一人の女性へ愛を捧げる男の物語   作:( ∴)〈名前を入れてください

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特に書くことが無いので一言
グレンラガンのssもっと増えろ!!
以上!


物語は崩れていき新たな物語を紡ぐ

「何と良い啖呵だ!お主名を何と言う?」

牛車を地面に降ろしながら此方に問いかけてくるサーヴァント。

その肉体は鍛えあげられウェイバーの腕と見比べるとまるで丸太と棒切れの様に感じる。

その姿を見たカミナはニヤリと笑いながら言葉を返す。

「人に名前を聞くときゃ始めに自分から名乗れって言われなかったかよ?オッサン」

「馬鹿ッ!初対面の人をオッサン呼ばわりしないのっ!」

 

その言葉の後ガツンと良い音が鳴り響きカミナが頭を押さえる。

下手人は頭を振りかぶり呆れた顔でカミナを見る。

「馬鹿野郎!銃で殴るなこのデカチチ!!」

「…もう一発いっとく?」

「ケッコウデス」

目の前で何やら夫婦漫才の様な物が始まり思わず呆れ返ってしまう。

何をやっているのだ…この二人は?

 

そんな私の気持ちを察したのかシモンがこの状態を教えてくれる

「すまねぇなケイネス…あの二人本当久しぶりに会ったからさ…許してやってくれないか?」

その言葉にはっと気づく…そうかカミナはあの時に。

「いや…良い、気にしないでくれ。」

 

今一度彼等を見れば喧嘩をしているように見えて彼等はそれを楽しんでいる様に見える

「シモン…お前は良いのか?」

「別に良い。俺はあの時しっかり話をしたからな…今はヨーコとしっかり話をして欲しいんだ。」

そう語るシモンの目はまるで出来の悪い兄弟分を見守るような顔で

「そうか…。」

私はそれ以上言える言葉を無くしてしまい唯楽しそうに喧嘩をしている彼等を見ていた。

 

「お前さんが坊主の先生か」

「あぁ…そうだが。それがどうかしたか征服王イスカンダル?」

私の言葉に目をパチクリとさせ次の瞬間に大きな笑い声をあげながら名乗りをあげる

 

「ハーハッハッハッ!よもや名乗る前に真名を言われるとは参ったわ!!!」

「その通り!余は征服王イスカンダル。此度の聖杯戦争ではライダーのクラスを得て現界した!!」

そう名乗りを上げ周りをぐるりと見ると、いい顔で頷き言葉を続ける。

「うぬらとは聖杯を求めて相争う巡り合わせだが…まずは問うておくことがある。うぬら、ひとつ我が軍門に下り、聖杯を余に譲る気はないか?さすれば余は貴様らを朋友として遇し、世界を征する快悦を共に分かち合う所存である!!」

 

その言葉も聞こえていないのかウェイバーが心ここに有らずと言った顔で此方を見てくる。

「ふむ…ウェイバー・ベルベット…君に言うことが一つある。」

「はい……。」

私がそう言うとウェイバーは顔を真っ青にして返事をする。

…困ったな…責め立てるつもりはないのだが

「確かに君は私の用意した聖遺物を盗みこの聖杯戦争に赴いた…だが今私はそれについて何か言うつもりは無い」

「えっ…何で…ですか?」

 

一転してポカンと不思議そうな顔をしている姿を見て笑いそうにならながらも言葉を返す

「さて…それを盗人に言う必要があるか?」

「うっ…すいません」

「まぁ…一つ私の頼みを聞いてくれるなら許してやろう。」

「本当ですか!?何でも聞きます!!」

私のその言葉に食いつくように言葉を返してくるその姿に呆れながら頼みを話す。

全く…こいつは……何でも聞くなど。私のように優れた魔術師ならその言葉でスクロールが作れると言うのに……。

 

「私と同盟を組めウェイバー・ベルベット君、私と組むなら生きてロンドンに帰すのを誓おう。」

「へっ?それだけですか?」

私の頼みにビックリしている顔をして此方を見てくる。

「不服かね?何なら一生駒使いになれとでも言ってやろうか?」

「いえっ!組みます!同盟を組みます!!」

「宜しい。」

全く…さっさとはいと言って頷けば良いものを呆けて聞き直すからだ。

 

 

――――――

「いやぁ…見事に余の言葉を無視されているわ。」

「チャチャ入れんなよライダー」

二人は各々で盛り上がっているのを見ながら話を続ける。

 

「分かっておる…ランサーと言ったな…お前さんと余は同盟を組むことになるのだがお前は聖杯に望みはあるのか?」

「いや…俺は聖杯に望みはない。」

「ほう…?では何を望んでこの聖杯戦争に望んだのだ?」

「そうだなぁ…自分と似た男の夢を叶えてやりたいって所かな?」

「その男の夢とは?」

ぐいぐい聞いてくるライダーに苦笑しながら特別に教えてやる。

 

「惚れた女に振り向いて欲しい…それだけだよ。」

「成程…それは聖杯では叶わん願いだ」

ライダーは得心いったと大きく頷く。

「そういう事だ。…マスターには内緒でな」

そう言うとライダーが此方に手を向けながら言葉を返してくる

「分かっておる。男の約束だ…宜しく頼むぞランサー」

「此方こそ宜しくな…ライダー」

そう返しその手を握り返す。これで俺達は仲間だ、ライダー。

 

 

―――――

「何故でしょう…あれに巻き込まれなくて良かったと思うのに…心が何故かモヤモヤします。」

「帰りましょう…セイバー貴女疲れているのよ。」

アイリスフィールの言葉に少し頷きこの場を後にする。

 

何故…私には話し掛けられなかったのだろうか…マスターもライダーも皆して私を…。

「アイリスフィール…私はどうすればマスターと話し合えるのでしょうか?本当に私でないといけなかったのですか?」

「違うの…セイバー貴女が悪いんじゃないの…」

「しかし…ここまで無視されるとなると。こう…心にくるものがあります。」

 

考えれば考えるほどドツボに嵌まる…どうしたら良いのだろうか。

どうすればマスターと話をする事が…ランサーはマスターと背中を預けれる仲だと言うのに……ライダーはマスターを……。

そこまで考えると脳裏に託宣のように良い案が思い付く。

 

そうか…分かった、初めからそうすべきだったのだ。

「フフフフ……。」

「セ、セイバー?どうしたの一体?」

「分かりました、そういう事だったのですね…成程…なら私はそうすべきだった…」

待っていてくださいマスター。貴方がそのつもりなら私はこれより優しさを捨てます。

 

 

―――――――

「クハッ…クハハ…ハーハッハッハッ!!」

そうして…誰もいなくなったいなくなった場所に笑い声が響き渡る。その声にはどうしようもないほどの歓喜の気持ちが籠っているのが聞くだけで分かる。

 

「そうか…あの者は我の人類に掛けた願いを越えていったのだな……人が…宇宙に」

やがて人類が我の庭を飛び出し、漆黒の空に漕ぎ出し、その果てに辿りつく…そう思い人を神々から解き放った。

「素晴らしいぞ!此度気紛れに来てやったがまさか我が願いを越えてその果てすらも越えていった男がいようとは!!」

その方大義である!お前こそが我の願った人その者の在り方よ!!

 

「我としたことが…余りの喜びのせいで出る機会を逃してしまった…まぁ良い。お前のその生涯、我が裁定してやる。人の行き着く可能性の一つとしてお前の全てを見せてみよ」

故に…今回は引いてやろう。早く己の全ての力を取り戻すのだな。

「楽しみにしておるぞ…宙を越えし男よ。お前と相対するときはお前の全てを見せてもらう。」

あぁ…本当に気分が良い…他の雑種が王だとか囀ずっていたが…今回はあの男に免じて赦してやる。

 




AUOレベルの慧眼になると誰がどの様な生涯を送ったかなんて見たら大体分かると思うの。
まぁ…AUOからしたらシモン君は自分の願いを叶えるどころか蹴っ飛ばして越えていった存在だからなぁ……多分。

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