チートじゃ済まない   作:雨期

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たぶん皆さんが予想だにしない事が起こります。書いてる俺もなんでこうなったのか分からない事になりましたから。


第62話

 要がスカリエッティを捕らえ損ねた次の日、要はクロノに呼び出されていた。

 

「どうしたよ。昨日の失敗についてか?」

 

「その通りだ。だからといって責めるつもりはない。君が失敗したのなら他の誰がやっても失敗する。僕が訊きたいのは過程だ。君は報告書に結果しか書いていなかったからな」

 

「あー、そうか。疲れてて忘れてたな」

 

「何があった?」

 

「鏡が居た」

 

「…………成る程」

 

 鏡は管理局でも要注意犯罪者として有名だ。下手に手を出せばリンカーコアを抜かれて力を奪われる。半年ほど前、管理局の特殊部隊総出で鏡を追い詰めた事があったが、鏡からすればただ遊んでいただけらしく、その気になった鏡の前に5分も掛からず全部隊が壊滅した。その時要はハワイに行っていたので参加していない。

 

「君すら退けるほど成長していたのか」

 

「足止めされただけだ。だが他の局員じゃ死人が出るから手は出しにくいぞ」

 

《私からもよろしいでしょうか?》

 

「何かあったのかアリストテレス」

 

《ジェイル・スカリエッティの周囲に何人か女性が居ました。魔力量は平均でもSランクは越えていますね》

 

「おそらく戦闘機人だな」

 

「なんだそりゃ」

 

「知らなかったのか? なら説明しよう」

 

 クロノの説明を要約すれば、戦闘機人とはスカリエッティが造った人と機械の融合体であり、それぞれが高い戦闘能力を持っている。まともに戦えば管理局の上位の魔導師でも敗北しかねない存在である。

 

「サイボーグか?」

 

「詳しくは分かっていないんだ。スカリエッティが過去に放棄した研究室に残っていた僅かな資料と、実際に戦った局員の情報しか今はデータがない」

 

「ふーん。まあ見た感じ俺なら楽勝だな」

 

「ああ。こちらも何かあれば戦闘機人の相手は君に頼むつもりだった。だが鏡が居てはそうもいかないな。鏡の相手を君に頼むしかない。不甲斐ない」

 

「なぁに、気にすんな。更に修業して鏡も戦闘機人も俺だけで潰してやるよ」

 

「期待している」

 

 話が終わったところで携帯電話にメールが着ているのに要は気が付いた。どうやらなのはからのようで、クロノとの話が終わり次第六課に急いで来てほしいとの事だ。急ぎの用なのにメールというなのはの行動にしては珍しい事に要は首をかしげた。

 

「悪いな、なのはから呼ばれたから行くわ」

 

「ああ、今日は呼び出して悪かったな」

 

「上司がそう易々と謝んな。またな」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 んん、なんか六課全体の様子がおかしいな。俺を呼び出したなのはの姿も見当たらない。はて?

 

「むっ、一条要。やっと来たのか」

 

「ディアーチェ、何があった?」

 

「それはここでは言えんな。医務室へ向かえ」

 

 なんだそりゃ。でも医務室って誰か怪我したのか? 怪我くらいなら呼ぶな…………いや、すずかなら呼ばれても、ってそれならメールじゃなくて電話か。全く意図が分からん。言われた通り医務室へ向かえば分かるだろうか。

 

「入るぞ」

 

「遅いの! 早く入って!!」

 

「はいよ」

 

 む、やはりすずかがベッドに横たわっているな。でも体調に異常があるようには見えない。どういうこっちゃ。

 

「あの、要さん……」

 

「どうしたんだ?」

 

「驚かないで下さいね」

 

「分かった。どんな事でも受け入れるから言ってみろ」

 

「…………できちゃいました」

 

「……………………そうか。少し待っててくれ」

 

「えっ、あ、はい」

 

 ……………………医務室の外へ出てまずは深呼吸。心の中にあるものをグッと押し込めて…………やっぱ無理。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!! パパになったぞおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」

 

「五月蝿いの!!」

 

 ふぅ、スッキリ。なのはに文句を言われても無視。あるものを取りに六課の自室へと走り、10秒もしないうちに医務室に戻る。

 

「待たせたな」

 

「い、いえ。喜んでいたようで」

 

「まあな。しかし順番が逆になったな。受け取ってくれ」

 

「これ…………指輪に婚姻届? 用意していたんですか!?」

 

「六課も安定して俺の仕事が落ち着いたくらいに渡すつもりだったが、そうもいかないからさ。すずか」

 

「はい」

 

「これからも俺を支えてくれ。結婚しよう」

 

「はい!!」

 

 なんか、上手く言葉には出来ないが、最高だな。最高の妻と最高に違いない子供が同時に出来るなんてこんな最高の事が他にあるもんかよ。やべ、興奮してきた。今なら何でも出来る気がする。

 

「ご馳走さま。凄くついでなんだけど、要君は今から出動いける? 新人達の初出動をフォローしてあげてほしいの」

 

「任せな! すずか、欲しいものはあるか? 買ってきてやる」

 

「果物と要さんの血のブレンドドリンクが飲みたいです」

 

「よっしゃ! さっさと仕事済ませて用意してやるよ!!」

 

「すずかちゃん、要君、それでいいの…………?」




アリサ「できちゃった婚なんた不健全よ!!!」

シャマル「アリサちゃん、興奮して噛んでるわよ。落ち着いて」

アリサ「でも、でも! 私なんてまだ彼氏も居ないのにぃ!!」

シャマル「この作品の大半のキャラは彼氏彼女が居ないわ。安心して」

アリサ「うぅ、今日は呑むわよ!!!」

シャマル「まだ未成年でしょ!! あっ、どこ行くの!? まだ収録中…………行っちゃった。どうするのよ」

フェイト「私が手伝うよ。暇だし」

シャマル「あら、助かるわフェイトちゃん。じゃあ今日は何の日の時間よ。今回はフェイトちゃんにお願いしようかしら」

フェイト「分かった。本日1月12日は『スキー記念日』。オーストリアの少佐が日本で初めてスキーの指導をしたらしいよ」

シャマル「スキーって実はやった事がないのよ。スノーボードはやるけど」

フェイト「私も同じ。みんなで雪山に行った」スキー派が多くて驚いたね

シャマル「そんな事も作者が書かなかっただけであったわね。その時のなのはちゃんは面白かったわね」

フェイト「うん。まさか『ザフィーラの犬ぞり』とは思わなかったよ」

シャマル「あれだけ転んでいたからザフィーラも不憫に感じたんでしょ。まだ足が完全に治っていないはやてちゃんのためのそりをなのはちゃんに使うのは予想外だったわ」

フェイト「それじゃあこれくらいにして。また次回」

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