IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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遅くなって申し訳ありませんでした! 番外編6をお届けいたします。
遅くなった理由としましては
・クアンタ頭部形状変更作業
・メテオホッパー2個買い⇒二輪車制作
・改造AGEFXのAC化
・Y-TYPEの視聴&熟読 ←主にコレ
のせいです。はい、完全に個人的な理由です!
あと弾メインだったので途中から筆が乗らなかったというのもあります。
次回は本編に戻りますよー


番外編6 弾の日常

 

 

 

 

 

五反田 弾の朝は目覚ましを止める事から始まる。

 

 

 

 

 

「ぅあ、ふ、あああああああ」

 

 

 

 

 

ベットから起き上がり机の上に置いておいたトレードマークのヘアバンドを手に取って洗面台に行く。

 

 

 

 

 

「くあ、ねみぃ」

「あ、お兄。おはよう」

「弾、おはよう」

「おはようお袋」

 

 

 

 

 

居間を通り同じように起きたばかりであろう妹の蘭と、既に朝食の準備をしている母の蓮に挨拶して洗面台に行き顔を洗う。

 

 

 

 

 

「うっし目が覚めた。お袋、爺ちゃんは?」

「先に朝ごはん食べてお店の準備してるわ。2人共学校でしょ。2人のお弁当、用意して台の上に置いておいたから」

「サンキュお袋」

「ありがと」

「じゃ、私は先に出るからー」

「おう、いってら」

「いってらっしゃい」

 

 

 

 

 

私立に通う妹を見送り、一旦自室に戻って登校の準備を完了させる。充電していた携帯を開いてメールや着信が無い事を確認し制服に着替えポケットに入れる。

 

 

 

 

 

「おし、メール着信共に無し、と。飯食おっと」

 

 

 

 

 

居間に戻った弾はニュースを見ながら母の作った朝食を食べる。ニュースの内容はISがあり女尊男卑とはいえ大して変わらず、最近の事件や政治問題、経済やスポーツの話題を取り上げていた。それともう熱も冷めているのか新華、一夏、シャルロットの話題は殆ど出なくなっていた。

時たまソレスタルビーイングの事が『謎の巨大施設』としてテレビに映る事があるが、その情報の少なさから好き勝手に予測したり地元民に聞き出しを行って『専門家』とやらのコメントを勝手に垂れ流しているばかりだった。

それを横目に朝食を食べエナメルのバッグを肩に掛け家を出る。

 

 

 

 

 

 

「いってきまーす」

「いってらっしゃい」

 

 

 

 

 

母の声を背に家の扉を開けて一旦店に入る。店内はがらんとしていたが調理場には祖父の厳が居た。まだ店を開けるまで時間があるが、厳は既に調理器具一通りに火を通し包丁を1本1本研ぐ作業に入っていた。

 

 

 

 

 

「爺ちゃん、行ってくるぜ」

「おう、行ってこい」

 

 

 

 

 

筋骨隆々で包丁を研ぐ祖父の姿は、いつ見ても存在感溢れる頼もしいものだった。その祖父に登校する事を伝えた後は、店の裏から自転車を持ってきて店内を通り外に出る。

朝日が照らす中を自転車に跨り最寄りの駅に向かう。道中何事も無く高校最寄りの駅で降り徒歩で校舎へと向かう。

校舎に着いた後は知り合いに朝の挨拶をしながら教室へと向かっていく。

 

 

 

 

 

「あ、おっはー弾」

「おはよーさん」

「おいっすー。朝練終わったー」

「乙ー」

「チョリーッス」

「お前、死語だぞそれ…」

「諸君! 朝の挨拶、すなわち『おはよう』という言葉を謹んで送らせてもらおう」

「先生も元気っスね」

 

 

 

 

 

教室に入り自分の席に鞄を置く。

 

 

 

 

 

「えっと、今日の1限目なんだっけ」

「おはよう弾。今日は数学からだよ」

「おう、おはよう数馬。……課題は無かったよな?」

「3年の先輩は選択授業で宿題有りって言ってたけど、無いよ」

「うへぇ、3年になるとあるのか…」

「選択授業で数学を取ればの話しだろうけどね。その先輩、理系だから」

 

 

 

 

 

先に登校していた御手洗 数馬と言葉を交わし、2人で他の男子達の輪に加わり談笑する。

談笑している間に時間は過ぎて朝のHRが始まり1日の授業が始まる。

ある時は授業の内容に頭を捻り、ある時は一夏や新華から聞いたIS学園の授業風景を想像し比べてみたり、ある時は授業中に居眠りしている者のいびきに笑いを堪えていたり、ある時は教師の授業から脱線した話に生徒一同で笑ったりと、弾本人は知らずに新華がかつて欲していたごく普通の学生生活を謳歌していた。

昼休みになると男子連中で集まり教室で机を合わせて弁当を食べる。

 

 

 

 

 

「相変わらず弾の弁当美味そうだよな。あの美人のかーちゃんに作ってもらってるんだろ?」

「いいよなぁ、美人の母親にかわいい妹が居る生活とか」

「あのさ、お前らどんな妄想しているか知らねぇけど、別にお袋が美人だから何か変わるってわけ無いからな? 蘭は爺ちゃんに似て強気な性格だし」

「でもほら、最近のアニメで兄妹物あっただろ。あんな感じじゃねぇの?」

「実の妹に欲情する事なんて有り得ねぇよ。当の本人は俺のダチの1人に夢中だしな」

「あー、織斑 一夏だっけ? そういや弾のダチってもう1人の、えっと『蒼天使』だっけ? の奴もそうなんだっけ」

「そうそう」

 

 

 

 

 

いつの間にやら話の内容が新華と一夏のものになり、次第に自然と弾と虚の話題となり弾が皆に弄られたりパルパルされたりと、IS学園と比べ実に平和で穏やかで一般的な日常の一幕だった。

昼休みも終わり午後の授業が終わると皆それぞれ部活動や委員会へと向かう。弾は中学の時に新華達と共に活動していた『楽器を弾けるようになりたい』同好会を立ち上げていたが、今の弾には目標がありやることがあるため早々に帰宅する事にしていた。

 

 

 

 

 

「弾、今日の活動はどうするんだい?」

「今日は……どうする?」

「あ、悪ぃ。今日は俺用事あるんだ。予約してたゲーム受け取りに行かなきゃいかんのとついでに親から用事頼まれてんだわ」

「んじゃ活動はまた後日って事で」

「すまん。また今度誘ってくれ」

「気にすんな。じゃ、帰るか」

「そうだね」

 

 

 

 

 

数馬と同好会に参加している男子生徒と数馬と共に学校を後にする弾。帰宅する生徒達で賑わう通学路を雑談しながら通り抜け、駅で電車に乗る。

自宅最寄りの駅に着くと電車を降り、友人達に別れを言って自身の自転車を取りに駐輪場へ。後は自転車のペダルを漕いで自宅まで帰宅した。

店正面に着くと自転車を外の邪魔にならないところに止める。今から自転車を片付けようとすると店内に自転車を入れる事になってしまううえ、まだ使うかもしれないので外に置く事がこの家の決まりだった。

店内に入り母と厨房に居る祖父に帰宅した事を伝える。

 

 

 

 

 

「お袋ー、爺ちゃんー、ただいまー」

「あら、おかえり弾」

「おう、帰ったか」

「蘭はまだだし先に上がってなさい」

「ういー」

 

 

 

 

 

蓮の言う通りに店から自宅に上がり自室に戻る。鞄を置くと即座に制服から私服に着替え、中身が空になった弁当箱を自分で洗い部屋に戻る。

 

 

 

 

 

「さてと(手伝いに呼ばれるまで時間あるだろうし今日の授業の復習でもするか)」

 

 

 

 

 

鞄の中から今日使った授業のノートを出してペラペラと流し見する。弾も一般の例に漏れず置き勉派なので教科書は持ち帰っていないので効率は悪いが、何もしないよりはマシである。

 

 

 

 

 

「(………あー)」

 

 

 

 

 

新華や一夏と違い熱心に勉強するわけでもなく、ましてや勉強しなければならない環境に居るわけではない弾にとって、この行動は現代日本人男児にとって至極当然の事ながら苦痛であった。今すぐにでもゲームや漫画に逃げたいところだが、それを後回しにして今は真面目に復習をしていた。

パラリパラリとページを捲っては授業内容を思い出し一通り終えたところで蘭が帰宅する。

 

 

 

 

 

「ただいまー」

「お、おかえりー」

「あ、お兄先に帰ってたんだ」

「おう」

 

 

 

 

 

部屋から顔を出して妹の姿を確認した後、時計を見て「もうこんな時間か」と呟き部屋にいそいそと戻る。携帯を見てメールが来ていない事を確認した後は、現在読みかけだった漫画を手に取り自分のベットに倒れこむ。

漫画を読みながら無駄に時間を消費し暗くなってしばらくすると、蓮が呼びに上がってきた。

 

 

 

 

 

「弾ー、そろそろいらっしゃい」

「お、了解。蘭、行くぞー」

「言われなくても分かってる」

 

 

 

 

 

兄妹で部屋から出て店へと向かう。店の裏口で弾は厨房用エプロンを、蘭は店内用エプロンを付けて店へと入る。

この日のように家族4人が揃い用事が無い夜は蘭は蓮と共に接客を、弾は厳と共に厨房を担当する。地域密着型の店であり評判も良いこの『五反田食堂』には割と客が入る。平日の昼ならばそれほどではないが、日が落ちると客足は増える。アルバイトも雇っているが人手は多い方が良く、こうして弾も駆り出されるのが日常だった。

弾や蘭が部活で遅くなる場合は基本的に参加しないが、通常は家族全員参加である。家計を支える収入源でもあるので疎かに出来ないのであった。

 

 

 

 

 

「お、弾君か! 今日は同好会無かったんだ」

「あ、はい。お疲れ様です」

「いやいや、疲れるにはあと30分後に来るだろうラッシュを超えてからだよ。それまでは疲れる自覚も出来ないからね! あっはっはっは」

 

 

 

 

 

アルバイトで厨房に入っている大学生と挨拶を交わし弾も厨房(せんじょう)に入る。新華や一夏ばかり注目されているせいであまり知られていない事だが、幼馴染組で最も料理が上手いのは弾だったりする。モテたい思考で同好会を立ち上げた彼は新華の『料理が出来る男はモテる傾向にある』という言葉を鵜呑みにして厳から教わったので、何気に店の味を継承している。

『五反田食堂』は客足が多いがチェーン店とは違い閉店が早い。ラストオーダーの後に食材の補充、洗浄、後片付けをしても日付が変わる事は無い。レジなどは蓮が家計簿を片手に計算して確認するので男達の仕事自体は比較的早く終わる。

 

 

 

 

 

「お疲れ様でしたー」

「おう、おつかれさん」

「お疲れっしたー」

 

 

 

 

 

バイトの大学生も帰宅し清掃した後、全員で戸締りをして家へと戻る。弾と蘭はそれぞれ自転車を仕舞ったうえで。

そして家に戻ってからの夕食は主に厳か蓮が作るが

 

 

 

 

 

「今日は私が作るね」

「お、蘭の久々の手料理かぁ~」

「爺ちゃん爺ちゃん、玄関で立ち止まらないでくれ。上がれない」

 

 

 

 

 

今日のように蘭が作る事もある。勿論弾が作る時もあるが、その時は必ず厳のチェックと採点が入るので頻度は低い。

よく厳が蘭に甘く弾に理不尽に厳しいと思われる描写が多いが、その分厳は長男である孫の弾に期待していると言っていい。ああ見えて弾が初めて料理の教えを請うた時は内心で喜んでいたのだ。店を継がせるか暖簾分けが出来るという将来像が見えたという事もある。尚、余談だが蘭と一夏がくっついた時は一夏にも厳しく料理を仕込もうと考えていたのはここだけの話。

蘭、蓮、弾、厳の順で風呂に入り蘭の料理が出来るまでその日に干していた洗濯物を取り込み整理していく。夕食が出来た後は家族揃って食べ、片付けも全員でやる。

夕食を食べ終えた後は各自部屋に戻り各々寝るまで思い思いに過ごす。蘭は自室で明日の予習を、厳は一般家庭で夜だというのにニュースを見ながら基礎トレーニング一式を、蓮は家計簿に誤りが無いか再計算してから趣味の編み物を。

そして弾は

 

 

 

 

 

「おし、メールはっと………。あ、布仏さんから来てる」

 

 

 

 

 

虚からメールが来たのを確認して返信する。2分で返信が来たのを確認し通話を入れる。

prrr…prrr…と2コールで相手が出る。

 

 

 

 

 

『はいもしもし、五反田君』

「こんばんは布仏さん」

 

 

 

 

 

現在IS学園に居る虚の声が聞こえた。ここ最近(主にデート後)はこうして夜に通話する事が多く、時間が合えばメールのやり取りの後にこうして会話していた。

 

 

 

 

 

「なんか、今日も妙に疲れてる感じですね」

『あー…、分かります?』

「なんとなくですけど。…また一夏か新華がやらかしました?」

『いえ、最近はお二人が、ではなくお二人の周りが、と言いますか、今度の学園行事の準備がと言いますか……』

「あー、それは……お疲れ様です」

『お嬢様達はちゃんと仕事してくれるのですけど、細かい調整は主に私の仕事なので……。警備やら機械の搬入やらの確認も必要ですし…』

 

 

 

 

 

溜め息を吐く虚に同情しながら弾は相槌を打ったり聞いたりして鬱憤を吐かせていく。疲れ気味だった虚の声も段々と明るさを取り戻していく。

 

 

 

 

 

『ですから、お嬢様と妹様、ついでにデュノアさんもいい加減に自重してもらいたいと思うんです。いくら青木君が拒まずウェルカム状態だからとはいえ風紀に関わるんですよ』

「今までの反動ですよね明らかに。というか拒まない新華ってのも新鮮でちょっと見てみたいかも……」

『ちょっやめてください。4人のせいで織斑君の周りもちょっとおかしくなっているんですよ!? 寧ろ止めに入ってください!』

「す、すいません。えっと、一夏の周りもっていうと、鈴とかの様子がおかしいって事になりますよね?」

『ええ。このところ以前に増して織斑君を意識するようになったらしく、体同士のスキンシップが過激の一途を辿っています。それも一般生徒にまで』

「うわ、マジですか」

『マジです』

 

 

 

 

 

こうやって弾はIS学園の内情や友人2人の現状を知り、虚は抱えたものを吐き出していた。

仕える対象である刀奈とその妹の簪、そして代表候補生の1人であるシャルロットが色ボケし妹の本音に仕事は任せられない。新華や一夏も手伝ってくれるものの一夏は仕事で言うトレーニング期間、新華は手伝いになるが個人で新たに問題を持ち込む事も多いので実質±0である。

相談相手も、IS学園の教師達は彼女達で忙しく共に苦労する側であったり、両親には情けない姿はあまり見せたくない。本音は論外だし主たる刀奈は寧ろ元凶。

最早彼女の心の安寧は弾に掛かっていると言っていい。

かくいう弾も個人的に虚に頼られている(?)事が嬉しいのかあまり不満は感じていない。寧ろ同情と好意を持って接していた。

それに

 

 

 

 

 

『……うー、あー、そ、それはそうと五反田君の方は大丈夫ですか? 何か厄介事とかありませんか?』

「一夏や新華じゃありませんし、そうそうありませんよ。大丈夫です」

 

 

 

 

 

今更ながらに自分ばかりが喋っていた現状に気付き申し訳なく感じた虚が弾に話題を振るが、弾はその問いをさらりと流して笑っていた。繰り返すが弾は虚に同情と好意を持って接している。

弾も新華と一夏のすぐ隣に居た数少ない人物なのだ。そして一般人の枠組みの中で数少ない新華のぶっ飛び具合を理解する人物である。

つまり、虚の苦労を想像し理解出来るのだ。ねぎらいの言葉を掛けるくらい造作もない

 

 

 

 

 

「最近特に面白い事もありませんし、学校でのんびりやってますよ。ダチもそれなりに居ますし、心配するような事はありませんって」

『そ、そうでしたか』

「そうですよ。…あ、だったら、また時間の空いた時に会いませんか?」

『え?』

「ほら、こうして話してますけど布仏さんってIS学園の話題が多いじゃないですか。なんだかIS学園からあまり外に出ないように感じられて…」

『あ……た、確かにそうですね』

 

 

 

 

 

声で平然を装いつつデートに誘う弾。携帯での通話なので虚に表情は見られていないが、弾の顔は少し強張っていた。

 

 

 

 

 

『うーん……お仕事の方は……それと青木君がまたやらかしそうですし……でも妹様も居ますし…いやでもお嬢様なら大丈夫……』

「……えっと」

『あっ、す、すみません! えっと、そうですね…』

「…」

『時間が合えばで、よろしければ…その、お願い出来ますか?』

「! はい!」

 

 

 

 

 

内心 キタ━(゚∀゚)━! 状態になるが、直ぐに落ち着くようにして部屋に掛かるカレンダーへと向かう。

 

 

 

 

 

「えっと……俺は平日の午後と土日なら1日空いてますね」

『ええと、私の方は………うーん、土曜日の午後と日曜日の午前ですね。平日は中々外に出ている余裕がありませんし』

「生徒会なんでしたっけ。それにIS学園の立地も考えると俺みたいにどこか行くなんて出来ませんよね…」

『そうなんです。それに生徒会の役割も意外と多いですし、寮で予習復習して終わる事が殆どですから』

「うわ、マジですか」

 

 

 

 

 

軽い会話をしながら2人の予定を照らし合わせデートの日を決め、その後も他愛ない会話をし続けた。

そして時間を忘れ喋り続けていた時に弾がふと時計を見ると22:45を回っていた。弾はともかく虚の日常的にはこれマズイんじゃないかと思い、一旦会話を打ち切る。

 

 

 

 

 

「あの、布仏さん?」

『あ、はい。なんですか?』

「あと少しで11時になりますけど、このまま起きてて明日大丈夫ですか? さっき聞いたのを考えると、もうそろそろ……」

『あ……じ、時間を忘れてました…』

「…大丈夫です?」

『な、何とかなります! 大丈夫、です』

「そ、そうっすか」

 

 

 

 

 

少し不安そうな虚の言葉を聞いてやっちまった感を感じた弾。そのせいで虚が時間を忘れる程会話に夢中になっていた事に気付かなかった。

 

 

 

 

 

「な、何かすんません」

『い、いえ、五反田君は何も悪くありません! 時間管理出来ていない私の自業自得なので。えっと、名残惜しいですがこの辺で失礼します』

「ええと、おやすみなさい。…無理しないようにお気を付けて」

『ありがとうございます。では……今度のデート、楽しみにしてますね?』

「ブホッ!?」

『うふふっ♪ じゃ、おやすみなさい』

 

 

 

 

 

プツッという音を最後に通話が切れ、うぐぐと唸りながら携帯を閉じてベットに寝転がる。思っていたが言わなかったデートという単語をストレートに出されては思考停止するしかなく、弾は負けたがあまり悔しくないというか割と嬉しいという感情を持て余す事になった。

加えて虚の最後の笑いに少しゾクッと来たのだが、これは無意識に虚も新華達に当てられた結果である。携帯を切った後で虚はその事をルームメイトに突っ込まれて顔を真っ赤にしていたが弾には預かり知らぬ所であった。

 

 

 

 

 

「あー、でもま、これはこれで、アリっちゃアリかなー…」

 

 

 

 

 

などと(のたま)い思う存分ニヤケた後に、冷静になってからそんな気持ち悪い自分に自己嫌悪して携帯を開いてネットを見る。

しばらく掲示板や動画サイトを見て楽しみ、日付が変わった頃に大人しくネットを切り充電器に携帯を差して寝る事にした。

 

 

 

 

 

「ふあぁ、寝るかー」

 

 

 

 

 

ヘアバンドを机の上に置きベットに潜り込むと、今日、否昨日あった事を思い返しながらゆっくりと睡魔に身を任せて眠りに着いた。

また今日も変わらない日常が続くと信じて。

 

 

 

 

 




弾が居ないと虚さんの胃がストレスでマッハです。頑張れ虚さん! 学園の風紀はあなたに掛かっている!w

あとこの学園で頼れる人は千冬さんと轡木さん、学園長くらいという……。山田先生は……うん。
黒騎士の出番は近いですね。デスティニーとノワールの活躍はまだ先になります。

というかこの作品の落としどころをどこにしようか…。本当に200話行きそうで怖いです。

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