外付けオリ主で問題児   作:二見健

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第四話

『FAIRYTALE in PERSEUS』

 

 契約書類(ギアスロール)に承諾した直後、白亜の宮殿に転移していた。

 

 彦一たちの勝利条件はルイオスの撃破。ただし姿を見られた者は失格。伝承のペルセウスがメドゥーサを暗殺した時のように。、この宮殿で『ペルセウス』側に発見されたプレイヤーはルイオスに挑戦できなくなる。

 

「役割分担が必要になるわ」

 

 飛鳥が言った。

 

 黒ウサギは審判のためゲームには参加していない。

 ジン、十六夜、飛鳥、耀、彦一。

 この五人でゲームをクリアしなければならない。役割分担は必須である。

 

 そしてプレイヤー側のゲームマスター、ジンが失格になればゲームが終わってしまう。ジンに求められている役割は生き残ること、それだけだ。

 

 ジンと一緒にルイオスを倒す役割は、当然のごとく十六夜が。

 見えない敵を察知して撃退する役割は、鼻が効く耀が。

 失敗覚悟で敵の目を引きつける役割は、消去法で飛鳥が。

 

「ところで俺は?」

「お前は斥候。俺たちより先に進んで、進路の安全を確保する役割だ。待ち伏せしている相手を引きずり出したり、尊い犠牲になったりしてくれ」

 

 重要な役割だぞと笑顔でのたまう十六夜だった。

 

「そ、それは鉄砲玉と言うのでは……」

 

 偵察と囮を兼ねた遊撃、それが彦一の役割である。

 たしかに適材だろうが、死んでこいと言われているように聞こえてしまうのは気のせいだろうか。

 

 それから、十六夜が推理を披露する。

 ルイオスが所有しているギフトが、ゴーゴンではなくアルゴルだとか。星を観測して当たりを付けたらしい。何やら調べ物をしているようだと思っていたが、まさかそのようなことをしていたとは。

 

 

 

 

 

 

 

 さらにそれから。

 ギフトゲームの開始から十五分が経った。

 

 広間から野太い悲鳴が聞こえてくる。飛鳥が派手に暴れているようだ。

 

「あ、どうも。こんにちは」

「おまっ――!」

 

 バッタリと敵に出会ってしまった彦一は、疲れた笑みを浮かべて挨拶した。

『ペルセウス』の騎士である。

 抜刀して斬りかかってくるのを、彦一はサッとしゃがみ込んで回避する。

 

 同時。背後に回り込んでいた耀が騎士の背中を殴打する。彼女は不可視になるギフト、『ハデスの兜』のレプリカを頭に被っていた。

 

 彦一は透明な空間を眺めながら呟いた。

 

「……もう俺いらなくね?」

「いらないと言えば、これ幸いにサボるつもりなんだろ。お前だけ楽させるのは気に入らねぇな」

「お願いします、彦一さん。僕たちが勝利するためには、あなたの力が必要なんです」

 

 虚空から返事がする。

 『ハデスの兜』のおかげで目には見えないが、たしかにそこに十六夜たちがいるのだ。

 

 十六夜とジン少年の言葉は対照的だった。

 なお耀は無言である。姿が見えないため、どんな表情をしているのかすらもわからない。

 

「……はぁ。十六夜、十一秒後に接敵だ」

 

 少しばかり数が多い。迂回するか、隠れてやり過ごすべきかもしれない。

 日和っている彦一に、十六夜は当然のように言い放った。

 

「突破するに決まってるだろ。彦一、囮役を頼む」

「……あー、はいはい。ったく、人使いの荒いやつだ」

 

 肩を落として、ひとり前進する。

 その途中で、彦一の足が止まった。十六夜が苛立ったように口を開き欠けた瞬間。

 

「挟まれた! 二十六秒後、背後から奇襲! たぶん多いぞ!」

「全力で突破する! 全員、突っ込むぞ!」

 

 一瞬の判断、それは正しい。

 前の方が数が少ないからだ。各個撃破は戦術の基本である。

 

 しかし今回は駄目だ。

 

 敵側も役割を分担している。背後は猟犬、前方は狩人である。猟犬がプレイヤーを追い立て、狩人が止めを刺すという作戦だった。

 

 単純な殴り合いなら十六夜が敗北することはないだろう。

 だが今回は違う。十六夜が見付かったらゲームが詰む。ジンが見付かったらゲームオーバーだ。

 

「駄目だ、行くな! 黄金の盾……アテナの盾がある!」

「……黒ウサギの話では盾は失われたという話だったろうが」

 

 十六夜は忌々しげに舌打ちした。

 

「後退する」

 

 

 

 

 

 

 

 ペルセウスがゴーゴン退治の時に、神々から授かったギフトは四つ。

 

 輝く翼を持つ、ヘルメスの靴。

 神霊を殺す鎌、ハルパー。

 死国の王の兜、ハデスの兜。

 黄金の盾、アテナの盾。

 

 十六夜が説明する。

 

「女神アテナがペルセウスに授けた盾。アイギスの盾、イージス盾と呼ばれることもある。製作者は鍛冶神ヘパイストス。最強の防御力を持っており、あらゆる邪悪、災厄から持ち主を守ると言われている」

 

 背後の猟犬を片付けた彦一たちは、柱の影に隠れて作戦会議を行っていた。

 

「メドゥーサは目を合わせただけで対象を石化させる力を持っていた。女神アテナは鏡のように磨かれた盾をペルセウスに託すとこう言った。『メドゥーサと目を合わさないように、この盾に映して怪物を退治せよ』と。ちなみにアテナとメドゥーサはすごく仲が悪かった」

「最後のはどうでもいいが、おおむねその通りだな」

 

 彦一の解説が、十六夜に切り捨てられる。

 最後にどうでもいいことを付け足すのが彦一の悪癖だった。

 

 そんな二人を眺めていた耀が、首を傾げて言った。

 

「二人とも、仲いいの?」

「……いや、それは」

 

 十六夜と彦一は顔を見合わせて、揃って微妙そうな顔をした。少なくとも友達ではないな、そうだよな――と互いに確認し合っている。

 

「『アテナの盾』はおそらく『ハデスの兜』を無効化するようだ」

「間違いないのか?」

「ああ、見たからな」

 

 どうすると目で問いかける。十六夜はしばらく考えて結論を出した。

 

「本命はルイオスだ。お前らには悪いが」

「ここで俺たちを使い捨てると。まぁそうなるよな。了解した」

「気にしなくていい」

「いいんですか、それで?」

 

 ジンがそれでいいのかと困惑しているが、三人ともこれが最良だと理解していた。十六夜とジンの二人は、何があっても見付かるわけにはいかないのだから。

 

 狩人は猟犬の失敗を悟ると、門番に役割をシフトしたようだ。

 分をわきまえている。忌々しいほどに役割に忠実だった。

 おまけに迂回路は見付からなかった。つまり最奥にたどり着くためには狩人を排除する必要がある。

 

「春日部。言わなくても理解しているだろうが、俺に数合わせ以上の期待はするなよ」

「うん、わかってるから」

 

 あまりにも情けない発言だが、それが事実である。未来予知のお陰で回避力だけは優れているが、身体能力は一般人並みだ。

 

 春日部耀は友達になった動物の能力を使えるギフトを持っていた。身体能力は十六夜には及ばないにしても人間離れしており、嗅覚、聴覚は犬猫と同じである。

 

 戦闘において、どちらが有用かなど説明するまでもない。

 

 にしても。

 

「自分で言ってて悲しくなってきた」

「大丈夫。夜行君は……」

 

 肩を落としている彦一を見かねて、耀が口を開く。が、途中で言い淀んだ。

 

「彦一は、頑張ってる。ひ弱だけど」

「ひ弱じゃねぇよ! そこまでザコじゃねぇよ!」

 

 どうやら呼び方が引っかかったらしい。

 彦一にとっても気になっていた点だった。耀とは今まで特に話をしたわけではなかったので、距離感をつかみかねていた。

 

 呼び方について考えている間に、耀が兜を被って透明になった。

 彦一は溜息を吐いて、問題を棚に上げる。

 

「ようやく穴蔵から出て来たか。ゲーム終了まで逃げ回るつもりかと思っていたぞ」

「お前らがヘタレすぎて追いかけてこないからな。仕方ないから出て来てやったんだ。感謝してくれてもいいんだぞ?」

 

 騎士たち。目に見えているだけで五人。

 兜の効果で透明になっている者もいるはずだ。全部で十人は覚悟しておいた方がいいだろう。

 

 素早く彦一を取り囲もうとする騎士たちを、指揮官らしき人物が制止した。

 

「不用意に近付くな。念のため――確認する」

 

 指揮官は背負っていた盾を下ろした。黄金色に輝く盾である。

 盾の鏡面を指揮官が覗き込もうとした直後。

 

 見えない衝撃が、下から盾を打ち上げた。

 

 耀が蹴り上げたのだろう。それでも指揮官は盾を手放さなかった。

 

「やはり兜を奪っていたようだな! 見えているやつを人質にして炙り出せ!」

 

 すかさず騎士たちが彦一に襲いかかる。

 それと同時に指揮官が今度こそ盾を覗き込んだ。

 

「見付けたぞ、小娘。これで貴様らはルイオス様への挑戦権を失ったわけだ」

 

 彦一は舌打ちする。やはり問題はあの盾だ。

 全員を倒す必要はない。盾さえどうにかできれば、兜で不可視になっている十六夜とジンがその隙に通り抜けられる。

 

 彦一が下っ端の騎士たちを引きつけている間に、耀が指揮官を潰す。

 それしかないと判断した瞬間、彦一は目を見開いた。

 

 一秒後の未来。

 

 咄嗟に声を出そうとするが、どう考えても間に合わない。

 回避に専念しすぎていて、他のものを『見る』余裕がなくなっていた。

 

 指揮官が盾を振り抜いた。

 

「春日部!?」

 

 短い悲鳴が上がり、耀が地面を転がった。盾を奪おうとして、手痛い逆襲を受けたのだろう。

 

 兜が外れてしまっている。配下の騎士が手早く彼女に武器を突き付けていた。

 

「……参ったな。こっちの動きを読んでいたのか」

「俺が貴様らでもこの盾を狙う。安易な発想だったな」

 

 透明になっていても、盾には耀の姿が映っていた。指揮官はそれを見逃さず、盾を振り抜いたのだろう。

 強敵だ。彦一たちよりも、遙かに戦い慣れている。

 ルイオスの代になってから腐っていた『ペルセウス』にこれほどの男がいたとは。

 

 ならば降参するか。ナンセンス。

 

『ノーネーム』が敗北すれば黒ウサギは奪われ、レティシアも戻って来ない。準備に奔走した十六夜や彦一、飛鳥の努力は水泡と化す。玄関で盛大に敵を引きつけている飛鳥に合わせる顔がなくなる。

 

 それは面白くない。詰まらない。気に入らない。

 

「おい、小僧。降参しろ」

 

 倒れ伏している耀に剣の切っ先が向けられる。

 

「嫌だね」

「……この小娘がどうなってもいいのか?」

 

 彦一は即答する。

 

「いや。正直、詰んだと思ったんだけどな。こういう予想外があるから、箱庭ってのは面白い」

「何を言っている?」

 

 窮地に陥った後に勝利があった。

 

 ここまで予想外の出来事は初めてだった。

 笑いが止まらない。楽しかった。こんなに楽しいと思ったのは何時以来だろう。

 

「春日部! やれ!」

 

 彦一が叫ぶ。騎士たちは間に合わない。

 

 春日部耀がグリフォンから得た能力。旋風を操るギフトによって、彼女を取り囲んでいた騎士たちが後退させられた。

 

 全員の目が耀に向けられた隙に、彦一は騎士が持っていた槍を強奪する。

 

 指揮官は突き出された槍を、盾で受け止めた。受け止めざるを得なかった。

 

「ごめん、彦一!」

「気にするな! むしろナイスだったぞ!」

 

 その背後から耀が強襲する。盾を構えたままでは、その攻撃は止められない。

 

 普通なら盾を手放すしかない。凡人ならそう考える。

 事実、耀がただの女の子ならそれは間違いではなかった。

 

 だが、指揮官は戦い慣れていた。

 耀の攻撃を食らっても、一撃だけなら耐えられると誤認するほどに。

 

 耀の拳が指揮官の背中を打つ。

 歯を食い縛って痛みを我慢しようとしていた指揮官が、予想以上の衝撃に両目を見開いた。

 

「あんたは強かった。だから俺たちの勝ちだ」

 

 彦一は指揮官の手からこぼれ落ちた盾を回収すると、円盤投げの要領で明後日の方向に投げ捨てた。

 

 地面に落下して滑るように転がっていた盾が、唐突に割れる。

 

「なんだ、やっぱりレプリカか」

 

 透明になった十六夜が踏みつぶしたのだろう。

 本物の『アテナの盾』なら、あの程度の衝撃で壊れるわけがない。十六夜の声には残念そうな響きが含まれていた。

 

「……ずるい」

「ああ。反則だよな、あれは」

 

 これで終わりだ。

 第三宇宙速度で吹き飛ばされている騎士たちを眺めながら、彦一と耀は溜息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 あれから。

 十六夜がルイオスを撃破した。やつが使役していた『アルゴールの魔王』という、わけのわからない存在すらボコボコにしてしまったらしい。

 彦一たちは気付かぬうちに『アルゴールの魔王』の石化の光を浴びて石にされていた。

 

 こうして金髪ロリ吸血鬼のレティシアが、協議の結果メイドになった。

 

「結局ルイオスってどんなやつだったんだ?」

 

 彦一だけは一度もルイオスの顔を見ていなかった。

 悪辣で品性がなくて、おまけに力は先祖の七光りで、味方を巻き添えにして石化させた、とにかく最低なやつだったという。ここまで救いようのないやつは珍しい。かえって興味が湧くというものだ。

 

「知らない方が幸せかもしれない」

「そういうものか?」

 

 ペルセウスとの勝負の翌日。

 彦一たちは祝勝パーティーのための買い出し中だった。

 

 ついでにレティシアに着せるメイド服を探そうとノリノリの飛鳥が提案。なぜか使用人扱いされているレティシアが乗り気で、黒ウサギが頭痛を堪えていた。しかし服飾店に入った瞬間、黒ウサギもノリノリになった。

 

 なお十六夜は何時の間にか居なくなっていた。

 

 女性陣が「あーでもない、こーでもない」と、やんややんやとレティシアのメイド服を見繕っている中、耀が退屈そうな顔をして店から出て来た。

 

 本日の耀もジャケット、ショートパンツ、ニーソックス、ブーツである。

 何とも色気のない姿をしている。端正な顔立ちをしているのに、衣服へのこだわりはこれっぽっちも感じられなかった。

 

 失礼なことを考えていると、耀が抱いていた三毛猫が彦一を睨んだような気がした。

 

「はいはーい! ごめんなさーい、通して下さいねー!」

 

 猫耳の少女が通りの中央で声を上げている。スペースを空けるように通行人たちを誘導しているみたいだった。

 ガラガラと馬に引きずられているのは荷台のようなものだった。

 

「馬車?」

「いや、戦車だな」

 

 車輪は三つ、前輪一つに後輪二つだ。車体は上から見下ろせば三角形に近いのがわかるだろう。

 馬車ならもっと機能的に、積荷を乗せられるように空間が作られている。

 鉄板で覆われている部分もある。あれは戦闘用だ。

 

「おや、先日の旦那さんじゃありませんか」

 

 猫耳少女がふと立ち止まる。彼女は彦一たちの方を向いていた。

 

「俺?」

「違う」

 

 バッサリだった。耀が言うには、どうやらこの猫耳少女は『六本傷』というコミュニティが経営している喫茶店で働いているらしい。

 

 猫耳の少女が話しかけている相手は、耀が抱いていた三毛猫だ。

 猫の言葉がわかるのかと彦一は感心した。

 

「で、あの戦車は何なんだ。戦争でもするつもりか?」

「やだなーお兄さん。そんな面白くない冗談を言っていると轢いてしまいますよ?」

 

 猫耳少女が尻尾を揺らしながら悪戯っぽく笑う。

 

「『ペロプスの戦車競走』が行われるんですよ。うちの『六本傷』もちょっと顔を売っておこうかと思いまして」

「それもギフトゲームか……おっと」

 

 彦一が口を滑らせたと後悔した時には、もう手遅れだった。

 

 ギフトゲームというフレーズに耀が反応する。

 表情は薄かったが、心なしか期待に目を輝かせているように見えた。

 

「それ、今からでも参加できるの?」

「えーと、開催日は明日なので、今からエントリーするのは難しいかもしれませんね。もしかしたら飛び入りで参加できるかもしれませんが。運営に問い合わせてみてはいかがでしょうか?」

「ちなみにそれは何人で参加するゲーム?」

「二人です。戦車を操る騎手が一人、他プレイヤーを妨害する戦闘員が一人ですね」

 

 こっそりと姿を眩まそうとしていた彦一は、あえなく耀に捕捉されてしまった。

 

 苦笑いしている猫耳少女に道を聞くと、耀は彦一を引きずって運営本部に赴いた。

 

 このギフトゲームは複数のコミュニティが連名で主催している。

『フォレス・ガロ』の所為で暗い雰囲気になっていた東区を盛り上げようという意図のようだ。

 

『サウザンドアイズ』はともかく『ペルセウス』も出資していると聞いて、彦一たちは複雑な気分になった。

 

 東区の商工会議場に間借りしている運営本部に顔を出してみると、見知った人物がパイプ椅子に座っていた。

 

 白夜叉である。

 退屈そうな顔をしていた彼女は彦一たちに気付くと、広げていた扇子を閉じて腰帯に差してから、よいしょと立ち上がった。

 

「彦一か。おんしらも参加するつもりか?」

「も、ってことは、他にもいるのかよ。まさか十六夜じゃないだろうな?」

「彦一、それフラグ」

 

 白夜叉が微笑んだ。またもや彦一の失言である。

 

 彦一は頭を抱えた。

 

 十六夜とやり合うなど冗談ではない。

 普段の彦一ならここまで参加を嫌がらないだろうが、彼はここのところギフトゲームばかりでいささか疲れていた。未来予知をフル回転させると著しく消耗するのである。

 

「いや、待てよ。春日部が十六夜と出ればいいんじゃないか?」

「残念だが、それは不可能だ。十六夜は黒ウサギと出るようだぞ」

「勝手に名前を書いたのかよ……」

 

 ショッピング中の黒ウサギも泣いて喜ぶに違いない。

 

 彦一は観念してエントリーシートに記名した。

 

 

 

 

 

 

 

 で、結局のところ。

 

 十六夜、黒ウサギのチーム。

 彦一、耀のチーム。

 飛鳥、レティシアのチーム。

 

 ジンを除く全員が参加することになった。仲間はずれにされたようなジンは、コミュニティの子どもたちを引率するから別に構わないと語っていた。あと勝手に参加が決められていた黒ウサギは泣いて喜んでいた。

 

「で、これが俺たちの戦車ってわけだ」

 

 大会用のレンタル品である。

 車庫から引きずり出された戦車を眺めて、彦一は溜息を吐いた。

 

「これ、ボロボロなんだけど。どういうこと?」

 

 耀が運営の係員に説明を求めている。

 おそらく耀が求めている答えは返ってこないだろう。

 

「『ペロプスの戦車競走』って名前だからな。こうなるのは仕方がない。それよりも、これから先のことを考えようか」

「……先って、これでどうやって勝つの?」

 

 耀は不満そうだった。

 このボロボロの戦車では走行中にバラバラになりかねない。

 

 そうなれば彦一たちは大怪我を負う。最悪、命に関わる。

 

 と言うよりも、そもそも、こんな戦車では出場は認められないはずだ。

 怪我までなら許容できるだろうが、死人が出るほど危険なギフトゲームは開催できない。

 

 この戦車で出場しようとすれば失格になるだろう。

 

 彦一は『ペロプスの戦車競走』のことを説明した。

 

「伝承によればピサのオイノマオス王は娘の求婚者たちに戦車のレースを挑み、敗れた者たちを殺して死体をさらしものにしたそうだ。その横暴に立ち向かったのが、求婚者の一人であるペロプスだった」

 

 ペロプスは王の戦車に細工をさせた。

 結果、オイノマオス王はペロプスとの競走に敗れて命を落とした。

 

 これは余談だが、戦車競走とはオリュンピアの大祭――古代オリンピックの起源になったと言われるほどの歴史ある競技である。

 

「ペロプスは卑怯な手段で勝利した。そして私たちにもそれを推奨している?」

「それしかないだろう。俺もこの戦車を見るまでは半信半疑だったが」

「つまり」

「奪うしかない」

 

 たとえば昼間、猫耳少女が運ばせていた戦車。

 奪う。奪えないなら破壊する。それがこのギフトゲームの裏の顔だ。

 

「彦一、悪い顔してる」

「え、マジで?」

 

 思わず顔を押さえた彦一に、耀が小さく微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「と言うわけで、ついに始まったぞー! 『ペロプスの戦車競走』! 実況は『サウザンドアイズ』の白夜叉が、解説には『フォレス・ガロ』を討伐したわれらがニューヒーロー、英雄ジン・ラッセルを拉致してきたぞ!」

「うおおおおぉぉぉぉぉ!」

「白夜叉様ぁぁぁ! 結婚してくださいー!」

「ひゅーひゅー!」

 

 マイクを使っていないのに、なぜか会場全体に響き渡る大音声で白夜叉が叫ぶ。

 

 白夜叉。東区が誇る最強の駄神である。

 

「白夜叉様……」

 

 東区の階層支配者(フロアマスター)。

 あんなのでいいのかと黒ウサギが頭を抱えている。

 

 会場はローマのコロッセオを模したような闘技場だった。

 ギフトゲームのために用意された世界である。

 ここは箱庭にあって箱庭ではない。白夜叉のゲーム盤や、ペルセウスの白亜の宮殿のように、隔離されている別世界だった。

 

「ちょっと! 私たちが参加できないってどういうことなの!?」

「落ち着け飛鳥。どうやらこの勝負、私たちの負けのようだ」

 

 運営に抗議していた飛鳥が、レティシアに諭されている。ボロボロの戦車をそのまま持ち込んだのである。

 やはりあのままでは失格だったのか。彦一はホッと安堵の息を吐いた。

 

 彦一たちが用意したのは『六本傷』から強奪してきた戦車である。

 通行人たちに見せびらかすように運んでいたのは、もしかすると選手に奪われるためだったのかもしれない。

 

 などと考えていると、胡散臭い笑顔の飛鳥が近寄って来る。

 

「ねぇ、彦一君」

「駄目」

 

 バッサリと拒否したのは耀である。飛鳥の笑顔が固まった。

 

「戦車は譲らない。彦一とも交代させない」

 

 まぁそうだろうなと彦一は思う。

 飛鳥が出場するためには戦車を強奪するか、選手を辞退させて代役として割り込むしかない。

 

 飛鳥は溜息を吐いた。

 

「……そうよね。ごめんなさい。往生際が悪かったわ。だから春日部さん、そう怒らないで」

「大丈夫、怒ってない。次は一緒に出よう」

 

 仲睦ましい光景だった。レティシアが嬉しそうにしている。ちなみにこの金髪ロリ吸血鬼、すでにメイド服を着ている。

 

「で、十六夜たちはどうやって戦車を手に入れたんだ?」

「他の選手にギフトゲームを挑んで分捕ってきただけだが」

 

 正攻法だった。

 彦一たちは運営側が用意した既定路線に則っただけだ。他の選手を蹴落とした十六夜の方が、ペロプスに相応しい手段を取っている。

 

「彦一」

「なんだ?」

「勝とうね」

 

 やるからには勝利を目指す。彦一は耀に頷き返した。

 

 

 

 契約書類(ギアスロール)文面。

 

『ギフトゲーム 『ペロプスの戦車競争』

 

 参加資格  自前で実用に耐える戦車を用意する。

       一チームにつき選手は二名までとする。

       内一名が騎馬の操作、一名が戦闘要員である。

 

 

 勝利条件  最速で三往復したコミュニティが優勝。

 

 敗北条件  騎手が落馬した場合、戦闘要員が残っていても敗北とする。

 

 禁止事項  騎馬および落馬したプレイヤーへの攻撃。

       危険行為については、審判による審議によって可否を決める。

       スポーツマンシップに則ってプレイしましょう!

 

 宣誓

 上記を尊重し、誇りと御旗の名の下、ギフトゲームを開催します

               大会運営コミュニティ代表サウザンドアイズ印』

 

 

 

「ところで『ノーネーム』からは二チームが参戦していますが、これについては問題はないのでしょうか?」

 

 解説席に座っていたジンが白夜叉に尋ねている。

 

 ちなみに『ノーネーム』は旗も名も持たないその他大勢という意味である。

 正確な登録名は『ノーネーム』ではなく『ジン・ラッセル率いるノーネーム』にしなっている。

 

「ふむ。本来ならあまり好ましくない行為だが、禁止事項のところに『スポーツマンシップに則ってプレイしましょう』とあるだろう」

「はい。あまり見かけない文面ですが、これには何らかの意図があるのでしょうか」

「左様。たとえば『ノーネーム』の二チームが協力した場合は、この禁止事項に抵触してしまい失格になるだろう。もっとも、これは『ペロプス』の競技だから、多少の卑怯ぐらいは受け入れるしかあるまい」

 

 ところで実況と解説が入れ替わっているぞと白夜叉に言われて、ジンは曖昧な笑みを浮かべた。とりあえず笑っておこうというような表情だ。

 

「彦一さーん! がんばってくださーい!」

 

 客席から子どもたちが手を振っている。声を上げたのはリリだった。

 参加できなかった飛鳥とレティシアも傍にいる。

 

 耀は騎馬に声をかけていた。首筋を撫でて、頬を押し付けている。

 

 戦車を牽引する騎馬は、それぞれ二頭ずつ、運営側から割り振られている。馬は耀が選んできたものだ。彼女の目利きに間違いはないだろう。

 

「チーム『俺様と黒ウサギ』の入場だー! 生意気そうな顔をしているのが逆廻十六夜! とにかくムカつく! すごくムカつく! そして黒ウサギは私の嫁!」

「ちがいます!」

「白夜叉! テメェふざけんな!」

 

 選手の入場が始まっていた。彦一たちも係員に誘導される。

 

「そして『ノーネーム』の二番手。チーム名は『レジェンドひこいち』だ! レジェンドって何だ? そしてなぜ平仮名なのか!」

「なんだそりゃ!? おい春日部、お前か!? お前なのか!?」

「彦一が伝説になることを願って名付けてみました」

「意味わかんねぇぇぇぇ!?」

 

 頭を抱えてシャウトする。こんなの彦一のキャラではない。彼をここまで振り回すとは、春日部耀、恐ろしい娘だった。

 

「れ、レジェンド彦一さーん! がんばってくださーい!」

「……リリ」

 

 悪意がないのが余計に悲しかった。

 

 さて、試合会場は学校のグラウンドのような形をしているが、選手たちはその外周を走るわけではない。

 横一列に並んでスタートする、シャトルランのような形式である。

 

 片道四百メートル。三往復のため、合計で二・四キロメートル。

 ゲーム時間は五分もかからないだろう。それなのに客席はほとんど埋まっていた。

 

 選手たちがスタート地点に着く。

 

 開始十秒前になった。

 

 彦一は武器の棒切れを握り締めた。馬を操るのは耀の仕事で、彦一はこの棒で他プレイヤーを蹴落としたり、攻撃から耀を守ったりする役割を担っている。

 

 聴衆が固唾を飲んで、スタートの合図を待っていた。

 

 白夜叉が右手を高々と掲げる。

 

「準備はいいな? 位置について……」

「――っ!」

 

 その手が振り下ろされ、指先が地面に向く直前。彦一は叫んだ。

 

「春日部!? 右に突っ込むぞ!」

「始め!」

 

 瞬間、いきなり左隣のチームが横転する。

 二頭の馬を操るのタイミングがずれて、スタートに失敗したのだ。

 

 直進していたら、彦一たちの戦車も巻き込まれていただろう。

 

「おーっと! チーム『桶狭間』がクラッシュだぁー! 巻き込まれそうになった『レジェンドひこいち』は華麗に回避! まるでアクシデントを予知していたかのようだ!」

「ファインプレイですね。『桶狭間』の選手は無事でしょうか。あ、ただ今情報が届きました。どうやら怪我人はいないようです!」

「それは重畳。開始早々に負傷者が出ては幸先が悪いからの」

「ペロプスの競技ですから、当然こういうことも起こってしまうんですよね。もしかすると『桶狭間』の戦車には細工がされていたのかもしれません」

 

 解説のジンが呟いていた。

 王の戦車に細工をしたペロプス。逸話そのままに他者を蹴落としたプレイヤーがいるのだろう。

 

「ともあれ連鎖クラッシュにならなかったのは春日部のお陰だな」

「彦一の予知も。あと、この子も」

 

 耀の言うこの子とは騎馬のことだろう。耀の言うとおり、どれか一つでも欠けていれば彦一たちは敗北していた。

 

 難局を切り抜けたと彦一が安堵した直後。

 

「――っ、十六夜か!」

 

 彦一の頭上を棒が通り抜ける。

 

「やはり回避したか、彦一。敵に回してみると厄介なギフトだな」

「……反応できる速度で打ち込んできたくせに」

 

 彦一の反応よりも速く打ち込めば、未来予知など何の役にも立たない。

 先ほどの一撃は手加減されていたのだ。

 

 そして先頭集団が一回目のターン地点にたどり着いた。

 

「戦車競走ではこの反転する地点が最も危険だと言われています。Uターンする際に馬が混乱してしまったり、戦車同士が激突してしまう、事故の多発地帯になっているんですよね」

「うむ。今回は何チームが脱落するのか! はたまた何チームが生き残るのか! おーっと、チーム『俺様と黒ウサギ』の逆廻十六夜が、ターン中の敵チームを蹴散らしているぞ!」

「……十六夜さんですからね」

 

 白夜叉の言うとおりだった。

 彦一が振り返ると、背後には死屍累々と選手たちの戦車が散乱している。

 

「十六夜さん! あなたは何をなさっているのですか!?」

「ん? 後ろのやつらが周回遅れになって邪魔になる前に退かしておいただけだが?」

「罪悪感ゼロ!? これで黒ウサギたちは完全に目を付けられましたよ!?」

「向かってくるならかえって楽だ。迎え撃つだけだからな」

 

 悪びれもしない十六夜に、黒ウサギが悲鳴を上げている。

 

 腕に覚えのあるプレイヤーが十六夜たちに突っかかって、返り討ちに遭っていた。残っているのは七チーム。半分が十六夜によって排除されたことになる。

 

 無茶苦茶だ。彦一の頬が引きつった。

 

「速度を上げる。落ちないでね、彦一」

「……逃げ切る。それしかないか」

 

 チラリと背後を覗き見た耀が、しばらく考え込んでから、覚悟を決めて宣言する。

 彦一は戦車にしがみついた。

 

「ヤハハ! どいつもこいつも骨のないやつらばかりだな!」

「骨のない……軟体動物?」

「どうでもいいから、頼むから走りに集中してくれ!」

 

 折り返し地点、これで一往復。あと二往復だ。

 十六夜たちは、あらかた掃除を終えたからだろう。他者を蹴落とすのを止めて、スピードを上げだした。

 

 馬を操る黒ウサギも大したものだ。十六夜の要望に応えられるだけの技量を持っている。

 

「トップは『レジェンドひこいち』! ……この名前、どうにかならんのか? そして後続は『俺様と黒ウサギ』だ! ……おい、こいつらふざけてんの?」

「お、おそらく本人たちは真面目かと」

「ともあれ『ノーネーム』の二チームがしのぎを削っておるな。どちらが勝つか見物だぞ」

「『俺様と黒ウサギ』は馬に無理をさせているようにも見えますね。『レジェンドひこいち』に勝機があるなら、そこしかないでしょう」

 

 十六夜たちは他チームを蹴落とすために奔走していた。ジンの指摘は的外れではない。

 

 だからといって油断はできない。あの十六夜がそこまで考えていないわけがない。

 

「お前の考えている通りだぜ、彦一」

 

 十六夜が不敵に笑いながら、棒切れを彦一たちに向けた。

 

「俺たちの戦車は、鉄板で補強されていない。全チームの中で一番軽い戦車だ。馬の疲労はお前らとそう変わりはしない。これで条件は五分ってことだ」

「……正気かよ」

 

 元より競技用の戦車である。防御のための鉄板は最低限しか施されていない。

 それを取り払うと言うことは、ちょっとした接触だけで車体がバラバラになる可能性があると言うことだ。

 

「当たらなければ、どうと言うことはないからな」

 

 本当に無茶苦茶だ。彦一は絶句した。

 十六夜は大破するかもしれないというリスクすら楽しんでいる。

 

 二往復目。

 

 ついに十六夜チームに追いつかれる。競馬では追う側の馬の方が有利、だったか。競馬など見たことはないから詳しくは知らないが、彦一たちはラストスパートをかけるまでのペースメーカーにされていた。

 

「ほらほら、追いついてしまったぞ! お前らが優勝している未来は見えたか? 見えなければ見えるようになるまで必死に足掻いてみろよ!」

「……いや」

 

 彦一は首を横に振った。

 

「まだ見えていないが」

「なんだ、諦めるのかよ?」

 

 十六夜の顔から笑みが消えた。

 

「マキャベリズムは嫌いなんだがな。やるからには徹底的にやれっていうのは間違いではないようだ。世の真理ってことか」

 

 対照的に、彦一が笑った。

 

「中途半端に他のやつらを残したのが、お前の敗因だ」

 

 ――直後、十六夜の戦車が左右から挟み込まれていた。

 

「こいつは俺たちが引き受けた! 頼む! あんたたちが優勝してくれ!」

「テメェは調子に乗りすぎなんだよ! 競技をぶっ壊しやがって!」

「この日のために練習してきた俺たちの身にもなれ!」

 

 十六夜の走行を妨害しているプレイヤーが叫んでいる。

 

 十六夜はこのゲームで、彦一と耀しか見ていなかった。

 格下を舐めきったプレイングが、彦一たちを勝利に導くのだ。

 

「……げっ。やり過ぎた」

「YES! だから言いましたよね、目を付けられてますって!」

 

 自滅のような、呆気ない幕切れである。

 

 十六夜チームが他チームに妨害されている間に、彦一たちがゴールしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 ギフトゲームの賞品は大量の食糧だった。

 戦車競走の翌日に開かれた祝勝会ですべて消費されてしまったのだが、子どもたちが喜んでいたのでよしとする。

 

「財政難か。しばらくは稼ぐためにギフトゲームだな」

 

 屋敷の外で腹一杯になるまで飲み食いして、どんちゃん騒ぎをしていたのが、つい先ほどまでのこと。

 宴の酣は過ぎ去り、各々ゆったりと過ごしている。

 

 十六夜と黒ウサギが空を見上げて話をしていた。箱庭の世界の星座について語っているようだ。

 

 箱庭の空にあったペルセウス座は失われた。彦一たちが落としたのである。

 

「あれが天馬座だよとか気の利いた台詞でも言えればいいのにな」

 

 ペルセウスが切り落としたメドゥーサの首からペガサスが生まれたという。

 

 ペガサス座もこの空に浮かんでいるのだろうが、それがどこにあるのか彦一にはわからなかった。

 

「星座、わかるの?」

「わからん。全然わからん」

 

 地面に寝転がっていた彦一の傍に、耀がしゃがみ込んで声をかける。

 

「昨日は楽しかった。だからありがとう」

 

 何のことだと怪訝に思った。戦車競走のことだろうか。

 

「いや。俺、文字通りお荷物だっただろ。スタートの時しか役に立ってなかったが」

「関係ないよ。楽しかったから、ありがとうって言ってる」

「……無粋だったか」

 

 役に立つか、立たないか。

 耀にとっては、そのようなことはどうでもいいのだろう。

 

 彼女は友達を作りに箱庭にやって来た。損得関係を持ち出せば、友人とは言えなくなる。

 

 三毛猫が彦一の腹の上に乗っかった。

 

 やはり睨まれている気がする。

 猫に引っかかれる未来を見てから、彦一は身体を起こした。

 

 耀が三毛猫を抱き上げて、めっ、と叱っている。

 

「駄目だよ。彦一は友達だから」

「……と、友達」

 

 友達。わからない。全然わからない。

 

 星座がわからない――それよりも深刻な顔をして、彦一は狼狽して逃げ出した。友達ゼロの問題児は、かつてないほどに動揺していた。

 

 家族、友人、財産。すべてを捨てて箱庭に来た。

 

 その選択は正しかったのか。夜行彦一はまだ結論を出していない。

 

 

 

 

 




・今回
飛鳥ェ…ではなく耀メインの回でした。この子、書くのが難しいです。

・春日部耀
耀ヒロインのSSをよく見かける気がする。長門みたいな人気があるのかな。

・ジン君
やっと出番が増えたと思ったら解説役でした。テリーマンか雷電か。

・レジェンドひこいち
オリ主、伝説になる(嘘)

・アテナの盾
原作では出て来ないギフト。オリ展開です。
黄金の盾、あるいは青銅の盾。
伝承ではゴーゴンの生首を埋め込まれ、さらに無敵になったとか。
fateのアイアスの盾ではないからね。名前が似ているけど間違わないように。
(作者は素で間違えかけました)
なお本作に登場したアテナの盾はレプリカですが、かつて『ノーネーム』が所有していた鉱山とヘパイストスの神格具によって再現されたという設定になっています。どうでもいい裏設定です。

・古代オリンピック
女人禁制で、破った者は死刑である。
男祭り。理由はゼウスの祭典のため。おまけに選手は全員全裸。ゼンラーマン。
ヘラの祭典という女版オリンピックもあるが、残念ながらこちらは全裸ではなく半裸である。

・次回
原作一巻はこれにて終了。
次回はレティシア。いや、そろそろホモルートに行くべきだろうか…。

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