チートじゃ済まない   作:雨期

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戦闘シーンが書けない……


第19話

 遂にフェイトちゃんから決闘の申し込みが来た。明日に臨海公園で戦う事になっているのだけど、今はそれに向けての作戦をアースラで話しているの。

 

「少なからず戦いが終わるまでは誰も手を出さない。そういう方向性でいいな?」

 

「僕は反対したいのだが、反対しても無意味なんだろう」

 

「ごめんねクロノ君。私の我が儘に付き合わせて」

 

「君を鍛えた自分を信じる事にするよ。僕の持つ技術を教えられる限り教えたんだ。負けないでくれよ」

 

「絶対に勝つよ」

 

 ジュエルシード集めは仕事なのに手を出させないのは本当に申し訳ないけど、最初からこの事件に関わってきたし、フェイトちゃんとの決着を着けないといけないという気持ちもある。

 

「少し良いかしら? フェイトさんについて分かった事があるわ」

 

「本当ですかリンディさん!」

 

「彼女のファミリーネームはテスタロッサだったわよね。おそらく彼女の母親はプレシア・テスタロッサという人よ」

 

「プレシア・テスタロッサ……確かとある事件以降、消息不明になっている天才魔導師ですよね」

 

「そうよ。フェイトさんもプレシアさんも魔力変換は雷。そしてテスタロッサという珍しい姓。それを考えるとフェイトさんがプレシアさんの娘である可能性が高いわ」

 

 フェイトちゃんのお母さんか。どんな人なんだろう。フェイトちゃんがジュエルシードを集める理由にも何か関係あるのかな。

 

「魔力変換が雷? こないだ海上で俺を攻撃してきた雷がそのプレシアって人の仕業もあるんじゃないですか?」

 

「十分に考えられるわ。でもそれを確かめる術はないのよ」

 

 確かにあの時の攻撃は雷だったけど、途中で軌道が変わるまではフェイトちゃんすら狙っていたんだよね。それが親のやる事とは思えないけど、油断せるためとか考えるべきかな。

 

「それじゃあ私そろそろ行きます」

 

「俺とユーノも同行しよう。観戦するくらいなら許されるだろうさ」

 

「ユーノ君ならともかく、要君は大丈夫かな?」

 

「そんな事言うのはどの口だ? あ゛?」

 

「いひゃいひょー!!」

 

 口を左右に引っ張るのはやめてほしいの。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 臨海公園ではもう結界が張られていて、フェイトちゃんとアルフさんが居た。

 

「来ましたね。アルフを助けてくれた事は感謝します」

 

「それは私の友達がやってくれた事なの」

 

「そうなのですか? アルフは助けてもらったと言っていましたが」

 

「へぇ~」

 

「ニヤけるんじゃない!!」

 

「当たらんよ」

 

 アリサちゃんの家から出した事を言っているのかな。それならそれで感謝は受け取ろう。さあ遊んでいる要君達は無視して最後の戦いを始めよう。

 

「行くよフェイトちゃん。これで勝った方がジュエルシードを全部貰うんだからね」

 

「絶対に、絶対に負けられません。全てをこの場で終わらせます

 

「「セットアップ!!!」」

 

《《set up》》

 

 デバイスを構えて空を飛ぶ。そして互いのデバイスからは全てのジュエルシードが吐き出された。

 始めの頃から考えたら随分と世界が変わってしまった。でもそれのお陰で色々な出会いがあった。新しい発見があった。全てが私にとって大きな経験になった!!

 

「ハアァァッ!!」

 

 フェイトちゃんは迷いもなく鎌で斬りかかってくる。速さだってこれまで以上だ。でも私だってそれに対しての対策をしていないわけではない。

 

「やぁっ!」

 

「!」

 

 接近戦のイロハはお父さん達から学んだ。だから受け流すくらいの事なら出来るようになった。でも不利な事に変わりはないからこれからどう間合いを離すかが重要になってくる。

 

「当たって!!」

 

 間合いは自分から離す必要はない。相手が離れてくれたらいいんだ。だから私は至近距離でもディバインシューターを撃った。自分に当たりそうなくらいギリギリな距離だったけど、フェイトちゃんが逃げてくれたお陰で当たりはしなかった。

 

「逃がさないよ!」

 

 離れたなら今度は攻め続ける。フェイトちゃんは一流の魔導師だ。攻撃の手を休めたらその隙が狙われる。

 

「フォトンランサー、ファイア」

 

 ただやっぱりまだ隙はあるみたいで、フェイトちゃんは私の弾幕を避ける瞬間に魔力弾を撃ってきたりする。私はこれを迎撃せずにプロテクションで防ぐ。

 速い相手を無理に追い掛けると狙いが定まらなくなる。だから動かず相手をよく見て攻撃をする。守らないといけないから力は使うけど、まこの戦法で頑張るよ。

 

「この短期間でここまで強くなれるとは……天才ですね」

 

「でもまだフェイトちゃんには勝ててないもん」

 

「当然です。私は負けられないんだから」

 

「私だって負けないよ。ユーノ君を助けたいし、フェイトちゃんの事を知りたいんだもん」

 

 フェイトちゃんの負けられない理由は分からないけどそれも知りたい。知って協力出来るなら協力して、仲良くなって友達になりたい。

 でも今は目の前の戦いに集中しないと。フェイトちゃんの速さにも目が慣れたし、確実に攻撃を当てていくよ。

 

「…………ッ」

 

「よし」

 

 少しだけど攻撃もかするようになってきた。これならいける!

 

「ふぇ?」

 

 手足が動かない!? これはバインド! 攻撃がかするようになったのはフェイトちゃんがバインドを使うために集中していたからだったのかも。理由はどうであれ、これを解除しないと。

 

「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル」

 

 フェイトちゃんが呪文を唱えている。魔力の高まり具合からして必殺の魔法かもしれない。バインドは強固で解除しなれていない私ではすぐには解けそうにない。

 

「フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイアー」

 

 間に合わなかった。フェイトちゃんは数えきれないほどの魔力弾を全て私へと放った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 フェイトのとんでも魔法がなのはに直撃した。煙で見えないが、無傷というのはあり得ないだろう。

 

「決まったね。フェイトのあれを真正面から受けたんだ。こっちの勝ちだよ」

 

「なのは……」

 

 アルフは勝ち誇り、ユーノは項垂れている。まだなのはがどうなっているか分からないが、絶望的な状況に違いはない。アースラから観戦しているクロノ達もジュエルシード回収準備をしているだろうな。

 

「おっ?」

 

 なんかフェイトがバインドで縛られてないか? あのバインドの色はなのはの魔力光の色だ。味方から見てもしぶとい奴だよ。

 煙が晴れたそこにはバリアジャケットがボロボロになりながらもフェイトにデバイスを構えているなのはが浮いていた。何か会話した後、デバイスの先へ魔力が集まる。魔力はなのはだけのものではなく周囲にある魔力も吸い付くしているような感じがした。

 

「嘘だろ……なんで大丈夫なんだい!? しかもあの魔法は!!」

 

「なのはの必殺魔法、集束魔法のスターライトブレイカーだ!」

 

「どうやらフェイトにはバインドを破る力も残っていないようだな。あれは酷い威力だぞ」

 

 まあそんな事は言わなくても集束している魔力で分かるか。

 なのはのスターライトブレイカーは放たれると同時にフェイトどころか結界すらも呑み込んだ。こんなのでも非殺傷設定ってだけで怪我人を出さない魔法は本当に凄いな。

 

「決着だ。ジュエルシードは」

 

ーーゾクッ

 

 空気が変わった!? 結界が壊れた事によるものじゃない。嫌なもんが来る!!

 

『次元跳躍魔法来るぞ! 転移する!!』

 

 クロノからの警告が聞こえ、敵味方関係なくその場に居た全員がアースラへと転移した。一瞬であったが、紫の雷が降る光景が見えた。




アリサ「無印も終盤ね」

すずか「作者は必死に脳内復元してるけど、どんな結末になるかな?」

アリサ「それは待ちましょう。さて今日、3月23日はどんな日?」

すずか「今日は世界気象デー。世界気象機関が発足した日だよ」

アリサ「気象ねぇ。最近暖かくなったり寒くなったり不安定よね

すずか「黄砂や花粉も飛び交うから色々と辛い季節なのに更に辛いよね」

アリサ「出掛ける時は天気を確認して、服装をよく考えてから出掛けてね。ではまた次回」

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