∀の月光蝶エフェクト購入してみましたが…届きませんねぇ。ま、気長に待ちますか。∀持ってないけど楽しみですねぇ。
簪とのデートも終わり翌日水曜日。
最も大きなアリーナで『大運動会』の準備が行われていた。その中に新華、人形態のサヤカ、ハロO、α、Fの姿があった。
「すいませーん。このパーツ類はどこに?」
「ああ、それは……ってえ!? 青木君!?」
「その反応はもういいんで。で、どこに持ってけばいいんスか?」
「えっ、あ、ええ。あそこに設置されてるテーブルの横に持って行ってくれれば」
「分かりました。サヤカ、ハロ」
「はい」
「「「ハロッ」」」
銃のパーツや弾がみっちり入った数キロもあるダンボールを2つ重ね軽々と運ぶ新華、機械であり流体金属の体を持つ故か6つ程重ねて持つサヤカ、それぞれ1つづつ乗せてどっかのスライムみたく運ぶハロ達。
1~3年生で構成され準備していたメンバーにとって信じられない光景だったであろう。かの『蒼天使』が自ら肉体労働に順じている光景が。
加えて新華が今持ち運んでいる箱は、女生徒達が台車を使って運ぶ重さと量だった。それを分担しているとはいえ苦も無い様子で運んでいる光景は驚嘆に値したようだ。
「よっと。あー、成程ね。射撃レーンと近いからここで何かやって撃ちに行くのか。それとも走りながらの並列掃射か? どちらにしろ普段どれだけ『ISに頼らない練習をしているか』が問われる種目だ」
「ご主人様からすれば楽なものでしょうけど」
「今は、な。それにP・V・Fの力場内だと照準付けやすいしGN系の武装は反動が小さいの多いから、普段から訓練で扱っておかないと直ぐ鈍る」
「努力は怠らないんですね」
「まあな。さて、次だ」
「はい」
「「「ハロッ、ガンバル、ガンバル!」」」
そうやってどんどん準備を手伝っていく。ちなみに一夏は景品(誤字にあらず)なので参加していません。
ちなみに今『大運動会』の準備に参加している女生徒達は『新華派』『無属派』と大まかに分けられる者達だ。
IS学園は世間一般の学園とは違う事は周知の事実だ。当然内部の人間関係も同様だ。特に新華と一夏が入学したこの年は。
唐突に話題が変わるが、IS学園内には派閥が存在する。と言っても政治家の政党のような、物語の中の王国にある物とは違い個人の嗜好レベルではあるが。
大まかに言えば新華寄りな『新華派』、一夏にゾッコンな『一夏派』、そのどちらにも興味が無い『無属派』に分かれる。
その『無属派』の中にも色々な派閥があるのだが、今回語る場合はこの説明だけでいいだろう。
「あ、青木君ー! こっち手伝ってー!」
「はーい、今行きますよー」
『一夏派』である箒達を筆頭にした女子達は『大運動会』の本番で競技に参加するとして、準備の参加を禁止されている。
逆に今準備に参加している『新華派』『無属派』は、『大運動会』に参加しない代わりにとある報酬を刀奈から受ける事になっている。
しかし『一夏派』である女子の数が多く、準備にも手間取っていた。それ故に………
「轡木さん、こっちもお願いします!」
「ええ、いいですよ」
新華と一夏以外の男手である事務員にして裏の学園長、轡木も駆り出されていた。そして女子の頼みを文句1つ、汗1つ掛かずに聞いていた。
何故『一夏派』の人数が多いかって? 新華と違って後先考えず行動した一夏に落ちたのが多いんだよ。言わせんな殺したくなる。加えて部活を回ってるのもあるしな!
「(やっぱ轡木さんパネェ)」
「あ、青木君。これ立てるの手伝ってくれませんか?」
「あっはい」
横目で轡木を見ていた新華は、虚に呼ばれて意識を戻し並んで荷物を運ぶ。すこし離れた所を見ると4機の打鉄も作業に参加していた。
「やー、よく4機も打鉄貸しきれましたね」
「手伝いに参加する生徒を集める為の苦肉の策ですよ。ああやって作業限定とはいえISを使用する事が出来ますからね。希望者を募ればその後も下校時間まで交代で使用する事も出来ます」
「確かにそれなら来る生徒は確保出来るかもしれませんけど、自分達で他の機体予約してたらアウトっスよね」
「そこに追加で報酬が用意されているんですよ。だから皆さん食いついて人材確保出来ましたし」
「……そういや俺はその『報酬』とやらを知らないんですけど。生徒会の1人なのに」
「織斑君も知らない事ですし、終わった時にお嬢様から教えて貰える筈です。ですので、それまでは我慢してください」
「はあ」
荷物を所定の場所に置いて中身を取り出し設置していく。新華と虚だけがそこで作業している訳ではないが、気になるのか周りの生徒達は手を動かしながら耳を傾けていた。
「青木君に直接的な害はありませんが、もしかしたらお手伝い願うかもしれないのでよろしくお願いします」
「出来る限りで、ですけどね。あ、サヤカにハロ、荷物はそこに置いておいてくれ」
「分かりました」
「「「ハロッ!」」」
サヤカは指示通りに置き、ハロ3機は他の2年生に荷物を取って貰っていた。
「しかし、本当に青木君の作る物はどれもレベルが違いますね。ハロちゃん達もそうですが、織斑君のトリィの件もありますし…。一体、どこから作るだけの発想が出てくるんですか?」
「趣味突き詰めてれば、ですかね? 俺が作った物の中で非戦闘目的なのはハロOくらいですけど」
「αちゃんとFちゃんは違うと?」
「例えるなら、『青木 新華』というPCにおいて『Evolveクアンタ』というファイルとはまた別のファイルがハロOであり、αとFは『Evolveクアンタ』の中に纏められたファイルだと考えて頂ければ。ハロOは鞄代わりに作ったのは確かですけど、αとFに至ってはそれぞれの名を冠する追加ユニットを入れる為に作った訳ですから」
視線は女子達に抱えられているハロ達に。普通の2、3年生は刀奈とは違い1年の集団に堂々と入っていく事などまず無い。目当ての一夏か新華に近付こうとしても、入学間もない頃ならともかく今は専用機持ち達ががっちりガードしている。
整備科の生徒達は新華が整備科に来る度触れているので例外だが、それでもマスコットとしての可愛らしさにハロを抱き上げる女子が後を絶たない。
「しかしまあ、ハロちゃんはやっぱり人気ですね。本音からも聞きましたけど、整備科に行く度にああなるんですって?」
「ええ。技術的な面でもハロには色々詰ってますし、多機能ですから。自分も欲しいって言ってくる娘も居ますけど、流石にそうホイホイあげられるようなもんじゃないんで」
「そうでしょうね…。ところで話は変わりますが、青木君はお嬢様と妹様、デュノアさんと今後どういった関係でいるおつもりで?」
「ブッ」
会話の前後が全く繋がらない唐突な問いに吹き出す新華と、一斉に集まる視線。
「昨日一昨日とデートに行っていた事は知っています。そしてこの行事が終わった後はお嬢様と行く事も。あ、別にデートの事をとやかく言うつもりはありません」
「そ、そうですか」
「ただ、あの事件以来青木君とお嬢様達3人の距離が近いので、忠告をと。お嬢様と妹様のご両親は乗り気です。もしキスまでしておいてお2人のどちらかを泣かせるような事があれば…」
「……」
「布仏家も総動員してもぎにいきますので」
「…でしょうね。はぁ、どーしよ」
新華は片手で頭を書きながら、割と本気で溜息を吐く。それを虚は当然いい思いをしないでジト目になる。
「なんですか、その反応は」
「あ、いや、すいません。気を害したなら謝ります。いや、虚さんも知ってると思いますけど、俺って今まで異性とそういう関係になるのを避けてたんですよ」
「ええ、そうですね。ですが、それが?」
「………分からないんです」
「は?」
「分からないんですよ、どうしたらいいか……。正直、昨日と一昨日だって最後に2人があんな大胆な行動してくるなんて予想出来ませんでしたし、今だって普通に顔見る事も出来ない」
「は、はぁ」
「しかもなんか楯無会長と話す時も罪悪感が出てきて…。で、寝る間際にふと振り返ったんですよ。そしたら俺って結構屑いなーと。アレですよ、3人から好意寄せられてデートまでやって、キスまでされておきながらハッキリとした態度を示さずに今の状況に甘んじている…」
「……」
「もうホント、屑いなーなんて。言われなくても自覚してるんですけど、だからといってどうすりゃいいのか…」
また溜息を付いて、少し離れたところで作業に集中している刀奈、簪、シャルロットを眺める。3人はそれぞれタンザナイトの、カーネリアンのキーホルダーをつけていた。見ていると心の底からふつふつと罪悪感が沸いて来る。
「……そんなんでよく妹様とデート出来ましたね。そんな事を私に打ち明けるということは、デュノアさんの時も同じように感じていたのでは?」
「ええ、実はそうなんですよ。でもいざって時になると気持ちが切り替わるようになってまして。まずは目の前に集中しようってなるんですよね、俺の中で。そうでもしないと何も出来ない時とかザラでしたしね」
「つまり、先延ばしにしてたと。それで先延ばしにしてたのを再認識して自己嫌悪になっていると」
「俺童貞ですからねー。それにこういうの避けて物騒な方で生きてきましたしねー。ダチの恋愛が成就したのは見たことありますけど、俺自身は絶対あんな風になることは無いって思ってましたからねー。もう完全に諦めていた分どうしたらいいか分かりませんわー。ははっ、感情とかもうぐっちゃぐちゃですよー」
「えっと、なんというか、頑張ってください?」
「まぁ、若い内に悩みまくって答え、ちゃんと出すつもりですよ。時間が掛かるとは思いますけど」
溜息を再度吐いて荷物運びを再開する。それに合わせてハロ達も女子達の腕から飛び出て足元に転がる。
「おかえり」
「タダイマ、タダイマ」
「ハコブ、テツダイ、テツダイ」
「テツダウ、テツダウ!」
「あいよ。さっさと終わらせちまおう」
ハロを抱いていた女子達も自分の持ち場に戻り、いそいそと作業を再開する。虚も戻るが、新華の質問に吹き出す事になる。
「あ、そういや虚さん。弾とは最近どうっスか?」
「ブッ」
先程とは逆に吹き出す方に回った虚だが、女子がそんな反応を現実でしてはいけないと思うのはガノタの高望みでしょうか? でも刀奈だったらキャラ的にアリだと思ってる。
「な、何をいきなり…」
「いや、俺は確かに3人と曖昧な状況な屑ですけど、現在清い交際をしているであろう虚さんとダチの状況は知らないんで」
実際新華も
「メールでのやり取りはしているんでしょう? 俺がソレスタルビーイングで書類山脈に遭難している頃はともかく、会う機会くらいあったんじゃないんですか?」
「そ、それは……」
「それは?」
「べ、別にいいでしょう。早く作業を終わらせますよ」
「ふむ、対して進んでいる訳でもなし、かと言って後退している訳でもない、と」
「!?」
「そこんところ、最近どうっスか楯無会長?」
「んーそうねー」
「お、お嬢様っ!?」
話を遠目で見ていた刀奈はサヤカの手引きで虚の背後に立っていた。何やら面白そうに笑みを浮かべ口元に当てた扇子には『恋愛推奨』と書かれている。
「毎日時間がある時には携帯取り出してたわね。もう乙女の顔してたわよ♪」
「お、お嬢様!」
「ふむ、『お前からのメールで乙女になっているらしい』と。送信」pi
「青木君も何をしてるんですか!?」
「弾に現状報告っス。俺ばっかりじゃなくてこの2人にもスポットライト当ててもいいんでねぇの?」
なら予告を覆し、『大運動会』の前にデートさせっか。あ、
その代わり話数がインフレしてるから『大運動会』中のイベントはキング・クリムゾン氏に協力を要請するから。200話超えが現実味帯びてくるとか洒落にならんぞ。
あんまり長いと読者が離れていくだろうが。新規が来ない。
「…青木君は誰に言っているのですか?」
「気にしたら負けよ。でも虚ちゃん。虚ちゃんもあの五反田君といい感じなんだから、気になるならちゃんとアタックしないと」
「ご、五反田君とはまだそんなんじゃ…。それに、あちらの予定だって」
「あ、それなら今メールしてたんですけど、今度の土日空いてるらしいっスよ。いい機会なんで明日にも弾にアドバイスのファックス送っとく事にします」
「ちょっ、人の話を…」
「じゃあ私達は虚ちゃんに仕込みをしておくわ。ああ楽しみ♪」
「お嬢様! ああ、もう…」
虚は2人のノリに諦めたのか肩を落として溜息を吐く。新華はともかく刀奈がノリに乗ると本当に実行する事は昔からであり、それに抵抗するのが無駄な事も理解していた。
「でも土日はやらかしたウチの技術陣締めに行かないといけないんで、見れないんですよねー」
「なら後でどうだったのか教えてあげるわよ。それともハロちゃんをどれか置いてく?」
「多分見てる余裕無いんで、話を聞かせてもらえれば」
「お2人共、出歯亀する気満々なんですね…」
もう好きにしろと言うように深い溜息を吐く虚。だが自身が仕える少女とその想い人の姿を見ていて、、自分もああなれば…と思ってしまった。
「っ(いけないいけない…。こんな考えはお嬢様に弄られる元です。先程青木君が言ったように気持ちを切り替えて…)」
「虚ちゃん。今のあなた、隙だらけよ♪」
「はっ」
「そいっ♪」
「はわっ!?」
後ろから刀奈が虚の胸を揉みしだく。その手つきはエロく、虚の喘ぎ声も色っぽかった。
「お、お嬢、様…んっ! や、やめっ」
「いつもながらにギャップが激しいから虚ちゃんはエロいわねー。私が育てたこの胸も、とうとう人のモノになっちゃうのねー」
「ひぅっ、あんっ」
「…いつもながら感じやすくて卑怯なくらいにエロいわねー。五反田君、搾り取られるんじゃないかしら。新華君はどう思う? って…」
「………」
新華は耳を塞ぎそっぽを向いていた。今2人を見聞きしたら後で部屋に戻ってから刀奈を襲う自信が新華にはあった。流石に弾より先に虚の艶姿を見る気は無い。
「新華くーん? どうしたのー?」ぱっ
「ふぁっ、はぁはぁ…」
刀奈が意識を新華に向け虚の胸から手を離す。虚は息を荒くして膝を付く。
「お、お嬢様……はぁ、い、いい加減にして、ください…」
「んー、いい感触だったわ♪ 自分でやってもつまらないし、面白くないものね。でもこれからは自重するわ」
「そ、そうですか…」
「その代わり♪ 五反田君に色々と吹き込んでおいてアゲル♪」
「やめてください!」
「んふふ~」
愉しそうに笑って新華の背後に回る。新華はそれに気付きすぐ回避行動を取るが、耳を塞ぎ視線を外し、脳量子波もカットしていた新華がNTの力だけで回避するのは難しかった。
「んなっ」
「新華君最近動き悪いわよー? でも反応はしてくれるし、このままでもいいかしらねー」ふにゅん
「いきなり抱きつかないでください! って虚さんが腰砕けてるじゃないですか! やり過ぎです!」
「五反田君に仕込む為の教材作りよ。大丈夫、タイミングは見誤らないから♪」
「そういう問題じゃないでしょう!? というか早く、離れてください!」
「やーよ。ね、新華君? 背中の感触はどう? ああ、返事はいいわよ♪ 新華君の心臓バクバクいってるの感じるから…」
「うっさい! いいから離れろっての!」
新華の首にわざと息を吹き掛け誘惑する刀奈。背中の柔らかい感覚と甘い香り、最近少ししか発散出来ていない欲に頭がクラクラしてくる。
サヤカはそれを横目に、一般生徒に混じりハロ3機を連れ作業を続行していた。
そんな甘ったるい空気を壊すには一定以上の度胸と刀奈を引かせるだけの力が無ければいけない。そしてその両方を持ち合わせる存在は
「お姉ちゃん、いつまで新華君とくっついているの…?」
「生徒会長、そんな新華にくっつくなんて羨ま……ゲフン、仕事してください」
自分たちが手伝っていた場所を飛び出して刀奈をジト目で見る簪とシャルロットだった。
「あら、見つかっちゃった。もうちょっとこうしていたかったけど」ぱっ
「っ! はぁ、はぁ、はぁ…」
「あら、息が荒いということはもう少しで…」
「「お姉ちゃん!/生徒会長!」」
「大丈夫。
「お、襲うって…! だっ、ダメですよ生徒会長! 織斑先生が黙ってませんよ!」
「……デュノアちゃん、それって『IS学園でなければ問題無い』って言ってるようなものよ?」
「えっ、あっ……」
「だ、だけど、お姉ちゃんが新華君にずっとくっつくのも、その…。と、とにかく、だめっ」
などとヒロイン'sが刀奈の行動について騒いでいる間、新華は片膝を付いて呼吸を整えていた。刀奈の誘惑が想像以上に効いており、必死になって心臓を落ち着けていた。
「(あかん、あかんでぇ…。本気で何とかしないと、誰か押し倒しそうだ…! 刀奈ァ…! 自重しやがれ…!)」
「あの、青木君。大丈夫、ですか?」
「キッツイっス…。ちょっと家に帰りたいっス…。そちらは?」
「私は、何とか…。もう大丈夫、ですね。作業に戻りますが、その、頑張ってくださいね?」
「楯無会長、最近自重をどこかに置いてきてませんか…? このままだと、俺あの人襲いかねません…」
「が、頑張ってください。私からも言っておくので…」
「お願いまします。ほんっとに、お願いしますっ…!」
虚に頭を下げて懇願する。もうそろそろ本当に厳しいのだ。最近寝不足気味になってるのもある。
「お礼に、弾へのアドバイス、気合入れますから」
「そ、そうですか」
その後、その騒動以外は滞りなく準備は進み金曜日にて全ての工程は終了した。土曜日は最終確認だけを一夏以外の生徒会で行い、新華は作業が完全に終わると颯爽とIS学園を後にしソレスタルビーイングに急いだ。
本格的に新華がそろそろアカン。でもそろそろ、我慢しなくていい状況にしますからねぇ。キンクリのAA用意しなきゃ…。
………AA、使っても大丈夫ですかね? 使うのは1、2度だけでしょうけど。
話は変わりますけど、ISの2次っていろんなカップリング存在してますけど、一夏とセシリアとか、一夏とラウラとか、一夏と更識姉妹のカップリングってあまり見ませんよね。だからといってどうってことないんですけど。
ほら、オリ主×各ヒロインは普通に見ますけど、大抵その場合は一夏、箒か鈴とくっついてることが多いと思いまして。