一人の女性へ愛を捧げる男の物語   作:( ∴)〈名前を入れてください

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ここからスーパーケイネスチートターイム…冷静にこれくらいはしそうだけどなぁ。


【朗報】ケイネス、自分の置かれた状況に気づく【何故気づかなかったロード】

ランサーが現界して数日がたった。

「いやぁ…すげえなこの街は。どこもかしこも皆が前を見て生きている。」

「そういって貰えて幸いだよ。」

どうやら聖杯戦争が始まる前に時計塔で召喚したのは正解なのかもしれない。

ランサーはこのロンドンが気に入った様だ。

 

「時計塔って言ったか?子どもに魔術を教える場所…ヨーコにも見せたいよ」

「そこまで賞賛されると一教師としても鼻が高いものだ」

私の言葉に目をパチクリとさせると何かを懐かしむ顔をして此方を見てくる

 

「そうか…マスターは教師だったな…俺の仲間にも孤島で教師をしている奴がいたんだ」

「ほう…ランサーの仲間にも教師がいたのか」

「あぁ…大切な仲間だ。ヨーコは子ども達の未来の為に教師になったんだ。俺とは違って子ども達の未来という自分が成すべき事を見つけた素敵な女性だよ。」

「子ども達の未来…か」

思わず苦笑してしまう。私はそんな気持ちで教師を行った事は無かったな…

 

「マスターは違うのか?」

「いや…私は。」

私は誇り高い時計塔の教師である、確かに皆がそう言うだろう若くしてロードの名を頂いたのは伊達では無いのだ。

だが彼の仲間の様に子ども達の未来を見定めて教師をしたことがあったか…?

 

「どうしたマスター?」

「いや…何でもない。それよりそろそろ昼食の時間だが何を食べたいかね?」

思わず話題を変えてしまうとランサーは嬉しそうな顔をして話始める。

「そうかじゃああれを食べたい!あの肉と野菜が一緒に盛り付けられたやつ。」

「サンデーローストか…日曜の昼には丁度良いな。」

「それだ!それがいいぞマスター!」

 

場所を変えて食事を取る。しかしランサーの食べっぷりは凄い。皿が何枚も重なる様は見ている方が腹が満たされていく気分だ。

「食べないのか?」

「いや…では頂こうか」

食事を口にしながらランサーに問いかける

 

「なぁランサーお前は私の声を聞いたから来たと言っていたな?」

「あぁ…そうだが?それがどうしたんだ?」

「一つ不躾な質問だがお前にも愛した者がいたのか?」

それを聞くとランサーは食べている手を止め真剣な表情で此方を見る。

 

「いる。昔も…そしてこれからも変わらず愛する事を誓った人が」

「そうか…いるのか、その人はどの様な人なのだ?」

「そうだなぁ…世界で一番可愛くて優しくて料理上手な人だ…そして俺が地の底奥深くに塞ぎ込んでいた時に俺を引きずり出してくれた人なんだ。」

「ほう…それは大きく出たな。」

「当たり前だ、俺が愛している人なんだからな」

そう言い切るランサーの顔は誇らしそうで見ている此方が恥ずかしくなって来るほどだ

 

「で、マスターはソラウの何処が好きなんだ?」

「ブフォ!ゲホッゲホッ…いきなり何を言い出すのだランサー。」

「俺だけに言わすなんて卑怯だろ?」

「貴様ぁ…」

思わず睨むとランサーは苦笑しながら此方を見てくる。

「冗談だよマスター。だけどいつか教えて欲しいな」

「…分かった、いつか教えてやる。」

「楽しみにしておく。」

分かったならその子どもを見る様な顔を止めろ、ランサー!!

 

 

―――――――

「嘘…シモン・ジーハって英雄が何処にも見当たらない、…どういう事なの?」

私が資料室でランサーの真名を探していると信じられない事実に行き当たった。

 

この時計塔の資料室は様々な英雄の資料が保存されている。この時計塔にない資料はないと言える。

ランサーの真名が何処にも見当たらない、これが導き出されるのは…

 

「知名度が皆無…異世界の英雄のどちらかということね。」

後者に関してはまずあり得ない…だとしたら

「ケイネス…私達不味いかも知れないわ。」

この聖杯戦争…私達が勝てる可能性が圧倒的に低くなってる。

 

だとしたら今はこんな事をしている場合ではないッ!時計塔の情報網を駆使して敵の情報を集めないとッ!!

思わず資料室から駆け出し急ぎ始める。

「取り合えずは誰がどんな聖遺物を取り寄せて誰が聖杯戦争に行くマスターなのか調べないと!」

急がなきゃ…時間は数えるくらいしかないんだから。

 

 

―――――――

「聖杯戦争の参加者のデータか…。」

ソラウの用意してくれたデータを見ながら思考に没頭する。

しかし…これは酷い。なんだこれは…

「魔術師と呼べる者が遠坂の男しかいないでは無いか…ッ!!」

他は魔術師の風上に置けない者ばっかりだ…特にコイツは酷い、魔術師殺しの男…。

「衛宮切嗣…ッ!コイツは許せぬ男だ!!魔術の何たるかも解らぬ下賤な者め…。」

 

しかしこの男は侮れん…一撃でどの様な魔術師もどの様な方法を使ってでも確実に殺している。この男はこの聖杯戦争において尤も強敵のはず、他など私の敵では無い。

「遠阪が古代の蛇の脱け殻でアイツベルンが…馬鹿な!アヴァロンだと!?」

あれを見つけ出したと言うのか…あの聖遺物を

 

「魔術師殺しに騎士王のサーヴァントがタッグを組む…軽い悪夢だ」

どうする…考えろ、私は誇り高いロードエルメロイだッ!何か…何か策は…

 

「取り合えずホテルの1階を貸しきるのは駄目だな…奴のやり方を見るにホテルごと爆破なぞしてきても可笑しくはない。」

近くの家を買って…いやダミー用に複数用意しよう。後は人形遣いに頼んで私のダミーを複数用意して…。

「魔術師殺しに殺された者は全て魔術回路を壊されている。それにも手を打たなければ」

後…礼装も使いやすく強力な物を更に用意して…

 

いや…待てよ?

「もしや…魔術師殺しの切り札には魔術が通用しないのでは?」

自分でも巫山戯ている考えだと思う…だがあり得ない話では無い。

起源を武器に込める事など珍しい事でも無いもしかすると奴の起源が魔術に対して絶大な効果を発揮するものなのだとしたら…

 

「どうする…どうするッ!!」

考えろ…最低な…あってほしくない一番恐ろしい所を考えるのだ…私の命だけではないソラウの命も…

「ソラウが人質になる可能性も無きにしろ非ず…ソラウは時計塔にいてもらった方が」

どうすればいいのだ…最初はソラウに魔力を出して貰って私が前線に出る策は考え直した方が良いか?

「私の我が儘でソラウを殺す訳にはいかないっ…!」

 

いや…待てよ、何とかなるかもしれん

「ウェイバー…あやつがいる。私には聖杯なぞいらない、ランサーもそうだ…つまりあやつとなら確実に同盟を組める。」

 

取り合えず作戦を纏めてランサーと相談すべきだろう。小さいがランサーもまた英霊なのだ…仲間がいたと言っていたし誰かと戦っていたのかもしれん、何か策が有るかも知れんしな。

 

とり合えず今必要な事の為に行動に移す…私はこんな所で終わるわけにはならない…ッ!

先ずは不動産に連絡、そして人形遣いに連絡を取らねば…ッ!!

「時間は有限なのだ…急がなくては…ッ!」




あれ…これケイネスだけで何とかなるかも…?(尚サーヴァント)

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