チートじゃ済まない   作:雨期

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閲覧数やお気に入り人数を見てニヤニヤしている日々が続いております。明日も早く更新しよう。投稿速度だけは立派になろう。


第3話

 ジュエルシードとやらを封印した俺達は、フェレットの話を聞くために公園へとやってきた。こんな遅い時間の公園なら誰もいないだろう。

 

「まず自己紹介でもするか。俺は一条要だ」

 

「改めてになるけど高町なのはだよ」

 

「僕はユーノ・スクライアと言います。地球とは違う世界から来ました」

 

「ふーむ?」

 

 フェレットが喋るんだから普通じゃないのは分かっていたが、異世界人(獣?)という認識でいいのだろうか。詳しく聞いても分からない気もするし、違う世界から来たという事は覚えておこう。

 

「えっと、ユーノ君でいいかな?」

 

「はい、構いませんよなのはさん」

 

「あ、私は呼び捨てでいいよ。敬語もやめてほしいな」

 

「……分かり、じゃなくて分かったよ」

 

「俺もついでに同じ感じで。んでユーノ、何でお前は地球に居るんだ? 事故か?」

 

「事故、そうだね。事故だ」

 

 おおう、まさか当たるとは予想外だった。漫画とかでよくあるのを言っただけなのに。ってこの世界はアニメ世界か。

 

「僕はとある遺跡でジュエルシードを発見したんだ。少し調べただけでロストロギア、危険物と解ったから時空管理局、この世界で言う警察へ届ける途中に事故に遭って地球にばら蒔いてしまったんだ」

 

「どう危険だったの?」

 

「凄く端的に言えばジュエルシードは願いを叶える石なんだ」

 

「願いを」

 

「確かに悪用されたら危険だな」

 

「そういうのもあるけど、ジュエルシードの叶える願いは凄く雑なんだ。例えばなのはが髪を伸ばしたいと考えたら髪が数㎞になるかもしれないし、要が空を飛びたいと考えたら動物や昆虫になるかもしれない」

 

「「うわぁ」」

 

 想像したら凄く嫌な光景が浮かんできた。多分大きさは変わらないだろうから、人間大のゴキブリになる可能性だってあるのか。

 

「自然放置しても魔力が暴走してさっきみたいな事になる。だからジュエルシードは危険なんだ」

 

「願いって人間以外の願いでも叶えられるの?」

 

「ある程度の知性があればね。犬とか猫とかでも願いを叶える事は出来る」

 

 そこら辺の野性動物に拾われてもアウトって事か。厄介な事この上ないな。

 

「地球と言ったが、海鳴周辺にあるのか?」

 

「そうだよ」

 

「数は?」

 

「……21個。確保出来ているのは2個だけ……」

 

 これはこれは、ユーノを責めるつもりは微塵もないが、想像以上の数だ。

 

「今日はありがとう。なのは、レイジングハートを返してくれないかい?」

 

「どうして?」

 

「ユーノ、まさかとは思うが、俺達にこの件にはもう手を出すなと言いたいのか?」

 

「……うん。今回は良かったけど、これから何があるか分からない。だったら僕一人でやるよ」

 

「お前だけで無理だから無差別に助けを呼んだんだろ。なのはに力があったから今夜はなのはを呼んだんだろ」

 

「もしかして要君も」

 

「昨夜も夕 方もしっかり聞こえたぞ。今夜はなのはにのみ連絡したようだが」

 

 あのテレパシーみたいのは無差別みたいにも出来るだろうし、決まった相手にのみも出来るのだろう。しかし一度助けを求めるような状況になったのにこれからは大丈夫なんてのは信用出来ないよな。

 

「なのは、ユーノはこれから自分だけの力でジュエルシードを集めるつもりらしいが」

 

「駄目だよ!! ユーノ君だけでなんて危ないよ!! もう関わっちゃったんだから、私は最後まで手伝う!!」

 

「俺はどうでもいいんだが……」

 

 あの神様の事だ。どうせどんなに関わらないようにしても絶対に俺が巻き込まれるように仕込んであるだろう。

 

「途中で投げ出すのは趣味じゃない」

 

 どうせ巻き込まれるなら自分から乗り込んだ方がいい。それにロストロギア(危険物)とORT(危険物)、どっちがより危険か比べてみてぇ。

 

「でも」

 

「ウジウジしやがって。女かてめぇは! 好意は無下にしてはいけない。覚えとけ」

 

「………………分かった。これから危ない事も沢山あるかもしれない。それでもいいなら僕を助けて下さい」

 

「勿論だよ。魔法も色々教えてね」

 

「やってやるよ…………さぁてなのは、俺達にはある意味ジュエルシードより危険なものが目の前に迫っているぞ」

 

「…………わ、忘れてたの」

 

 どう足掻いても子供にとっちゃ親は超えられない存在なんだよな。いい意味でも悪い意味でも。

 

 

 

 

 

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「まさかなのはだけじゃなくて要君も居たとはね」

 

「「ごめんなさい!!」」

 

「謝って済むなら僕らはこんなに心配しないよ。桃子、お婆ちゃんも呼んできて」

 

 優しい口調のままだが士郎さんからは体が固まるほどの怒りを感じる。ただその怒りの対象となっているなのはは俺以上の恐怖を感じているだろう。

 この後うちの婆ちゃんも来て俺はなのはと一緒にお説教を受けた。遅い時間というのもあり、お説教は夜と朝の2分割になってしまった。ユーノ? 高町家に置かれる事になったらしいぞ。




この先どんな展開にしようか迷う日々。でもシリアスは苦手なんで多分ほとんどやりません。

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