IS~疾走する思春期の転生者~   作:大2病ガノタ

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101話
次話ラストかその後で新華が目覚めます。それまでは新華が動きません。


意識不明

 

 

 

---side 専用機持ち達

 

 

 

 

 

真夜中、IS学園のとある病室。そこには一夏達専用機持ちが集まり、ベットで多くのコードに繋がれ呼吸器にて正常な呼吸を保ち深く眠る新華を呆然と見ていた。心拍数を測る計器の電子音が、正常を示す一定の間隔で鳴り続ける。

 

 

 

 

 

「…新、華」

「………」

 

 

 

 

 

一夏の掠れた声が出る。しかし新華は微動だにしない。呼吸による胸の上下以外の動きは無かった。

 

 

 

 

 

「新華、君、生きてる、よね…?」

「はい、生きてます」

「っ、新華君…!」

 

 

 

 

 

簪が涙ぐみ新華の手を握る。楯無はその簪の肩に優しく手を置き、シャルロットは反対側に回って新華の手を握る。

 

 

 

 

 

「よかった…! 生きててくれて、よかったぁ…!」

「うん、うん…! 本当に、良かったわ…」

「…ご主人様、本当にお疲れですので、しばらく休ませてあげて下さい。絶対安静ですし、あまり動かさないようにしてくださいね」

「あ、うん。新華、どうしてこんなになるまで戦うのさ…。少しは僕らを頼っても、いいじゃん…」

 

 

 

 

 

サヤカは少々銀色がかっているものの、見た目は殆ど人間だった。以前とは違い脳量子波だけの会話ではなく、空気を振動させての会話が出来ていた。

オリジナルと言える彩香先生と違う所は銀色と、少し目付きが新華に似てキツくなり長髪から短髪になっていた。

 

 

 

 

 

「…ご主人様は、大切な何かを守る為なら命を投げ出す覚悟が出来てます。それこそ、今日の戦いみたいに」

「それって…」

「…皆さんどうでした? 実際に命を奪い合う殺し合いは」

「「「「「「っ」」」」」」

「…私は、軍人だからな。覚悟はしていた。だが、キツイものがあるな」

「私も、家柄上狙われる事は多いからね。でも、まさか新華君がここまでなるなんて思ってなかったから…」

 

 

 

 

 

サヤカの問いにラウラと楯無だけが言葉を返せた。それぞれ覚悟を持つ者だが、絶対的な強さを誇り負ける光景が浮かばなかった新華が死にかけるという事態に動揺を隠し切れなかった。

 

 

 

 

 

「ご主人様だって人間です。限界があって当然なんです。今回はかなり危険でしたけど、助かって良かったです…」

「…本当、死ななくてよかった…」

「ですが、あれだけの出血に加えて電撃による肉体の破壊、衝撃による内臓、骨へのダメージ。いくらご主人様が規格外だからって只では済みません。私も電撃でショートしてましたし…」

「そういえばサヤカちゃん、あの時は確かに機能を停止していた筈よね。だけど新華君が何かしてから無人機を取り込んだように見えたのだけど、どういう事?」

「ショートした分を補う為にあの無人機…名を『ゴーレムⅢ』という機体を取り込んで同化してました」

「ど、同化?」

「はい。分りやすく言えば食べちゃいました」

「「「「「「た、食べた?」」」」」」

「あまり美味しいとかそういった感覚は無いのですけど、あの場で早く復活するためにはてっとり早かったので」

「な、なんとまぁ…」

 

 

 

 

 

再び絶句。見た目は大人しそうな娘だが言ってる事はかなり恐ろしかった。だがかなりの脅威だった無人機を取り込んだという事で気になる事も出てきた。

 

 

 

 

 

「取り込んだって事は、まさか絶対防御を無効化した装備も…」

「使えますよ。ご主人様が望まない限り使えませんけど。同時にゴーレムⅢの使っていた武装が使えるようになりましたね。ブレードは要りませんけど」

「って事は、あの威力が高い熱線も?」

「はい。ただご主人様に指示して貰わないと発現出来ません。やっぱりご主人様に無事に起きて貰わないと…」

「だよ、な。やっぱ新華が居ないとサヤカも何も出来ないよな…」

「はい。それに、ご主人様は私の、『Evolveクアンタ』の存在意義ですから。自由に生きろと言われましたけどご主人様から離れる気はありません」

「…早く起きてくれればいいけどな」

「……そうですね」

 

 

 

 

 

すぐ近くで自身に関する会話がされていても、新華は目を閉じたままだった。簪とシャルロットに手を握られても反応をせず眠り続けていた。

しかし一夏は、また守られて自分の代わりに死にそうになった新華を見て自身の新華に届かない弱さと、失う事と死への恐怖で拳を握り唇を強く噛んでいた。

 

 

 

 

 

「(まただ。また、新華に守られた。俺は、何時になったら新華に追いつけるんだ…)」

 

 

 

 

 

一夏は新華の作ったトリィに今回助けられた。ゴーレムⅢからの熱線に最後のビーム。トリィが新華の作った物でなければ一夏は死んでいただろう。

新華の強さへの憧れは大きくなるばかり。しかし同時に、新華が死にかけた事で失う事への恐怖が具体的なものとして一夏の中に刻まれた。遅すぎる理解だったが、いつも行き当たりばったりだった一夏にしては大きな一歩になった。

 

 

 

 

 

「新華…」

「………」

 

 

 

 

 

一夏が呟き簪が涙を流しても、新華には一切の反応が無かった。ただ、呼吸による胸の上下運動があるだけだった。

 

 

 

 

 

---side out

 

 

 

 

 

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---side 千冬

 

 

 

 

 

一夏達が目を覚まさない新華を見て会話をしていた頃、千冬は地下特別区画に赴きとある部屋に入る。その部屋の中では山田 麻耶が回収されたゴーレムⅢと銃人(ファミリア)の解析を行なっていた。

 

 

 

 

 

「………山田先生。少し休んだらどうだ?」

「あ…織斑先生」

 

 

 

 

 

千冬は缶のロイヤルミルクティーを渡すを山田先生は1口飲み、千冬に報告をする。

 

 

 

 

 

「やはり、片方は以前現れた無人機の発展機で間違いありません」

「コアは?」

「回収出来たのは2つ。内1つは戦闘の際に破壊されて使い物になりません。………どうしますか?」

「…………政府には全て戦闘で破壊したと伝えろ」

「で、ですがそれでは…」

「考えてもみろ。ISコアは世界各国が喉から手が出る程欲しい代物だ。渡せば、不要な争いの元になる」

「………」

 

 

 

 

 

千冬の言った事はつまり、政府に対して嘘をつくという行為。IS学園を危機に晒す行為だった。しかし千冬の言う通りISコアは一般に束がばら蒔いた476機しか存在していないと考えられている。もし登録ナンバーの無い、それこそ無人機のISコアがあると分かれば、最悪戦争を起こしかねない。以前新華が五反田食堂でクアンタを例に出したが、そのクアンタの部分に目の前にある無人機のISコアが当て嵌る事になる。それを避ける為という詭弁だった。

 

 

 

 

 

「…まぁ、じきにそれも無くなるかもしれんがな」

「え?」

「何でもない」

 

 

 

 

 

千冬は楯無と轡木 十蔵から聞いた新華の創立した『ソレスタルビーイング』、そこで開発されているMSという兵器を思い浮かべた。MSが世に出れば女性しか乗れない『兵器としての欠陥』を抱えたISは、活躍の場を失い淘汰され始めるだろう。直ぐにとは言わないが相当な反響が出ると予想出来た。そうなれば世界はISからMSに注目が集まり、今の女尊男卑の世界は崩れるだろう。いつか、ISコアが見向きされない日が来る事も有り得た。

 

 

 

 

 

「それで、もう片方は?」

「は、はい。こちらは思った以上に損傷が激しく、目立った収穫がありませんでした。ですが気になる事が1つ」

「何だ?」

「こちらの機体には、ISコアが存在していた形跡がありませんでした。つまり…」

「ISではない、無人機という事だな? …厄介な。もしコレが量産されていて、今回1機でもアリーナに侵入していれば…」

「…間違い無く、沢山の犠牲が出ていたでしょう。我々教師は勿論、生徒達にも」

「………新華には大きな借りが出来てしまったな。それだけでなく、あそこまで無茶をしおって…」

 

 

 

 

 

2人は、手術が終わり病室で眠っているであろう新華の事を考える。本当なら千冬も新華の様子を見に行きたかった。自分の生徒だからではなく、貴重な男性操縦者だからという訳でもなく、『蒼天使』だからでもない。自分の弟の親友であり好敵手にして、自分以外で束を制御出来る人間として、かつて『白騎士』を駆った時の戦友として。

千冬は泣きながら傷口を抑える一夏に抱かれるように、力なく倒れた新華の血塗れの姿を見た時、言葉を失った。普段はきちんと被れていた鉄仮面が外れ掛けた。それだけ新華は千冬の中で大きな存在だったという事の証である。

しかし千冬は世界最強の称号『ブリュンヒルデ』の名を持ちIS学園の指揮を取る立場として、他の教師や生徒を不安にさせる訳にはいかず鉄仮面を深く被り直して指示を迅速に行なった。新華を死なせない為にも迅速かつ正確に指揮が出来る者が居なければならなかったのである。

 

 

 

 

 

「今も青木君は眠っているのでしょうね…。流石に、あの出血量を見たら、もう駄目だと思ってしまいましたよ。でも織斑先生は流石でしたね。あの状況で冷静な判断が下せたんですから…」

「…それは私に対する嫌味か? 山田先生」

「へ!? いや、そんな訳ないですよ! 私は、あの光景を見た時狼狽して大した役に立てませんでしたから…」

 

 

 

 

 

山田先生は新華の無残な姿を見た時、千冬とは違い動揺を隠せなかった。元自衛隊とはいえあれ程の血は見たことが無い。加えて山田先生は元IS代表候補生という事で優遇されていた部分もあり紛争や国家間支援などに参加させてもらえなかった。故にISでの戦闘能力は高くとも人を殺したりするような光景は見た事が無かった。

 

 

 

 

 

「本当だったら、生徒である新華君の代わりに、私が戦わなければならなかったのに…」

「…それなら私だって同じだ。『世界最強』などと呼ばれていても、教師として生徒を守ってやれなかったのだから、情けない」

「織斑先生…」

「………過ぎてしまった事は未来に再び起こさないよう胸に刻んでおこう。そうでなければ、今度は織斑や専用機持ちだけでなく他の一般生徒にまで被害が出る。青木が身を挺して守った命、無駄に散らす訳にはいなかい」

「…はい!」

 

 

 

 

 

千冬と山田先生の瞳は強い決意の光を灯す。

 

 

 

 

 

「それで、片方の機体はやはり…」

「はい。青木君のP・V・Fを元に作られたのだと思います。ただ完全にISコアに頼らずプログラムでの制御になっていたらしく、動かす為の制御チップが青木君に完全に破壊されて解析不能です」

「そうか。…復元は出来るのか?」

「お、織斑先生!?」

「もしもう1度、この無人機が襲来してみろ。織斑達専用機持ちは兎も角、専用機を持たない一般生徒やすぐにはISに乗れない我々教師に被害が出る。対策を取るにもデータを取り解析しなければならない。例え、それが危険を伴う物だとしてもな」

「…わかりました。出来るだけやってみます」

「頼んだ」

 

 

 

 

 

山田先生は作業に戻る。千冬はガラスの向こう側に置かれ解析されている2タイプの無人機を見て、束の顔を思い浮かべる。

 

 

 

 

 

「(束…お前は新華を殺そうとしてまで、何をしたいんだ…)」

 

 

 

 

 

千冬は拳を握り締める。親友といえど常軌を逸し過ぎているた事に怒りを隠せないでいた。

 

 

 

 

 

---side out

 

 

 

 

 

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---side ソレスタルビーイング

 

 

 

 

 

ソレスタルビーイング内部規則第15条、『青木 新華の瀕死、ないしは死亡の際は主要メンバーで会議を開き今後の方針を話し合いで決める事。その際、必ず全員が意見を出し代表を決める事』。

新華自身が決めた規則の1つである。

 

 

 

 

 

「さて、サヤカちゃんの情報通りなら新華君は瀕死の重症、新華君のご両親は慌ててIS学園への訪問を申し出て来たけど…」

「まぁ気持ちは分からんでもない。行かせてやりたい所だが…」

「この機に乗じて敵が来る可能性もある…と。その上、下手に行かせてどこかの勢力に捕まりでもすれば厄介です」

 

 

 

 

 

MS開発部のルイード、警備部のカナード、経営事務部のメリオル。

 

 

 

 

 

「院長をこのソレスタルビーイングに搬送出来ないのか? ここならナノマシンを始めとした最先端の医療技術が揃っている。ここで治療に専念させた方がいいと思うが」

「ですがIS学園は自分達の不始末を外に持ち出したく無いでしょうし、出来ないでしょう。精々出来る事と言ったら、彼の家族に傷を治すのに役立つ物を持って行ってもらった方が早いと思います」

「なら俺のゼロが適任じゃないですか? ゼロならシステムの調整で多分出来ますよ」

 

 

 

 

 

医療部の『ハサン』、孤児院事務部の『セイラ・マス』、青木家で新華の弟の(みのる)

 

 

 

 

 

「あ、その時は彼の好物のきゅうりの塩漬けを持っていってください。お腹を空かして起きるかもしれませんし」

「あの、田村料理長? 精々食べられてもお粥が精一杯だと思うのですけど」

「いや、論点はそこじゃ無いだろう」

 

 

 

 

 

料理部長『田村』、資料館司書の『エドワウ・マス』、訓練場管理責任者の『ククルス・ドアン』。

そうそうたる面子が揃い話し合う。現在IS学園はソレスタルビーイングに新華瀕死の知らせを出していないが、サヤカの報告で現在の状況を知る事が出来ていた。

 

 

 

 

 

「で、どうするんだ? 行かせるなら護衛を付ける必要があるが…」

「それは俺がやります。もう1人か2人MS所有者を付けて貰えれば問題は無いと思いますから、判断お願いします。ナノマシンは行く時に受け取ります。きゅうりも」

「わかった」

「わかりました」

「あとは代表か…。一番は早く新華君に復帰してもらう事だけど、それまでの繋ぎとして臨時の代表は必要だしな。で、誰がやる?」

「「「「「「………」」」」」」

 

 

 

 

 

ルイードのセリフで全員が沈黙する。代表を務めるという事は、即ち新華の仕事を引き継ぐという意味である。しかしここに集まる者は皆、何かしらの形で新華のする仕事量を見ており進んでやりたがる者は居なかった。

 

 

 

 

 

「…私は無理だぞ。医者として部屋を離れる訳にはいかん」

「あ、私も同じです。料理は鮮度が命ですから仕込み含めて時間が掛かりますし。新しいメニューを考える為にジェリド君と色々と外に出たりもしますし」

「同じく私もだ。訓練場には物騒な物が多過ぎる。万が一の事態も起こさないように見張る必要がある」

「なら俺も警備で出来ないな。以前のような襲撃もあるだろうし、今設置中の防衛システムだって完全じゃない。警備する人間は必要だ」

「俺はまだ学生ですし、代表として出たら色々と問題になりますから除外の方向でお願いします」

 

 

 

 

 

ハサンと田村、ドアンにカナード、実の5人が理由を述べ辞退する。

 

 

 

 

 

「俺も販売用にMSを弄る必要があるし、出来ないだろうな。ということでパス」

「私は少々サポート出来ますが、やはり経営の方で手一杯になります」

「孤児院の方は済んでる子供達の確認をしたり、施設内の管理をしなければならないので、私も出られません」

「資料館は意外と実君を筆頭に調べ物をする人が来ますから、こちらも中々…」

「「「「「「………」」」」」」

 

 

 

 

 

沈黙が降りる。誰もやりたく無いのは同じだが、誰かがやらなければいけない事であるのも事実だった。

 

 

 

 

 

「…どうしましょうか」

「そうですなぁ…」

 

 

 

 

 

皆が頭を抱える。早く新華に復帰してもらうのが一番楽なのだが、そうもいかない状況になってしまっている。ソレスタルビーイングは新華が居るから成り立っていると言っても過言ではないのだ。

 

 

 

 

 

---side out

 

 

 

 

 

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時間は進み、新華が寝ている病室。今居るのは眠る新華と、寄り添うサヤカのみだった。

簪とシャルロットもずっと居ようとしたのだが、サヤカが居て見守るというのと今日の襲撃による取り調べがあるというので楯無とラウラに引っ張られていった。

本当ならサヤカも尋問やら質問、解析をされる筈だった。しかし新華の専用機であり傍に居るのは当然の事だと言って病室に留まった。一夏達の代わりに新華の看病をするのもあったが、新華が目覚めた時に誰も居ないのは寂し過ぎると思ったから。

そもそも今のサヤカに解析、尋問は無意味である。解析は元々出来ていない上、尋問はどれだけ脅されようと体を金属化すれば物言わない塊になる事も出来る。加えてゴーレムⅢを取り込んだ事で人形態でも多少の戦闘なら出来るようになっていた。それこそ、人ならざる物故に人を圧倒する事も。

 

 

 

 

 

「…ご主人様。十分休んだら、なるべく早く起きてください」

「………」スー、スー

 

 

 

 

 

月が部屋を照らす中、虹色に輝く銀の体で新華を見つめるサヤカ。ハロ3機は戦闘の影響でダメージを受けたので収納してあった。装備の方は完全に大破したため、AGEシステムに新規製造をさせていた。今までは新華が行なっていた作業だがサヤカも出来る。別に生体登録しているが機体側からのロックは掛けられていないからだ。

 

 

 

 

 

「皆さん、ご主人様が居ないと困る事が多いんです。ソレスタルビーイングでは代表を決めるのに困ってますし、織斑さん達も悲しんでます。早く、元気な顔を見せて上げてください」

「………」スー、スー

「特に、ご主人様に好意を寄せている楯無さん、簪さん、シャルロットさんの元気の無さは酷いです。楯無さんこそ表面上は平然を装ってますけど、かなり無理してます」

「………」スー、スー

「私だって、こうして見ているだけでも辛いんですよ? ご主人様を守る為の私なのに、守れなかったという事実は存在否定じゃないですか…」

 

 

 

 

 

サヤカは新華の頬を撫でる。しかしやはりと言うべきか、新華は何の反応も示さない。まるで死んだように、眠り続けるだけである。

 

 

 

 

 

「(脳量子波が弱くなってる…。でも、脈拍や新陳代謝に異常は見られない。加えてご主人様が死ぬ感じもしない。まるで何かに守られているかのように容体が安定している…)」

 

 

 

 

 

サヤカは新華の為に造られた、特殊過ぎるIS。新華の事を、今のところこの世界の誰よりも知り理解している唯一の存在である。自分の主人の体調管理は出来て当たり前なのだ。

 

 

 

 

 

「(もしかして…)」

 

 

 

 

 

サヤカは新華の手術をした先生に新華の状態を聞いた時、おかしな事を聞いた。それは

 

 

 

 

 

「(『まるで自分が自分でないように、体が動いた。そして、それを客観的に見ていた自分が居た』でしたか…。単なる奇跡か、それとも…)」

 

 

 

 

 

新華の手を握って、明るく光る月を見上げる。裏に新華専用のヴェーダが埋まっている月は、そんな事を表に出さず綺麗に輝いていた。

 

 

 

 

 




CBサイドの事なんですが…『セイラ・マス』と『エドワウ・マス』はセイラさんとシャアじゃありません。ジオリジン版でオリジナルの人が居る…と書かれていたという記憶を元に出した、オリジナルの人です。あと、ドアンも元はモブの偽名の人です。
ジェリドは中の人ネタです。どれだけの人が知っているか…。

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