一人の女性へ愛を捧げる男の物語   作:( ∴)〈名前を入れてください

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うん…またなんだ……すまない
許して欲しいだなんて思っちゃいない、だけど君逹はこれを見た後トキメキという物を感じられると思うんだ。

その心をどうか忘れないで欲しい
……さて今日の注文を聞こうか


哀れな蟲の翁は永遠の生命を欲す

 

「カカカカカ!そうかそうか成程そういうことなのだな!!」

 

雁夜が負傷して戻ってきた、胸に鉛弾をぶちこまれ息も絶え絶えでいつ死んでも可笑しくはなかった…だが今雁夜は儂の手を借りず自然治癒だけで体を癒しておる。

可笑しすぎる異常だ。本来ならば死に体であるあやつがここまで動き回れるのが可笑しいというのに更にこれだ

間違いない…バーサーカー奴だ…奴の仕業だ

奴から与えられている何らかの力が雁夜に作用しておるのだ。

雁夜に送り込んでおる虫を通して伝わって来た…今までは泳がしておったがまさかここまでの力とは思わなかったぞ。

 

「確定された死すらはね除ける程の力だったとはな…いや生命の覚醒と進化を自らの肉体の中で行っていると言うのが正しいか?」

 

雁夜は気づいておらんだろう…既に己が魔術……魔法と呼ぶのもおこがましい程の肉体へと変わっている事を……儂の支配を奴は今受けておらぬのだからな

 

ふと先程あやつから奪ってきた令呪を見ながらほくそ笑む。

……これでバーサーカーに命じ儂にその超上の力を与えさせれば……悲願であった不老不死になれる!

それどころか神に等しい存在にすらなれるだろう!!

そうなれば桜等要らぬ!雁夜にくれてやっても良い!!

 

「カカカカ…カーカッカッカッ!!!」

 

蟲の翁は嗤う、自らのこれからを…悲願を達成した己の姿を見つめ嗤いに嗤うだが己が何故その力を求めたのか…それには気付くことは出来ない。

 

「◼◼◼◼ ◼◼◼◼◼◼……」

 

「では、バーサーカーよ…その前にしておくべき事が有るな。」

 

そしてそれを後ろから見るバーサーカー

に向かい令呪を使い命を出す。

本来ならば他人からここまで簡単に令呪を取ること等出来ない……ましてや眠っている者に気付かれない様に取るなんて

 

御三家の一つマキリの党首であり令呪を作り出した男だからこそ出来る手腕だと言えよう。

 

「その狂乱の鎖を解き放ち儂の言葉を聞くのだ。」

 

その言葉に応じるかの様にバーサーカーの目に理性が戻っていく。そうしてバーサーカーの理性が戻った瞬間、辺りに圧倒的な威圧感が襲い始める。

 

「……ほぅ、貴様が儂の鎖を解き放つとは思っていなかったぞ?蟲よ」

 

「いやいや…貴方程の者に鎖なぞ必要有りますまい?」

 

「ふむ…して儂の鎖を解き放つのだ、何か望む事が有るのだろう?申してみよ」

 

その風格正しく王、何者も逆らえない重圧をを出し話始める姿に蟲の翁は飄々として言葉を返す。

その姿を暫く見つめたバーサーカーは問いを発す。何が望みだ、言うてみよと

 

「この哀れな蟲めに貴方様のお持ちになるお力をお与えになって頂けないでしょうか?」

 

「螺旋力を欲すというのか…蟲の分際で大きな事を考えたな?」

 

「はい…この蟲めにも為し遂げたい事が有りまして…。そのお力をお与えになって頂ければ私はそれが成せるのです」

 

「為し遂げたい事とは何だ?申してみよ?」

 

「無論、不老不死を」

 

バーサーカーから出る重圧が更に強くなる。一般人ならその重圧に耐えられずショック死してしまう程の圧倒的覇者の威圧感

だがそれすら蟲の翁は飄々と受け流しサラリと受け答えをする。

その姿を見たバーサーカーは耐えられないと言わんばかりに笑い始める。面白い物を見た子どもの様に大口を開けて。

 

「フハハハハハッ!!貴様、己自身にある矛盾に気づいておらぬな?」

 

「矛盾など有りませぬ…私はその為に生きているのですから。」

 

「ハーハッハッハッハッハッ!蟲よそうかそうか不老不死を望むか!良いくれてやっても良いぞ!!蟲よ」

 

「感謝します……」

 

「螺旋王と呼ぶがいい…蟲よ」

 

螺旋王がその言葉と同時に手を振り上げる、すると今まではいた暗い屋敷の中のから様々な電気音が鳴り響く場所へと変わる。

電気音以外にも何らかの蒸気音が聞こえ回りを見渡すと人と獣を足した様な生命体が入っているポットがズラリと並んでいた

 

「螺旋王よ…これは一体?」

 

「これは儂が造り出した生命体…名を獸人と言う」

 

カツリカツリと二人は歩いていく…そして暫く歩くと大きな玉座がある部屋にたどり着く。

そしてそこにある玉座に腰をかけゆっくりと息を吐く

 

「久しくこの玉座に座ったな……して蟲よ貴様に伝えなければならない事がある」

 

「何なりと仰って下さい。螺旋王」

 

「貴様が望むならば儂は永遠の命を貴様にくれてやっても良い」

「だが、貴様には螺旋力を与えてやる事は出来ぬ……絶対に。」

 

そこで言葉を区切り蟲の翁をジロリと見据え言葉を紡ぐ

 

「命とは何か?永遠の生とは一体何か…知る覚悟は有るか?」

「己が成すべき事を忘れ命を欲す哀れな蟲よ」

 

「…当然その為に、私は此処まで生きているのですから。」

 

その言葉を聞きながら螺旋王は足元に広がる乾いた大地を見下ろす

カリヤ…そしてサクラよ……お前には既に芽を与えた。その力が発露するのは一体何時になるのかは儂にも分からん。

楽しみにしておるぞ…新たな螺旋の民よ

 

「チミルフ、アディーネ、シュトマンドラそして…グアム集まるが良い。」

 

その言葉と同時に四体の獸人がその場に姿を現す。彼らは何も喋らず恭しくその場でひれ伏せ創造主たる螺旋王の言葉を待つ

久しく待ちわびた王の言葉を

 

「これより聖杯戦争の幕を開けよう」

 

「お前逹に与える命令は一つ…シモンから勝利を得るのだ。」

 

「「ハッ!!」」

 

これは一人の男の恋の物語、狂乱の鎖に縛られていた王は解き放たれ再び壁となるべく立ち上がった。

 

バーサーカー改め…螺旋王ロージェノムここに完全状態で聖杯戦争に望む。

 

 

―――――――――

「所詮はガンメン何ぞ…こんなものかぁ!!」

儂は負けられんのだ!儂が負ければ人類に未来は!!

 

「久々に楽しめたよ……小僧…土の中に帰れ!!」

儂の勝ちだ!螺旋の小僧よ!!

 

「そうか…お前より儂の螺旋力のが劣っていたという事か……」

ならば…悔いはない。お前に全てを託す螺旋の小僧…人類をニアを頼む

 

これは…バーサーカーの記憶?

「バーサーカー…お前は一体何者なんだ?」

バーサーカーと戦っているこの少年…あの時のサーヴァントか…。

 

「知らなくちゃならない…バーサーカー……お前が一体誰なのかを」

その為にはあの時の彼等に会わなくては

 




正直この展開読めてたって人結構いると思うんだ。(白目)


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