チートじゃ済まない   作:雨期

8 / 99
最近ラムネ菓子にはまっています。たまに食べると美味しいよ。


第7話

 私こと高町なのはは夜の学校でジュエルシードを探していたのです。でもまさかあんな事になるなんて……

 

「にゃあぁぁぁぁぁ!?」

 

「なのは落ち着い 」

 

「いやぁぁあああぁぁあああ!!!」

 

ーーカタカタカタカタカタカタカタカタッ

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 土曜日の夜に私がユーノ君と魔法についての勉強をしていた時でした。

 

「! ジュエルシードの魔力だ!!」

 

「行こうなのは!」

 

「うん! 要君も呼ぶね」

 

 ジュエルシードが発動した魔力を感じて要君に対して念話を送ったのだけれど、全く返事がない。ううん、返事がないというよりか念話が届いてない感じがする。

 

「どうしたの?」

 

「携帯に電話してみる」

 

ーープルルルプルルル

 

『もしもし?』

 

「要君! 今ジュエルシードが」

 

『わり、今旅行中でホテルなんだ。明日の朝には帰る』

 

ーープープー

 

 切れちゃった。まさかこんな時に限って要君が旅行中なんて。でも考え方によってはいい機会かもしれない。いつまでも要君が前に居るという事に頼ってはいられない。

 

「私達だけで頑張ろう」

 

「仕方ないね。全力でフォローするよ」

 

「その言い方だといつもは全力じゃないみたいだよ」

 

「ええっ!?」

 

「冗談だよ」

 

 ユーノ君がどれだけ頑張っているのか、私も要君も良く知っているよ。だから私達も全力で手伝うんだから。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 ジュエルシードがあるのが夜の学校なんて思わなかったよ。今はユーノ君が結界を張っているから誰かに見られたりする心配はないようだけど、そういうのを抜きにしても夜の学校は怖いよ。

 

ーーガタッ

 

「ひゃっ!? か、風かぁ」

 

 少し窓が揺れるだけでも体がビクついてしまう。お化けなんて居ないお化けなんて居ないお化けなんて居ないの!! だから怖がるな私!!

 

ーーキーンコーンカーンコーン

 

「ひっ!」

 

「ただのチャイムだよ」

 

「う、うん……」

 

『ガガッ……高町、なのは……さん……ガピッ……至急、音楽室まで……ガッ……来てく、ださい』

 

「「…………」」

 

 だ、誰かにバレたの? でもそれなら放送で呼び出したりしないよね。しかも音楽室なんて。だって今は9時だよ。自動で鳴るチャイムならまだしも、結界内で放送をする人なんて居るはずがないんだよ。

 

「行こう。音楽室ってどこ?」

 

「上の階……」

 

 私達はゆっくりと階段を登りながら音楽室へと近付く。音楽室だから変な音くらい聞こえてくると思ったのだけど、そんな事はなかったみたい、

 

「開いてる……し、失礼します」

 

 鍵が掛かっていない音楽室の扉を開けて中を覗く。誰も居ない。居なかったら居なかったで怖いの。

 

「高町なのはさん」

 

「にゃっ!?」

 

「! なのはに近寄るな!!」

 

「うぎゃあぁぁぁぁあ!?」

 

「あ、あれ?」

 

 突然後ろから声を掛けられて動きが止まってしまったけど、ユーノ君が守ってくれたようで私の後ろに居た何かは消えたようだった。でもユーノ君の驚きようは何だったんだろう。

 

「今の人、ジュエルシードの魔力の結晶だったよ!」

 

「えっ、じゃあこれまでの怪奇現象はジュエルシードのせい? でも誰の願い事を叶えたんだろ」

 

「多分僕達だ。一昨日観た映画は覚えている?」

 

 一昨日って確かテレビでやってた映画かな。確かにあれも学校を舞台にした映画だったような。

 

「そのシチュエーションと良く似ているんだよ。きっとジュエルシードの魔力を感じた時はジュエルシードから溜まった魔力が漏れていた程度だったんだ」

 

「そこへ私達が来た。夜の学校だから私達は無意識のうちに映画を思い出してジュエルシードはそれを叶えたの?」

 

「僕の予想が正しいならね。なのはもよく分かったね」

 

 だってそれくらいしか当てはまりそうなのが無いんだもん。だったら映画の怪奇現象を全て乗り越えないとジュエルシードは手に入らないのかな。この先何があるか分かるだけマシかもしれない。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 こうして冒頭に戻るのだけれど、今は骨格標本に追われています。どうしてうちの骨格標本はこんなにリアルなんだろう。こんなの授業にも使わないし、誰も見ないよ!

 

「なのは戦って!!」

 

「うう、レイジングハート!! プロテクション!!」

 

《ok master》

 

 私の張った魔法障壁に当たると骨格標本はバラバラになった。骨だからかなり脆かったみたい。これで残す怪奇現象は1つだけのはず。

 

「残すは校長室だけだよね」

 

「それで終わり。学校から抜け出してハッピーエンドだ」

 

「上手くいけばいいけど」

 

 校長室の霊は胸に光の杭を穿つとかいう方法で倒したはず。でもこの学校でそれらしいものは見当たらなかった。こうなったら私の魔法で倒すしかない。

 

「着いたよ。準備は出来てる?」

 

「うん。攻撃用の魔法もいつでも撃てるよ。じゃあ……突撃!!」

 

 校長室に入ると偉そうに椅子に座っている霊が居た。うちの校長先生じゃなくて映画で観た校長先生だ。

 

「いけないなぁ。こんな時間まで遊んでいては。お説教を」

 

「ディバインシューター、シュート!!!!」

 

「な、まさかぁ!? この私がぁ…………!?」

 

「良し!」

 

「良し、じゃないよなのは!! 壁が吹き飛んだよ!!」

 

「正当防衛なの」

 

「過剰防衛だよ!?」

 

 ユーノ君は色々細かいんだから。確かに壁は吹き飛んだけど、この前にも色々壊しちゃったから気にしちゃ駄目なの。ジュエルシードも校長先生を倒したからか椅子に置いてあるし、円満解決だよ。

 ああ早く帰って寝ちゃおう。明日はサッカーの試合の応援もあるからそれに集中しないと。




たまには要君の居ない回も作らないとね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。