今回ネタが思い浮かばなかったので短めです。
それと、今回出てくるキャラに本編登場予定はありません。
---アメリカ歴史研究所
大量の資料が整然と並べられた一室でメガネを掛けた黒く長い髪をした青年が、流れるようで優雅な動きで作業を行っていた。
紙をめくる音と物を書く音が静かな部屋に響く。と、そんな部屋に3人の侵入者が現れる。
「グラーベちゃんおっひさー!」
「お久しぶりでーす!」
「………」
「ありゃ、集中しちゃってるねこりゃ。でも気付いてるだろうし反応があるまで待ってよっか!」
「わかりました!」
「……少しは静かに出来ないのですか、2人共」
元気一杯でベージュの短髪を持った青年『ヒクサーフ・フェルミ』と、同じく元気一杯で青髪の小学生程の少女『ハナヤ』、その子と双子のほぼ同じ容姿を持った落ち着いた雰囲気の少女『ハナヨ』。
「お姉様ってばもっと明るくいきましょうよー!」
「そうそう、ハナヨちゃんも笑顔笑顔!」
「だからといってうるさくしてはダメですよ。静かにしていましょう」
「ハーイ」
「ハーイ!」
先程まで物凄く静かだった部屋が一気に賑やかになる。部屋の主はその騒ぎをスルーし目の前の資料整理に一段落付けて、溜め息を吐いて回転式の椅子を回して振り向く。
「今日は何をしに来たんだ?」
「およ、グラーベちゃんお仕事終わり? いやー今日休日だってのに仕事だって聞いたからさー」
「そうですよ! いくらお仕事が楽しいからってお休みの日は遊ばないと!」
「……すみません、うるさくて」
「いや、いい。こちらこそすまない。あと数秒で整理が一段落付くところだった。元のコンディションに戻るには数分掛かる」
「相変わらずだねぇグラーベちゃんは。今日もお仕事楽しんでるみたいだけど、無理しちゃだめだよ? といっても今日は休日だし遊びに来ただけなんだけどね」
「そうですよ! シャルさんも心配してましたし!」
「そう言われてもな…」
部屋の主『グラーベ・ヴィオレント』はハナヤの言葉である少女を脳裏に浮かべた。
「アクスティカさんも、ヴィオレントさんの事を心配してました」
「……オレはそんなに仕事人間に見えるか?」
「え、違うの? グラーベちゃんってその仕事好きでしょ?」
「それとこれとは話が別だろう。オレだって外で羽を伸ばすくらいはする」
「じゃあその外出にシャルちゃん誘ってあげればいいのに」
「…毎回彼女を推す意味が分からんが、気が向けばそうさせてもらうか」
「その方がアクスティカさんも喜びます!」
元気ハツラツのハナヤにハナヨが溜め息を吐き、ヒクサーが笑みをこぼし、グラーベも釣られて笑みを浮かべた。
そしてヒクサーを筆頭に賑やかな時間が過ぎていった。
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---フランス、軍事基地IS演習場
3機のラファールが空を舞い1機の白く塗装されたラファールの改良型を追い掛ける。銃弾を互いに飛ばし速度を落とさないままで戦闘を行っていた。
そしてそれを格納庫の前で見る5人の女性。
「あー、今日も張り切ってるわねウチの代表」
「ラファールの最新型が支給されたんだし気持ちは分からなくは無いけど、大丈夫なのかしら? 最近出産したんじゃなかったっけ?」
「ついこの間ね。丁度彼が来た時でしょ? 私達が腕を上げてるの見せた時結構悔しがってたからねえ」
「意外と脳筋よね、ウチの代表。代表の旦那も軍属だし夫婦揃って脳筋ね」
「戦闘指揮官だから判断力も問題無いし、無茶しなきゃ文句は無いんだけどね」
彼女達が着ているISスーツはIS学園の物とは違い、全員薄い紫色の生地に左腕に赤いスカーフを結んでいた。
「あの新型、『ラファール・リヴァイブⅡ』って言ってたでしょ? あの只でさえ汎用性に優れた機体がどうなったのか気になるじゃない」
「確かIS学園に行ったデュノア社の娘が専用機としてカスタマイズしたのを持っていたわね。でもあれは
「一時期騒動になったけど、噂では彼があの時来たのってそれ関係だったって話よ?」
「わ、凄い大胆。通りで模擬戦が行き成り組まれたわけね」
「今頃キャッキャウフフしてるんでしょうね。はあ、アタシも彼氏欲しいな」
「無理言わないの。女尊男卑になってISなんてのに乗ってる私達に出会いなんて期待出来ないわよ」
「そうよねー」
彼女の何気ない一言で5人全員が深い溜め息を吐く。
彼女達はフランス軍所属IS操縦者『シュラク隊』。国家代表である『マーベット・フィンガーハット』と部隊長であるとある男性を中心にラファールを駆る9人の精鋭。
美女揃いで彼氏の1人や2人居そうなのだが、全員揃いも揃って未貫通という悲しい現実である。理由は『軍属』『IS操縦者』という肩書きの重さと軍属故の縁の無さに加え、『高嶺の花』と認識されているが故だった。
「今度の合コンでいい男引っ掛けないと、そろそろ私達もヤバイんじゃない?」
「それで捕まえられるのなら苦労しないわよ。最近じゃ上層部もなんだか慌ただしくなってきてるみたいだし、私達の仕事が増えそうだから男なんて寄って来ないわよ」
「だから、それをどうにかしようって上からの粋な計らいでしょ? というかこの話は横に置いておきましょう。心が削られるわ」
「そうね。話題を変えましょう」
「賛成」
彼女達は以前新華が入国した際に
閑話休題
そんな彼女達が新たな話題を探そうとした時、格納庫から1人の男性が出てくる。
「おいそこ! 観戦しないのなら自主トレでもしていろ。彼から指摘された点は改善出来たのか?」
「あ、はい。一応は」
「ですけど代表ともう一度打ち合わせして訓練を繰り返さないと、先には進めないんで」
「む、そうか。だが新型の力もしっかり見ておけ。スペックは確認済みだろう?」
「はい。……あの、『隊長』?」
「何だ?」
隊長と呼ばれた男性、『オリファー・イノエ』大尉はこの『シュラク隊』の隊長を勤めていた。ISにこそ乗れないが生身での戦闘能力は隊の中でもトップであり優秀な軍人として軍が手放さなかった男性軍人の1人である。
そしてフランス国家代表『マーベット・フィンガーハット』の夫であり一児の父でもある。
「代表この間出産したばかりじゃないですか。止めなくていいんですかアレ。というかどちらかが家に居なくていいんですか?」
「止めて収まる女じゃないさ。それにベビーシッターを雇っている。こちらに居ても問題無いさ」
「…そうでしたか」
「ほらほら、そうこう言っているうちにマーベット達が戻ってきたぞ。次のアイツの相手は君達だろう? 今のマーベットは少しでも君らの成長に追いつこうと張り切っているからな、頑張れよ?」
「「「「「了解」」」」」
白と緑の機体が降下してくる。白の『ラファール・リヴァイブⅡ』をよく見ると、既存のラファールより腕部装甲が肥大化し何かの発生器が取り付けられ、各関節には展開式小型シールド兼スラスターが内蔵されており肥大化した脚部は前後に展開出来るようになっていた。更に操縦者を守るようにプロテクター型の装甲も新たに搭載されており、操縦者の安全を考慮したものとなっていた。
---全て新華がもたらした技術を活かし昇華させたデュノア社技術部の成果だった。
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---イギリスのとある豪邸
そこに住むのはとあるエレガントな人物、『トレーズ・クリュリナーダ』。彼はオルコット財閥の一員でありながら組織に大きな影響力を持つ出資者でもあった。
そのトレーズが窓辺で紅茶を嗜んでいると部屋のドアがノックされ来客を知らせた。
「トレーズ様、ミリアルド様が到着されました」
「そうか、ご苦労。下がっていてくれたまえ、レディ」
「はっ」
ドアが開けられ1人の男性、『ミリアルド・ピースクラフト』が部屋の中に入る。トレーズは友の来訪を歓迎した。
「よく来た、我が友ミリアルドよ」
「ああ、来たぞトレーズ。久しいな」
「ふふ、そうだな。お互いに忙しい身、私は財閥の指揮に君は妹の面倒と家の資産管理だったな」
「リリーナは私以上に良い指導者になれる素質がある。兄として複雑ではあるが、やはり私には体を動かす方が性に合っている」
「そうだな。ふふ、君とはまたフェイシングで試合をしたいものだ」
実に優雅に談笑する2人だが、今し方言った通りお互いに忙しい身。早速本題に入る。
「で、私を呼んだ理由を聞かせてもらおうか」
「うむ。唐突だがミリアルド、君は今の世界をどう見る?」
「世界か。ふむ、陳腐な表現だが歪だと言わせてもらおう。女尊男卑などと言われてはいるが男尊女卑と言われていた世界より女性達が己のエゴを撒き散らし好き勝手し過ぎている。ISなどという強力で欠陥のある『兵器』を『スポーツ』などと言い張りながら禁止されている軍事利用をやめようとはしない。そしてその矛盾に誰もが気付きながら指摘せず現状を変えようとはしない」
「その通り。今ではISに乗れない女性ですら威張り散らし虚飾に心を染められている。……実に美しくない」
トレーズは表情を全く変えずに言葉だけで悲壮感を表現していた。だがハイスクールからの付き合いであるミリアルドは彼の演技を見抜き質問の意図を探っていた。
「今の世、しいては女性達に異常性を説くには彼女らの拠り所であるISを排除する必要がある。だが現実的ではない。……トレーズ、何故今分かりきっている事を」
「もしその『現実的ではない』方法を実現させるものがあるとしたら?」
「…やはりその答えが返ってくるか」
「女性達にのみ戦わせ高みの見物など騎士道に反する。戦うだけが人ではないのと同じように女性だけが戦う存在ではない。噂には聞いているだろう?
トレーズは真っ直ぐミリアルドの瞳を見据え本題を切り出した。
「私のもとでMSとパイロット、双方を
アメリカ:ジンクス系
フランス:連邦系
イギリス:OZ系
となりました。エレガントさんエレガント出来てるでしょうか?
最近評価が低いので1話辺りから修正しようかと思ったのですが
見直すと心を抉るレベルの厨二臭さと統一感の無さ。しかも修正するには内容を読まなくてはいけないという……。
死ねます(断言