チートじゃ済まない   作:雨期

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最近早くも次回作はどうするか考えている自分が居る。リメイク前はネギまだったけど、もっと別の二次でもいいなぁ。誰かおすすめがあったら教えて下さい。


第60話

 機動六課が設立して数日。新人のスバル、ティアナ、エリオ、キャロの4人もだいぶ慣れてきたと聞いている。俺は六課の隊員でもないから毎日居るわけでもないが、メイントレーニングルームが六課にあるからよく入り浸っている。そんなある日の事だ。

 

「おいっす新人達よ。隣いいか?」

 

「はい!」

 

 食堂にてたまたま新人達に会ったから一緒に飯にする事にした。俺と話す事も多いし、あんまり緊張されなくなった。ただキャロのフリードに警戒されるのだけは変わらない。

 

「要さんって普段トレーニングルームに居ますけど、どんなトレーニングをしているんですか?」

 

「お前らの数十倍頭がおかしいトレーニング」

 

「気になるなぁ。一緒にやってもいいですか?」

 

「やめておきなさいスバル。きっと私達なんかついていけないわ。スバルは私と一緒に居ましょう」

 

「ティアナの言う通りだが……見学なら自由だぞ」

 

「ほ、本当ですか!」

 

「ああ」

 

「僕も気になるので見学させて下さい」

 

「エリオ君が行くなら」

 

「スバルが見学するなら」

 

 こうして俺のトレーニング見学が急遽決定したのだ。こいつらも午後は休みで暇だったんだろう。でも見られているからって派手な事はしないぞ。普段通りの地味なトレーニングを見せてやろう。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 要の使うトレーニングルームは実に重厚な扉によって周りと隔てられている。スバル達はそのトレーニングルームの管理室でモニター越しに見学をする事となった。ちなみにここの管理室でトレーニングルームの環境を弄ったりするのは主にマテリアル娘の仕事となっている。今日はシュテルのようだ。

 

「では皆さん。ここの機材には触らないよう静かに見学して下さい。しかし質問等は自由です」

 

「「「「はい、シュテルさん」 」」」

 

「よい返事です。では一条要、環境を指定して下さい」

 

『フィールドは更地。それ以外はいつもと変わらず10と10で』

 

「分かりました。仮想敵は?」

 

『キマイラでいいだろ』

 

「では」

 

 シュテルがキーボードに何か打ち込むと要の眼前に巨大な魔獣が出現した。 獅子の頭、山羊の体、毒蛇の尾。地球に伝わるキマイラそのものだ。全長も30m近くある。

 

「あれ、本物ですか?」

 

「データで作られた偽物です。このトレーニングルーム内に限り実体もあります」

 

「どんな技術なんですか…………」

 

「さあ? すずかにでも訊いてみたらどうでしょう」

 

「僕も質問があります。さっき要さんが10と10って言ってましたけど、あれは何の事ですか?

 

「前の10は重力。後の10は酸素濃度です。今あのトレーニングルーム内は重力が10倍、酸素濃度が10分の1ですね。当然この環境が適応されるのは一条要のみで、仮想敵は万全の状態という設定です」

 

「…………なんで生きてるの?」

 

「一条要だからという解答が最も適切かと。始まりますよ」

 

 キマイラが要に噛み付こうと飛び掛かる。巨体に似合わ速い攻撃も要に掠りもしない。有り得ない重力、酸素濃度の環境下でも平常時と大差ない動きをする要に新人達は固まった。だがここで要は更に有り得ない注文をつける。

 

『どっちも10追加』

 

「分かりました」

 

「「「「えぇっ!?」」」」

 

 トレーニングルーム内の環境が更に過酷なものへと変化する。その中で要は微笑んだ。これがちょうどいいと言わんばかりだ。それでもキマイラの攻撃を喰らう気配がない。

 

『飽きたな。潰れろ』

 

ーードグシャァッ

 

 大型トラック同士の正面衝突のような轟音が響くと、キマイラは宙に舞い上がっていた。それを確認したシュテルがまたキーボードに何か打ち込むとキマイラの姿は消えた。

 

「一条要、まだ続けますか?」

 

『いや、どうせなら新人達に色々と教えてやらないと。お前ら、こっち来い。ちゃんと環境は通常になるから安心しろ』

 

「貴方がこちらに来るべきでしょう」

 

『まあ座学みたいなもんだし、それでいいか』

 

「いえ、私達が動き」

 

「ただいま」

 

「「「「はやっ!?」」」」

 

「いい反応だ。さあ座れ。これから簡単な授業の始まりだ」

 

 とりあえず新人達を椅子に座らせると要は管理室の外からホワイトボードを持ってきた。どこにそんなものがあったのかは気にしてはいけない。

 

「なんだかこういうのってワクワクするな。んじゃお前らに教えるのは武装拳だ。ちなみに六課のメイン戦闘要員は全員覚えている必須技術だぞ」

 

「何をする技術なんですか?」

 

「簡単に言えばデバイスを使わないバリアジャケット兼強化魔法だ。バリアジャケットと組み合わせると凄く硬い。これを教えてくれた俺の師匠は魔力がゼロに等しい人なんだが、生身で車に衝突しても無事な自信はあるらしい」

 

 実はこの話、控えめにしてあるのだ。武装拳の師である鬼島賢一は自信があるのではなく、実際に車、それもトラックとの衝突経験がある。当然のように無傷で、よろけただけで済んだ。逆に凹んだのはトラックであった。要もその時側に居たが、鬼島の方がトラックに謝罪していたのは衝撃的だったそうな。

 

「これには特別な才能はいらない。やれば誰でも出来る。まあ普段から肉弾戦主体のスバルとエリオの方がコツを掴むのが早そうだ」

 

「へぇ、そうなんですか」

 

「習うより慣れろだ。まずは全身に魔力を流せ」

 

「「「「はい!!」」」」

 

 1時間後、そこには武装拳の基礎をマスターした新人達と、あっさりとマスターされた事により自分の才能の無さを改めて痛感する要の姿があった。




アリサ「はいはい脳筋脳筋」

シャマル「普通は即死ですので真似しないように」

アリサ「フィクションでもリアルでも真似する人はいませんよ」

シャマル「でもこのトレーニングってドラ○ンボールに近いわよね。つまりこっちが真似をしたのね」

アリサ「武装拳はト○コから取ったって話ですよ。この物語に果たしてオリジナル要素はあるのか」

シャマル「私達の扱いね。間違いないわ」

アリサ「それは悲しくなるので言わないお約束。じゃあ今日は何の日やりますか」

シャマル「本日1月7日は『七草の日』ね」

アリサ「そーなのかー」

シャマル「それも一部界隈では有名ね。今日食べられる七草粥はおせち料理で疲れた胃を休め、野菜を取るためにあるのよ。ちなみにアリサちゃんは春の七草全部言えるかしら?」

アリサ「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろですよね」

シャマル「その通りよ。実は七草は春夏秋冬それぞれにあるから調べてみてもいいわね」

アリサ「ではまた次回」

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