IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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こ、ここまで来るのに時間がかかった…
やっと原作来れる


中学3年---(主人公にとって)理不尽な必然

 

 

 

 

---日本、藍越学園入試会場

 

 

 

「………………一夏、何やってんだ? もう試験始まっちまうのに」

 

 

 

鈴との別れから1年。中3の新華、一夏、弾は受験生となり勉強に励んでいた。弾は地元の高校を受験し、新華と一夏より早く進学が決定していた。一夏は家庭の事情で一般、私立の高校に通えないので、学費が安く、就職率の高い藍越学園を受験することにした。一夏本人は生活を支えている千冬を手助けするために働こうとしていたが、千冬本人の説得(?)により進学することになった。新華は死ぬ前とはいえ大学受験を経験しているうえで、今の両親の負担をなるべく減らす為に藍越学園を志望した。

 

 

 

「一夏、まさかここまで来て受験代と交通費がパァか? なにやってんだよ一夏ェ…」

 

 

 

現在新華がいる試験会場は東京ではなく、電車を何回も乗り継ぎした所にある大きな建物だった。本来なら東京にある藍越学園本校で試験が実施されるはずだったのだが、センター試験で大胆なカンニングをしてバレた奴がいて大騒ぎになり、これ以降どの学校でもカンニング対策に力を入れ藍越学園では本校とは別の場所で試験を行う事となった。学校としては苦肉の策なのだろうが、長距離移動する受験生にとってはいい迷惑である。

新華は親から交通費を貰い、一夏はバイトの給料で来ていた。試験会場に着いた後、新華はトイレに行き一夏に先行くよう言ったのだが、新華がトイレを済まして藍越学園が借りた試験部屋に着いた時一夏の姿が無く疑問に思った。しかし時間には来るだろうと思い放置していたのだが…

 

 

 

「…試験官が来たし。あのバカ、ホントに来なかったな」

 

 

 

試験官が試験の準備を始めてしまい、もう手遅れだった。

 

 

 

「…残酷だが、頭切り替えてやるか」

「それでは試験、始めて下さい」

 

 

 

試験が始まり筆記用具の音が部屋に響く。新華も集中して試験に臨んだ。

しかし新華はこの数日後、一夏と共にこの試験が無駄になることになる。身近な兎によって。

 

 

 

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---束ラボ『吾輩は猫である』

 

 

 

「よし! いっくんの方は上手くいったねー! でもしんくんは予定とずれちゃったなー、いっくんと一緒に起動させる予定だったのにー」

 

 

 

束の目の前にはディスプレイが何枚も浮かんでいる。そのうち束の目の前にある画面には、IS学園の教師に色々検査されている一夏の姿があった。一夏は束の誘導により藍越学園の試験部屋ではなくIS学園の試験部屋に入ってしまい、そこで束が仕込んだISに触れISを起動してしまったのだ。それにより『男性がISを動かした』と言う事実があっという間に広まり、一夏は強制的にIS学園に入学する事となった。

 

 

 

「でもこれでいっくんと箒ちゃんが再会出来るから本来の目的は達成したんだけどー、やっぱりしんくんもIS学園行ってもらった方が都合いいよねー、ちーちゃんだけじゃキツイだろうし。でもしんくん行きたがらないだろうなー。しんくんISのパイロット嫌ってるからねー」

 

 

 

なぜ一夏を嵌めたのか。それはこのセリフが物語っている。束の思考は自分の興味と極僅かの身内のみが中心であり、それ以外はどうでもいいどころか拒絶反応を示す程である。それでも現在はまだいい方で、千冬と会う前は返事すらしないほど酷かったらしい。

しかし箒や千冬といった彼女の中の世界で身内に分類されている人物相手だとフレンドリーになる。

箒は重要人物保護プログラムによってたった1人で暮らしており束が失踪した後、監視や聴取が執拗なものになり心身共に参っていた。そしてそのプログラムにより強制的にIS学園に入学することが決定していた。そしてそのIS学園には織斑 千冬が教師を務めているので、ここに新華が加われば束の身近にいるくーを除いて全員揃う。そして何かあった時に新華と千冬の戦闘能力はあてになるので心配しなくても大丈夫だった。

新華がISパイロットを嫌う理由は、女尊男卑に染まりISが無いと何も出来ないくせに身の程を弁えない振る舞いをして罪の意識を持とうとしないから。

 

 

 

「んー、ここは大胆にいってみようかな? くーちゃん手伝ってー!」

「はい束さま。何をするんですか?」

「んー、しんくんも安全な場所に居てもらおうと思ってね。さて、これ終わったらゴハンにしよー! 今日もよろしく!」

「はい、わかりました」

 

 

 

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---青木宅新華の作業場

 

 

 

「ふう、出来たっと。後は点検してハロん中に入れとくか。んー、大分時間かかったな。点検前に換気ついでに外の空気吸うか」

 

 

 

作業場から出てきた新華は背伸びをして深呼吸。作業場の向かいにある自宅のベランダに腰を掛けてリラックス。優しく風が吹き新華の髪を揺らす。

 

 

 

「…平和だ。ここのところ出撃も無いし、この前の受験問題も見直したらほぼ全部合ってたし。一夏が大変そうだったけどなりを潜めたみたいだし、今のうち平和を満喫しよう。…幸せだなぁ」

 

 

 

そう言って陽に当たってゆっくりする。だんだん眠くなってきたのかゆっくり漕ぎ出す。

だんだん眠くなってきた…

目を閉じますか?

>はい

 ………

 

 

 

「居たっ。新華、ちょっと起きなさい新華!」

「…んぐ? 母さん、どしたの? 昼にはまだ早いけど? っていうか今完全に寝に入ってたんだけど…」

「………それよりも話があるわ。とりあえず一夏君来てるから来なさい」

「?」

 

 

 

そのまま居間に向かい、戸惑っている一夏と会う。既に新華はこの時点で嫌な予感がしていた。

 

 

 

「? どうしたんだ一夏? 母さんもピリピリして」

「……お前テレビ見てないのか? お前俺よりヤバい事になってるぞ」

「ハァ? お前よりって…………え、まさか?」

「心当たりがあるみたいね。今ニュースは新華の話で一杯よ?」

「ちょ、ちょっと待って。説明求む」

「…新華でも取り乱す事ってあるんだな…これだよ」pi

『…先日男性で初めてのIS操縦者が発見された事が話題になりましたが、今回ISの産みの親である篠ノ之 束博士によるもう1人の男性操縦者の存在の発表について、IS委員会で議論が行われています。中継です』

「………………………………………………………………は?」

pi「さて、どういう事なの? どうして束ちゃんがこんなことしたのかしら? 新華、心当たりあるんでしょ」

「新華…呆然とする気持ちは分かるけど何かしら弁明しないと…」

「………ぁんのぉ」

「は?」

「し、新華?」

 

 

 

ニュースを見て呆然とする新華に青木母は問いただそうとし、一夏はどうにか束のイタズラ(だと思っている、実際にやりかねない)を早く解かせようと思い、それぞれ新華にこえをかけるが新華の怒気に押される。実際新華のボルテージはMAXだった。

 

 

 

「クソう詐欺があああああああああァァァァァァァァァァ!! 俺の平穏ブッ壊すんじゃねええええぇぇぇぇ! 何考えてやがんだあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

彼は後にこう語る…『アイツ等と仲良くなった時点でこうなる事はむしろ必然だった』と…

 

 

 

 




おかしい所とか無いですかね?(←今更)
新華の束への呼び方が『束さん』から『う詐欺』になりましたwww
さて、P・V・FをISに撃った時のISの反応はどうしよう…

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