IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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143話目のお届けー。戦闘入りまーす。

再び フ ル ボ ッ コ の 時 間 だ
作業用にUCBGM聞いていると耳が幸せ


迎撃

 

 

 

 

---時間は遡り、一夏がマドカと接触する前。

ソレスタルビーイングの施設直上から20機の無人機部隊と1機の赤いISが落下してくる。それを新華はEvolveクアンタを展開して迎撃する。

MS隊が発進可能になるまでそう時間は掛からない。そして連携が取れる生粋の軍人達が扱うそれらは、新型機の開発と合わさり世界有数の戦力と化していた。

だがそれでも限界はある。故に数を減らし現在確認出来る唯一の敵ISを無力化することが新華の役目である。

 

 

 

 

 

「あの形状、性懲りも無く銃人搭載か。なら、その出鼻を挫く! サヤカ!」

『はい!』

 

 

 

 

 

以前Sビットでの迎撃に失敗した新華は、敵の自由落下と加速による極僅かなソレスタルビーイング到達時間を目視で測り最高火力を用意する。

まず大型ハンドユニットを出し手首を合わせ、それにバスターソードの要領でSビットを連結させていく。

伸ばした指を包むようにスパークが走り桃色の光が強くなる。

 

 

 

 

 

「『ツインライザーソード(・・・)』、バスターモードで限定開放!」

 

 

 

 

 

クアッドキャノンの応用で極太ビームを放つ。放たれたビームがゴーレムを3機巻き込んで搭載された銃人ごと破壊する。爆発により落下地点がソレスタルビーイングから外れそうな機体は地上からの砲撃により修正される。

そして、赤い機体が新たな装備を付けて新華に急速接近し、最初から8つの装甲脚を出して襲い掛かる。

 

 

 

 

 

「『蒼天使』ぃぃぃあぁぁああ!」

「糞ビッチイイイィィィィィィイイイ!」

 

 

 

 

 

Sビットを戻し握り拳を作る。『アラクネ』の脚部からレーザーが飛び大型ハンドユニットが何の防御機構も展開しないままに弾く。

距離が詰まると新華は大型ハンドユニットをクローモードにして指先からビームサーベルを発振させる。そしてPICを持った8本の装甲脚と10本の指サーベルが打ち合う。

 

 

 

 

 

「会いたかったぜええええええ! あの時の借り返してやらぁ!」

「こっちの台詞だあああ! 以前ウチのが世話になった分とあの日の屈辱、今日で清算させてもらう!」

 

 

 

 

 

オータムはガンガン新華を押し込むようにして攻撃をしていくが、新華は逆にマトモに打ち合うことも無く下がりながら応戦していた。

 

 

 

 

 

「大した事ねぇなあ、ええ!?」

「……今です!」

『確認しました! 防壁『アルテミスの傘』展開します』

「ああ!?」

 

 

 

 

 

新華が叫ぶと同時にゴーレム部隊とMS隊が交戦に入る。そしてソレスタルビーイングの各所に設置された塔のような設置物が開き緑色の巨大な防壁を展開した。

新華とオータムもその内側に入っており、新華は思わずフェイスガードの下で笑みを作る。

 

 

 

 

 

『各員敵の隔離が完了しました。各自訓練通りに迎撃してください』

『おっしゃー!』

『総員、油断はするな! 1度機能を止めていたとしても確実にコアを潰せ! 特にⅢ型は下手にダメージを与えただけでは再起動される恐れがある』

『『ファミリア』を孤児院に近付けるな! 例え傘が攻撃を防ぐと言ってもガキどもに不安を与えない方がいい! オートマトンのトリモチを利用して確実に落としていけ!』

『…よし、1機…撃破! 次はっ!?』

『私達は新華君の露払いよ。無人機を1機でも多く仕留めましょう』

『兄貴! 前に出すぎだって!』

『また奪われてたまるかー!』

 

 

 

 

 

地上にてMS隊と計17機のゴーレム、それに付随した17機の無人機『ファミリア』が交戦する。ゴーレムⅢが粒子攪乱膜を張ったが実弾系兵装も整っていたMS隊にはあまり関係が無かった。

刀奈達IS組3人の援護もあり一気に優勢に持ち込めたというのもある。強いて言えばカナードとジニンが完全に壁役になっていただけであろう。

そしてその状況は、オータムにとって完全に予想外であり面白くないものであった。

 

 

 

 

 

「何しやがったテメェ!」

「言っただろうが! 今日で清算するってなぁ! もう逃げられねぇぜ亡国機業さんよォ!」

「ブッ殺す!」

「やってみろや三下ァ!」

 

 

 

 

 

装備をP・V・Fに変え銃身での殴打を開始する新華。パラベラムの戦い方は主に銃撃戦だが、こういった戦闘も出来ない事はない。その証明とは言わないが一兎はパラベラムに覚醒した直後は自身のそれの銃身を敵に叩きつけていたし、新華も同じように銃身で撲殺を行っていた。

8本の装甲脚と打って撃ち合いSビットもCファンネルもGNプリスティスもフルセイバーも全て使う新華の猛攻にオータムは一気に窮地に陥り激昂する。

逆に新華は油断が無くとも余裕があった。アラクネの背部に接続された追加ユニットに着目しながら、入った信号を確認する。

 

 

 

 

 

『ご主人様、トリィから緊急信号が出ています』

「『何? ……まさか』おい糞ビッチ! テメェ何をしにここに来た!?」

「はっ、言うかよ!」

「一夏にまたちょっかい出してんだろうが!」

「チッ、黙って死んでろ!」

 

 

 

 

 

そう言ってオータムは背部の追加パッケージを起動させる。見た目は元のアラクネの装甲脚の先端と背部の楕円形のユニットの先端に棘のようなものが付いていたものだった。

 

 

 

 

 

「『織り機(タペストリー)』起動!」

 

 

 

 

 

---ギリシャ神話『変身物語』に登場する『アラクネー』。彼女は織物に関して類まれなる才能を持っていた。しかし人間の身でありながら神の警告を無視し女神『アテーナー』に織り物勝負を挑んだ。

しかし彼女が織ったタペストリーは神々に対しあまりに不敬であったため、アテーナーの怒りを買い織機、タペストリーと共に頭を打ち据えられた。この後アラクネーは自らの愚行に羞恥し逃げ出し、自縊死(じいし)(首吊り自殺)した。

その後アラクネーはアテーナーの手により蜘蛛へと転生する。その時のアテーナーが怒り狂っていたのか、はたまた彼女を哀れんでいたのかは語られていない。

 

 

 

 

 

「っ!」

「逃がすかよ!」

 

 

 

 

 

オータムが瞬間加速で新華との距離を一気に詰め、8本の装甲脚と背部楕円形先端が割れ蜘蛛の巣状に白い糸を撒く。新華は肩と背のシールドビームガンを撃って焼こうとしたが、焼いた箇所から有毒性がありそうな匂いがしたのと同時に範囲の広さ、オータムとの距離により完全に逃げることが出来なかった。

無論その範囲は新華だけに留まらず、戦闘をしているMS隊にも向かう。

 

 

 

 

 

「! 全機散か---」

『任せて!』

『アレ行くわよ新華君!』

「! おう!」

 

 

 

 

 

新華が避けるよう指示を出そうとしたところで簪が前に出て『不動岩山』を展開し、シールドでカバーする。糸の隙間を練り刀奈が新華と合流した。

新華が意識を逸らした隙に脚部装甲に糸が張り付き絡まって新華の移動を阻害する。更にそこから侵食するかのように全身へと糸が絡まっていく。しかも粘着性があるようで解こうにも離れなかった。バルカンを用いて糸を断つがその間に他の部分に糸が張り付き絡まる。

 

 

 

 

 

「チッ」

「面倒ねこれ…!」

「隙有りぃ!」

 

 

 

 

 

オータムが新華と刀奈の行動範囲を糸で制限すると、糸を出していた装甲脚を外し右腕に纏める。棘は閉じ発熱し真っ赤になりながらギュオオォ! と音を立て激しく回転する。

 

 

 

 

 

「纏めて死ねぇ!」

 

 

 

 

 

回転する狂器は刀奈もろとも新華を葬ろうと、馬鹿みたいな突進力で突き進む。

 

 

 

 

 

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---side MS隊&IS3人組

時間は少し遡り『アルテミスの傘』が完全に展開された直後。MSを纏った各々は無人機達を相手にしていた。

しかしゴーレムⅢが着地早々に粒子攪乱膜を散布したためビーム系の武装が制限され、一部の機体は壁役を余儀なくされた。

 

 

 

 

 

「あれが無人機か。だが連携の出来ない有象無象など我らの敵ではない!」

「援護します!」

「お手伝いします!」

 

 

 

 

 

『ジンクス』に乗るジニンがシールドを構え『ファミリア』を相手にする。MS以外にビーム兵器を装備していないIS組は問題無く攻撃が行えるが

 

 

 

 

 

「ISはなるべく前に出るな! 絶対防御が無い貴様らまで面倒見切れん!」

 

 

 

 

 

ゴーレムⅢの特徴である絶対防御無効化、それにより頭と胴体が剥き出しのISは非常に危険だった。MSと新華は全身装甲の為危険が少ないが刀奈、簪、シャルロットはそうもいかない。

あまりISに良い感情を抱いていないMSチームだったが、流石に緊急事態にそれを持ち出すような馬鹿な真似はしない。

 

 

 

 

 

「分かっています!」

「なら私が楯になっている間に狙撃していてくれ。ワーカー!」

「ええ、私が囮に! ザク隊はISと共に援護を!」

「「「了解!」」」

 

 

 

 

 

ワーカーの『エアリーズ』が前に出てシャルロットと2機のブレイズ装備ザクファントムが射撃を行う。

隣のエリアではカナード達がゴーレムを相手にしていた。

 

 

 

 

 

「ええいうっとおしい! メリオル、あと何機だ!」

『確認できるのは10機、ISの撃破にやはり時間が掛かってます』

「チッ、まだ多いな。ザク隊! オートマトンのトリモチで鈍った奴から集中的に潰せ!」

「「りょ、了解!」」

『カナード、そろそろ粒子攪乱膜の効力が切れる時間です』

「よし、ならザク隊は俺の援護に移れ! 突貫する!」

 

 

 

 

 

カナードがハイぺリオンのアミューレ・リュミエールを一旦解除し変化させる。方向近くの基部の設定を変更し光の槍を形成すると残っていたゴーレムⅠに突貫し両腕を肩から完全に破壊した。

 

 

 

 

 

『粒子攪乱膜、効力切れました!』

「ならっ!」

 

 

 

 

 

ふくらはぎ部分に装備されていたビームナイフを引き抜き正確にゴーレムのコアがある場所に突き付ける。穴が開きコアが見えたところでビームマシンガンに持ち替えゼロ距離で撃ち抜いた。

カナードが直後腕のアミューレ・リュミエールを展開するとゴーレムⅢの斬撃を完全に防いだ。そこにオートマトンのトリモチが当たりミサイル群が直撃、最後にカナードが腕のアミューレ・リュミエールで槍を作り貫いた。

それを見ていた刀奈と簪は、手際と腕の良さに関心すると同時にMS隊の練度の高さに驚いた。

 

 

 

 

 

「私達があれだけ苦戦した機体をああも容易く…。MSだけじゃなくて個々の腕も高いし連携も取れてると、こうも頼もしいのね」

「凄い…! あの無人機を圧倒してる!」

「私達も負けてられないわね。行くわよ簪ちゃん!」

「うん!」

 

 

 

 

 

2人も目の前に躍り出てきたゴーレムⅢを相手にする。以前この機体と相対したときは苦戦し覚悟を決めたが

 

 

 

 

 

「リベンジ戦よ! あの時とは違うって事、見せてやりましょう!」

「うん!」

 

 

 

 

 

2人のマシンガンと荷電粒子砲が火を噴きゴーレムⅢに向かう。Ⅲは当然回避しようとするが、回避する方向に簪の薙刀が飛んでくる。

 

 

 

 

 

『!?』

「そう回避することは分かってる…!」

「ナイス簪ちゃん! ハアッ!」

 

 

 

 

 

危険を覚悟で薙刀を弾いたⅢの懐に飛び込んだ刀奈は、アクアランスを胴に突き付け回転させる。真っ赤に出力が上がっているそれは分厚いⅢの装甲を削る。

Ⅲが銃口を持った腕を刀奈にぶつけようと振るう。だがその腕は途中で簪の攻撃により吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんはやらせない!」

 

 

 

 

 

新華から学んだ瞬間加速+体の捻り+振り抜き+間接狙いを全て同時に行う事で、薙刀でもⅢにダメージを与えることに成功した簪はⅢ後方に荷電粒子砲を叩き込んだ。

そして刀奈の合図と同時にⅢから距離を取る。刀奈はトドメにナノマシンに仕事をさせる。

 

 

 

 

 

「今!」

 

 

 

 

 

アクアランスで削りながらⅢの隙間から内部にナノマシンを流していた刀奈は、ナノマシンを自爆させた。

内部で爆発が連続で起きたⅢは苦しもがくように身を捻らせたが、時既に遅くコアに深刻な障害を起こし機能を停止。そこに刀奈と簪がアクアランスと薙刀で挟み込むようにコアに攻撃、トドメをさした。

 

 

 

 

 

「リベンジ成功♪」

「やった! お姉ちゃんやったね!」

「ええ!」

 

 

 

 

 

……こうしてISとMSによる共同戦線が引かれていたが、一部のMSはもっと酷い事になっていた。良い意味で。

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおお!」

 

 

 

 

 

インパルス駆る真は、序盤からソードシルエットを装備し『エクスカリバー』による乱舞でゴーレム達を薙ぎ払い

 

 

 

 

 

「悪いが手数の差だ!」

 

 

 

 

 

ストライクE+I.W.S.P.を駆るスウェンは武装の殆どが実弾なのをいい事に、真に群がっていく機体や自身に向かう機体に実弾の雨を降らせ

 

 

 

 

 

「そらそらそらそらァ!」

 

 

 

 

 

装甲を厚くし特徴的なキャノン砲を両肩2門にした挙句両手を武器腕にしたガチタン『ヒルドルブⅡ』とかいう機体が、スラスターによる回避と高速移動というどう見てもVDな感じで敵を蜂の巣にしていっていた。

更に

 

 

 

 

 

「撃て、撃ち続けろ! 銃身が焼け付くまで撃ち続けるんだ!」

「あ、兄貴! 危険だって!」

「やあああああああ!」

 

 

 

 

 

『陸戦型ガンダム』をカスタマイズした『Ez-8』に搭乗する四郎と『フルアーマーガンダム』に乗ったフリッツが弾幕を張り、最新機『ピクシー』に乗ったトラッシュがゴーレムⅠ、Ⅱの動きを止めていっていた。

間接にビームナイフを指し動きを阻害し、弾幕で破壊していく。一部の機体はコアを破壊仕切れないためにトリモチまみれにして動きを取れなくしていた。

こうしてゴーレムとファミリアの無人機部隊は次々と数を減らし

 

 

 

 

 

『! 全機散か---』

「任せて!」

 

 

 

 

 

そう簪が言い防御壁を展開する頃には1、2機を残して殲滅が終わっていた。アラクネが吐き出す糸がMS隊に降り注ごうとしたのに簪が割り込み

 

 

 

 

 

「アレ行くわよ新華君!」

『! おう!』

 

 

 

 

 

刀奈が新華に合図し合流する。その間にシャルロットも簪と合流し2人のサポートとして糸を切って回った。

その間にMS隊は全ての無人機を撃破し警戒態勢を取ったまま無人機の破片処理を行っていた。

 

 

 

 

 

---side out

 

 

 

 

 

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-------------------------

 

 

 

 

 

オータムの右腕に集まった装甲脚が発熱と回転を行い新華と刀奈へと向かう。2人は回避しようとするがそれをオータムは装甲脚のPICを使い強引に修正する。

 

 

 

 

 

「終わりだぁ!」

 

 

 

 

 

クアンタの胸部装甲に直撃し抉る。オータムは一人顔面装甲の下でほくそ笑んだ。ようやく目障りな存在を殺せたと。

だが次の瞬間それは逆転する。抉った装甲の下からは機械部品が飛び散るだけで血肉が全く出てこなかったのだ。

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

思わず素で間抜けな声を出したオータムは目を見開く。

彼女が貫いたものの正体は、アクアナノマシンによって偽装された『αユニット』と『Fユニット』だった。

そしてユニットは大破しオータムの張った糸に張り付く。そして刀奈もナノマシンで出来た偽者だったのか自爆して飛び散り、糸の粘着性を落とした。

 

 

 

 

 

「っ!? くっそがああああああ! っがっ!?」

 

 

 

 

 

直後オータムの体が前のめりに沈む。空中に居る筈なのに『沈む』感覚の原因を彼女は以前恋人であるスコールから聞いていたため青褪めた。

 

 

 

 

 

「ふ、ふざけっ---」

「ここだ」

「!?」

「これで、決める!」

 

 

 

 

 

自身の体が空間に沈み身動きが取れない彼女目掛け蒼が翔ける。見ればオータムの張った糸は新華達の偽者があった場所の後ろの部分に存在していなかった。

否、よく見れば糸の先端が黒ずんでいた。簪の荷電粒子砲とシャルロットの簡易零落白夜によって焼き斬られ、そこから新華と刀奈は抜け出し攻勢に出ていた。

 

 

 

 

 

「ばっ、何で動ける!?」

「(ここで、コイツとの因縁を、終わらせる!)」

 

 

 

 

 

刀奈の『ミステリアスレディ』の単一仕様『沈む床』の効力、その中でも行動出来る例外がパラベラムである新華の『内観還元力場』と『トラウマシェル』である。それは以前試合をしてい時に証明済みで、利用しない手は無いと練習していた2人なりの『ランページ・ゴースト』が組み上げられた。

左手の平をオータムに突き出し腰溜めにエゴ・アームズ『ストーリーズ・イレギュラー』を構えていた。

脚部は展開済みでスラスター出力が上がり、大幅に軽減された負荷の中をGNドライブ4基が唸りを上げ突き進む。

 

 

 

 

 

「(絶対防御無効化!)」

『無効化します!』

 

 

 

 

 

以前取り込んだゴーレムⅢの機能を使用しアラクネの絶対防御を無効化し腕に力を込める。

クアンタからGN粒子ではない緑の光が漏れ『沈む床』の負荷が消滅した。

 

 

 

 

 

『『『いっけええええ!』』』

「おおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

 

 

 

刀奈、簪、シャルロットの声援を受け緑の光が強くなる。オータムとの距離が完全に詰まると、彼女のうろたえを無視してP・V・Fを振り抜いた。

バキャッという嫌な音をしてオータムは回転して吹き飛び地面に激突、バウンドする。アラクネの奇妙な形が災いし受身も取れないままオータムは呻きを上げる。

 

 

 

 

 

「ぎあっ、が、あああああ…」

「確保!」

 

 

 

 

 

新華の指示で警備科であるカナード、劾、四郎がスラスターを吹かし飛んでくる。先程新華が殴打した部位はオータムの腰。嫌な音の正体は骨が砕けた音。

もうオータムは戦闘はおろかISに乗ることも、それどころか二度と二本足で立つ事も不可能だろう。腰は人体バランスの要所、そこを容赦無く砕かれたのだから。

 

---こうしてソレスタルビーイングは襲撃を被害ゼロで抑え、『亡国機業』実動部隊『オータム』と元アメリカ所属第2世代IS『アラクネ』の捕獲という大戦果を上げた。

そして何より今回の戦闘は映像として記録されており、後の歴史書に『ISが敗れた日』、もしくは『MSが現れた日』として載ることになる。女尊男卑を覆す第1歩として。そして

 

 

 

 

 

「お疲れ様、新華君」

「ああ、お疲れさま」

「新華、さっき光ってなかった? こう、フワッて緑色に」

「え、マジで?」

「うん…。その、かっこよかった」

「お、おう(サヤカ、まさか取り込んだサイコフレームが?)」

『はい。それも指輪用に加工した方まで反応していたみたいです』

 

 

 

 

 

男だ女だと気にする事の無い、かつてこの世界でも夢見られていた本当の男女平等社会への第1歩として、『初のISとMSの共同戦線』としても記録されることになる。

 

この後新華は一夏に通信を入れオータムを拘束、隔離し事後処理に追われる事になる。加え事が事だけに『更識家』も巻き込んでの騒動になった。

しかし事が落ち着く数日後には再びIS学園でメンバーが揃う。そしてIS側にとって衝撃的な事実を新華は持っていく事になる。

 

 

 

 

 




オータムもソンネンもACやってますねぇ。
神話とか調べていると楽しくなって止まらなくなりますね。『アラクネー』の事調べて脱線していたらいつの間にかMS『パラスアテネ』の解説記事読んでましたw

そうそう、つい昨日AC3PSPのストーりーと表アリーナクリアしました! ジオ社社員Nさん、アドバイスありがとうございました!

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