チートじゃ済まない   作:雨期

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オリンピックってやっぱりいいですね。


第74話

 スバルのテンションが妙に高いとの報告をティアナから受けた。いつも一緒にいるティアナが言うほどなのだからとんでもなくテンションが高いんだろう。しかしテンションが高くて悪い事もないからなぁ。とりあえず理由くらいは聞こう。

 

「よっ、スバル」

 

「要さん! 今日もいい天気で絶好の訓練日和ですね!!

 

「お、おお。ご機嫌だな。何かあったようだな」

 

「分かっちゃいます? でもどうしようかなぁ、まだ秘密にしようかなぁ」

 

「言えない事なのか?」

 

「言えないってわけじゃないんですけど、うふふ。こういうサプライズ的な事は」

 

「要さん、こんなとこおったん。今日は六課にスバルのお姉さん達が来るから歓迎の準備手伝って」

 

「あー!! なんで言っちゃうんですかー!!」

 

 なんだ、そんな事か。確かに同じ部隊に家族が来るのは嬉しいかもしれないが、そんな事で浮かれてもらっては困るな。

 

「てかはやて、俺は六課隊員じゃないんだからこき使うなよ」

 

「ええですやん。男手はいるんです」

 

 かったりぃ。ヴァイスとかエリオとかを酷使しろよ。どうせまた数十キロもあるような荷物を持たされるんだろうな。逃げようかな。

 

「要おじさん! これ手伝って!」

 

「おっ、花冠か。しゃーねぇな。いいかヴィヴィオ、これはここをこうしてだな」

 

「えっ、何この態度の違い。要さんはロリコンなん?」

 

「アホか。お前はこんな小さな子の願いを払い除けれるのか?」

 

「そりゃできひんけど」

 

 もう1年もしないうちに一児の父となるんだ。子供の扱いくらい今のうちから慣れておかないと。ヴィヴィオを練習台にしているようで悪いが、今ヴィヴィオを大切にする気持ちに嘘偽りはない。

 

「ほら出来た」

 

「ありがとう要おじさん!」

 

「これくらいならいつでも言いな」

 

「噂とはかなり違いますね、一条曹長」

 

「誰だお前さん」

 

「ギン姉!!」

 

 へぇ、彼女がスバルの姉か。確かに見た目はどことなくスバルに似ているが、雰囲気はスバルと比べたらかなりしっかりしている。流石は姉ってとこか。

 

「スバル、相変わらずね」

 

「それってどういう意味?」

 

「そのままの意味よ」

 

「いやぁ楽しそうで何よりや」

 

「八神はやて二佐ですね。初めまして、ギンガ・ナカジマ陸曹です」

 

「よろしくや。しかし思ったよりはよう来たね」

 

「実は妹が心配で私だけ先に来たのです」

 

「あー! ギン姉ひどーい!」

 

 なかなかいい姉じゃないか。これで俺を警戒していなければもっといいんだが。俺が何かやったか?

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 ギンガとその他の隊員の軽い歓迎パーティーが執り行われた。食事をして親交を深めるだけだが、ギンガが俺と距離を置いている。まあ俺は六課隊員じゃねぇからいいけどよ。

 

「本当に久しぶりだねギンガ」

 

「あの火災以来ですからね。フェイトさんと同じ職場で働けて嬉しいです」

 

「私も嬉しいよ。それはそれとして、なんだか要を避けてない? 確かに要は六課隊員じゃないけど、一緒に働く事も多いから仲良くしないと」

 

「それは…………」

 

「俺は気にしねぇよ。無理に合わせる必要もないからな」

 

 あー酒うめぇ。昼間に飲める機会なんてそうそうないからいい気分だ。

 

「だが一条、共闘する可能性がないわけでもないだろう。少しは知ろうとは思わんのか?」

 

「思わねぇな。嫌がる相手に合わせろってのかシグナム」

 

「そうは言わん。しかし理由を知らぬまま嫌われ続けるのも本意ではなかろう」

 

「ギンガが話してくれればなんとでもするさ」

 

 無理矢理聞き出したところで何も言わないのは見えている。ギンガから切り出すまで俺は何も

 

「…………話します」

 

「決断早いな。んじゃ教えてもらおうか。どうして俺を嫌っているか

 

「嫌っていた、というわけではなく警戒していたのです。貴方が人殺しをしたという噂を聞いたので。そんな人物が妹の傍に居て大丈夫か心配だったんです」

 

「……………………なんだそれかよ」

 

 あれって結構噂になっていたんだな。確かに他の輩にもなんか言われる事が多かったし、ある依頼をした時にユーノにも心配されたな。

 

「信じる信じないはお前次第だが、俺が殺したのは人型の怪物だ。勘違いされてもしょうがないな」

 

「信じていいのですか?」

 

「お前次第だっての」

 

「大丈夫だよギン姉。ぶっきらぼうだけど優しいのが要さんだし」

 

「そう、ね。子供にあんなに優しかったもの。疑う私が愚かだったわ。申し訳ありません一条曹長」

 

「いや謝る必要はない。疑うのは大切だ。その気持ちを忘れるな」

 

 実際俺が人殺しをしていないという証拠はない。というか知っている奴は少ないが、裏の仕事で人殺しをした事はある。管理局の上からの依頼だったから揉み消されているけどな。

 

「あー、なんか肩が凝ったな。すずか、トレーニングルームの鍵くれ。体を動かしたい」

 

「分かりました。でも環境設定とかは自分でやって下さいよ。みんなはパーティーしたいんですから」

 

「了解」

 

「一条曹長、私もお付き合いします」

 

「駄目ですよ。ギンガさんはパーティーの主役じゃないですか。それに要さんのトレーニングはネジが数本飛んでますから常人は死んじゃいます」

 

「ティアナ、今度トレーニングルームに招待しよう」

 

「ひぇっ!? 遠慮します!! まだお兄ちゃんに会いたくないです!!」

 

『アハハハハハハ』




アリサ「最近は室内で何かするのが捗りますねシャマルさん」

シャマル「そうね、内職楽しいわよ」

アリサ「どんな内職なんですか?」

シャマル「ボールペン組み立てよ。基本的な内職ね」

アリサ「地味ですね」

シャマル「地味だから内職なのよ」

アリサ「それはどうなんでしょう。では今日は何の日お願いします」

シャマル「本日2月12日は『レトルトカレーの日』よ」

アリサ「わーいカレー! アリサ、カレーだーいすき!」

シャマル「そのセリフは消えてしまうわ」

アリサ「レトルトでもルーでも香辛料からでもカレーっていいですよね」

シャマル「特に日本のカレーは好き嫌いが少ないと聞くし、海外でも評価は高いみたいよ」

アリサ「そういえば今度の更新は2月14日。番外編みたいですよ」

シャマル「その日は…………」

アリサ「そういう事です。ではまた次回」

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