろうな」

「え? どういうことだ?」

「「…はぁ」」

「イチカ、ダイジョウブカ? イチカ、ダイジョウブカ?」

 

 

 

 

 

一夏のセリフに呆れる新華と箒。新華は再び説明に入る。

 

 

 

 

 

「いいか一夏。代表候補生の殆どが専用機を持っていると言ったのは覚えているな。その役目はISのデータ収集と、時節届く新型装備の実験、データ収集が主な活動だ。それをする上でIS学園ってのはデータ収集に最適なんだ。申請すればいくらでもデータ採れるし、同じ理由で各国の専用機が集う。自分たちの技術が各国に比べてどれだけの高さに居るかが分かるから指標にもなるしな」

「な、なるほど」

「んで、あのオルコットは例に漏れず専用機を所持、あのイヤリングがそうだ。第3世代IS『ブルーティアーズ』。取り敢えず言えるのはここまでだな。知りたきゃ自分で調べるかオルコットから聞くんだな」

「へぇー、新華よく知ってんだな」

「調べたからな。それに前半部分は理解しとけ。ご馳走様」

「早いな。私もだが、ご馳走様」

「2人共はえぇよ! 味わうんじゃなかったのか!?」

「味わったが、速度は気付いたらこうなっていた、よっと」「ハロ」

「お前たちが話している間に食べていたからな」

 

 

 

 

 

 

新華はハロを抱え箒も一夏の方に顔を向ける。

 

 

 

 

 

「んで? どうすんだよ、このままだとたとえ専用機が来てもお前に勝ち目ないぜ?」

「そーなんだよなー。………なぁ箒に新華」

「何だ」

「ん?」

「ISの事、教えてくれないか? 箒は俺よりISに詳しいだろうし、新華は…………今更言うまでもないか」

「断る」

「うぇっ!? どうしてだよ箒」

「あらら、フられたな一夏www」

「ふられたってなんだよ? 新華はどうなんだ?」

「俺はいいぞ。ただ俺がこの少ない時間だとやれる事は限られてくるからな、ちょっと特殊な方向でいくぞ」

「あいつに勝てるなら、どんとこいだ」

「その意気だ」

「ガンバレイチカ、ガンバレイチカ」

「ありがとな、ハロ」

 

 

 

 

 

 

新華が一夏と青春している。それを箒を面白くなさそうな顔で見ていた。そこに1人の女生徒が近づいてきた。付けているリボンが3年生を示す赤色だった。1年生は青で2年生は黄色である。

 

 

 

 

 

「あなた達が噂の子ね?」

「はい?」

「ん?」

「あなた達が代表候補生と試合をするって聞いたんだけど、本当なの?」

「はい、そうですけど」

「何故かそうなってましたね」

「ハロッ」

 

 

 

 

 

ハロを腕の中に収めている新華を見て、女生徒はその光景を驚きの表情で見るが、「噂は本当だったのね」と言って新華と一夏に向き直す。

 

 

 

 

 

「でもあなた達素人よね? ISの稼働時間はどれくらい?」

「えぇっと、2~30分位じゃないですかね?」

「覚えてねぇなー(乗りすぎて)」遠い目

「2、30分じゃ足りないわよ。ISは稼働時間が重要なの。代表候補生は少なくとも300時間は動かしているわよ」

 

 

 

 

 

んなわきゃねぇだろと新華は思った。確かにISを自分に馴染ませる(・・・・・・・・・・・)のは重要だ。だがそれだけではISの性能を引き出したり実力を上げる事は不可能である。たとえIS自体の稼働時間が長くとも操縦者本人の体力が低くては意味が無いし、ISの事を理解せずに扱うより十分に理解してからの方が扱うのも容易になる。現に新華はクアンタを入手して間もなく介入した『白騎士・蒼天使事件』の時稼働時間が全く無かったにも関わらず己の身体能力で、同じく稼働時間の全く無かった千冬の駆る『白騎士』と共に無双をしている。機体性能もあったが、2人の並外れた動きとパワーによって当時の軍が退けられたのは確かだ。そしてこの学園に限らずそのことを理解していない者は、軍の上層部や国家代表の一部、IS学園の教師の大半など一握り以外が殆どである。勿論例外はいるが。

 

 

 

 

 

「そこでなんだけどさ、ISについて私が教えてあげよっか? 2人纏めて面倒みてあげるけど?」

 

 

 

 

 

女生徒はそう言うが、新華からしたら「何言ってんだこいつ、相手見てから言え。そしてそんな見下した態度だと後悔するぞ」というところだった。この女生徒、噂通りと先程言っていたが、それはハロの事だけでなく女子達を黙らせた事も入っていたのだろう。一夏に対しては比較的友好的な視線だったが新華に対しては明らかに見下していた。一夏はそれに気付かず有難いとばかりに誘いを受けようとした。

 

 

 

 

 

「(どうせ人数は多い方が良いとでも思っているんだろうな。だが)」

「はい、ぜひ「結構です。私が教える事になってますので」「俺も教えるがな」箒? 新華?」

「あら? あなた達も1年生でしょ? 私の方があなた達より教えられるわよ? それにそっちのコは教わる方でしょ」

「…私は………篠ノ之博士の妹ですから」

「そして俺は時節その博士(笑)(う詐欺)に拉致られて色んな作業を手伝わされたりしてましたが?」

「「「「「え、えぇーーーー!!!!」」」」」

「ですので、結構です」

「相手をよく見てからの発言を進言しますよ。『知るは一時の恥、知らぬは一生の恥』と言いますしね」

「そ、そうね…。仕方ないわね…」

「あ、あと忠告を。………そんなに人を見下してると、どうなッテモシラナイヨ? ナニモシラナカッタジャ、オソイカラネ」ニタァ

「!?」ゾクッ

 

 

 

 

 

新華の最後に呟いた一言に女生徒はそれに秘められたモノを切っ掛けに新華の纏う空気がおかしいことに気付いたのだろう。体を震わせて食堂から走っていった。周りに居る女子も心無しか怯えている様に見える。新華は纏っていたものを霧散させ一夏と箒の方に顔を向けた。

 

 

 

 

 

「し、新華! 今のは本当か!? 姉さんに手伝わされていたというのは」

「そっか、それで時々居なくなってたんだな………納得だ」

「一夏は理解したみたいだが、事実だ。一夏が言った通り俺は時々中学サボってたんだが別に好きでサボってた訳じゃない。あのう詐欺に捕まったら逃れられないからサボらざるをえなかったんだ。交換条件で色々協力してもらったけどな」

「す、凄いな。あの束さんに交換とはいえ言うこと聞かせるなんて」

「姉さん何しているんだ…」

「因みにう詐欺の居る所にはこのハロのスペックダウン量産機が大量にあってえらいことになってたり」

「ハロ、キョウダイ、キョウダイ」

「…は? お前姉さんの居場所知っているのか!?」

「今は知らんよ? ちょくちょく場所変えるから拉致られたり向こうから来ないと分からん。だから期待はすんな」

 

 

 

 

 

 

そう言った時丁度一夏が食事を終えた。食堂にもう用は無い3人は教室に戻ることにした。

 

 

 

 

 




展開が…早い、ですかね?
新華の隠し事は重要な部分(転生やヴェーダなど)以外はさっさと公開させる予定です。

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