チートじゃ済まない   作:雨期

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ちょいと海外に行っていたのですが、体調崩しました。環境の変化に弱い俺です。


第63話

 聖堂教会から要請があり、六課がガジェットの処理をする事になった。新人達の初陣にちょうどいいという事で、今回は最初から最後まで新人に任せるようだ。念のためなのは、フェイト、要、そして治療のためのシャマルが同行している。

 

「ふふふ、男かなぁ、女からなぁ。楽しみだなぁ」

 

「要さんの様子が…………」

 

「危ないから近づいちゃ駄目よスバル。キャロもこっちに来なさい」

 

「きゃっ!? ティアナさん、今胸を触りましたよね」

 

「いつどんな事が起きても平静を保つための訓練よ」

 

「そ、そうだったんですか」

 

「キャロ、騙されてるよ」

 

 ヘリで現場へ向かう途中だが、そのヘリの中はなかなかにカオスな状況になっている。ストッパーとなるべきなのはとフェイトは瞑想をして周りの音を完全にシャットアウト。シャマルはというと…………

 

「ヴァイス君、この前いいお店を見つけたの。今度のお休みに一緒に行きましょう。ねぇ」

 

「いやぁ、ははは…………」

 

 ヘリのパイロットであるヴァイスを逆ナンしていた。仕事をしろと言わざるおえない。そんなこんなしているうちにヘリは目的地へと到着した。

 

「見えました。レリックを積んだの列車が襲撃されているようです。」

 

「ありがとうヴァイス君。スターズ隊、ライトニング隊、出動!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

 デバイスを起動させ飛び出していく新人達。今回が初出動であり、新型デバイスの初使用という事もあり、やる気に満ちている。

 

「お、あのバリアジャケット。スターズ隊がなのは仕様でライトニング隊がフェイト仕様か。よく似合ってんじゃねぇの」

 

「私達は恥ずかしいからやめてって頼んだんだけど、シャーリーが押し通して…………」

 

「照れんなよフェイト。それだけの人物になったって誇りな。んじゃ俺も行きますか」

 

「要君、今回は新人メインって」

 

「分かってる。新人メインだからこそ邪魔させられねぇ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 ヘリから10kmは離れた高台に大砲を構えた女性、ディエチとマイト、マイカの双子が居た。

 

「ディエチさん、やれますか?」

 

「簡単。イノーメスカノン最大出力、はっ」

 

「させねぇよ!!」

 

ーーザンッ ドガァァアアン

 

 大砲が真っ二つになり、溜め込まれていたエネルギーが爆発を起こす。犯人は言うまでもなく要だ。大砲を切るとすぐにディエチ達を攻撃しようとした要だが、極太の植物の蔦に絡まれ動きを阻害され、ディエチ達は植物のドームで爆発から身を守った。

 

「お早い到着ですね。一条要さん」

 

「坊主達か。今日は機嫌がいいんだ。帰るなら何もしない。戦うなら腕を1本払えば許してやる」

 

「お断りですわ」

 

 要に絡まっていた蔦がより強固に要を縛り上げていく。それを要は濡れたティッシュを千切るかのように容易に引き千切っていく。

 

「思ったより硬かったな……」

 

「せめて千切る前に褒めてもらいたかったですね

 

「それもそうだ。ま、俺じゃなけりゃこんな事は出来ない。千切られたのは気にする必要がないぞ」

 

「では次ですわ。棘の鞭!!」

 

「おっ! やるねぇ!! 武装拳・鞭!!」

 

 マイカの振るう鞭に対して要は武装拳で対抗する。同じ鞭を選んだのは勝てると思い遊んでいるからだろう。だがそんな考えに反して敗北したのは要の鞭であった。マイカの鞭の棘が要の腕を傷付け、肉を削いでいく。

 

「援護しますよ。マシンガンシード!」

 

「私も予備が届いた。イノーメスカノン!!」

 

「うおっほっ!! すげぇ弾幕!! アリストテレス、久しぶりにやるぞ!!」

 

《了解です主》

 

「ニードルマシンガン・500連射!!」

 

 マイトの植物の種のマシンガンとディエチの砲撃による弾幕が要に襲いかかる。要は弾幕には弾幕と言わんばかりに大量のニードルガンを飛ばすが、如何せん威力が足りない。シールドも使って凌いでいるが、マイカの棘の鞭がシールドを粉砕していく。

 

「やっぱ魔法って苦手だわ。70%解放」

 

ーーパンッ

 

 空気が弾ける音がした。それと同時に弾幕も鞭も消え去ったのだ。

 

「全て、叩き落とした!?」

 

「恐ろしい速さですね。認識出来ませんでしたよ。これで70%ですか」

 

「お前達大したもんだぜ。俺にここまでやる気を出させたんだ。誇っていい。だがな、これで終い

 

ーードゴォン……

 

「あ?」

 

 遠くから聞こえてきた爆音に思わず振り向く要。視力を上げてみると、列車から炎と煙が上がっているのが見えた。

 

「時間通りですわね」

 

「そっちの仕業か。爆弾か?」

 

「ボムフラワー。開花すると同時に爆発し、種を撒き散らす植物ですよ」

 

「爆発って、燃えて自滅しそうな植物だな」

 

「爆発時の熱がないと種が芽吹かないのです。早く戻ったら如何です? お仲間が爆発に巻き込まれているかもしれませんよ」

 

「そうさせてもらおうか。ああ、忘れるとこだった」

 

 要が腕を動かすと3人の左腕があらぬ方向へと曲がっていた。それを確認した要はさっさと列車へと走っていった。

 

「くっ、有言実行ですね」

 

『無事かな? いやあまり無事ではなさそうだね』

 

「どうもスカリエッティさん。私とマイトは植物の力でこの程度すぐに治りますが、ディエチさんのためにも転送をお願いしますわ」

 

「私も大丈夫。それよりドクター、レリックは?」

 

『奪われてしまったよ。相手はあの爆発でも軽傷者が1人だ。一条要ばかりに目が行きがちだが、機動六課もなかなか侮れないようだ』

 

「ボムフラワーが耐えられてしまうとは…………僕らも品種改良をやり直さなくてはなりませんね」

 

『君達の生み出す植物は研究対象としても興味深いから楽しみだよ。さあ帰ってきてくれ。その腕を治して次の戦いに備えよう』 




アリサ「センター試験がありましたねシャマルさん」

シャマル「というか今日もそうよ」

アリサ「作者は文系だったけど理科が異常に好成績だったから先生に二日目センター試験を受けさせられたそうよ」

シャマル「全体成績は下から数えた方が早いのに、理科だけは学年トップにもなった事があるのよね。どんな人にも得意なものが1つはあるという事ね」

アリサ「そんな今日はどんな日ですか?」

シャマル「本日1月19日は『家庭用消火器点検の日』らしいわ」

アリサ「確かにこの時期は火事が多いですけど、なんで今日?」

シャマル「119だからじゃないかしら。119番の日は11月9日だから予備日みたいなものね」

アリサ「どんなものにも予備日は必要ね。ではまた次回」

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