チートじゃ済まない   作:雨期

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ポケモンたのすぃです。今はポケトレで色違い捜索中。


第48話

「……もうこんな時間。そろそろ休もう」

 

 あ、どうも皆さん、月村すずかです。今は午後の11時。夜が得意な私の一族でも若いうちに夜更かししたらお肌に悪いんだけど、明日は大切な試験があるのでついこんな時間まで勉強してしまいました。

 

「すずかお嬢様、虚空を見てどうか致しましたか?」

 

「ひゃっ!? 居るなら声くらい掛けてよノエル」

 

「申し訳ありません。ただノックをしてもお返事なさらなかったのはすずかお嬢様ですよ」

 

「うっ、ごめん」

 

「いえ、しかしそろそろお休みになられたら如何でしょう? 明日はデバイスマイスターとやらの試験なのでしょう?」

 

「心配してくれてありがとう。もう寝るよ」

 

 そう、明日の大切な試験というのはデバイスマイスターの試験。エイミィさんに勧められて受けるのだけど、勉強自体がかなり面白くて全然飽きない。でもなのはちゃんやアリサちゃんに勉強内容を見せたら目を回してたから難しいのかも? あ、フェイトちゃんは逆に教えてくれたなぁ。

 試験は合格率20%以下の狭き門みたいだけど、エイミィさんからはお墨付きを貰っている。落ちるわけにはいかない。

 

「お休みノエル」

 

「お休みなさいませ、すずかお嬢様」

 

「すずかー!! 起きて、ゲェッ! ノエル!?」

 

「こんな時間に騒がしくしてはいけませんよレヴィ」

 

 やってきたのはレヴィちゃん。闇の書の残滓っていうのから生まれたフェイトちゃんそっくりな見た目の子。要君の偽者に力を奪われてからしばらくは管理局に預けられていたんだけど、いつの間にかうちでメイドとして仕事をする事になっていたんだ。レヴィちゃん以外にもシュテルちゃんとディアーチェちゃんも居るよ。

 何かしにやってきたみたいだけど、タイミングが凄く悪い。ノエルはレヴィちゃん達の教育係でもあるからこの子達には厳しいの。今も私の前だから言葉は優しいけど、怒っていますって雰囲気が全身から滲み出てる。

 

「あ、え、べ、勉強頑張ってるすずかに、差し入れを……」

 

「そうですかそうですか。すずかお嬢様を思いやる心は素晴らしいですが、まずは入室の方法を教え直してあげましょう。お嬢様、失礼致します」

 

「ほ、ほどほどにね」

 

「嫌だー!! 引っ張らないでー!! 誰か助けてー!!!!」

 

 レヴィちゃん、強く生きて。ああ、レヴィちゃんのホットミルクが染み渡る。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 …………ふぁ、もう朝だ。時間は……7時。予定よりかなり早く起きちゃったみたい。

 

「すずかお嬢様~、起きて下さ~い」

 

「ん、ファリン? 起きてるよ」

 

「良かったです。要君とエイミィ様がお見えになってますよ」

 

 えっ、確かに迎えに来てくれるようお願いしたけど、予定時間は9時のはず。2時間も早いなんてどうしたんだろう。もしかして、私の時計がズレてる?

 

「すぐに行くから待ってもらってて」

 

「はい!」

 

 寝癖を整えて、歯を磨いて、服を着替えて…………よし! これで大丈夫なはず。私は急いで部屋から出て要さん達の待つ客間へ向かった。

 

「お待たせしました!」

 

「よっ……はやく、から……ほいっ……悪いな、っとと」

 

「当たれ当たれ当たれ!!」

 

「流石ですね」

 

「ええい! 王である我の攻撃を有り難く受けぬか!!」

 

 ……なんで要さんにレヴィちゃん達は箒やモップで攻撃しているのでしょう? …………要さんだからいっか。

 

「よし三馬鹿。すずかが来たから終わりだ」

 

「「「誰が三馬鹿だ(か)(ですか)!!」」」

 

「レヴィ、シュテル、ディアーチェ、掃除を続けますよ」

 

 ノエルが3人を引っ張っていった。きっと私が来るまでの暇潰しだったんだね。

 

「ごめんねすずかちゃん、こんなに早くからお邪魔して」

 

「気にしないで下さいエイミィさん。それでどんなご用件で?」

 

「最終確認みたいなものかな。今回の試験は例年より難しいらしいから、すずかちゃんがどれだけやれるか見ておきたいの」

 

「ありがとうございます。エイミィさんに直々に見てもらえるなら心強いです」

 

「これ教材な」

 

 わわっ、凄い量の参考書に…………壊れたデバイス? 実技は試験内容になかったはずだけど。

 

「どうせやるなら実物があると分かりやすいでしょ。さあやるよ」

 

「はい」

 

 大抵の問題は頭の中に入っていたけど、実際にデバイスを触りながらやってみると知らなかった発見もあった。別に試験には必要ない知識でも、デバイスマイスターになった後に役立つかもしれない。覚えておいて損はないね。

 

「手際がいいな。アリストテレス、メンテしてもらったらどうだ?」

 

《ではすずか様が無事合格なされましたら、お願い致しましょう》

 

「言うじゃねぇか。すずか、絶対に合格しろよ」

 

「ふふ、はい!」

 

 ちょっと皮肉っぽいけど応援してもらったならそれに応えないといけないね。今まで頑張ってきたし、今もこうやってエイミィさんから教わっているんだから合格しないと。

 

 この後、ミッドチルダで試験を受けたのだけど、結果は見事合格! 好きなだけアリストテレスを弄らせてもらったよ。




アリサ「すずか合格しました」

シャマル「何か事件があると思ったら特になかったわね」

アリサ「まあ今回はマテリアル娘が何をしているか軽く説明するための回みたいなものでしたから。次回はそのマテリアル娘がメインな回らしいですよ」

シャマル「メイドとなった彼女達は普段何をしているのかしらね?」

アリサ「では今日は何の日やりますか」

シャマル「本日11月17日は『ドラフト記念日』よ」

アリサ「ドラフトって野球の選手を取るクジみたいなあれですよね

シャマル「そうね。毎年色々な選手が生まれるあのドラフトよ。今年は皆さんの期待の新人は贔屓球団に入ったかしら?」

アリサ「でも誰が活躍するのか分かりませんよね。期待されたドラフト1位よりドラフト下位の選手が球団の顔になるなんてのもありますし」

シャマル「スポーツはそういうものよ。ちなみに作者の贔屓球団は中日ドラゴンズよ」

アリサ「ではまた次回」

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