チートじゃ済まない   作:雨期

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記念すべき(?)30話目なのに遅くなってしまった。最近ゆっくりをいじめる事にハマってしまっているのが問題ですな。あ、これで気になって見に行っても私は責任取りません。


第30話

 突然だが校内が今朝から騒がしい。校内全体で行われる行事やテストがあるわけでもないのにこの騒々しさはなんだ。まあ俺に関係ないなら気にしないでいこう。では今日も三人娘との昼食にするかな。

 

「お、要も見に行くのか?」

 

「見に行く? 何を?」

 

 教室を出ていこうとしたら同じクラスの男子生徒にそんな事を言われてしまった。俺がその見に行くものを知らなかった事に驚いた男子生徒は丁寧に教えてくれた。

 

「何って、今日は超可愛い留学生が来たんだぞ」

 

「ふーん、じゃ飯食ってくる」

 

 ぶっちゃけ興味のない話だ。その留学生が俺に関わってくるというのなら話は変わってくるんだが。それに俺は英語が出来ないから留学生と交流を持てる気がしない。いや日本にやって来るんだから多少は日本語が話せるんだろうか。

 むっ、なのは達の教室の前に人だかりが出来ている。まさか噂の留学生はこの教室に居るのか。入りにくい。

 

「ちょっと失礼するぞ」

 

「一条先輩こんにちは。今は入らない方が良いですよ。高町さん達は呼んでおきますから」

 

「気遣いありがとう。でもそこまでやってもらう必要はないさ」

 

 ええと、なのは達はあの人だかりの中心か。ん? あの金髪はアリサとは違うな。だが知っている金髪だ。まさか……

 

「おぉ、フェイトじゃねぇか! なんだお前が留学生か」

 

「えっ、要もこの学校だったっけ?」

 

「酷くね? まあいい。飯にしようぜ」

 

「要君、フェイトちゃんと話したい人も居るから屋上はなしにしない?」

 

「OK。ちょっと椅子借りるぞ」

 

 今日の弁当は和食中心だな。実に旨そうだ。

 

「一条先輩もフェイトさんと知り合いだったんですね」

 

「おうよ。フェイトが恥ずかしがって言えない事は俺が答えてやる」

 

「要! 変な事言わないでよ!」

 

「冗談だって。それよりフェイトはどこに引っ越してきたんだ?」

 

「今度教えるよ」

 

「それで構わんさ」

 

 いつもの三人娘+フェイトと話しながら昼飯を食う。その間にも周りには人が集まり、フェイトは質問攻めに遭ってしまう。中等部や高等部からも見学者がやって来るほどの人気っぷりだ。フェイトの初めての学校生活は賑やかでいいのだが、こいつはあまり人と接してこなかったからな。ちょっと心配だ。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 約束通りフェイトの家というかマンションを教えてもらったので、今日はお祝いにやってきたぞ。

 

ーーピンポーン

 

「こんにちは、要です」

 

『今開けるわ』

 

 扉を開けたのはフェイトではなくリンディさんだった。実はこの部屋はフェイトの自宅兼管理局の現地事務所となっているのだ。何かあってもすぐに駆けつけてもらえるのは助かる。

 

「これ婆ちゃんの漬け物です」

 

「ありがとう。なのはちゃん達はもう来ているから上がってちょうだい」

 

「お邪魔します」

 

 リビングに入ると菓子やらジュースやらを用意しているなのは達が居た。

 

「要君遅いよ。もう準備出来てるよ」

 

「わりぃ」

 

「はいコップ。乾杯しよう。要君は音頭を取ってね」

 

「おうよ。フェイトの転入を祝って、乾杯!!」

 

「「「「乾杯!」」」」

 

 俺はジュースを飲みながらなのはとフェイトの様子を観察する。日常生活に支障はないようだが、戦闘はまだ無理らしい。ヴォルケンリッターが出てきたら俺とクロノだけた対処しなくてはいけないな。ユーノも居るが、戦力としては期待出来ないからな。

 だがクロノはあいつら相手にどれだけ戦えるか分からない。いくら戦い方がなのは達より上手いとは言っても勝率は低いんじゃないかな。

 

「アルフ、こっちおいで。一緒に食べよう」

 

「ワフッ!」

 

 …………ちっちぇ!? なんでアルフが仔犬になってんだ!?

 

「……あんたどっかで会わなかった?」

 

「クゥン」

 

 あー、そういえばアリサはアルフを保護した事があったな。まあ思い出せないならそれでもいいか。あの時のアルフは大人のサイズだったしな。

 

「しかしこのジュース旨いな。お代わり」

 

「はいどうぞ。なのはちゃんが持ってきたお菓子も食べて下さいね」

 

「悪いなすずか」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 えぇ……大変です。

 

「あひゃひゃひゃ! リリカルマジカルとか私ほんとバカァ!!」

 

「うへへ~、ありゅふ~。もふもふ~」

 

「要しゃん要しゃん、膝枕してくだしゃーい」

 

「…………死にたい」

 

 なんか妙に旨いジュースがあるかと思ったら酒だったようだ。俺は前世から酒は好きで耐性もあったもんだから素面と大して変わらないが、なのは達は全滅だ。さっきの台詞は上からなのは、アリサ、すずか、フェイトなんだが、泣き上戸というか鬱上戸のフェイトがヤバい。

 

「リンディさん! こいつらの家に連絡して迎えに来てもらって下さい!」

 

「分かったわ。要君は大丈夫なの?」

 

「あと12本はいけます」

 

「いけても未成年なんだから飲んじゃ駄目よ」

 

 流石に今回のような事故でもない限りルールは守るさ。いやしかし久しぶりの酒は旨かったなぁ。早く成人になりたい。そしたら好きなだけ酒が飲めるのにな。まあ今は迎えが来るまでこの酔っ払い共の世話をしよう。




アリサ「お酒は二十歳になってから」

すずか「ちなみに作者は下戸みたいです」

アリサ「そういえば今回の話は作者が気分転換のつもりで書いてたのよね? なのにこんなに遅いって問題でしょ」

すずか「つまり作者に気分転換なんて上等なものはいらないんだね」

アリサ「そうね。では今日は何の日をやりましょうか」

すずか「本日5月21日は『小学校開校の日』。日本で初めて小学校が開校した日だよ」

アリサ「今では普通に私達が通う小学校もこの日までなかったのよね」

すずか「実感ないよね。今じゃ日本中に当たり前のようにあるのに」

アリサ「ありすぎて廃校になってる学校もあるけどね。少子化問題も深刻ね」

すずか「ではまた次回」

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