最新刊出るまで最新話は待っててください。多分その後はオリジナルで適当に終わらせるので。
というか終わるのかこの小説は…?
新華が復活しソレスタルビーイングに戻った1週間。その間、皆は思い思いに過ごしていた。
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---side 更識姉妹
刀奈と簪は騒動の事後処理が一段落してソレスタルビーイングに行く前、1度更識家に戻り両親にこれまでの事を報告していた。無論、新華の記憶やP・V・Fの事は伏せてある。
報告を簡潔に終えると2人はいそいそとソレスタルビーイングに行く準備を行い、久々に家族揃って食事を取るのだった。
「ところで青木君とはどこまでいったんだ?」
「あら、私も気になるわね。さっきの報告だとその辺を言ってくれないから」
更識両親がそんな事を言うと刀奈と簪は揃って箸を止めてお互いを見た後、それぞれ口を開く。
「あと一押しという所だと思います。以前ならあまり反応を示してくれなかったスキンシップも、今はちゃんと年相応に反応してくれるようになりましたし」
「最近避けられてたけど、また前みたいに笑ってくれるようになったから…。それに、新華君の辛さを知る事も出来たと思う…」
「ふむ、順調なのか。だが2人共か…。2人にとっても彼が特別なのは分かるが、親としては何とも複雑だな…」
「彼はどっちを選ぶのかしら? どちらを選んだとしても、こちらとしては婿養子として迎えたかったんだけど」
「ソレスタルビーイングがありMS販売が現実味を帯びてきた今となっては、難しい話だろうな。だからといって彼が刀奈を選んだとして、更識家としては嫁に出すという事が出来ないのだが」
ちなみに更識家は女尊男卑には染まっておらず、家庭内では更識父が家庭内ヒラエルキーの頂点に居る。暗部としての更識家では刀奈が頂点に居るものの、父親としての尊厳は健在である。
そもそも更識家の当主は実力によって決まり、歴代で女性当主が居た事もあった。故に世間が女尊男卑になろうがなかろうが当主=家庭内ヒラエルキーのトップという構図が時代に関係なく成り立っている。
「しかし、彼は今まで自分の立場を理解しているが故に女性を避けていただろう? それでも順調だと言えるのかね?」
「はい。先日の電脳ダイブの際に新華君の心に触れました。彼の気持ちも知る事が出来ましたし、彼を理解する事も出来ました。ね?」
「うん…。新華君は、ずっと沢山色んな事で我慢してきて思い詰めてた…。だけど、もう新華君は1人じゃないから…。その事を教えてあげる事が、出来たから…」
「…彼の、内側に入れたという事か。思い詰める…あの年齢で、我々のような家系でもない男子なら当然か。今まで『特別』として扱ってはいたが、やはり彼も人間という事か…」
更識父が内心で新華への評価を改める。今まで多くの戦闘行為や情報操作、CBの設立やMSの開発などを見ていたせいで束のような逸脱した人間かと思っていたが、刀奈と簪の反応を見て彼にも人らしい所があると認識した。
「あと一押しというなら、貴方達姉妹はお互いにライバルって事になるわね。彼のお陰で仲直り出来たけど、またギクシャクしちゃうのかしら?」
「…それは、大丈夫…」
「あら? そうなの?」
「うん…。お姉ちゃんが抜け駆けするのはいつもの事だし…」
「ちょっ!?」
「でも、そんな事でお姉ちゃんとまた喧嘩なんてしない…。確かに新華君を諦めるなんて事は出来ない。でも、だからってお姉ちゃんと疎遠になるのも、嫌」
「簪ちゃん…」
「それに…」
「ん?」
「新華君は、私達が仲良しの方がいいんだって、想ってくれてるのが分かる…。そんな優しい新華君の想いを裏切りたくないし、そんな優しい新華君だから私は好きになった…。だから…」
「あらあら…。すっかり彼の虜ね。刀奈、あなたもそうなの?」
簪の惚気に更識母は微笑みながら、刀奈にも内心を聞く。刀奈は複雑そうな笑みを浮かべながら
「ええ、そうですね。私は簪ちゃんにも新華君にも笑顔で居て欲しいですし、私も女ですから。でも立場を考えると複雑ですね」
「そうだな。我々は誰かを好きになっても『更識』という名が付き纏う。彼なら『更識』に入れてもいいと思うがソレスタルビーイングやMSの事もある。加えて今は学生という事でお互いに自由な部分が多いが、卒業後は間違いなく関わりを持とうとする者が後を絶たなくなるだろう。そうなる前に、お前たちが納得する結果に落ち着けばいいが…」
更識家に限らず暗部の家はその特性上、お見合いや政略結婚によって子を成す事が多い。恋愛による結婚も無いという事はないが、それでも片手で数えるくらいでしかない。かくいう更識両親もお見合い結婚を経て刀奈と簪を産んで順風満帆な人生を歩んでいる。
「なるべく在学中に彼を引き込めればいいのだが…」
「…頑張る」
「そうね。ただ、シャルロットちゃんを今は警戒するべきかしらね? 私達姉妹と並んで彼に近い娘だし」
「シャルロットと言うと、デュノア社の娘か。あの騒動があった」
「はい。新華君と織斑君の…というか、新華君の活躍でほぼお咎め無しになった娘です。新華君を狙っていて一番脅威になるのは、彼女ですね」
「…勝てるのか?」
「「勝ちます/勝つ…もん!」」
「……そうか、うむ。なら良し。悔いの無いよう学業に励みながら距離を縮めなさい」
「はい」
「うん…」
娘達の気合の篭った顔付きを見て満足した更識両親は、それから一旦新華の話題から逸れてたわのない話をして穏やかな時間を満喫する。そして、いつか今の食卓に新華が並ぶ所を想像してみるのだった。
---side end
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---side シャルロット
シャルロットは電脳ダイブ後、家に帰る前に新華のソレスタルビーイングに行く事を決め準備を終わらせて寮の自室に居た。本音を言うと直ぐにでも行って新華の手伝いが少しでも出来ればと思っていたのだが、電脳ダイブの事を知ったデュノア社長から連絡を受けIS学園に留まっていた。
『……では、帰ってくるのはまだ先になるか…。その時でいいから、また落ち着いて皆で食事をしよう。彼の事も含めて』
「わかりました。…また我儘言ってすみません。技術部の人達にまた迷惑掛けてしまって…」
『いや、今技術部の方では最新パーツの開発をしていた事だし、休暇でも出すさ。何、気にすることはない』
「そ、そうですか」
『だが、なるべく早く帰って来てくれ。良い知らせがあるんだ。驚くと思うぞ』
「良い知らせ、ですか…?」
テレビ通話で社長と話すシャルロット。相部屋のラウラは既に帰国しており部屋には居ない。
デュノア社長の言葉にシャルロットは首を傾げる。画面の向こう側に居る社長はその時の事を思い出したのか遠い目になっていた。
『ああ…イイシラセだぞ? うん、良い知らせだ。だが、2人同時とはな…』
「えっと、しゃt…と、父さん?」
『いや、嬉しい事は嬉しいんだ、うん。確かにここの所気合が入っていたり体調がおかしいなとは思っていたんだ。だが、突然同時に言われてもなぁ…。加えて嬉しくなったのか更に激しくなったしなぁ…体が持たないというか、なんというか…』
「あの、えっと…」
ブツブツと呟くデュノア父にシャルロットが声を掛けると、デュノア父は遠い目をやめて目の前のシャルロットに視線を戻す。その顔はどこかやつれているように見えた。
『ああ、すまないね。とにかく、彼の元に行くのなら帰ってきた時に話を聞かせてくれ。我々もシャルロットと彼の現状が気になるのだから』
「わ、わかりました。では、帰る時にまた連絡します」
『うん、待っているよ』
画面を切りシャルロットは溜息を吐く。最近自分の中で態度が柔らかくなったとは思うものの、未だに父親との会話は疲れるのだった。
「ふぅー…。……良い知らせって、何だろ? それに最新パーツを開発してたって言ってたし、休暇も出すとか言ってたからゆっくりしてていいのかなぁ?」
体を伸ばしてベッドに倒れこみ胸元にぶら下がった待機状態の『ラファール・リバイヴⅡ』を手に取る。オレンジ色の愛機は電脳ダイブの時に見せた光を放つ事無く、今まで通りの形を保っていた。
「新華が関わったから、かぁ。確かに今のラファールには新華の提案した武装と機能が付いているけど、まだ活かせているようには思えないんだよね」
角度を変えてラファールを見つめる。ある程度見終えると胸元に戻して腕を額に乗せる。
「新華、かぁ。あんな人生を送ってたなんて知らなかったけど、それでも優しい新華だから僕は好きになったんだよね…」
電脳ダイブの時の事を思い出す。また一夏に下着姿を見られたが電脳ダイブだったのでノーカウントとしていた。その後の新華の記憶。ボロボロで血涙を流していた新華。生徒会長、簪と続いて自分も…
「っ~~~~~~!」////
そこで自分も(電脳ダイブ中とはいえ)キスをして告白した事を思い出す。思い出した途端に顔を赤くして枕を抱きベッドの上でゴロゴロするシャルロット。ちなみに寝巻きの着ぐるみの状態でやっている為、誰かが見ていれば鼻血物であった。
「…そういえば、僕は新華に好きって言ったけど新華からは答え聞いてなかったな…」
動きを止めて新華の涙を思い出す。
「…まぁ、いっか。今はまだ、ね。無理に迫るよりゆっくり時間を掛けた方がいいよね。あ、でもそれだと生徒会長が………ぐぬぬ」
先程より遅いものの、再びゴロゴロしながら乙女特有の思考に浸かるシャルロット。そんな彼女の胸元で待機状態の『ラファール・リバイヴⅡ』が光っていた。
---side end
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---side 青木家
新華が溜まった仕事に追われ徹夜をしていたその時、青木家では新華を抜いた3人で家族会議が行われていた。
「…先週帰ってきた新華が以前の明るさを取り戻していた件について」
「…またIS学園で何かあったと思われます。故にまたIS学園に問合わせても多分無駄。なんで本人に聞くしかないけど…」
「仕事、溜まってたものねぇ…。サヤカちゃんからの報告だと一時期記憶喪失になってたらしいけど…」
「確認する間も無く院長室に連行されて徹夜しているからな…。また栄養ドリンクを差し入れに行くか」
記憶喪失になる以前の新華はピリピリしていて誰も寄せ付けなかった。それが先週帰ってきた時には明るさを取り戻しており、溜まった書類に笑顔を引きつらせていた。
「サヤカさんも忙しそうだし、そろそろ来る予定になってる更識さん達に聞くしかないでしょ。今兄貴の所行ったら確実に邪魔になるの目に見えてるし」
「そうなのよね…。この間差し入れを持っていった時に皆さんやつれててビックリしたわ」
「そら代表の兄貴が居ないうえに代理の代表を決めないといけなかったし。だって日に日に溜まっていく書類を見てたらやる気なんて出ないよ? 兄貴は効率よく終わらせていたみたいだったけどさ」
「新華、労働基準法って知ってるのかしら…? 本当に無茶ばかりして…」
「兄貴このままだと比喩無しで死にそうだから早く何とかしないと…。でも今兄貴がやってる仕事ばかりは兄貴にやってもらわないといけないし、俺たちが何言っても暖簾に腕押しなんだよなぁ」
「親である私達の言葉ですら聞かないものね。その場では反省するけど、いざという時には躊躇いなく行動するし…。全く、誰に似たのかしら」
「さあな。若い頃の
新華の祖父母は幼馴染であり恋愛結婚である。実の事にも寛大だった。
「そういえばお義母さんってお義父さんの幼馴染だったって言っていたわね」
「ああ。……新華の仕事が落ち着いて時間が取れれば、また行ってみるか」
「ええ。たまにはここの事も忘れて羽根を伸ばすのもいいだろうし、新華の気分転換としてもいいかもね」
「兄貴にとってIS学園や肩書きを気にせず過ごせる場所って今は貴重だもんなぁ…。でも、兄貴だから向こうでもフラグ立ててたりするのがアレなんだよなぁ」
「ああ、確かに。……本当に、刺されるだろアイツは」
「実際に刺されたけどね、ISに」
「…アレも恋愛の拗れと言われたら、流石に物申すぞ。束ちゃんの、と言ってしまえば分からなくないのが辛い所だが」
溜息を付いて頭を振る3人。今更ではあるが新華も一夏に負けず劣らずモテるので、そっち方面での苦労も多い。
「新華の予定が空かないと行けない事に変わりないんだけどな。あいつが仕事を終えてゆっくり出来る時に話を聞くとするか」
「そうね」
「了解です」
青木父が纏めて家族会議は終了し新華に持って行く『眠○打破』を用意する。もう夜だったがソレスタルビーイング管理棟にはまだ明かりが灯っていた。
---side out
まぁ今回何が書きたかったのかというと…
デュノア婦人、シャルロット母、ご懐妊。
そりゃ新華の介入があったとはいえ関係が改善されましたし、多分あの後は毎晩ヤられていたかと。ソレガカキタカッタダケー。
あとニコ動でCG戦闘シーン見てたんですよ。それでうっかり見たくもないIS2期戦闘シーンが混じってたんですが…
いや、素人ばっかじゃね? CGなのに動きが少ないとはこれいかに。一夏は地の利があるのに負けてんじゃねぇよ。雪平しか使えねぇのかてめぇは。あと喋る暇あったら動けや。オータムも大して動いてなかっただろうが。会長は何を教えてたんだ。室内でもいいから撃てよ。相手も撃ってるだろうが。あと調子こいて『イグニッション・ブースト!』とか叫んでんじゃねぇよ。奇襲になってねぇよ。それとオータム、小物フラグをありがとうございます。お陰で容赦なくヤロウブッコロシテヤルしてやれるぜええええ!
以上、お気を悪くしてしまい申し訳ありませんでした。