IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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127話。最近何を書いているのか分からなくなってきた…

それはそうと、最近また大学で思った事なんですが、『ジブリ』に出てくる魔法や兵器って下手なラノベやアニメよりもヤバいのって多いですよね。ラピュタの砲撃とかロボット兵とか飛行石とか、ナウシカのガンシップとか蟲とか巨人兵とか、ハウルの魔法とか、もののけ姫の山神様とか。


真・デート 簪編

 

水曜日、放課後。

新華とシャルロットのキスが思いっきり噂になり一夏達から話をせがまれたが

 

 

 

 

 

『そういや一夏と箒はもうキス済ませたんか?』

『『ファッ!?』』

『はぁっ!?』

『いいい一夏さんどういう事ですの!?』

『嫁よ、詳しい話を聞かせてもらおうか』

『えっと確か臨海学校の時は未遂で終わって、前に2人で高級レストランに行ったそうじゃないの。次にプールでやらかしてたらしいし、夏祭りじゃ最後に嫌な事件があったとはいえ2人でデートしてたらしいし』

『まて、何故新華がそれを知っている…!?』

『俺の情報収集能力を舐めるな。そして状況さえ分かればお前ら幼馴染の行動なんぞ手に取るように分かるわ。故に、一夏』

『な、なんだよ』

『お前は誰とデートに行きたいんだ?』

『へ?』

 

 

 

 

 

その直後、誰が一夏とデートに行くかでクラス内は修羅場った。その隙に一夏は騒ぎに参加せず大人しくしていた箒の手を引いてクラスから逃げ出す辺り、もう勝負は決まりつつあるのかもしれない。

 

 

 

 

 

「(箒、大人しくなってから一気に一夏と距離が近くなったよな。まぁあれだけ騒がれてる中で1人静かな知り合い居たら助けを求めるわな。鈴達も、その事に気付けばいいものを…。ま、気付いたところでもう遅いかもしれんけど)」

 

 

 

 

 

以前の理不尽な暴力がまるっと無くなった箒は毎回騒がしくなる専用機持ち組の中で一夏の清涼剤となりつつあり、メタい話だが原作における更識姉妹レベルよりも良いポジションを獲得しつつある。寧ろ暴走の要素が削られているお陰で一夏の好感度も上がり易くなっていた。

というか箒の素材は良いのだ。素材は。暴走が無くなって献身的に支える役目というのは一夏にとってツボである筈である。

 

閑話休題(んなこたぁどうでもいい)

 

そんな騒動があったところで新華と簪とのデートが無くなったり延期になる訳が無い。

シャルロットの時よろしく授業終わりに私服に着替えた新華は、同じく着替えているであろう簪を待っていた。今日の服装は昨日と同じズボンに黒の半袖、いつもの外行き用バイザー。

少しばかり待っていると私服の簪がやってくる。簪の私服は黒い半袖、ロングスカート、白のふわっとした肩掛けに白いトートバック。

シャルロットのデートにて余裕が出たのか気付き、その簪の性格から予測出来なかった服の構成に新華は思わず見とれる。そんな新華の視線に緊張しているせいか気付かず声を掛ける。

 

 

 

 

 

「し、新華君。お待たせ…」

「あ、ああ。大丈夫だ。しかしその服…」

「えっ、ど、どこか変…!?」

「いや、黒って予測出来なかったからな…。うん。大丈夫だ、似合ってる」

「そ、そう…?」

「ああ。少なくとも変じゃない事は確実だから」

「そ、そっか…」

「ああ。さて、じゃあ行こうか」

「う、うん。あ、あの」

「ん?」

 

 

 

 

簪がもじもじしながら右手を差し出す。

 

 

 

 

 

「きょ、今日は、よろしく」

「ああ。よろしく」

 

 

 

 

 

顔が赤い簪に笑みを返し手を取る。人間関係の学習能力が無ければ一夏と今までやってこれてない。そのスキルを使い今日のデートに臨んでいた。表面上は。

だが簪は自分だけが緊張している事を悔しく感じ、新華の腕を抱いて体を密着させる。

すると新華の腕に力が入り顔もほんの少しだけ強ばった。とはいえ傍から見れば分からない程度だったが、簪は気付き、満足な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

「………」

「……♪~」

「…緊張、解れた?」

「あ…うん」

「そっか。じゃ、このまま行こっか」

「……うん♪」

 

 

 

 

 

2人共笑顔でくっついて歩いていく。新華の方も何か諦めが入っているからか、満更でもないからかそのまま移動していく。多くの視線を浴びているが、リア充(奴ら)びくともしねぇ!

 

 

 

 

 

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---side 一夏's

 

 

 

 

 

「うわ、衆人環視の中でああもイチャつこうって言うの? やってらんないわ…」

「鈴さん、そう言わないでくださいまし。ああ、もう。やってられませんわ…」

「ふむ、ああするのも悪くないか。勉強になる。だが、やってられんな…」

「鈴もセシリアもラウラも落ち着け。……いいなぁ、ああいうの」

「あー、その、なんだ。俺達も2人を追おう。新華に気付かれるかもしれないけど、見失ったら絶対に追いつけなくなる」

「かんちゃんがんばれ~」

 

 

 

 

 

上から鈴、セシリア、ラウラ、箒、一夏、本音の一団。箒までの3人は一夏とのデートの参考にしようと観察。一夏は箒以外の3人に連れてこられた。箒は一夏に付き合って。本音は今日を楽しみにしていた簪の応援を。

だがそこはIS学園。一夏達の一団以外にも幾つかの集団が2人を見ており、一部は発狂寸前の所もあった。

 

 

 

 

 

「そういえばシャルは昨日行ってたんだよな。今居ないけど気にならないのか?」

「ああ、それは違うぞ一夏。デュノアも気になってようなんだがな…」

「箒? 何か知ってるのか?」

「ああ。丁度我々が新華を尾行した時に新聞部と居てな。今頃、根掘り葉掘り取材されている所だろう」

「あー、薫子さんだったっけ。新華の所に突撃しなかったのか」

「しようとしてたさ。だがそれをシャルロットが自分を犠牲にして防いだようだったな。新華はマスコミが嫌いなのだから正しい判断だろう」

 

 

 

 

 

箒の予想は当たっていた。薫子はシャルロットとのデートの噂を聞きつけた直後、新華への取材を計画した。しかし新華は1度目の人生でマスコミを毛嫌いしている。前世にて多少は割り切る事が出来ているものの嫌いな事に変わりなかった。

だからシャルロットは、今日昼休みに突撃取材を敢行しようとしていた薫子を刀奈と共に抑え、代わりに取材を受ける事を承諾していた。

 

 

 

 

 

「新聞部とシャルロットの方はこれくらいでいいだろう。それより、私たちも行くぞ」

「え?」

 

 

 

 

 

一夏が箒に促されて視線を移すと、新華と簪がモノレールの改札を通りホームに入っていた所だった。

一夏達は慌ててそれを追い、新華とは離れた所からモノレールに乗って学園の外に出るのだった。

 

 

 

 

 

---side out

 

 

 

 

 

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新華と簪は『レゾナンス』に行かず町を歩いていた。『レゾナンス』には店が多い。それ故デートに適しているのと同時に在り来たりになりがちである。更に言えば今回のデートは新華のワーカーホリックを改善させる目的が簪達にはあった。シャルロットは『劇場版P3』でその目的を達成出来ていた。

では簪はどうするかというと

 

 

 

 

 

「ここ、あまり人が居ないけど、その方が新華君には良いと思う…」

「おおお、このプラモの数は…」

 

 

 

 

 

人気の少ないプラモ屋に来ていた。『レゾナンス』が出来る前から経営している店で、強者お爺さんがお婆さんと夫婦で近所の子供達の相手をしているこの街の老舗の1つである。

 

 

 

 

 

 

「いいのか? 今この店に入ったら俺目一杯物色してデートどころじゃなくなるぞ?」

「ん。寧ろその方がこのデートの目的だから…。新華君はISやMSばかりじゃなくて、もっと別の事に時間を使ってもいいと思うから」

「そ、そっか。あれ? てことはもしかして昨日のシャルロットと楯無会長も?」

「うん…」

「アチャー、気を使わせちまってたのか。悪ぃ」

「ううん、いいの。新華君は新華君で、楽しんで」

「…ありがとよ」

 

 

 

 

 

そういった会話をしていると、店の中に居た近所に住んでいるのであろう子供達が2人をはやし立てた。

 

 

 

 

 

 

「ひゅーひゅー熱いねー!」

「見せつけてくれるじゃん!」

「付き合ってるのー? ねぇねぇ付き合ってるのー?」

「あ…あぅ……」///

「お、おう…。…ってコラコラ。あんまりからかうなよ。店の迷惑になるだろ」

「えー? 兄ちゃんさ、そこで真っ赤になってるおねーさんと付き合ってないの?」

「まだ付き合ってないさ。だからほら、あっち行った」

「おい『まだ』だってよ! おねーさん脈アリじゃん!」

「おねーさん頑張れー!」

「がっんっばっれっ! がっんっばっれっ!」

 

 

 

 

 

少年3人組の猛攻で簪の顔は真っ赤だったが、新華は持ち前の対子供スキルで受け流していた。

 

 

 

 

 

「そんなに騒ぐと店に迷惑だろうが。ほら、外に巷で噂の織斑 一夏がハーレム作っているから引っ掻き回してこい」

「ちょっ、新華ァ!?」

「あ、本当に居たー!」

「俺が気付かないと思ったか馬鹿共」

 

 

 

 

 

付けていた一夏達を生贄にする事で少年3人の興味の対象を逸らす事に成功した新華は、その隙に簪を再起動させる。

 

 

 

 

 

「ほら、簪。戻ってこい。子供と一夏達は去ったぞ」

「むうぅ……」///

「…簪ー。あかん、聞いちゃいねぇ。簪ー」

「!! な、何…?」//

「一夏達とガキ3人組はどっか行ったよ。今のうちに物色させてもらおう」

「あ、う、うん…」//

 

 

 

 

 

まだ若干顔が赤い簪と一緒にプラモデルを見る。棚に積まれているプラモデルはかなりの種類が並び、最新の物からそこそこ古い物もあった。

 

 

 

 

 

「あ、『スカル』だ…」

「お? 『仮面ライダー』のプラモなんてあったんだ。そっちには『W(ダブル)』も置いてあるし。だが何故にMG?」

「こっちには『ドラゴンボール』の『孫 悟空』も…」

「ホントだ。だが何故隣にSDの『ガオガイガー』があるんだ? ジャンル全く違うだろ…。近くには『オルタナティブ』の『不知火(デモンストレーションカラー)』もあるし」

 

 

 

 

 

そのまま視線を流していきガンプラが無い事に寂しさを感じていた。そしてそこで思わぬプラモデルを見つけ衝撃を受ける。

 

 

 

 

 

「こっ、これは……!」

「? 何か見つけた?」

「『ガンヘッド』に『白栗(ホワイトグリント)』、『フラジール』だとっ…!? それに隣には、俺の知らない『ゾイド』のプラモがっ…!」

 

 

 

 

 

新華は知らない事だが、この店は中古屋も兼ねており古いプラモデルだろうが新しかろうが無差別に売っているのだった。しかも店主が道楽感覚で経営しているせいかオークションに乗らない物品もあり、その手の人種にとって涎が出るラインナップになっていた。

現実にあればガノタも行きたいです。

 

後者の『ゾイド』に至っては『ガンダム』が存在しないが故のパラドックスである。この世界の『ゾイド』制作会社は倒産せず未だにアニメ界のオーバーテクノロジーと美しいストーリーを視聴者に魅せていた。その結果が『ジェネシス』以降の新華や我々(メタ視点)が知らない『ゾイド』である。

当然新華の衝撃は計り知れず、後に『ゾイド視聴会』が開かれる切っ掛けになる。

 

 

 

 

 

「『ガンヘッド』はまず確保。『白栗』を買うべきか『ゾイド』を買うべきか…。いや、ここは『白栗』にしておこう。『ゾイド』はアニメ見てから考えるということで。『フラジール』? 埋没しててください」

「新華君、楽しそう…」

「他に掘り出し物は無いか!? …『紅蓮聖天八極式』があるだと!? それに『ランスロット・クラブ・アルビオン』までキット化されている…!? おい何時『ロスカラ2』発売されたんだ。情報が、情報が足りない…!」

 

 

 

 

 

情報が足りないにも関わらず嬉しい悲鳴を上げる新華。MS開発以外の娯楽を今までおなざりにしていたせいか、否ソレスタルビーイングの地盤を固めたり女性利権団体の不正を握ったりしていた為に、アニメの情報は簪や弾といった同年代からの話題でしか入手していなかった。故に情報不足。故に---

 

 

---楽しい

 

 

 

 

 

「こりゃ後でじっくり鑑賞する必要があるなぁ。帰ったらようつべで探しておくか」

『それなら私が検索しておきます。ご安心ください』

「『任せた』さて、他に良いのは~っと」

「…新華君が生き生きしてる。MS作ってる時みたいに…」

「『ターミナス909』か…。変形出来るよう改造してみたいな。でも何で『Type-The end』が無いんや!?」

 

 

 

 

 

ものっそ楽しんで(個人的に)充実した時間を堪能する新華。金を持って後日また来る事を誓い『ガンヘッド』と『ホワイトグリント』のキットを持ってレジに並ぶ。

 

 

 

 

 

「あれ、簪は何も買わないのか?」

「うん…。特に欲しい物は無かったから。でも新華君、凄く楽しそうだったね…」

「まぁ、前は買えなかったしな。頻繁に買う事もしなかったし、買える時に買わないとな。特にガンヘッドはロマン詰まった機体だし」

「帰ったら作るの?」

「まぁニッパーとかヤスリとかトップコートとか必要だから、ソレスタルビーイングに帰ってからになるかなー。作ってる間に『ルガーランス』みたいに武装の再現とか思い浮かんだりするかもしれんし、今から楽しみだ。あ、お爺さん。お会計お願いします」

「はいよぉー」

 

 

 

 

 

新華の声を聞いて、レジ奥にある居間と思われる場所から店主のお爺さんが出てくる。

 

 

 

 

 

「おやまぁ、イカしたあんちゃんとべっぴんさんやのぅ。こんなチンケなお店に来るとは…」

「チンケ? このお店が? お爺さん、もっと自分の店に自信を持ってください。この店のラインナップはどの店に勝るとも劣りません。また来るんで頑張ってくれませんか」

「そう言ってもらえると有難いわい。最近れぞなんすとか言うでっかい店が出来てから人があまり来なくなってのぉ。とはいえ近所の子供たちは来るから退屈はせんがの」

「ほうほう。あ、これとこれの会計お願いします」

「あいよぉー」

 

 

 

 

 

何事も無く『ガンヘッド』と『ホワイトグリント』を購入した新華は、ホクホク顔でお爺さんに礼を言ってサヤカからハロOを出して2つを収納する。

 

 

 

 

 

「おお…面妖な。それはもしかして、『あいえす』というやつかのぅ?」

「ええ、まぁ。厳密には違う物ですがバック代わりには便利なんで」

「ほうほう。ならあの『あいえす学園』の生徒さんという事じゃな。そこの嬢ちゃんもかい?」

「あ、はい…」

「そうかいそうかい。学生の頃は出来るだけ青春するんじゃぞー。学生でしか出来ん事もあるからのー」

「……そうですね。確かに、ごもっともで」

「ほっほっほ。そっちのあんちゃんは分かっとるようじゃの。嬢ちゃん、このあんちゃんの事、好きかの?」

「えっ、えっと………は、はい」//////

「なら、ちゃんとあんちゃんを支えてやるんじゃぞ。それと、しっかり繋ぎ止めて早くモノにした方がええぞ? 最近物騒じゃからの。早いに越した事は無いじゃろうて」

「も、モノにって…」

「ふぉっふぉっふぉ! 初々しいのぉ。思えば婆さんも嬢ちゃんみたいに可愛かったもんじゃった。夜は負け続きだったがの」

「そ、そうっすか」

「そうじゃそうじゃ。初夜から始まって最初の頃は勝ってたんじゃが、いつの間にか床ではてんで勝てんようになっておってなぁ…」

「お、おう」

「………」//////

 

 

 

 

 

お爺さんの若い頃の話が長々と続き、新華と簪の2人はお互いを意識してしまい顔を真っ赤にしていた。途中お婆さんが状況に気付きお爺さんの後ろに控えていたが、「あらあら」「ふふふ」と言って全く介入してこようとはしなかった。

長い話が終わり2人が開放された時は18時を回っていた。店を出る時に何故か市販のアンパンを2人分貰ったが、2人の間に流れる空気はギクシャクしていた。

 

 

 

 

 

「「………」」

 

 

 

 

 

お爺さんとお婆さんの若い頃の話を聞いて、お互いを意識してしまい会話が無い。特に新華の脳内は悲惨だった。体は思春期で性欲を持て余している中、そんな話を聞かされ我慢するのは辛い。

ガマンハカラダニワルイゾー

 

 

 

 

 

「(アカン。気を逸らそうにも気まずい。意識しまくってる。簪も顔真っ赤だったし、だけど手を離してくれないし、若干汗ばんできてるしイロイロとアカン)」

 

 

 

 

 

思考が空回りしているが手を繋いだまま街を散策する。傍から見ても初々しいことこの上ないカップルであり、道中暖かい視線やパルった視線を受けた。

そんな状態で近場の公園に入りなんとなくベンチに座る。2人の間には微妙な距離が空いていた。

 

 だ が 手 は 離 さ な い

 

 

 

 

 

「(歩いている間に何とか落ち着いてきたけど、どうすんべこの空気…。何か、何か打開出来るものは…)」

 

 

 

 

 

新華が頭を抱えていると、サヤカが脳量子波で助けを出した。

 

 

 

 

 

『…ご主人様、ここは1つ飲み物でも買ってきたらどうですか? それくらいなら問題無いと思われますが』

「『 そ れ だ 』簪、ちょっと飲み物買ってくる」

「!! あっ、う、うん…」

『ついでに覗いている織斑さん一団に一言物申しては?』

「『それは帰ってからで』」

『了解しました。それといつの間にか織斑さん達と合流している薫子さんのカメラのデータ、どうします?』

「『それも帰ってから。流石に空気を変えるためだけに時間掛ける訳にもいかんし』」

 

 

 

 

 

繋いでいた手を離してダッシュで自販機を探す。わざと一夏達に目配せをした後、ベンチから少し離れた公園内で自販機を見つける。

 

 

 

 

 

「ふぅ……。さて、何を買うか」

『では、今のうちに昨日出来なかった業務連絡が入っているのでお伝えします』

「業務連絡ってーとソレスタルビーイングからか。確かに昨日の俺はアレだったからなぁー…。で、いくつ?」

『3つ程。まずつい最近ご主人様が開発した『電動ローラーシューズ』ですが、有用性があるとして改良の後量産をするようです』

 

 

 

 

 

以前新華が趣味全開で作っていた『電動ローラーシューズ』。先日帰宅した時に持ち帰り研究所に保管していたのだが、真が興味を持ち許可を取って開発陣に渡していた。

自販機に硬貨を入れお茶缶を2つ購入する。

 

 

 

 

 

「あー、ソレスタルビーイングは敷地広いし、街行くまでの坂がバス出すレベルでキツイもんな。それに普段の生活でも役立つし。安全性は確保されてるんだろうなー」

『次に開発陣が知らぬ間にアカン物作りました』

「『アカン物』?」

『……『ヒルドルブ』にしか見えないガチタンと『MS、IS用OB(オーバード・ブースト)ユニット』です』

「………What's?」

 

 

 

 

 

自販機から缶を取り出そうとする手を思わず止め、英語でサヤカに疑問を投げる。脳量子波で会話していた為に新華以外には誰にも聞かれず、通りすがりの人々が訝しげな視線を向けていた。

 

 

 

 

 

「おい。………おい」

『最近皆さん頑張ってましたからねぇ…。ともかく、これで収益は上がるでしょう。もうそろそろMSを公式で発表してもいいのでは?』

「……考えておく。というかコジマは無いよな?」

『実在しない架空の粒子ですからね。まぁそれを言ったらGN粒子もそうですが、とりあえず使われていないことは確かです』

「ああ、それならいっか…。後で開発部に予算追加するよう手配しないと。んで、3つ目は?」

 

 

 

 

 

今度こそお茶缶を取り出して公園に足を向ける。

 

 

 

 

 

『最後は、実さんと亡国企業の『サイレント・ゼルフィス』操縦者、Mが接触しました』

「………『詳しく聞かせろ』」

 

 

 

 

 

流石に声に出して話すにはマズイ内容になったので脳量子波での会話に切り替える。

 

 

 

 

 

『はい。昨日16:00頃、街で偵察であろう行動をしていたのを、真、スウェンさんと共に居た実さんが補足。その後勝手に秘密裏に接触、捕縛せず現在行動を共にしているとの事です』

「『は、ハァ!? 勝手に捕縛せず行動を共にって…あんの馬鹿!』」

『お互いに互いを取り込もうとしているらしいですが、どうやら実さんの方に分があるようです。というか世間慣れしていないMに対しエスコートしているという擬似デートとでも言いますか、なんというか、ええ』

「『……そういう事か。実には頑張ってもらうべきか。で、その報告は誰から?』」

『真さんとスウェンさんです。お2方とも実さんに協力しているようで』

「『後で3人にボーナス&説教。サポートメンバーを派遣、引き込めないまでも適度に情報引き出しながら『デート・ア・ライブ』しておくように』」

『分かりました』

 

 

 

 

 

両手にお茶缶2つを持って足を簪の待つベンチに向ける。

そして、少し急ぐ。

 

 

 

 

 

『あとはもう1つ、ソレスタルビーイングとは別に報告が』

「ああ、それは後だ。ちょいと面倒な事になってるから」

『…ご主人様?』

「さて、ちょっと柄じゃない事しますかね」

『…ああ、成程』

 

 

 

 

 

新華の視線の先には困り顔の簪と数人のチンピラ。今絡まれたばかりなのか一夏達も動こうとしていた。

 

 

 

 

 

『ここは1つ、カッコイイ所を魅せてあげましょう。ダークヒーローではなくヒーローとして』

「魅せる場所なんてねぇだろ。だが…」

『だが?』

「他人のデート相手に手ぇ出そうとする奴は馬に蹴られて地獄に落ちた方がいいとは思わねぇか?」

『ですね。私も出ましょうか?』

「あの程度、俺1人で十分。誰かに唆された操り人形じゃないみたいだし、手を出してきたら()す」

『分かりました』

 

 

 

 

 

そう言ってサヤカを人形態にして別れた後、一夏達が突入する前にチンピラと簪の間に笑顔で入る。

 

 

 

 

 

「簪、お待たせ」

「! 新華君…!」

「ああ!? んだテメェは!」

 

 

 

 

 

簪は助かったというように新華の背中に隠れ、当然のようにチンピラは新華にメンチを切る。

 

 

 

 

 

「さて、次はどこか行くか? それとも、もう帰る?」

「え、あ、うん…」

「このガキ、無視決め込んでんじゃねぇ!」

「おい、とっととこのガキ潰そうぜ。そうすりゃ後はこっちのもんだ」

「こちとらISサマのせいで世の中変わって溜まってんだコラァ!」

「俺の趣味じゃねぇが、そこの雌ガキはイイ声で鳴いてくれそうだしなぁ」

「っ!!」ゾワッ

 

 

 

 

 

チンピラ達の視線を受け簪がビクつく。ISに乗ると確かな実力を発揮し最近は姉との仲も良い為、この程度のチンピラに負ける事は無いのだが、数の差とIS無しでの戦闘では遅れを取ってしまう。

更にここ数年で大幅に改善されたとはいえ、未だに赤の他人からの粘り気がある視線には耐えられない。特に新華という想い人が居る今は。

そして件の新華はと言えば

 

 

 

 

 

「……」メショッ

「「「「「「「「(あっ)」」」」」」」」

 

 

 

 

 

その手に持っていたお茶缶を左手で握りつぶしていた。笑顔のままで。それを見た一夏達はチンピラが終わった事を悟った。だが解せないのは、なぜああまで言われて新華が動かないのか、である。

しかしラウラ、薫子、本音の3名はその理由に気付く。新華は待っているのだ。相手が手を出す瞬間、つまり正当防衛が成立する瞬間を。

今の新華はプライベート。だが文句付けられたというだけで一般人を張り倒しては問題が発生する。それこそ『ソレスタルビーイング』を目の上のタンコブとして良く思っていない女性利権団体に目を付けられる。その場合カウンターを入れ殲滅出来るだけの情報網(ヴェーダ)が新華にはあるが、それをするのは『劇場版P3』の報復をする時と決めていた。

というか、新華もここまで言われて黙っていられる程、聖人ではない。ゲスい視線をしてくる目玉を抉り、首をへし折ってやりたい衝動に駆られる。

 

 

 

 

 

「し、新華君…」

「………ああ、大丈夫、大丈夫」

「「「「「「「「(あかん)」」」」」」」」

『(ご主人様の怒りボルテージMAX~。哀れなチンピラを見て愉悦している福音は後で締めるとして、私の出る幕も無いようですし大人しくしていましょう。あ、こんな所にチンピラ達の個人情報が~(棒))』

 

 

 

 

 

簪がその新華の殺気に気付いて、新華の拳を両手で包む。しかしそれで一旦収まりを見せた殺気が、今度は更に膨れ上がった。一夏達はチンピラ達が死なないよう祈り、サヤカはこれから起きるであろう惨劇の止めを用意し、簪は自分の為に新華が怒ってくれてる事を喜びつつどうしたらいいか分からずオロオロしていた。

だが一般人であるチンピラ達にそんな事が分かる筈も無く、とうとうその時が来た。

 

 

 

 

 

「んのっ……俺ら無視してイチャつくんじゃねぇ、よっ!」

 

 

 

 

 

沸点の低い1人が拳を振り上げ新華に向けて突き出す。しかし新華はそれを目視せずに(・・・・・)右手で受け止めた。そして薫子はカメラのシャッターを押し場面を抑える。

 

 

 

 

 

「手、出したな?」

「んなっ!?」

「正当防衛成立だコノヤロー。簪、ちょっと離れてろ」

「う、うん…。あ、あの、新華君?」

「なんだ?」

「ちゃんと手加減、してあげてね…?」

「………………………努力はする」

「何ゴチャゴチャ言ってんだコラァ!」

「ヤッちまえ!」

 

 

 

 

 

長い沈黙の後の返答にそこはかとない不安を感じる簪だったが、チンピラが一斉に新華に襲いかかったのを見て一夏達の方に移動した。

その後起きたのは、ただの蹂躙だった事は言うまでも無かろう。チンピラ数人程度が3倍近く生き、かつ己を鍛え戦い続けてきた新華に勝てる道理など無い。それこそP・V・Fを使わなければ。

数分後、暗くなった公園の真ん中でチンピラが目を回して積まれていた。

 

 

 

 

 

「やっぱ雑魚だったな。重り(リミッター)外すまでもなかった」

『後は警察に突き出しますか? 彼らの個人情報漁ってみた所、特に背後関係もありませんでしたし犯罪履歴もありませんでした』

「でも面倒起こしたくないんだよなー。どうすんべ」

「し、新華君…! どこか怪我は…!?」

「無い無い。それより、不快な思いさせて悪かったな」

「ううん、いいの…」

 

 

 

 

 

簪が飛び付いてきたのを受け止め、続いて一夏達も出てくる。

 

 

 

 

 

「なんか、あっという間に終わったな」

「あたぼうよ。でなきゃお前の女子関係処理なんて出来てないから」

「ああ、そういえばそうだったらしいな」

「箒はともかく、鈴は知ってるんじゃねぇか?」

「まぁ、ね。あと弾は確実に知ってるでしょ?」

「もちろん。で、薫子さん。決定的瞬間は?」

「バッチリレンズに収めているわ」

「にしてもあおきー、強かったね~。カッコよかったよ~」

「うむ。(一夏)には劣るが中々のものだったぞ」

 

 

 

 

 

一夏達からそれぞれ言葉を受け取り、目を回しているチンピラ達に視線を向ける。

 

 

 

 

 

「はいはい、惚気をありがとさんよラウラ。さて、コイツらはどうするか…」

「放置でいいんじゃないか? 散々言ってたし、自業自得だろ?」

「ワオ、一夏サン容赦が無い事で」

「………って新華なら言うと思って」

「バレテーラ。じゃ、放置でいっか。それに時間も時間だし、帰るか」

「うん…」

『了解しました。彼らの個人情報は見なかった事にします』

 

 

 

 

 

言葉通りにチンピラ達を放置し公園を後にする一同。少し後になってチンピラ達は女尊男卑の影響で発生した『阿部のミックス』という首相とは全く関係無いアーッな団体によって拉致され掘られるという事件が発生するが、それを切っ掛けにちゃんと討伐されるので語る事は無いだろう。

 

 

 

 

 

「……なんだろう、途轍もなくやっちまった感があるんだが。それと凄まじい悪寒も」

「あ、俺も。なんかこう、ケツがムズムズする」

「一夏も? ……なんだろうな、これ」

「考えない方がいいんじゃないか? うん、俺は考えない。考えないし、気にしない」

「…俺もそうするか」

 

 

 

 

 

そんな事がありつつ、モノレールに乗ってお馴染みのIS学園の敷地へと再び戻ってきた一同。門限も迫り今日の新華と簪のデートはこれでお開きとなる。

だが簪は、このまま自然な流れで解散してもいいのかと思った。そもそも今日は新華の慰安を兼ねた(口実にした)デートであり一夏達は必要無かった。

なのに最後は新華に助けられ一夏達と合流して2人きりではなくなり、いつものIS学園での空気が戻ってきていた。

シャルロットは昨日最後に解散するまで2人きりだったのに……と考えた所で簪は思い出す。

 

シャルロットは昨日最後、デートの締めに新華に何をした? と。

今朝から新華とシャルロットは様子が可笑しかった。当然の事だ。思春期の男女が互いを意識していたのだから。

新華との付き合いが姉の刀奈、自分、シャルロットの3人の中で最も短い。だがシャルロットはたった1つの行動でそれを埋めた。それどころか3人の中で最も新華の近くに立った。姉がどう思っているかは予想しか出来ないが、恐らく自分と同じように焦っているだろう。

だが姉には『新華と同室』という大きなアドバンテージがあった。更に言えば現実でのファーストキスがシャルロットだったのに対し、電脳世界で姉は真っ先に新華とキスしていた行動力がある。また自分がまだ新華と本格的に関わる前から付き合いがあるという実績があった。

これらに『勝つ』にはどうしたらいいか。自分は他の2人とは違い体の起伏が乏しい。小柄と言えばそれまでだが、それ以外に新華を惹きつけられる要素が自分にはあるか? 簪本人に自信は無かった。

プラモ屋のお爺さんが言っていたように、出来るなら新華を自分に繋ぎ止めたい。だがそんな自信は持てない。ならばどうすればいい? と自問する。

 

 

この間、1秒弱。コイスルオトメッテスゴイヨネ

 

 

最も新華にとっては、自分の過去を受け入れた上で未だに好意を抱いてくれて、気遣いも出来る美少女。これ以上何を望もうかといった状態なのだが。

しかし、だからか簪は行動する。焦りもあるが、何より新華の隣にずっと居たくて。

 

 

 

 

 

「新華君」

「ん?」

「えっと、さっきは、怒ってくれてありがとう…」

「気にしなくていいさ。流石にデート相手を連れて行かせる訳にゃいかんからな。というか簪の身に何かあったら楯無会長とご両親に殺される」

「ん。でも、嬉しかった。守ってもらってばかりだけど…」

「お互い様、だろ? 俺だって助けてもらってる事は多いし」

 

 

 

 

 

などと言ってはいるものの、お互い自分が受けてた恩や感謝を相手に返せているとは思っていない。簪は無論、今までの事。新華からしてみれば、心を救ってくれた事は何事にも替えられる物ではなく、今まで自分がした事など霞む思いだった。

だから新華は気にしてもらおうなどとは思わないし、簪はどうにかしようと考える。

 

 

 

 

 

「そんな事は無い…。私、守ってもらってばかり…。今日だって新華君に楽しんでもらいたかったのに…」

「あー…」

 

 

 

 

 

実のところ、少々だが暴れられた事で新華はフラストレーションを少し発散する事が出来ていた。故に何も落ち込む事など無く簪に落ち度など無かった。

 

 

 

 

 

「いや、最近のストレスを解消したり『ガンヘッド』と『白栗』手に入ったから何も気にするこたぁねぇよ。悪いのは絡んできたチンピラ達だし」

「……なら、今日のデートの最後として、1つお願い聞いて……」

「お?」

『(おや、この流れは…)』

 

 

 

 

 

簪が新華の目をじっと見つめる。

 

 

 

 

 

「目、閉じてて…」

「お、おう(ん? この流れは…)」

『ご主人様ー』

「『あ?』」

 

 

 

 

 

目を閉じ何かを察しかけた新華の意識を逸らすようにサヤカが言葉を掛ける。そして

 

 

 

 

 

『女の子の頑張りの責任って取るべきですよね』

「『は?』っととんぐっ」

「んっ……」

 

 

 

 

 

簪は新華と自身の身長差を埋めるように、新華の服の袖を引っ張って頭を寄せた後に首に腕を回し口付けする。新華が驚いて目を開けると至近距離というかもうくっついている位置に目を閉じた簪の顔。

 

 

 

 

 

「んっ。……あ、ありがとう……」カアァッ///

「」

「じゃ、じゃあまた明日っ…!」////

「」

『ご主人様モテモテですねー。で、責任、取るべきですよね? シャルロットさんの含めて』

「『』」

『あ、これはまたアカンやつですね。起きてくださーい』

「『』」

 

 

 

 

 

突然の事&簪の積極性に面くらいまたフリーズする新華。サヤカが再起動を促すが、第3者のとある行動により即座に再起動する。

 

 

 

 

 

カシャッ

 

「!!」

「いやぁイイ画が撮れました! 明日の1面は期待しててくださいね!」

「おりむー見た~? かんちゃん頑張ったよ~!」

「あ、ああ。そうだな」

「えっと、なんと言えば良いのか…。お、おめでとう?」

「そうね。新華、おめでと」

「おめでとうございますわ、新華さん」

「うむ。これがめでたいと言う奴か。ん? めでたいとは魚の事だとクラリッサが言っていたような…」

 

 

 

 

 

はい、 衆 人 環 視 で し た 。

薫子はカメラを持ってとっとと去って行った。

 

 

 

 

 

「………見てた?」

「「「「「「うん」」」」」」

「………………………ぅあ」///

 

 

 

 

 

新華はその場で文字通り頭を抱えて蹲ってしまう。顔真っ赤なのは言わずもがな。

お前シャルロットの時も凄かったもんなというツッコミは無しで。

隣にサヤカが現れて宥める。更にそこに本音も加わって注目の的だった。

 

 

 

 

 

「……新華でもあんな顔するんだな」

「「「「うんうん」」」」

「ご主人様ー。部屋に戻りましょうよー」

「あおきー、さっきから皆に見られてるよ~。恥ずかしいのは分かるけど~。部屋に戻らないと~」

「……………戻ったら戻ったで楯無会長居るじゃんか。どうすりゃいいんだよ…」

「諦めて戻りましょう。ほら、『ガンヘッド』と『ホワイトグリント』もありますし」

「…………ぐぅ」

 

 

 

 

 

それからは、注目の的になりつつ部屋に戻った。案の定刀奈からからかわれたが、刀奈から悲哀の感情は読み取れず何かを企んでいるようだった。

その刀奈とのデートは、現在準備中である『大運動会』の後の予定である。明日からは新華、簪、シャルロットの3人も準備に参加する予定だ。

新華は悶々としながら、また一夜を過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尚、余談だが追加予算を貰って調子に乗ったソレスタルビーイング開発陣が『AA(アサルトアーマー)(絶対防御反転による衝撃波)』、『Pディフェンサー』、『変形MS計画』、『サイコミュ』、『MS用トライアルシステム』なるものの理論を確立しやがり、ハイテンションで開発していたりする。

そんなにアーマード・コア(ディアナ)が好きかァ!

 

 

 

 

 




暴走した感否めない。駄文である事は承知していますが趣味で書いてるので勘弁願います。
ちなみに今話で一番苦労したのは簪の私服(オリジナル)だったり。

現実の話だと、最近『メテオホッパー』と『ガンダムバトルアームズ』を買ったので改造中です。マーキュリーレヴも使って。
利便性? ロマンの前には不要!

それと補足ですが、本編に書いた通りこの世界では『ガンダム』が無い事で現実と差が結構あります。例えば『ゾイド』シリーズが続いていたり、スパロボに『マヴラヴ』『ヴァンドレッド』が参戦してたりという感じで。

では今回はこの辺で。ご愛読ありがとうございます。
さて、次回はいつになるかなぁ~(遠い目

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