チートじゃ済まない   作:雨期

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今回で無印終了です。読者の皆様お疲れ様でした。


第22話

 プレシアの起こした事件から数日。俺となのはは元通りの日常を過ごしていた。あの後、俺はアースラでの質問攻めにあったが、完全黙秘を貫き通した。だって説明しろって言われても説明出来るもんじゃねぇし。ロストロギア疑惑も掛けられたが、今回の功績もあり見逃してもらった。

 

 俺が連れ戻したプレシアだが、すぐに管理局本部に送られたんだとか。全てが失敗に終わった事を知ると抵抗する事もなく投獄されたが、誰が話し掛けても反応しないようだ。しかし少なくとも廃人にはなっていないらしい。

 

 フェイトとアルフはアースラに軟禁状態らしい。プレシアはもう有罪確定らしいが、この2人は利用されてたからという理由もあって罪はかなり軽くなるらしい。それでも管理局の管理下に置かれるようだが、管理するのはリンディさんやクロノだ。大丈夫だろう。

 

「要君急いでよ!!」

 

「逃げられねぇから大丈夫だ」

 

 そして今俺達はフェイト達に別れを告げるために公園に向かっている。今生の別れではないが、次に会えるのはいつかは分からない。まあ俺は報酬のデバイスを貰うために管理局に暫く通う事になるから会う可能性は高いがな。

 

「あっ! フェイトちゃーん!!」

 

「そんなに走ると転けるぞ」

 

「大丈夫だもーん」

 

 元気がいい事で。なのはがフェイトと話している間に俺はクロノとデバイスの話をしておくか。

 

「クロノ、調子はどうだ?」

 

「悪くない」

 

「そうか。それは良かった」

 

 時の庭園でORTの魔力に当てられた奴らは全員体調を崩したと聞いた。未知との遭遇に頭がついていかなかったか、圧倒的過ぎる究極の(アルティメット)一(ワン)の力は魔導師には毒だったのか知らないが、使用は控えないとな。まあ普通に戦う分にはORTは必要ないからこれからこんな事は起こらないだろう。

 

「早速デバイスについてだが」

 

「その前にフェイトと話してきたらいい。君はデバイスのために管理局に来る事があるから彼女と話す機会は他にもあるかもしれない。だがなのはを交えて話す機会はいつになるか分からないだろう?」

 

「一理あるな。なら御言葉に甘えようか」

 

 クロノの奴気を使いやがって。執務官って役職に就いているだけあって精神は成長しているな。

 

「フェイト、なのは、俺も混ぜてくれ」

 

「要……お母さんを救ってくれてありがとう」

 

「命を救えただけだ。あれを本当に救えるとしたらアリシアという死人だけだ。俺はお前の自己満足に付き合っただけだよ」

 

「なら私を満たしてくれてありがとう」

 

「おうよ」

 

 ほんの少しだが明るくなったな。良い事だ。しかし今の発言は何かと勘違いされそうだから人前で言うのは止めてもらいたい。

 

「やっとフェイトちゃんと友達になれたの」

 

「良かったじゃないか。仲良くしろよ」

 

「当然なの」

 

「ねぇ要。要さえ良ければ、要も友達にならない?」

 

「いいぞ。改めてよろしくなフェイト」

 

「よろしく要」

 

 友達なんてもんは頼んでなるもんでもないと思うが、頼まれたなら仕方ない。

 それからは他愛もない話をしていた。学校はどんな場所だとか、翠屋のスイーツの事だとか。ふと時計を見ればかなり時間が経っていた。クロノは何も言わなかったがもう予定時間を過ぎているだろう。

 

「なのは、もう時間だ」

 

「もう?」

 

「もう、だ」

 

「早いね。出来ればもっと話していたいけど」

 

「ねぇフェイトちゃん。リボンの交換しない?」

 

「リボン?」

 

「うん。これなら暫く会えなくても一緒に居られるよ」

 

「分かった。大切にする」

 

 ふむぅ、俺もプレゼント出来るものがあればしてやりたいが、生憎と装飾品は付けないタイプだからな。今度管理局に行った時に翠屋のシュークリームでも持参しよう。

 

「また会おうね。約束だよ」

 

「うん。約束だね」

 

「気を使わせてすまないな、要」

 

「いいんだよ。クロノは自分の仕事をしっかりやれよ」

 

「ではそうしよう。フェイト、戻るぞ」

 

 クロノとフェイトはアースラへと転移していった。これで一区切りかな。ジュエルシードを巡った今回の事件は大変だったが、その分収穫はあった。

 

「ちょっといいかな?」

 

 ちょっと感傷に浸っていたのだが、誰かが話し掛けてきた。そこにはなのはの隣でちょこんと座るユーノが居た。

 

「あん? ユーノじゃねぇか。帰ったんじゃなかったのか?」

 

「あれ要君知らなかったの? ユーノ君はうちで暮らす事になったんだよ。まだ私も魔法を習いたいから付き合ってくれるんだ」

 

「マジか。んじゃまだまだよろしくだな」

 

「そうなるね。たまには要の家にも遊びに行っていいかな?」

 

「勿論だ。ちなみに人の姿とフェレットの姿、どっちで過ごすんだ?」

 

「フェレットだよ。なのはとなのはの家族にそっちを熱望されちゃって」

 

「そうか」

 

 おそらくあれだ。愛玩動物としか見られていないぞ。ユーノがストレスで禿げない事を祈るばかりだ。




アリサ「次回から『美魔女マジカル桃子』が始まるよ」

すずか「チー済ま正式ヒロインはアリサちゃんに決定しました」

アリサ「嘘ぉ!?」

すずか「うん嘘。という事で本日4月1日はエイプリルフールです」

アリサ「嘘はちゃんと嘘って言おうね。私が言ったのも嘘だからね」

すずか「今年のType-Moonはどうなっているかな? 楽しみだね」

アリサ「世界中で馬鹿みたいな嘘が行われるから楽しい日よね」

すずか「次回からはコラボや短編だよ。これは嘘じゃないからね

アリサ「ではまた次回」

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