保護者公認になってからは俺もなのはもアースラに入り浸って魔法の特訓に励んだ。俺はシールドしか使えないからレアスキルとやらで新しいシールドを考えていた。なのはは何やら必殺技を覚えたらしい。見るのが楽しみだ。
他にも俺は爺ちゃんから本格的に古武術を習い始めた。夏休みには爺ちゃんの知り合いを招待して俺に様々な武術を教え込むつもりらしい。
まあそんな日々を送れば当然疲労も溜まり、学校で居眠りをしてしまう時だってある。
「う……む……」
「一条君大丈夫ですか?」
「大丈夫です。授業を進めて下さい」
先生やクラスメイトにも心配されるレベルで眠い。なのははしっかりと体調管理しているだろうか? ちょうど昼だし授業が終わったら会いに行こう。
ーーキーンコーンカーンコーン
「はっ!?」
まだ10分あったはずなのにもう授業が終わっているだと!? 寝てしまっていたのか。気を使って先生も起こさなかったようだ。普段の成績が良いから見逃してくれたのだろうな。
俺は眠い目を擦りながらなのはのクラスへと向かった。
「なのはー、居るかー?」
「あー、要君だー」
「どうして一条さんまで怠そうなんですか」
「最近忙しいんだよ」
ああ、なのはも疲れが溜まっているようだな。戦うであろう相手が強大だから仕方ないな。
「忙しいならのんびりするのもいいと思いますよ」
「あっ、だったら帰りにうちに寄っていって下さい。最近珍しい犬を助けたんですけど、その子を見ていきません?」
「犬かぁ。構わんぞ」
「私もー」
犬好きのアリサが珍しいと言うほどの犬は正直興味がある。今日は何かあるわけでもないから寄らせてもらおう。
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「ただいま」
「「お邪魔します」」
バニングス家も月村家に負けず劣らずデカイ。遭難するからかくれんぼは禁止だそうだ。流石に大袈裟な気もするが注意するようにという意味だろう。あ、すずかは家の用事で先に帰ったぞ。
「居たわ。あそこで寝転がってる赤毛の子よ。怪我してたのを助けたんだけど、どうにもなついてくれなくて」
おい、こいつって……
「……あれ?」
なのはも気付いたようだが、赤毛の犬からは魔力を感じる。しかもフェイトの使い魔アルフの魔力だ。向こうもこっちに気が付いたようでこっちを見て目を丸くしている。
『な、なんであんた達が』
『アリサは友人だからだ。俺達からしたらお前が居る方が不自然だろ。フェイトはどうした?』
『あたしにだって事情があるんだよ!!』
事情、ねぇ。フェイトと喧嘩でもしたか? それとも何かに襲われたか? 何にせよ恩を押し売りするチャンスだ。
「アリサ、これの飼い主知っているんだが。なぁなのは」
「飼い主……うん、飼い主だよね」
『何を考えてるんだい?』
『抜け出す手伝いだよ。バニングス家から抜け出すのは骨が折れるぞ』
『……あんた達が勝手にやった事なのを忘れない事だね』
『それで結構』
あくまで俺がやっているのは押し売りだからな。勝手に恩を感じてくれたなら儲けもんだ。
「飼われていたならどうして道端で怪我をしていたのかしら?」
「逃げ出したんじゃないか? 好奇心旺盛な奴らしいからな」
「ふーん。もう勝手に歩き回ったら駄目よ。あんたの御主人様だって心配してるはずよ。一条さん、なのは、この子をよろしくお願いします」
「おう。ちゃんと飼い主に渡しておくよ」
この後犬達と戯れてからバニングス家から出た。するとすぐにアルフは逃げていってしまった。このまま追い掛けて隠れ家を探してみるか。そう思って追い掛けたものの、路地裏で転移されてしまった。足なら自信があったが、魔法を出されちゃどうしようもない。
『今度会った時にはジュエルシードを全部頂くからね。覚悟しておきな』
『また半殺しされても知らないぞ』
『五月蝿いよ!!』
こうやって宣言してくるって事は近いうちにジュエルシード全てを賭けた戦いが起こるだろう。そして戦うのはおそらくなのはとフェイト。勝てれば御の字。勝てなかったら……
「か、かにゃめ……くん」
「……どうしてそんなに死にそうなんだ?」
「はや、いよ」
自分の体力じゃ厳しいって分かってるんだから無理して追い掛けてこなくても良かったのに……
アリサ「茶番が続いたわよ!」
すずか「そうだね。本編にも出番があったし良かったね」
アリサ「それで今日、3月18日はどんな日?」
すずか「そうだね。色々とあるけど、明治村開村記念日でいいかな」
アリサ「ちょっと待って。明治村って地方のレジャー施設なのにそれでいいの?」
すずか「博物館だよ。とりあえず台本には明治村開村記念日って書いてあったし。作者は地元が近いから遠足とかで良く行ったらしいよ」
アリサ「知らない人のために説明すると、明治村は明治の日本を再現した施設よ。建物の造りとかが明治のそれよ」
すずか「明治の著名人の家とかもあるね。色々と詰め込んだ感はあるよ」
アリサ「こんなものかしら」
すずか「毎月18日は米食の日でもあるんだって。お米食べろ!!」
アリサ「ではまた次回」