一人の女性へ愛を捧げる男の物語   作:( ∴)〈名前を入れてください

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シモン(子供時代)の登場です
大丈夫そのうち大きくなるから()


召喚の儀

「やられたッ…あの小僧がッ!」

時計搭の一室、ケイネスの部屋で怒号が響く。

ケイネス・アーチボルトは天才である。

魔導の名門「アーチボルト」の嫡男であり

神童と持て囃されたエリート中のエリート最年少で降霊科講師に就任するだけでなく、政治的手腕から芸術、召喚術や錬金術といった幅広いジャンルの魔術に通じて成果を残しており、その誉れから「ロード=エルメロイ」の異名を持ち時計搭で絶大な発言力を有する

 

此れだけでも彼の凄さが分かる経歴なのだが彼にとってこの経歴は当たり前に取れた経歴でありこれが彼の全て等ではない。

 

「まさか…私の目の届く範囲でこの様な失態を犯すことになろうとは…ッ!恐らくだが… あの小僧…私の用意した聖遺物を盗んでいくとは…ッ!」

自らの発言力を使い手にいれた聖遺物をあのような小僧に盗まれる等あっては成らない事私の権威に関わる。

 

「許さぬッ…私の好意を虚仮にしてくれおってからに…。」

あの小僧が見せてきた論文…内容は悪くはなかった…だがあの小僧が発表するにはまだ時期尚早過ぎる。あやつの経歴も家の経歴も全てが足りぬ。発表しても鼻で笑われるのが関の山だとそれを教えてやってやったと言うのに…あの小僧はそれを仇で返して来るとは

 

だが既に小僧は日本へ逃亡した。恐らくこれから始まる聖杯戦争に参加する機なのだろう…大方私を見返してやるとでも息巻いているのだろうが…

「聖杯戦争は文字通りの戦争なのだ…魔術師が己が才気をぶつけ合う場…その様な場所にただの小僧が行けば捻り潰されると何故分からん?」

 

録に魔術も使えん小僧が行けば間違いなく一捻りだろう…いくら素晴らしいサーヴァントを使おうともサーヴァントを運用出来るほどの魔力が無いと意味が無いのだ。

 

「征服王の聖遺物はあの小僧が持っていったから無い…残るはディルムッドを召喚する為の触媒か…。」

あれは無い、あやつは女性関連のトラブルが酷い…ソラウへ私の武勇を見てもらうついでの箔付けの為の聖杯戦争にあの様な者を呼び出せば録な事にならん。

 

「やはり…触媒なしの召喚しかないか。」

触媒なしの召喚では相性が重視されるらしい…些か不安な面もあるが…まぁそこは私が補えるだろう。

 

 

そしてついに訪れたサーヴァント召喚の時、私とソラウで私の工房で召喚の準備をする

「ねぇ…ケイネス本当に触媒を使わないの?」

「あぁ…やはりサーヴァントを呼び出すのだから相性は必須だろう」

そうソラウに返すもやはり不安は残っている…だがあの様な不貞な輩を呼び出すよりよっぽどマシなサーヴァントが来るに決まっている。

「準備が終わったわ…」

「では…始めようか」

ソラウの声を聞き詠唱を始める。

 

 「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。 繰り返すつどに五度。 ただ、満たされる刻を破却する」

チラリとソラウの方を見やると少し不安そうな顔をしている。

 

 「―――――Anfang」

その様な顔をしないでくれ、私は必ずしや勝ち、君に勝利の凱歌を捧げよう。

 

 「――――告げる。 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

私の声が聞こえているのならば力を貸してくれ、私は彼女に振り向いて欲しい…ただそれだけなのだ。

 

 「誓いを此処に。

  我は常世総ての善と成る者、

  我は常世総ての悪を敷く者。」

どうか私の声を聞きとげてくれ英雄よッ!

私に力を貸してくれッ!!

 

  「汝三大の言霊を纏う七天、

  抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

私の思いが通じたのかサーヴァントが現界してくるのが分かる。

魔方陣の中央で魔力が渦巻き形を創っていくそして目の前に一人の少年が現れる。

「嘘でしょ…」

「馬鹿な…唯の子供では無いか…。」

目の前に現れた幼い少年に二人して思わず動揺してしまう。

「今はこんな姿だけど…後から大きくなるから安心してくれ二人とも。」

「お前は…誰だ?」

私の言葉に笑顔を見せながら返事を返してくる。

 

「初めましてだなマスター。俺はランサーのクラスで現界した」

「名をシモンジーハ、宜しく頼むマスター」

 

ゴーグルを頭に付けドリルを先端につけた棒を持って此方に笑いかける目の前の少年のステータスを見て驚愕する。

「馬鹿な…ステータス軒並みEだと…?」

そう…余りにもステータスが低いのだ。

ソラウが心配そうな顔をしてサーヴァントに話かける。

「ねぇ…シモン?貴方は本当に戦えるの?」

「あぁ当たり前だ、俺を誰だと思っていやがる。」

自信満々に言い切るサーヴァントの姿に思わず呆れ果ててしまう…だがそんな姿に安心感を覚えてしまう。

 

「それに…マスター、俺はお前のその一途な心に呼ばれたんだ。俺は絶対に負けない、必ず勝ってお前の願いを叶えてやるよ」

「お前には聖杯へかける願いが無いと云うのか?」

「無い、言っただろうお前の一途な願いを叶える手伝いをしてやりたい、其が今の俺の望みだ。」

 

そう言いながら私とソラウを見つめてくる。

そうか…お前が私の想いに答えてくれたのか…。

「そうか…これから宜しく頼むぞランサー」

「任せておけ!」

 

「まぁ正直この世界が気になったってのも有るけどな!案内してくれよマスター!」

そう言いながらランサーは私達を引っ張りながら外へ向かおうとする。

「まっ待て!引っ張るな落ち着け子供か貴様って…子供か。」

「良いじゃない案内してあげましょうよケイネス?」

「ソラウ…君が良いのならば構わないのだが。」

ランサーに引っ張られながら二人して思わず苦笑する。

何故かソラウとの心の距離が少し縮まった様な気がするのは気のせいだろうか?

 




<Servant Data>
nameシモン・ジーハ
CLASS:Lancer
STR:E DEF:E AGI:E MAG:E LUC:E
skill
螺旋力C
騎乗(ガンメン)ex
その他…現在不明

なんやこの雑魚…(驚愕)

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